雪のしたで
音楽をまちがえて
わたしは物語のうえに
栞を置いた
巣箱のなかでくらすひとたち
かれらの樹のために
弟はすこし
楽器をさがしている
ともに食事をし
ともに祈ること
できるだけ静かに会話すること
ある日、天国から落ちてきた日記には
そう書いてあった
部屋のなかまで雪が
ふりはじめる朝
椅子のうえで、
花束のように眠る弟を
抱きしめるために冬がおりてくる
選出作品
作品 - 20170111_345_9401p
- [優] (無題) - ねむのき (2017-01)
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(無題)
ねむのき