「光がZero に等しい、」と、兎。銀いろの耳をふりふり、「赤い時 計から 今,
迫りでた カオ ス、わたしが 七カマドの耀に くべる としよう。」
11月の、森の陽はちろちろ燃えイノチが一途に発色しています。
「まぎれもない 辛抱が コップリ,コップリ 貯 えられ、」と、栗鼠。飴いろの頬づえ
をつき、「まがいものなく命 の 水になるから、まちぼうけの赤い時 計から 昔,
毀れた コスモ ス、まちどうしくて逆もてぎに 七輪,挿して いったよ。」
勝手の、土つき男爵たちは、押し合いへし合い泥仕合いしています。
どうやら垢ぬけ、コンロのうえでおしゃべりを始めたようです。
「秋の、縫い目には」
「 だれもが、」
「 摂理のスリープ,ストレイシープって いってた。」
「紅い実 は眠らず、」
「あぁ、」
「私はちっとも 眠れない。」
「空は、」
「砂糖菓子が哀しくなって揮発した」
「Indigo」
「ブルー,ブルー,ブルー。」
「片時も!」
「忘れてなかった、私の 靴。」
ぐつぐつ ξもおイモも想いも、ごった煮込んでいます。
あい色の、秋の夜長…
ちいさな泉のそば、トチの大木はみんなの暖かなお家です。
黄いろい大きな葉は、虫たちの暮らしの夢床です。
「古今東西,なにせ医学書にもないこと、この命の 水を、ホーホー捧たる筆に縒り
合わせて秘鑰にし、だれにもホーホー分かる様 つづる としよう。」とは、梟の、
金いろの胸づもり。
頃合いも煮えて、宵あんばいです。
宴卓は、ナベとなべてサラの白い花がさいています。
いま、耳をくすぐった・・
あの扉のベルは、風のいつもの挨拶でしょうか。
選出作品
作品 - 20161117_264_9270p
- [優] 廴の彩_zero - すずらん (2016-11)
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廴の彩_zero
すずらん