選出作品

作品 - 20160311_150_8683p

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第六曜日の骰子に中る天球想像家の結膜炎に於ける深海棲天使綱目の腐錆に附いて

  鷹枕可

    ―――
I,屈折しない極光、或は歌劇と時刻の諍う処
               ―― 


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   ――
II,今なき柩への手簡
      ――


階級支配の美葡萄が輸液される時刻、
  善悪からなる植物質肉体は黒檀彫像の傅く静葬室に一把の花綱飾を落した
    巡礼者達は総て薬莢-柘榴樹櫃を崇敬しながらも
       麗しい柩その電気工事である採掘場の部屋部屋を俯瞰したが
   下頤の白紫陽花は
 乾燥体の謀議への惹起に縁り型紙のカフスを鹹水瓶に泛ばしめた
     見よ、悪魔のイスラエル憧憬癖、天使の無調和に基づく鶏卵を息吹する季節偏西風は鑓の鈍角であり
    最後の密告人アントニ史は美釘を薇の素焼に合致せしめた
        そして歯朶は痴夢の鋳物であり乍ら奇蹟の新約を列記し
  整流調整器のアルミニュウム硬殻は
荒野に於ての房事と火葬を同じくする様に脱穀される籾殻の双眼を穿ちつつ
    緘口-臓腑の遙かな近似的様相を火薬庫の継母へ託つだろう、
  そして死後の影像は冀願をする骨関節に縺れ縺れた無棘蔓植物の額へ裂罅を来す、
      それは鏡台の黎明である


  ――
III,球体禽舎【円錐形地球工房】命数数奇骰子
          ――


既に臓腑の勿い人間達が績まれつつ繭の包帯を受けた
映像撮影機とは瞬断の聯なり
間隔には浸食された海岸の帆立船が遠近鏡に黒の燦然たる瓦斯燈を屹立せしめ
粉飾とは矩形の薔薇箱であるならば箱庭療法に於ける快癒は、
混淆虚実であった筈の自働階段は、
地勢の世界地図に一幅の静物を執り行った彼等の、永続の死の糧である種子
無窮身廊としての穹窿を闊歩する透明なプラスティックの裂罅は疱瘡より血の紫陽花を懐胎するだろう
然し過程は彼等虜囚の癒着、
華氏零度の存在観測計をも係る民間鍼灸医の詐術に基づき紛糾を励起せざるを得ない


 ――
IV,死後の葡萄収穫夫、貨物車の話言葉
           ――


少年期は速やかに颯颯たり、
     鞦韆の歌
   または楕円鏡の操舵員は黄薔薇水葬に被写された移植医の容貌を確かな印刷機に吐露し
  凹レンズの孤絶は堕落した叛意識的無知を斯様に晒した、
        一人ならず聯続するティタノスの踵には鶏頭花への蹂躙、
愈々潤滑な歯肉を鬱蒼境へ投影し
      唯物的実像-想像家の書肆に拠る趨勢、或は橄欖樹との癒着液
    懸る自働律は薔薇花圏の華氏、機械遠近法の死そして骨壺
  鉱脈の炸薬装置が現象体の純粋紡錘形を
        寧ろ礼讃頌歌に拠る蝸牛殻の様に衣類棚に置く
観念は肉体附属であり唯私的精神でもあるとするならば、
  観察眼は 迂遠にも自死過程の鐘塔建築家に齎された謂わば形而下的抽象態の地底であり
    旱魃の町にはアポロンの無蓋車が燦燦たる黒を撒き散らしていた


     ――
V,電気に拠る人体実験、痙攣の観測機
               ――



常緑樹花の終焉が往復動の薬莢ならば機械創造の美術家は一世紀程の乾燥剤を増加-膾炙せしめるべきだろう
細緻な修飾、鉤針に拠る鳥瞰眼、空襲機の墜落、その肉体像の静置は
或はオルフェの冥鏡であり、
鹹い純粋結晶は鉱体図鑑-型録に一束の銃剣を抛物として鋏み、腐錆を泛べるだろう
遙か塩の渓谷は鈍らな網膜病つまり建築への審議審問を復り
自他省察は凡その鋳物を散弾の飛花粉より擬似態へ転移しつつ
尚も破壊運動に基づく絶無を
咽喉が裂開する解剖台の血塊に於いて、肖像写真乾板を反転させるのか


    ―――
VI,死体としてのイデー、自働製紙所
            ―― 


死者竈闇鏡の云々
私属苛性白草の迷宮オートマタ広辞苑の漠々たる寂寥よ
訓戒血薬薬莢耳鳴琴の橘花紀
樹言葉絞首言葉の光つまり
観光客の無絶後溶解する砂時計伽藍部屋の鴫擡げる鱗茎節よ
石英溶融計-秒針影像時計白蜘蛛対置
機知枢軸は蓄膿橄欖葉蹄鉄体
球体クロルプロマジン溶液美容貌手術室
シッディム交響楽団
歌劇場は遺骸骨の吹き晒し
機械侏儒あなた
擬劇肖像俳優紙
転変遷移聴音機に多翼不織緞帳石裸婦ハルピュイアの飛散葉刎計
歯車-炸薬室わたし
レシプロエンジン麗句実験工房
地下階隔世の薔薇獄舎、籠目

第零世紀死都メトロポリス籠裂疵鳩尾椿事
瓦斯網膜天体室β鑰録
万物常軌無蓋馬車
凱旋門眼科医の長針
釣鐘≠釣鐘状遭遇邸宅建築家
地震計の振動子
あなたたち機械要素独身者
十二の抽象体-天球アンモニタル螺旋紙
炎を撒く一と傍線
辺縁幼時施術圧搾樹
地球肺腑、或はプラスティック復眼鏡既述の死

履帯財閥家家庭は禁錮房目録の辺縁
白樺は蒸気霧少年揺籃期
ダフニス樹像堆肥黴蝕現象学
因果律機構つまり雌雄両価の天球始源-ウラノス冥闇楕鏡静物
自在律わたしのヘクトル
交歓婚姻四方の季節窓
死の埋葬史或は除酵週間の為の十余り花婿衣裳磔刑爾後典籍
機関紙ガシュリン液膜の虹彩眼
鳴琴鏡叫喚秘跡四大経緯計の紙張子
菫色地球-石鹸創造過程の嘲嘲たるくちなはは梔子の雌花を麺麭以て穢すべし

死語録プラネタリュウム私続自働影像の観照
蒟蒻花と無謬意識野に震顫する経帷子裁縫家過失
アナソフィア受闇房多翼象徴学
扁平は鳩尾と葡萄樹なる奇蹟の姦淫運動抽象体
ブラウン氏鞦韆気体花瓶録
被子植物門秘積未遂死の弔電球体槽触媒管
天球創造柩体内穹窿は仮死薇
流麗嚢、叛知能
頭骸は青薔薇地球誕生忌

飢餓魔術劇箱庭美術管の約款
回線絶縁被膜躑躅花
わたし臓腑フラスコ綱蔓薔薇青年の濁奔流
力働無窮揺籃-嬰児殲滅の炎霰
刻一刻一刻一刻一刻刻刻一刻と石英グラス繊維紡錘車
飛行機史と熱気球呼吸する知識医の乾酪と衣類よ
あなた緞帳ヴェヌスの遺失
街燈広告パリの虜囚
緋螺子蝶番の鉄仮面とて
双子相似鏡像過程の樹茎に裂開せる鋭角迂路に過ぎざらむ、とはいへ

死亡通知郵便脚夫より000-000-0000への真鍮線放電室
ヒュドラ虫綱アドルフ目の臍帯
あなたたち精神病院の私以後より書簡
第四官界と水芙蓉の複眼結晶硝瓶機構、遅滞
十字閉架闡明者煽動
乾乳粉袋と美聖母子破壊運動の基礎剤よ
蘇生卵膜胚殻は姿位尺度と天球時計の弛緩麻酔手術医
地球自働昇降室
地下階は骨灰展覧会の切窓明闇ヘルマングリッド
煤竈蜘蛛のダンテル紙
滑車、蠕蠕と天蛾の白繭液
機械式鸚鵡貝、或は城塞建築家の私物としてのシアノイド鉱胎、個物史