選出作品

作品 - 20160201_471_8598p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


天体観測

  ねむのき

星座は夜空にあるのではなく
星をさがす瞼の
うちがわにじっと磔にされている

天体観測の距離で
微かに青みがかった
廃墟のような暗がりから
こうやって名まえをとりはずすため
動いている空間そのものを
先端に向かってそっと
押しひろげてゆく

瞬間
窒息しそうなほど
星が炎をあげて笑っていた
おおきな時間の隔たりさえもこえて
それでも肉眼で捉えることのできる
鮮やかな色と明るさで
笑いかけていた
とても小さな炎に見えたけれど
巨大な意味がそこで
燃えているのだとおもう