選出作品

作品 - 20141001_141_7682p

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じゃりン子チエのテツ最強詩人説

  ヌンチャク

リスペクトする詩人は誰や言うたら
有無を言わさずテツをすすめる
パッと見はどちらか言うと
『ウチは日本一不幸な少女やねん』が口癖の
チエちゃんのほうがポエマーぽく見えるかしらんけど
なんやかや言うてもチエちゃんは
家族思いのやさしい子やから
一分間の深イイ話は書けても
詩は書けん
良くてポエムや
『明日は明日の太陽がピカピカやねん!』
こんな感じ
僕は喧嘩と博打に明け暮れる
テツの詩が読みたい
こないだ帰りの電車の中で
JAの帽子かぶった酔っ払いのジジイと
ガイジのニイチャンが喧嘩しとった
ブタブタブタブタブタッ!!
ニイチャンはなんやわからん奇声を発して
激怒したJAが怒鳴り付けた
おまえ日本人ちゃうやろ!
日本語喋れ!!
ここは日本やぞ!
日本の法律で裁いたるど!
刑務所ぶち込んだるど!!
どっちの意見が正しくてどっちから喧嘩売ったんか
事情は知らん
せやけどテツならそこで迷わず
やかましいんじゃボケェ言うとったはずや
言えるかおまえそんなん
誰かて面倒なことには巻き込まれたない
家族持ちならなおさらや
子供に恥じない生き方しよう思て
結局それをうまいこと言い訳にして
いろんなことを見て見ぬふりしながらすまし顔で
波風立てず日々を送っとる
その程度のちんまい男が
ほっこりしたポエム書いて誉められて
何が詩じゃ
何が文学じゃケッタクソ悪い
ちんまい男のちんまいポエム
略してちんポじゃこんなものは
『オゴれる者久しからず
行く川の流れはたえずして
ええカッコしてる奴は皆地獄行き』
ちんちんぶらぶらソーセージ
その背中誰に見せんねん
『今夜、きみ、
快速急行に乗って
流星を正面から
顔に刺青できるか、きみは!』
て吉増に言われても
そんなん出来るのタイソンだけや
ネットポエマーにそんな覚悟も度胸もあるわけないやろ
威勢がいいのは文字の上だけ
生活に首根っこひっつかまれて
キャンタマ縮みあがっとるわ
せやけどテツなら
テツなら血走った目で歯ァ剥き出して
真っ先に拳骨でカタつけとる
おバァにシバかれても
ヨシ江に逃げられても
今日もチエちゃんにホルモン焼かせて
カルメラどついてミツルを脅す
言いたいことを言い
やりたいようにやる
シッピンクッピン『ポリコが来たらはいビスコ!』
なにがじぇーえーや
おどれが日本語喋らんかい
『人生は一日一日が完結編なんじゃ』
詩と拳はよう似とる
僕はテツの詩になりたい