ごちそうさま
長く永い みちのりでありました。
ひさしの
蜘蛛の巣ごしにみえる
青空は澄んで高く
深まってゆく秋です。
すこしすこし
冬はちかい
手をあわせる
まなざしは仄暗く
さしこむ影は
じっとうごかずしっとりしています。
だれもいない
丘の上で。
雲ひとつなく
産声がそよぎ
引かれあって在る
ひとつの観念
海がないで遠くを
みつめる。果して
みえるか。光が増せば
影の濃くなる自分は
影である。独り
回旋塔の葬列をみおくる
選出作品
作品 - 20130921_096_7039p
- [佳] 風光 - 腰越広茂 (2013-09)
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風光
腰越広茂