寂れかえることの
予め奪われているという
明け暮れの
振り出しに
潜り込む畜生
螺旋を辿り、止みがたく駆け下りて参りますと
、そこは春の水溜りでありました。駆け上って
くる彼らは、切り開かれた自分の腹のうちを観
察させようと、下腹を突き出し首は空を見上げ
てありました。彼らは前兆でありました。仕組
みという仕組みが展開され、彼らはアフリカで
ありました。重々しくトリトマが咲き乱れ、必
死に駆け上ってありました。私たちが合流する
地点、その土壌。つまり、
アフリカ
ベルベル人の足跡
サハラの砂溜まりに分断され
前兆の足踏みを始める幽霊
途方に暮れても
飯は落ちてこず
指先が壊死を始めます。そこに蛆が集るか、花
々が集る。どうしても辿り着けなかった「細長
い母屋」を爛れたそれで書き換え、私は告げま
す。何事かを告げなかったという、彼らの前兆
を告げます。私たちは、前兆であり、仕組み、
であります。つまり、
アフリカ
始端に指を合わせたら
そこから垂れ下がる凧糸を
引き寄せ、離す
知らない振りをして
人工言語で塗りつぶす
それは唯一の
それはそこにあって
そこだけにあって
それは、汚い丘の
選出作品
作品 - 20120511_729_6091p
- [佳] アフリカ - たけむら (2012-05)
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アフリカ
たけむら