小ゆびを切るくさで編んだ輪を
かみにのせて
する約束はいつかの
わたしたちの絶交のため
はなうたよりもかるい
つもりで走って
いってしまうひとのはずむからだ
は追わなかった
ひしゃげた
花を避けよろめく自転車
耳もとすぐそばで風が吠える鼓膜がさけてもただ前へ
突っ切って
するどいくさのアーチを秋を
くぐってまっすぐに降って
おどるハンドルを
つよくにぎって国境をこえると
わたしたちまち
どんな気持ちもおもいだせなくなる
選出作品
作品 - 20111001_427_5578p
- [佳] ちがうみち - 泉ムジ (2011-10)
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ちがうみち
泉ムジ