刈りとられ
跳びはねてなお
夜になると猥らだった
言葉たち
お前たちを
摘みとってゆく
六月の光は
私たちの熱帯に
ろ過され
打ち砕かれた先に
また
芽吹きはじめる
雨が降り
生命がすべて
ただになるのなら
虎もまた
その縞模様に
見失われ
におい立つ痕跡と
血しぶきもまた
私たちの熱病を
いっそう深くする
息をひそめ
怯えながら老いてゆく
お前たちの姿は
魚に似て美しい
選出作品
作品 - 20090624_163_3604p
- [優] (無題) - 石黒 (2009-06)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
(無題)
石黒