それはたとえばたいりょうの膿をたたえたみちひ
きだった、へいめんをいくたびかひるがえしなが
らすみわたるひとしずくがある、つらなりはたじ
ゅうにすがたをかさねながらはじらう振動をあめ
のおとのとおくにおいておいて、てでふれればい
っしゅんでりょうかいする
だから、いったいのひかりがまだだれにもふまれ
ずにいるそのうえで、かぜは可逆てきにことばへ
移そうするからふりしきるそれらをいつまでもか
ぞえおえることができないでいて、同時性とはあ
いはんするものの輪郭線をかさねることでぬりつ
ぶしていくから、うれしいもののよりぜんたいの
輪郭線をおおきくえがこうとするくさはそのせい
ちょうをとめた、だからまたわずかなむしがすっ
とあせたいろで消失するさいしみでるたねがくみ
こまれていく
だれがそしてなにがいたそしているのだろう、き
つねのようないきものがかおをつねにへんかさせ
ながらぶれていくそのパルスのようなノイズを、
いつのまにかじょうげにぶんりしたやわらかなじ
めんの流動のくりかえしが転調をふくませた通奏
低音へとかえていくから、いつかかわることをわ
すれるくらいの等比的なげんそくで単位音へひき
のばされるそれをけいそくできないじかんののち
にあるしゅんかんにおいて遷移させようとする
うみのおとがきこえるからわたしはどこにもいら
れない、くうかんの圧縮と伸張がふうけいをおり
まげるのでわずかなみずさえひかってみえる、ゆ
れるくさはわたしのせなかよりずっとうしろに焦
点をあてててをふっているようにみえる、たいよ
うはみあたらないのにあかるさはわずかずつへん
かしてあかるくなったりくらくなったりするもの
のここはずっとまひるにみえる、いくつかのくさ
がわたしのふくのきれはしであるようにみえる、
わたしがどこにいるかはもんだいではない
ここでよみあげられるかずはすべてじゅんばんを
みうしなうから、きりがでてくればふちゃくした
かずがかぜにしたがい配置をかえてなんらかのも
ようがえがかれつづける、それをかずいがいのも
のでけいそくしなければならないから、あらゆる
ものがべつのものとしてあるここで、こきゅうで
はないこきゅうをして、みえるものとみえないも
のと、くさにうつるとりどりのひかりをみていた
選出作品
作品 - 20090312_528_3384p
- [優] 平原II - 田崎 (2009-03)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
平原II
田崎