選出作品

作品 - 20080220_451_2620p

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サンデーモーニング

  はじめ

昨日死んだ土曜日の残骸が日曜日の朝の心に残っていて
それが更なる眠気を誘う
一週間で一番最悪な曜日
マルーン5の「サンデー・モーニング」を聴きながら優雅な朝食
この大きな豪邸には自分以外一人しかいない
それに対する空虚感と同等の心のそれ


プールで一泳ぎした後に
君からの着信に気付く愚かな自分
君は太陽のようで
やはり土曜日の残骸と本日の空虚感を蒸発させてくれて
君とのセックスは昨日やるべきだったと後悔
空には陽が焼き付けられ 邪魔な雲と一緒にブラジル人達に引っ張られる
この世界は創造物に満ちていて
昨晩 神様は夜空に星を浮かべられた
ビルに聳え立つ満月は巨大な蜘蛛に喰われ(月食)
海に沈んで蛍光ペンで塗り直した朝日はいずれ猫の子宮内膜に中心着床するだろう
そんな絡み獲られたサンデーモーニング


運転免許証を持っていない二十三歳の恋人とドライブに行く君
オープンカーでは「サンデー・モーニング」をエンドレスリピートで流し
「もう午後よ」なんて微笑む顔
満月は物凄い音を立てながら破片をぼろぼろと零し
巨大な蜘蛛のゲップが雨雲を創って
蛍光が流れ落ちたふにゃふにゃな太陽はブラジルの二次元世界へさようなら
それらを置いてきぼりにして走っていくと神様は星々に次々と射精し
女神は生理の時期だから和式便器型宇宙にヤンキー座りして排卵
それらが混合し地上に降り注ぐが精子はがびがび 腐った甘い血 月の内臓の匂いの雨


一次元のハイウェーでは存在できない当たり前
二次元の夕暮れ 君と手を繋いだシルエット
三次元の音楽と意地悪な人達
四次元の宇宙を映した心に生えた翼で動物アレルギーを引き起こし目と喉がむず痒い