おわりがたがやされて
ひらかれてしまった
はじまりはいまだたがやされずに
とじられている
わたしたちのおうこくのたはたのように
どこかとおくをみつめる
しっちたいにあつまった
はなばなのむれよ
わたしたちのおうこくのかなしいつきよ
そしてたいようよ
わたしたちのこのゆきのおうこくに
きょうかいせんを
わたしたちのひめいは
ひつじたちのあし
わたしたちのかなしみは
ひつじたちのゆめ
ひつじたちがさんどねて
さんかいころぶ
あさはそうやって
うみだされて
はじまりはとじられる
よるはひつじたちのまばたき
ろっかいとんで
よるはうみだされて
たがやされたまま
ずっとひらかれたままになる
わたしたちのおうこくのゆめ
それはひつじたちのむれのつめたさ
わたしたちのこえ
ひつじたちのようもうにからまって
おちることをしらない
わたしたちのからだ
それはひつじたちのかなしみ
おわりとはじまりを
たべるひつじたちの
けだまから
ひる
わたしはせーたーをつくって
ふゆにそなえてひとりきる
選出作品
あらかわようこ
いかいか