選出作品

作品 - 20060811_031_1483p

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ヴァニラ

  れつら

コンビニまでふたりで歩いていくあいだは
噎せ返るコンクリートの熱
自動ドアがひらく瞬間の冷却
ソフトクリームをみながら
いつかきっとわすれてしまうんだねえ

どこかがつぶやく
ちいさな夜

手をにぎっている
消しきれなかった熱がたむろする血流
なんだか
え、なに
なんだか、ねえ
なにそれ
融和

からっぽのビニールぶくろの中
昼間はずっとふたりでねころがっていた
はだかで
愛撫をつづけたらきみがなくなっちゃうんじゃないかと思った
きゅうにさむくなるのはいけない
だからといってゆっくりさめていくのはかなしい


きみのあそこのにおいをおもいだした