虹色をきみにこぼした
そらを云うほどは見上げてなかったから
ことばが透明な箱の中とうとつにうまれた
星色の媒介をみおくる
海をきくほどは閉ざしていなかったから
瓶をゆらした琥珀のひかりがまっくらに
散らばり
足跡を消しさった永遠としおさい
こえを澄ましたままの清流が
桃色に染まりきったように
リリィ
こゆびつないで
どこかしらまでは
木々のざわめく暗い森を観て
いなくなってしまったの
かぜはうらぶれず恋人
スカーフをたなびかせ
ひやりのさすままに
どのくらいの硬直からたすけよう
リリィ
可憐で儚き一輪の
うえにはきっとひろがる
すませばまだなってる
とけこんだペルー糖のいろけ
ねいろが瞬時に死んだあの
あの街角で
まぶたのそばで夜をおさえて
リリィ
もうすぐたくさんの星のまんなか
選出作品
作品 - 20060513_913_1258p
- [佳] リリィ - キメラ・ル・グランティーヌ (2006-05)
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リリィ
キメラ・ル・グランティーヌ