突風に霞む草花
大漁の蟹が、水素の風船を抱え
窒息した正午
舞う無数の、紅白の吹雪く凧
蒙古斑が赤く濡れる
突風に浮いた車体
糸を引き急ブレーキに集る
熱い天道虫
檸檬に指輪をはめて
ぶれるおつむ
側溝にはまる
大気の
煎じた白眼
突風に浮いた前髪に超され
雨が走る
突風に空は一面の蛍
偽りの禁煙で霞む
白線の内側で
燃える温室の子午線
浅い水辺で
府抜けた広島は
積もっていく
しんしんと
しんしんと
選出作品
作品 - 20060102_063_870p
- [佳] Fake - t, (2006-01)
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Fake
t,