渋滞を編む車窓から
光を集束する夕日レンズ
いつか嗅ぎ合ったアルコールランプ
散り散り燃える雲の匂い
鉄橋で泣いていた少年は
手にこびりついたサビをなめた
収穫を終えた田園で
今日を締めくくる狼煙が上がった
夢
こんな虚しさ
ただの夢なのかもしれない
鋭い月を受け入れて
天空で揺れる銀色シンク
満杯になっていた星霜は
そろそろ順にこぼれていく
当然のように
急速に冷えていく手すりを握る
秋の温度を思い出す
選出作品
作品 - 20050705_774_297p
- [佳] 星霜はこぼれ - ヒズム (2005-07)
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星霜はこぼれ
ヒズム