さくら
ももいろの夕やけ
油彩の黒鳥が横切る
巨大な空の建築性は
すべて
心臓の枷を締めあげる
不思議な庭の王侯貴族
全身を煙で洗わせて
恍惚は
切実な逃避への青い旅券
夕陽差し込む浴室では
拭いきれない泥を
吸い出してみせた唇が
床に牛乳の薫り広げた
委ねれば
心くすぐる程の雨だよ
いつか人生が終わるなら
きみと二人で浴室がいい
選出作品
作品 - 20050402_973_153p
- [佳] 浴室 - ルイーノ (2005-04)
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浴室
ルイーノ