社殿には金属製の戸がついており、社殿自体もそう古いものではな
く、全体的にがっしりとした作りになっている。内部は暗く確認で
きなかったが、きっちりと施錠されており大人でも進入は不可能だ
ろう。
周遊路にも降りてみたが、上から見たときと同じく、意外にも視界
は良い。木立に遮られていても、人がいれば必ず分かると断言でき
る。
また、土を踏みしめる音や落ち葉や草を踏む音を立てずに歩くこと
も、子供には困難だろう。古墳入り口の濠にかかる木作りの橋も、
踏むと思った以上に大きく軋み、これはある程度遠くにいても聞こ
える。両親の耳にこれが聞こえなかったことは考えにくい。
周囲を囲む濠の幅は約5メートルから10メートル。もっとも狭い
場所であっても、飛び越えることは大人でも不可能だろう。水面は
淀んでいて深さは分からないが、子どもが短時間でこれを渡ること
も、到底不可能に思われた。
古墳の入り口(鳥居正面)は県道336号線に面しており、交通量
は少なくはないが人通りはまばらだった。美咲ちゃんの失踪が誘拐