◇ No.99 , '07/10/01 00:27:24 作成

2280 : -  - '07/08/17 05:04:52 *3

(本人の希望により削除)

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2282 : 操縦不能  狩心 '07/08/17 23:23:30

僕には ヒューマンストーリーが足りない
僕には ラブコメディが足りない
僕には サスペンスとホラーとアクションに彩られた SFしか残されていない

私はなぜ 氷のように固まる事が出来ないのか
私はなぜ 水のように流れる事が出来ないのか
私はなぜ 水蒸気のように姿を消して・バラバラに拡散する事が出来ないのか

氷(H2O)→ 水(H2O)→ 水蒸気(H2O)
氷(H2O)← 水(H2O)← 水蒸気(H2O)
なぜ、私は化学式で表す事が出来ないのか

血 滴る 生物は 泣く 涙  燃える 炎

血 滴る
血が滴っているので 私は滴る事が出来ない
涙 泣く
涙が泣いているので 私は泣く事が出来ない
炎 燃える
炎が燃えているので 私は燃える事が出来ない

役割は常に私の外側に存在しているので
私だけが置いてきぼりを食う事になる
私はそんな肉体である事に憤りを感じながら
操縦席のレバーに手を掛ける
そのロボットは
右手と左手の長さが違うので 物を運ぶのが困難である 
右足と左足の長さが違うので 体勢を崩すのである
右足と左足が張り付き 一本の足になり 両手を広げながら
案山子のように飛んで見せる スプリングマシーンである
右顔面と左顔面が かなりずれているので
頭の断面からは 脳味噌が溢れ出し
顎の断面からは 唾液が流れ出すのである
そして ありとあらゆる生殖器が 大きな口を開き
それらを噛み砕き 飲み込み 消化し 排泄し 原形も留めない メリーゴーランドである
上半身が常に後ろ向きで 下半身が常に前向きなので
赤ちゃんが誕生する「オギャア」という奇声と共に
へその緒の辺りから亀裂が生じ お母さんの名前を呼び始めるのである
右手が平泳ぎからクロールへ クロールからバタフライへ そしてついには 背泳ぎに進化した時に
左手がストレス性から来る蕁麻疹とアトピー性皮膚炎で 同時に発生する自爆テロである
右足がひとりでスキップをしたがり
左足がみんなでサッカーをしたがるので
他者も不在・自己も不在という、奈落の底へ滑り落ちるのである
右半身と左半身が かなりずれ始めて
一人の人間が二人になろうとするので 死んでしまうのである
上瞼と下瞼が夢の中で恋をしたので 目が安らかに閉じるのである
心は肉体の奴隷ではないのだから
すでにドアが閉じているのに さらにドアを閉じるのである
ドアを閉じている最中に ドアを開くのである
すでに靴を履いているに さらに靴を履くのである
靴を履いている最中に パンツを脱ぎ捨てるのである
パンツの匂いを勢いよく吸い込んで 自らの存在を確認するのである
パンツの匂いを勢いよく吐き出して 少しだけ世界が広がるのである

右手と左足が入れ替わり
左手と右足が入れ替わる

奇形人間は空中で爆発する  
破裂した私からは美しい血しぶき・
              ・・・
            ・・・・・・・
        ・・・・・・・・・・・・・・・
            ・・・・・・・
              ・・・
               ・
               霧のように拡散
               雫の形状で
               重力の方向へ
               したたり
               したたり かたまる
               血の雨を浴びる子供たちに懺悔
               拡散したものたちが
               世界に浸透する欠片

               肉体は肉体であるが為に 私には成れない
               心は心であるが為に 私には成れない
               肉体は肉体のみで独立し 私から旅立て
               心は心のみで独立し 私から旅立て
               残された私は 存在しない存在として 存在する
               残されたものは 私が私ではないという 私の証
               ・
              ・・・
            ・・・・・・・
        ・・・・・・・・・・・・・・・
            ・・・・・・・
              ・・・
               ・
そしてもし僕に ヒューマンストーリーが残されているとしたら
そしてもし僕に ラブコメディが残されているとしたら それは
サスペンスとホラーとアクションに彩られた SFの中で・・・

(血は流れたか?それはいつ?そしてどれぐらい流れた?何の為に?)
(涙は流れたか?それはいつ?そしてどれぐらい流れた?何の為に?)
(炎は流れるものか?炎が流れないものだとしたら、それはなぜか)
(血は固まったか?それはいつ?そしてどれぐらい固まった?何の為に?)
(涙は固まったか?それはいつ?そしてどれぐらい固まった?何の為に?)
(炎は固まるものか?炎が固まらないものだとしたら、それはなぜか)



炎は エネルギーである
炎そのものは 無色無形
炎の色と形は 何が燃焼するか。によって決定される 炎は

自らを、決定しない

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2277 : 荒地  いかいか '07/08/16 22:22:08

荒地


さようなら私たちの懐かしい荒地
実りを知らない荒地の春
私たちの残り香だけが香る
私たちの稲の家は
荒地の春に燃やされて
私たちは駆けていく
どこまでも遠くへ

例えば、例えば、と、
子供の様に聞く
それは私たちが知らなかった春
何れ会うことになるでしょう
あなたたち
私たちの乳母は未だに
狼の群れの中で
炎の晩をしているのだから
私たちは出て行ける
そして雨が、雷が
私たちの荒地を打つでしょう、
雨が止まる瞬間、
私たちは待ちましょう、
どこまでも長い時間の中で、
どこまでも下っていく時間の中で、


そして原野へ

私たちの野に開かれた田畑
夜、田畑につみあがる子供たちが降りてこない
私たちはそしてまた出て行くでしょう
私たちの背骨から生える
多くの原野よ
私たちの春を知らない
春の友人たちよ、
湿地帯を越えられない多くの友人たちよ
あなたたちが醜く引いた線も
いつかは雪に覆われて
この世から消えてなくなるでしょう
だから私たちは駆けていくでしょう
この荒野という緑の極地から
戦うために私たちの乳母が知らない原野へと
さようなら荒地へ逃げる春の友人たち

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2284 : ペンギン  みつとみ '07/08/20 22:29:37

一年に一度だけ、
わたしと母は、海草をとりに、
江ノ島に向かう、
その途中に、枯れ木の門がある。
昔、「厚生病院」と呼ばれた場所の前を、
母の運転する車で通る。
信号待ちで、助手席から、
裏庭はどこかと目で追う。
車窓にはりついた、
すねたペンギンのグッズが、景色の中に浮かぶ。

少年だったわたしは、
病院の裏庭で、
たったひとりで、
ウルトラマンの人形をもって、
笑いながら走り回り、
(あの曇った空を)
飛ぼうとすることに熱中した。

母が、急性の腎不全で入院し、
わたしは、ヒーローの人形を片手に、
父の手を、もう片手に、
強く握り締めながら、
母のベッドの脇で、
表情だけは笑いながら、うつむきそうになりながら、
必死な思いで立っていた。

六年後に、
父は、中古の家と、
だまされて購入した、別荘用地を遺し、
肝臓癌で他界した。

「お前は近所のひとが、
『お母さんの見舞いに、いっしょに行くか?』と声をかけても、
『ぼくはあとでお父さんと行くからいいんです』といって、
ひとをものすごい目で、にらむような子でね。
大人しそうに見えるけど、ほんとうはガンコで……」
母はハンドルを握りながら、
老眼で信号を注視する。
その脇で、
わたしは泣き笑うような顔を隠している。

走りだした車。
母の昔話を聞きながら、わたしは黙って、
窓の外を見る。
名前の変わった、病院の建物が遠くなる。
曇り空を背景に、ペンギンの黒い頭がゆれる。
(飛ぶことができずに)
海につくころ、雨が降りはじめた。

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2298 : 祈る  後藤 脇片 '07/08/29 22:53:15 *4  [Mail]

さようならを口にしてください
真空管のときが私たちを隔てている
針をとばす黒いレコード盤のよう
ふいに今をたぐり寄せないで

 舛花色の音いろを観ていたいのです
 満ち潮のうねりを
 僕に囁いてください

とぎれを
縫いつづける針のさき
生まれおちたときに私の耳にとどいた
さようならを聞きたいのです


盤の傷ついたところで、針はもとに戻って
ふたりは指先をからませ、さようならをなぞっている

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2301 : 境界  田崎 '07/08/30 21:36:10  [Mail]


 見はるかす奥まりに、灰色の吹きだまりが、零れ散る身で曲線を
引き入れ、こちら側の、青みの溶けた硫酸の雲まで、滴り落ちない
からこそ生糸の、弧を招き入れる、その街の対角線に沿い、雪のよ
うに猫が降り頻り、そうして二つに分離された街の境界を、一匹の
猫が、精確に歩いていく、その足取りを、静止して、遠く眺める私
は、雪原に向こうへ、点々と形成されゆく瞬間々々を、猫がかたち
づくる時間の連なりとして、やはり、静止しながら、じっと見てい
た、


 足跡よ、猫の汗に湿り、その体躯の重さ分、雪原の体積を空白に
して、あの猫の手足が、次々と新しい複製を作る、あなた方は、境
界となって、一つのものを、二つにして、あなた方の一列を、作っ
ていった猫の姿を、どんな思いで見ているのですか、


 上を見ると、雲から次々産み落とされる猫は、中空で、爪を立て
るように身を屈め、蝦のように反り返る、雪原に到達するのを待た
ずに、溶けてしまうから、あの猫達の空は、残像で埋め尽くされて
いて、雪原には境界が、ずっと真直ぐ引かれ続け、

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2297 : 時の流れ  凪葉 '07/08/29 22:37:38

  
   
   春、
   ゆらゆらと
   あやしげに
   雲に隠れて
   ぼんやりと
   外界を照らした
   ゆらり、朧月。
 
 
 
    夏、
    からからに
    地は渇く
    草の匂いを孕ませた
    風は燃えつき
    夕暮れに
    沈みゆく、夏の色。
 
 
 
   秋、
   はらはらと
   木漏れ日に
   焦げ茶色の雨が降る
   瞼を下ろした虫たちは
   安堵の中で
   夢を見る。
 
 
 
    冬、
    空気は軽く
    鳥たちの歌が
    稟と鳴る、
    空は澄み青く
    世界は静かに
    過ぎてゆく。
 
 

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2294 : 平原III  田崎 '07/08/25 18:23:16 *5  [Mail]

ひとつふたつみっつよっついつつむっつななつやっつここのつとお
ひとつふたつみっつよっついつつむっつななつやっつここのつとお、
くさのおのおのはじぶんをかぞえつづけるかぜにゆられるたびまた
いちからかぞえなおして、重力のいろは蛍光とりょうににているか
らひろびろとふりつもることであぶらのしきさいをその体表のうえ
にゆらしているそこは


平原ではない
ひとつともることでふたつともりふたつともることでよっつともり、
そうやって加速的にほしぞらのようになる表面はまぶしくなればま
たいっせいにきえて、はじめにともるくさをしることができないの
でくりかえすその現象をぼうぜんとかぞえつづけるそのかずに比例
してわたしからなみがうちひろがりまたうちよせてくるそこは


平原ではない
わたしからわたしになりそのわたしがわたしになることはねのあま
いにおいにとうすいすることにもにていて、あしはもうとうぜんの
ようにつちにうまっているからわたしはわたしがわたしであること
とわたしがこのばしょであることとの区別に論をくむことができな
いいっぽうでわたしはくさと相似だから、べつのわたしがずっとわ
たしをみていたそこは


平原ではない
そうちょうはずっととおくまでわけへだてなくきりになり、飽和し
たくうきは内包しきれないげんごをくさのもとへと結露させるから、
密集することで乱反射をすくなくしたきりのつくる垂直のすいまく
の、その無限にりんりつするはんとうめいのスクリーンのむれが退
化のこんせきのようにひとつとしてなにかをうつすことのないまま
きりにぬれていたそこは


平原ではない
おいていかれる、わたしはねむることでわすれるしわすれられたわ
たしはわすれつづけるしかない、いっこにこさんこよんこごころっ
こななこはっこきゅうこじゅっこいっこにこさんこよんこごころっ
こななこはっこきゅうこじゅっこ、くさはすこしだけ生長した、わ
たしのたいえきをあげるからもっとくさでありつづけてください、
わたしのねもともにすこしずつのびていく

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2295 : [tubeREstaurantBIRTHday]  香瀬 '07/08/27 02:33:04  [Mail] [URL]


[tubeREstaurantBIRTHday]






(“マカロニにんげん”)

管を、
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
+                                              +
+                すいこむようにくちにくわえて                +
+                すいこむように しろいものを                +
+                したでからめとって なかみを                +
+                ああ にがいにがいといいつつ                +
+                すいこむようにくちにくわえて                +
+                すいこむ  ように くわえて                +
+                くちに くわえて すいこんだ                +
+                くだったしろくにごったものだ                +
+                                              +
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
.                                             った。

白く
にごった
濁りのあるものだった
さかみち食道  くだる 
くだっていった
下では 戦争 
ずっとそらがちかかったせいです  
接近する青  負担が増す膝 笑う 
くだり ざか 
背中がじょじょに汗ばむ  汗ばんでいく  だるい
だるい
気だるい 靴底
に穴をあけるまで歩き続けることが目的だ
、と 豪語する風 
近似的なきもちをいだく
いだいていた弾丸
(まさかかすめるなんてね)
−風切音−耳たぶ−
が、あっちのほうへ いってしまった 
断裂 
くうかんの別離
赤いすきま  一瞬
ひらいた空白
空                                              白
そこをうめつくすような
空白空白の群れ  
おそろしいほどの親近感
(
なつかしいかんじ
)
どうせ  歩くことしかできないのだから 
深海魚と大して違いはないのだ
。
深海です
ここは深海です。

魚
がすんでいる
ので 目に映るものは全部液状であるのだ
から ほんとうはいつも
溺死 しているのですね溺死
しながらいきているということですね  
内壁 そこも液化マカロニ
けずりとられ
(深く、あるいは浅く抉られ)
たので修正
「ここはどこかしら」
からませたソースは、
ソースは精子
くちのなかいっぱいにひろがる咀嚼
おいしくいただく
おいしい。

とてもおいしい唐揚
(とれたて)
鮟ですか鱇ですか、たべた。
ついさっきまで いきをしていた
噛み砕かれても
すぐながされよう
座りごこちのいい便座
でていった 
はいっていた 
嚥下する ひっかかる  のど ねばねば
すこしこまる
みかぎられ鮟鱇
さばくときに吊るすフック状のものがいえにあります
それがベッドなのです
、毎夜毎夜さばかれる夢をみるの
みかぎられ た
(しょく)よく に みかぎられ た
浮上にともなう膨張
.       凝縮する                                  骨
.       崩壊する                                  肉
.       堕落する                                  鱗
くりあがった 視界
あたらしい海。

深海二本足の町へ出荷される 
すくわれないもの
いま、箱舟が出航する
(どこもあらしにちがいはなく)
稀に 含む とが
. 常に 孕む 
とが 嘘に 潜む
.  とが 口へんに愛とか
ふたたび
逆流する内臓  浸食
される 
食べられる 胃の内側から食べられる
「あれはだれの歯だ」
どちらがいったい食う側だろう
コウモン/クチバシ
出入口のちがいなんて 些細なものだ 
すてられた不安
地球の自転にあやかって
わたあめ  そんな灰色

「使用済みティッシュ」
タンパク質の死骸
凝固ですか 
もともとここにはなにもなかったのですよ
穴からからませること
で おいしい
餌が糞になる通過儀礼
ごあんしんください
(放屁)
たゆたゆと たゆたう くたも
(みなそこでたゆたいたいったい)
水                                              底
(だからこそ)、
(おはようございま)した。

陣‐
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
+                                              +
+ (しょく)よくを拒絶するほどの生命力                        排泄 +
+ のぞまない                                     排泄 +
+ のぞんでなどいない                                 排泄 +
+ 変化を内包する卵に祈るのだ                             排泄 +
+ (われるまえに 早く)。                               排泄 +
+ もう決して、うまれてきませんように、と。                      排泄 +
+                                              +
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
.                                             ‐痛。

(まもなく、戦場。):(“にんげんマカロニ”は食べられるために空白、)

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20070827_350_2295p


2292 : 東京  コントラ '07/08/25 07:09:52 *5  [URL]

暗い東京の夕暮れに、緑や黄色のいくつものランプが滲んでいた。
僕はただ黒いTシャツに汗を染み込ませながらタバコを吸い、
見えることの無い受話器のむこうの相手に、話す。
カセットテープのバラードが流れている。

あなたは国民の英雄で、そして伝説
ただひとり選ばれた存在

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20070825_313_2292p


2302 : (無題)  ユカ '07/08/31 00:00:37


小菅くんの金盥にゴルフボールが浮かんでいる
あなたは なぜ それを私のせいにするのですか
宿酔だというのに

ええ 確かに
もう誰ともサッカーを観ない
と言いました
そもそもサッカーなど観たくないのです
ですが
豆もやしの味噌汁を食いすぎて
背骨が膿み始めたため
刃物屋の店先に
ほらほら
「週刊ポスト」が落ちていますよ

本家の柿の木にシリカゲルをぶちまけた
七月の晴れた日を
スチールロッカーの中で思い出す
本塁打の世界記録が更新されるのは
いつもいつも
カタカナが読めるようになった日
ばかりで

チャンネル権に激烈な現代文教師が
アフリカン・ビートのうなりに合わせ
膝から崩れ落ちていくのを
純喫茶「奈落の底」
の看板越しに見ているのは
眠狂四郎ではありません
片や撞球場では
タキシード姿の男がレジ台に背を向け
空調設備を直視&黙読している

「企画運営部署に君もこないか」
「うちの宿六の稼ぎじゃあ
週に一度しか焼肉を食べに行けないんですよ」

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20070831_433_2302p


2299 : 硝子  溝 '07/08/30 04:49:53

あぁそうだ
今君は仕事中なんだろう
君と話がしたかったんだ
青い髪で黄色い顔の人間を
君はどう思うかい?

負けないつもりで描いたんだけど
今君はバイクに乗っているんだろう。
手を縛ったのは僕なんだ。
僕なんだ。

狂気を前にして
「お犬の大将みたいね」と言った君は
人が生まれたとしても
「はじめまして」くらいしか出て来はしないだろう。

亡くなるしかなかったんだ僕ら

その電話に、意外にも君は
「素敵ね」って言葉
きっと雲眺めながら言ったんだ。

空と海に溶け込むように
波へ入ったけれど「ダメだこりゃ」

空がどうしようもなく透明で
海がどうしようもなく純粋で
黄色い太陽の下 君が「どうかした?」って笑ってる 今。

ただ二人で生きて行ければいいと涙し、
あの衝動 波に侵され 丸く丸く転がっていた。

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2281 : THROUGH  LOVE  はるらん '07/08/17 15:22:43 *2

あなたの寝顔をじっと見つめていると
新しい包丁が欲しくなるのだけれど
あなたが起きているときはやっぱり
刃先1センチ折れている今の包丁でいいと思う

刃が折れたのは3年も前のことだけれど
その時のことはよく覚えていないし
また思い出したくもないと思うのはなぜだろう
あなたはたぶん その理由を知っているのにね

気が付くと ときどきあなたの背中に
包丁を向けている自分がいる恐いと思う
ハローワークの求人募集を見ていたあなたは
突然振り向いて「殺してみる?」とニッと笑う

テレビでは35歳の女が無職の34歳の夫を刺殺したと
朝から飽きるほどチャンネル変えても伝えているの
他人事じゃあないね、とまるであなたは
他人事のように言う、その神経がわからない

お米はあと2,3日分しかないみたい
私のお給料まであと2週間もあるんだよ
ラーメンをダンボールで買ってくる?
1日3食ラーメンじゃあ体が黄色く染まるかもね?

ビーチサンダル履いていつものスーパーへ
包丁の前であなたとふたりで立ち止まる
「新しい包丁買ってみる?殺す、殺さない、殺せば?」
あなたは私の髪を引っ張ってニッと笑って見せる

財布の中身はあと2千円どうしよう?
アジの干物99円を2枚買ってあと何日持つだろう?
アジの開きをひとつに折りたたんで魚の口の中に
私の指を差し込んで1本残らず食べてもらいたい

もう包丁なんて握らなくても済むように

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2311 : たのしみ  後藤 脇片 '07/09/04 16:01:18

よごとひごとまどわくのくもま
ろうそくのゆらめきならといき
ころんだひざのきずにてのひら
びりのかけっこにもほめことば

かるくひきうけたあとのおもみ
なつかしいけしきのいろあせる
しずかなこころのはしあらなみ
みかえりなどいらないぷらいど

くうもねるにもうつろのそらに
るすのひのたずねびといずこに
しかえしのあとのうしろめたさ
みなもにうつるほんとうのぼく

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2308 : 月夜  榊 一威 '07/09/03 18:42:52

冷たい床はひしひしと身体の熱を奪ってゆく
腕に刺した点滴の針がくらりと揺れる
ここは僕には似合いすぎる
ベッドに腰掛けた君が笑った
包帯は月夜に向けて溶け始め
僕の負った傷をあらわにする
闇に犯された部屋で
君と僕だけが呼吸をしている
転がった薬の殻で足を傷つけないように
今更だけどね と
君がまた笑った
僕はうまく笑えない
ここは僕には似合いすぎる
解剖用のメスが突き刺さった
コンクリートの壁に
じっとりともたれかかる
連れてってくれよ
僕は少しだけ口を動かしてそう云った
ガラスの欠けた蛍光灯が崩れる
音も立てずに
雲に月が見え隠れする
連れてってくれよ
何もかもが狂い始めている
時計の針がかろうじて動いている
永遠かと想った
でももう遅い
僕の左手首はもう月に浸食されている
君はそっとベッドから立ち上がり
僕の左目を鉗子で刺した
連れてってあげる
僕はとろとろと血を流す
コンクリートがひたひたと体温を奪ってゆく
もうすぐだ
君はけたけたと絶叫して笑った
訪れる月夜に向けて僕もかろうじて微かに  笑った

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2304 : ノイズ(当たり前になってきていた)  件 '07/09/01 10:32:26

生産工場がヒトを管理するなかで毎分230本生産されるナイフが通りすがりの被害者の成分表に含有されてゆく感触を肌で感じる行為さえ割りと今は珍しくないね。これも日常として大日本電信が全国的に配信を開始している。題名は「人を殺す」-殺人迄の方程式-(仮)

最新鋭のファーストフード店では店員様がお客の口に向かってスマイル零円を振り撒きながら経口栄養剤(サプリメント等を含む)を流し込むのが健康的とされ主流になり立派な対メタボリックシンドローム最新兵器スムージーと称し売り出されている。人間専用ガソリン販売中

葬儀屋では10親等迄の正式な親族が居る中で父親が葬儀屋の職員に手際よく組み立てられるとこれまた組み立て式の棺桶に横になり待機していた。お坊さんが帰りいよいよ式が終わるやいなやまた父さんは職員によって13分割に戻され母との会話もそこそこにさりげなくカバンに戻され次の仕事場に向かう組み立て式の父親と職員の後ろ姿。「父さん行ってらっしゃい」

結婚式では親戚レンタル業の会社が流行りで今ではレンタル父母レンタル祖父母おまけにレンタル兄弟レンタル甥っ子までが貸出しされている。(尚レンタル姪っ子は未定)激安大バーゲン一人24時間25000円またレンタル夫婦は24時間30000円

異常である事が今や当たり前で表を行き交う感情たちは酷く暗く恐ろしい無機のハズなのだが誰もが異常である事を誇らしげに掲げて歩いては金太郎飴を生産する。ジャガションっジャガションっ金太郎さんは何をしても同じ顏。「あっこの金太郎さん全体的にひしゃげてませんか?」
ステータス表示はきっと瀕死寸前


死は緩慢な物として僕達人間の意識には歪んで伝染し至極勝手な徘徊を繰り返してるね。夢遊病の浮遊体質

気が付くと僕も勘太郎に追い抜かれてふいと我に返り目が覚めると土に還る。でもどり行脚

「また明日が来るという噂で商店街は持ちきりです」所詮噂

白鳥座X−1は朝と夜の境目を飲み込んで気球を膨らまして遊んでおります。
萎んでペタリ

飛んだ跳ねたの茶番ギャラクシー創世紀

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2296 : 八月二十六日 八女  soft_machine '07/08/28 23:58:20 *3

全て乾いて
回り続けた
車窓に滲んだレールの錆が
鵲の群尾に一つ文字を願い 回る
回って、それは
草みどり 瓦屋根
白熱灯と傘 老女の舌先
流れてゆくのは
車窓に滲んだレールの錆が

県道三○一号線の朱に解ける午後
欄干をはだかの少年がバランスよく渡る
矢部川の支流に飛び下り
透明な太陽が飛沫を上げ
耳納連山の痩躯を揺する
棚田の幾つかは人手なく涸れて
コブラの飛行演習だけが盛んで
発電所はいつの間にか送水管を無くし
遠く街の方から巨大な煤煙が見ていた
レーダーサイトに反射して
あなたは それが美しいと言って泣く

問い掛ける
回り続けて
何かの沈黙に
竹を割ってゆく
熱風に静かな墨を滲ませ
問われたそれに
ひやっとして
あなたは それが美しいと言って泣く

裸布、筆痕、蕎麦の匂
山猫、産婆、黒雲の精
眼底に熱写された童唄の世界
枯れ果てた因習に耳を澄ますと
全て乾いて
剥き出しにされたそれ
私は神社の外で玉虫が割れて
ダムは日々懐をヘドロが膨らませていた
あなたは底々の家が魚に住まれ
水は足を膝まで歪ませ
凌霄花が道に垂れ
背中は鳴き続け
土葬の賑わいの裏で訪問者が
立ち尽くし帰れないでいる
深い谺に侵されてゆく廃屋
届かないもの
夏は今年も本当の姿を見せぬまま
空は真空で敷かなく蒼でない
通り雨が土間を這うそれが
白い筋が闇に浮ぶそれ
骨を濡らし始める
遠ざかるもの

豚舎の娘が宿題の絵日記を抱え込んだまま
明日を考えることもなく活かされ 許され
仔牛は干草の重さで 諸事の芯を嘗め取り
命の短さを嵌めあい 眺め尾を振る
饒舌で無血な
陰りない陽光
赤子の夢見
線虫の蠕動
へそのおに静かに湛える
爛れたアスファルトに砂を敷く

全て乾いて
回り続けた
車窓を震わす孤りきりの汽笛
マンホールに僅かな塵が降り 回る
回って、それは
団扇風 蚊屋遊び 梟の密会
山火事 腐った畳 蛍の葱灯
歪んでゆくのは
あなた 遠く手招く遥かな海






  鵲=かささぎ
  朱=あけ
  解ける=とける
  矢部=やべ
  耳納=みのう
  凌霄花=のうぜんかずら
  諸事=もろごと
  無血=むけつ
  蠕動=ぜんどう
  葱灯=ねぎあかり

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