◇ No.515 , '17/02/25 19:38:27 作成

9418 : コピペの街で、  泥棒 '17/01/28 13:01:56


パピプペポみたいな
そんな感じの街に住みたい。
楽しそうだもんっ!
僕は
コピペの街に生まれ育ち
ここにいる。
みんな似ているけれど
同じ人はどこにもいない
みんなでみんなを
ずっと無視したりされたりしながら
ずっとずっとこの街にいる
コピペの街には
存在しないものがない
いや
ひとつだけある

そう
絆だけが存在しない
昨日
僕は人助けをしたけれど
そこに
絆はなかった
風だけが吹いていたよ
そこに、

ガギグゲゴみたいな
そんな街には住みたくない。
ガラが悪そうだものっ!
やあ、
みんな元気かい
それとも死んでいるのかい
僕は相変わらずだよ
今日も
僕と君に絆なんて存在しない
そうやって
いつも心に
僕は砂漠をつくってきた
それなのに
そこには君の足跡だけがある
消えないんだなこれが
今も
そこに、

なにぬねのみたいな
そんな街は嫌だね。
きっと理屈っぽいからねっ!
わざわざ立ち止まって
いちいち感じていられない
コピペの街で、
何かひとつ理解しても
新しい謎がふえるだけ
いろいろな街から
さまざまな話題が無題のまま
つぎつぎに消えてゆく
海の向こうでは
透けて見えるらしいよ
感情のない表現とか
そこに
何か込めないとね
そこに、

さしすせそ
料理のさしすせそ
それを知っていても意味はないよっ
コピペの街
食料はすべてレトルト
蛇口から水がでる
それを当たり前だと思うなよ
道にヒビが入った
草よ
お前は踏まれて何を思うか
皮肉な比喩が
やがて雨になり
コピペの街も
どしゃ降りになるだろう
さよなら
僕もそこに行くよ
そこに、


ピピピピピピピピ
何かをしらせる音がする
鼓膜の奥で
それが潰れる音にかわる
コピペの街で、
毎日のように
新しい悩みができるから
僕には
もう悩みがないのかもしれない
もはや
悩みが僕に追いつかないのさ
君が
どこか遠く
らりるれろみたいな国から
ここへ来るなら
僕が案内してあげるっ
言葉が通じなくても大丈夫だよ
コピペの街で、
君が孤独を語るなら
朝も夜も
ずっと好きなだけ語ればいい
僕が
最初から最後まで無視してあげる
何も聞かなかったことにして
コピペだけしてあげる
感情まで汚染されたら
個性が邪魔をする行間から
君が見える
今日も君だけはきれいだよ
この街には絆がないから
君の孤独が
もしかしたら永遠に続くよ
ここに、

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9396 : クロノス  玄こう '17/01/09 02:46:05 *4



2008/05/29 05:19
『多摩川に捧ぐ』

とこしなえ
水の流るる
波まくら

配管を流れる水の音にホテルで寝つけないでいる
多摩川がこの大都会の何千万人の命をうるおしてる

上流は美しい渓流地
異界の地

わたしたちが直かに触れられない神々(カミガミ)たちのいてる場所

雨のふる天と同様に、雨音、その水音(ミナオト)はそんな世界から伝う音

水音のささやきに彼らの言葉があると思う

とこしなえ
みなおとさやぐ
多摩の川より


2008/05/30 00:05
『帰』

東京から新幹線で黙って夜の窓を眺めて帰った

近くの灯りは遠くの灯りを追い越していく

後方へ後方へと
カコ
、イマ
、、ミライ

小さな窓をすごいスピードで流れていった


2008/06/01 01:37
『イカロスの墜落』

われわれは空を見ない/
ただ残像だけがある/
ラジオ…イカロスの墜落/
単性生殖から自己増殖の海へと突き落とされた/
この一枚の絵を描いたパブロ・ピカソが/
何を描いたのか?/
オマエの生きた地の空から/
地上絵をして闘いきったのだ/

  \/
  \∨/
   ゙

2008/06/02 22:44
『しゃばふるしゃばふる』
|‖||‖|‖
|‖||‖|
|‖||
 家 家 家
雨やまぬ

あしたの天気は晴れ曇雨もよう?

傘がない
人間さまのご都合だけがどうして
天人(アマト)の心にかないましょうか


先日、座禅に行った
自身の持っているなにがしかの選択迷いを話した

さっきの天気にまつわる話
私たちは天気や季節に合わせて生活をおくる
多大な恩恵も受けている
そんな気持ちであなたの身辺を眺めてみては…

と、説教された


2008/06/08 23:38

『西行法師よ』

俺は庵の酒場に居てる。「宇宙」という語が何処から来たのか?科学用語じゃなくて、インド哲学からだときく

喫茶店のコーヒーを酒場で飲み、こずんでる白いカップにこずんだ黒いわっかを見ている

誰も知らない誰も書かない
産まれたての赤ん坊のような、虹のわっかが
真っ黒いグロい夜空の
スプーン 。/
    ♭
産まれたての赤ん坊のように、生きとし生けるも
みな、みんな、浮き輪


 西行法師の一句
“かざこしのみねに咲く花はいつさかるとちるらん

 ∩
⊂*⊃
 ∪ 

西行が俺の故郷でおとした歌


2008/06/13 19:04
『帰中、初夏候』

 足
  足
 足
  足
 ゛
  ゛
歩く

もう今年もはよから暑いっな
なんで、もっとこう
ゆっくり季節が巡らないかな
みんな歩くの早いしな

横断歩道立ち止まる
信号ぱっぱ変わる時、
見上げたところにお月さん
青空な
南東45゚
にじっとしている
あれはな 止まっていてもあしたには
空をひとまわりしてるから
あっ

また忘れた、宿題本
んもう明日、仕事休め休め

歩くのは俺が遅いっか。
6月半ば
7、8、9、は夏かっろな

金曜日は、なぜかホッとする週末だ
んで決まって
気を抜き
けつまずくんだね
よう注意だね


2008/06/15 00:44
『俺たちが世界を牽引してる。』

みんなと会えた 素晴らしいひとときだった きれいな声を奏でるギター弾きの歌唄いさん (この街で一番と勝手に惚れ込んでいる) 汗臭かったアンコールワット帰りの、同い年ちょい上か?建築士さん 旅行の精密なスケッチに感動した それからこの街の三大美人*の店のオーナーさん、あと、昼はケミカル開発 夜はこの店をきりもりする メガネがとびきりキュートな理系の女の子も オイ!! 組合!と怒鳴りながら肩組んでくる客のじぃさん みんなすっごく自分の生き方に尊敬と誇りを持っている

みんなの肝臓にはついていけないが、この世界は俺たちが引っ張ってるって議論するんだ、彼らと朝まで



2008/06/17 23:56

『月をぞ ながめる
   よすが(縁)にも』

薄らいだ雲間より月影照らす
同じ月を見あげるよすが
待ちわびて
きのうを省み
あしたを省み
ひとよ一日
しいては我が幾百余を省みどれもこれも
痴れごとだ
南向かいの空から正面きってわたしを見下ろす月があった
今から800年の昔かの歌人
西行はこの地で同じ月を見て
決して笑うことなど許されなかっただろう

かくゆう
「美それは人の嘆き」と西行は説く

私は嘆くより
笑うことのように生きてきた、…恐らく

お月さんが笑ってらあ
とは歌わないだろうな


2008/06/18 00:30
『月に吠える しれごとよ』

月に吠える
ことは今はもうない
荻原翔太郎

世にあらぬ嘆き、交わす憤怒、聞きわけのないダダ、(反芸術)ごとのように

私も
同じ月を見ている
映画か
あれもまぁまぁだ

…ようやくまた月が空に輝いてきた

南中のきざしから少しずつ西へとかぶく頃合いだ

早くもこの携帯のバッテリが落ちるのもきがかりだ


今日一日月が沈むまで書き続けたくなってる

なんて暇なやつ
じっと月をみ
焦点を合わすが
輪郭は二重にも三重にも分裂している

おぼろげに
おぼろかな
月ぞ眇スガめる
よすがにも
いまだひとつも
嘆きもみえず


焦点が合わない両眼に網膜を通じ
かすかな朧月をずっと見ている

結構がんばって、歌を作っても
あの月鏡に映し出される「これだ!」
という心境地は西行にしか詠えないだろうな

月がどんなふうに見えたんだろうか?

荻原も中也も月を見て歌っていたかもしれないけれど

あぁ比叡山が見える、愛宕山が見える

この屋上もあとわずかでなくなってしまうな

どこか住む場所を探すべしか

ちゅうか今、何時だ?



2008/06/18 02:04
『いまいつどきか』

地の暦は月の満ち欠けで知った
時計もカレンダーもないから
昔の人たちは私たちよりよっぽど月をありがたく感じていただろう

でも月ばかりでほかの星星にはどうも感心が及ばなかったと聞く…日本では

なぜだろ?
階段を降り
考え中
考え中
(部屋に戻ります画面が
もうそろそろ消えてしまうから)
消えてしまう?

あっ! そうか!!

きっとなんで?っていう発想が、ご法度だったんだろうな
世にきたすもののみを案じながらそれで充分だったんだろう

さあぁ一もう寝る
こんなうつつな夜更かしはあとにたたるし

あぁまた、あしたから
現実問題に直ぐ
終わり




2008/06/19 03:03
『スゲー書いたのにカキコありがとネ』

エモリっちに
全部消えちゃった
また書きなおさな
人はいつから…

僕らが生まれる前の時代から
地球があったから
自転
公転
太陽を一回り
それを生き物一個体が
外部から感じとってた
有機のリズム、生命時計

それから何十億年かたった歴史の履歴を
ただそれを万人がわかるようにつくったのは紀元前、なんとか人
えーっと今調べる
バヒロニアBC17
彼らが星座を作ったんだ
暦は文字に残した、エジプト、インダス、

そんなぁ知りません
本の知識だけの話やし
あなたが生まれた瞬間から秒針が回り始めたよに
ちっちゃい丸なんだ


2008/06/22 13:32

『ゴロはにほへと』

にちようびニチヨウ/ゲーちょっとまてえっ月曜むり/火曜は?もむりかよ
じゃあ水曜もむりっすよネ/だったら木曜日を目標に決めようぜ/えーっ出来んようなんていうな。/じゃもう一度土曜はどうですか?

はい一週間全部無理やりごろあわせ
どーも
いつか月ゴロ合わせ挑戦するぜ
イチガニサンガニチ
シクガカイ
ゴサツキ
ロカ
シチガハチ
サザンガクガツ
ジューイチニガサンガニチ  /"^`



2008/06/09 00:24
『6・く』

日が明けて6月9日
ロック ロック
クロック

緑色のライターを
ボトルネック変わりに
ギターをつま弾く

ハハハ
誰か笑ってくれ
いきれていさむなさんざん休まず
聞こえる音を一瞬間に言葉にする

今マックドナルドダックスフンド
大嫌いなお店で
コーヒーをストローでチュ



2017/01/08 *:**


  ((道の子))

  聞こえぬ声の
  温めた歌から
  声に出ぬ
  ぬくもり
  までも
  寡黙の包帯を巻き
  朝ぼらけ傾く
  刻こくと  
  ゆくり ゆっくり
  人は
  痛みや苦しみは
  移ろいゆき
  カサカサ踊る
  未開のひとりが
  腕をくみ
  道の人になろうと

  生まれるまえから
  死んだそのあとも
  沼地の静けさで
  寒さ暑さに昼に夜にと  
  あくびの顔したわたしは
  口を尖らせて案山子になろうと
  わたしはどこにも近づけない空のした
  わたしはいったいなにをしてあげられる?


  【自註
昨夜コンビニに行くと子どもが真夜中の3時半、ん?どこからか、子どもの泣き声がさっから聞こえる。伊藤園の自販機の薄明かりの下で、両の膝を付けながら、何かに向かって必死にせがんで泣きわめいていた、のが見えた。
その子は四歳と指で言ってくれるが、男の子は靴も履かず、裸足のまま、震えながら、『おうちはどこ?』『名前はなんていうの?』と聞いてもはっきりこたえられない。抱き抱え、その子がなんとなしに指さす方を一緒に歩き、おうちを目指すが、わからない。
もときた道のコンビニに戻りお店のバイトの青年と一緒に、、さすがに困りはて、とりあえず警察を呼び、引きとってもらった。……見つかるといいけどね。………そんなことがありこの詩が出来ました。


        *
       ・.・

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9416 : 埋まらない穴  哀歌 '17/01/25 11:21:57

埋まらない穴がある
まるで反射鏡のような
ステンドグラスのような
純粋と欲が混ざり合ったような穴
その穴は炎(えん)で艶(えん)を握っている
埋まらない穴がある
ちょっと覗けば入り込んでしまうような
寂しさと嬉しさが混ざり合ったような穴
その穴は円で縁を握っている
埋まらない穴がある

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9413 : (無題)  にい '17/01/21 23:19:25  [Mail]

青空を見て考える

人間て不思議だ
同じ体格と性格を持ったクローンはいない
無数の中にそれは一つ
感じてきた、見てきた、全ては、自身だけのもの

手に負えないくらい存在しているのに
なのにそれはブロックみたいに上手く組み合う

普遍的に感じてきた?  
でも考えてみてよ

私が今吸っている空気は
誰かが吐き出した空気が混じっている
あるいは誰かが乗った車の排気ガスを
私の知らない人達の

ほら、道端を歩いている夫婦を見て
女性の方にも男性の方にも
もっと良い相手は世界にいた筈だね

人間の綱の可能性は無限だ

私はこれから生きていく中で
じゃあ
何人の人間に会えると思う?

わかる筈がない!

青空を見た
笑えてきた

今もこの地上で
みんな同じ時間を過ごしている
価値観なんてひっくり返っちゃうくらい
すごいことだ

一つ一つはミクロン並みに小さい
一つ一つは精巧につくられた

自分自身は、
自分という存在は
きらめく素材だ!

自分が
待ってくれない世界にいること、て
何か意味がある、て


私は知っている

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9398 : 光色のコークレッスン  Kolya '17/01/10 21:33:59

もう何も書くことがなくなってしまった。と書いたら。書くことが始まる。書くことは終わらない。書くことは続いていく。たとえば、君が思いうかべるいちばん青い青よりもすこしだけ青い、青空を想像してほしい。その青空はどこまでも続いていく。そしてその青空を、よく見れば、すこしずつ移り変わる青色のグラデーションで出来ている。その青の始まりや、終わりのことを考えてほしい。なにがいったい終わるんだろう?そして、なにがいったい始まるんだろう?その青のいちばん青いところから、白が始まる。たとえば、君がおもいうかべるいちばんの白い白よりも、すこしだけ白い、砂浜を想像してほしい。その砂浜はどこまでも続いていく。そして、よく見れば、ガラスで出来ている。とても小さく細かいので、よく分からないが、いつかこなごなにしてしまった思い出の欠片で出来ている。その、君がおもいうかべるいちばん白い砂浜よりもすこし白い砂浜と、君がおもいうかべるいちばん青い青空よりもすこし青い青空は、すこしずつ移り変わる、思い出のグラデーションで出来ている。なにがいったい始まるんだろう。そして、なにがいったい終わるんだろう。光はどこから来るんだろう。思い出の光のグラデーションがある。そして、今、ここに降る光のグラデーションがある。それは、今という、未来に向かう、グラデーションだ。未来と、さっきの海浜を想像してみてほしい。その光景のグラデーションで、今が出来ている。(今、テレビでは、クリケットのプレビューが流れている。ボールが高くあがる。カウチ脇の窓から、飛行機が果てしなく飛びさる音。誰かのFacecook-Messengerの着信音。もう一本、ただの煙草を吸って、探偵のように、飛び出すつもりだ。)未来にも、降る光のグラデーションがあるように、そして、それもいつか思い出のグラデーションになるように。今は、今が、思い出と、未来の、グラデーションになるのを見つめている。それは煙。それは団欒で、ひとくくりの日常だ。そして、それは終わらずに続いていく。そのグラデーションを見つめれば、光の欠片で、始まらない今で、終わらない今で、もうそれからは何も書くことがなくなってしまうような、さっきの海浜からゆくりなく続いていく、光あふれる光景だ。

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9403 : 赤い川  三浦果実 '17/01/14 18:04:15


つたうきみの世は
三千世界でせう
おねえちゃん、けしうはあらず

かしこき姉に連れられる
それは最後の旅路
業病が告知されし姉 すでに親はなし
亡くして残されしは愚弟

身動きがとれなくなってしまったから
奇跡などと伝えきいた湯をもとめて三春へ
必死だった

死ぬのはこわくないよと
そう云われたら泣いた

新興宗教の施設みたいで寝心地が気になる宿
けれども久しぶりにふたりで寝た
目が醒めたら
天井をみたままの姉が
死ぬのはこわくないよとまた云った

部屋を出た
夜が明けだしの外の林道は
見下ろすと
赤い川の水面
五千回の生死をおもったら
帰ろうって

つたうきみの世は
三千世界でせう
おねえちゃん、けしうはあらず

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9419 : 2017/01/28  マカロニア '17/01/30 00:07:29

(実在する可能性がある/今後、実在する可能性がある電話番号が作中に使用されていたため削除しました。)

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9412 : 彼女の名前は愛という 2篇  おでん '17/01/21 20:37:27


 ― ラブポエムver. ―

いつの日か
彼女の手を愛した
何かを一つ奪うように
愛の欠片でも
彼女の手はいつも僕のポケットにあった
枯れていく日々が
今よりも愛しく思えるなら
砂漠の上の砂は
毎日形を変えている

彼女の足を愛した
雲よりも巨大な太陽が
西日の姿へ変貌する
白いベッドの上で
彼女の足を
指でなぞった
時計の針は着実に
時計の針を腐らせている

彼女の唇を愛した
冷たい
冷たい唇に
何度も唇を擦りつける
真夜中
ガードレールの続く海沿いの道
外灯の光に
彼女の頭の
小さな影が伸びている

 ― バラバラ殺人事件ver. ―

いつの日か
彼女の手を愛した
何かを一つ奪うように
愛の欠片でも
彼女の手はいつも僕のポケットにあった
枯れていく日々が
今よりも愛しく思えるなら
砂漠の上の砂は
毎日形を変えている

彼女の足を愛した
雲よりも巨大な太陽が
西日の姿へ変貌する
白いベッドの上で
彼女の足を
指でなぞった
時計の針は着実に
時計の針を腐らせている

彼女の唇を愛した
冷たい
冷たい唇に
何度も唇を擦りつける
真夜中
ガードレールの続く海沿いの道
外灯の光に
彼女の頭の
小さな影が伸びている

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9406 : 夏美 has a lot of poetry  kaz. '17/01/17 04:58:55  [Mail]

夏美 has a lot of poetry but she didn't write it. な罪が♪降り注ぐファンが回るまわる♪パワヤラを引いたことはあるかい?♪グワットモールを引いたことはあるかい?♪俺はその一人だ、みんなも引こう♪そしてぐわっともーるbotの存在を確認しよう♪夏美な罪が何度も繰り返されて、僕は狂った男の隣、頻繁に北に回帰していく時刻、♪は今まさに飛び出そうとしている。
生態学の生態を調査せよ。
ポスドクの毒を搾り出せ。
毒を以て毒を制するとはよく言ったものだ。
入れ♪ないことができる。他の先生が教えてる中で余裕で帰っていく。

♪今朝話しかけた女の子は元気だろうか。今頃技術の実習でもしているのだろうか。困ったときは先生に相談だ!

♪そして失敗だ。もうどうしようもない。魂の呼吸を、整えて、数をそろえる。0315。それで一万通りが減ったよ。リグナン生合成に成功したらいいなあ。Can you feel it?

♪ポストポスドクになりたい。しまいには変な研究発表したりして、色々楽しみ体温計。太田胃散の宣伝の曲を聴いて、僕は心から感動している。

♪現代にも姥捨山を復活させ、高齢者をどんどん山へ捨てに行きましょう、山は感謝の気持ちでいっぱいだ、ヤマハ。ピアノのように歌う、これが気持ちいいのなんのって、何しろ歌を遮るものは何もないのだから! ダカラを飲んで僕は気が狂ったようになる。大企業に就職できたらいいな、でも中小も面白そうじゃん。ジャン・コクトーちゃん黒糖なめなめ、なめたけの表面のように静かに僕はアトリエ化していく、タイマーが鳴っているのに気が付かなかったらどうしよう。そういうときは仕方ない。タケイ・リエ。カニエ・ハナ。カニエ・ナハだっけだっこ抱っこしたいんです負んぶに抱っこに子どもがついてうっかり鬱病になってしまいました。そういうときは相談だ、先生に! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹解虫。これでどうだ! 面白いだろう。へへ。ら。へ。ら。へ。ら。へらへらしてんじゃねーよ天使じゃねーよ自転車ねーよ帰れねーよふざけんじゃねーよ。減らねーよでも減らず口を叩きまくる今日この頃。ゴロゴロしております。喉が。お陰さまでゴホゴホしております。木を食べる魚について考えていた。セルロースを高密度に圧縮し分解して栄養源にしてしまうのです! 素晴らしい! ベクターを導入して我々にもその遺伝子を身につけるようにすれば、我々も木が食べられるようになる! 味覚? 遺伝子操作で麻痺させればいい。そうしてゴミばかり食べる人間を生み出せばゴミ問題と食糧問題は解決さ! 隊長! その方法ではかえって人口が増加してしまいゴミは増える一方です! なるほど。確かにそうだ。というようなことを魚は考えているのかもしれない。というようなことを僕は考えているのかもしれない。かもしれないかもしれない。かもしれない運転でいこう。朝吹さんに会いに行く日に、僕は心から凍えるようだった。ピピピピピピピピ。体温計が鳴る。体温は37.5℃です。軽い微熱ですね。それでも寒いということはこれから熱が上がるということですね。寝よう。そして体温を下げよう。

ひつぜつにつくしがたいかなしみが
かなしみをかなしみつくす
つくしになったぼくらの
ともだちのともだちのこともわすれ
ぼくらは熔融していくのでしょうか?
大いなる誤植を、今

まさにその通り。
ニュートリノに質量があるというのは昔から言われていた。でもなかなか証明ができなかった。それをスーパーカミオカンデで紙を噛んで髪を掴んで、証明したから偉いノア。の箱舟。ノヴァ。ノアズアーク。アニメの見過ぎだベイベー。米兵による射殺事故が起こりました。犠牲者は0にんのもよう。もようがえしたへやのなか、なかなかでてこれない、だからたまりかねてでていったのです。どっちだ? おんがくのしゅうえんに(さいしゅうえんそう? いいえ、ケフィアです。ライク・ア・ローリング・ストーン)になりたい、になりたいになりたいになりましたよかったね、あのやろう出席してたのに低い成績付けやがった、音楽に歌が入っているとつい僕も歌ってしまうま、らいくライク雷句誠の夜明け前を読み終わった。ほしがたのゆめをみて、ぼくはなにかんがえてるんだろう、なんてめいそうしてる、らしい。



♪  ♪

  ♪   ♪    ♪

♪   ♪    ♪     ♪

   ♪    ♪    ♪     ♪

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9432 : 即興テキトウ児童書気  野良猫ニャンコ '17/02/06 19:33:19

アルガズム ダダ 溢れて

小さなおじさんはひふへほぉー

アンパンマンはシンナー大好き

だから歯がない

あれはね、アンパンマンの妄想なんだよ

お爺さんは騙りました。

お婆さんは首を吊りました。

男女差別に絶望したのです。

平等になったら困るのは女じゃないかぁーーー!!

お婆さんの最後の言葉でした。

お爺さんはそれを見て、勃起したのです。

めでたし、愛でたし

我が息子よ

何十年ぶりに目覚めたというのだ!

お爺さんは歓喜の言葉をあげて息子を抱き締めたのです。

お爺さん、どこにいくの?

ちょっと湘南まで。

そう言って、お爺さんは海に帰ったのです。

こんな感動的な物語があっていいわけないのです。

人間はもっと崇高な生き物なわけないです。

欲にまみれて、金にまみれて、汁にまみれて

グダグダのヤミナベ

あれは三年前の冬で、僕らは大学を卒業する祝いのパーティーをしたんだ。

だれが言い出しかわからないけれど、ヤミナベをすることになって、みんなそれぞれ具材を隠して持ってきた。

鍋が沸騰したら、部屋の電気を消して、みんなそれぞれ具材を入れた。

あるやつはインスタントラーメンを袋ごと。
あるやつはカレーのルー
あるやつはポテトチップス

そして俺は、オナホ(使用済み)を入れた

ちがう、それは入れるものだ。

そして、みんなエイズになった。

みんな泣いた。

僕は笑った。

何故なら、私たちは一蓮托生だからだ。

リーダーの呼び掛けは弱気になった僕らの気持ちを奮い立たせた。

そして、みんな、弾の尽きた銃剣を構えて敵陣に突撃したのだ。

と、お爺さんが湘南に行く前に言ってた。

けれども、どうにも僕にはにわかに信じられない出来事だった。

何故なら、お爺さんは大学なんて行ってないし、

更に友人が居たとも思えない。

そもそも、オナホを買う余裕なんてうちにはなかった。

昨日はサラダだった。

雑草の。

逞しい程に生命力に満ちている雑草の。

ドレッシングはホワイトソース。

タンパク質が豊富なソース。

サラダ大明神が激怒してたけど、僕はむしろそれもありかな?

なんて、ははっ。

ああ、お母さんが読んでる。

いかなきゃ、そろそろ座禅の時間だし。

またねー。

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20170206_755_9432p


9423 : 全行引用による自伝詩。  田中宏輔 '17/02/01 00:00:08 *1



 それはぼくの口をついて出たけれど、そのたびにまぎれもない呪いとしてできるだけ離れたところへ遠ざけ、忘れようとした。もっとも不当な予感だったし、書きつけることによって、それが現実のものになるのを恐れたからである。「ぼくたちには不幸が襲いかかる必要があったのだ」なんということだろう、ぼくの本が陽の目を見るためには、不幸が必要だったのだ。
(エルヴェ・ギベール『ぼくの命を救ってくれなかった友へ』75、佐宋鈴夫訳)

 鳥と会話することを学び、彼らの会話が想像を絶するほど退屈なことを発見した。風速、翼長、馬力対体重比、木の実の公平な分配のことしか話さないのだ。ひとたび鳥語を学んでしまうと、たちまち、空中には四六時中、馬鹿なおしゃべり鳥どもがいっぱいいることに気づくのだった。
(ダグラス・アダムス『宇宙クリケット大戦争』エピローグ、風見 潤訳)

 いわゆる模範的なもの、賞讃に値すると認められているものが、この世にいかに益をもたらさないかということ、いや、むしろ害があるといっていいくらいだということについて、いずれそのうちだれかが一冊の本を書く必要があると思う。
(ノサック『弟』2、中野孝次訳)

『こんなことをしたってなんにもなりはしない』のである。
(ノサック『弟』2、中野孝次訳)

まるでそんなことは一度も存在しなかったみたいに。
(ノサック『弟』2、中野孝次訳)

わたしに語れるのはけっきょく自分自身の体験だけだ。
(ノサック『弟』2、中野孝次訳)

〈われわれと愛する者のあいだには、誤解などいっさいない。ところが人間たちは、愛する者を想像ででっちあげ、ベッドをともにする生身の相手の顔にその仮面をかぶせるのだ〉
〈それが言語をもつ者の悲劇なのだ、わが友よ。象徴的な概念でしかおたがいを知りえない者は、相手のことを想像するしかない。しかも、その想像力が不完全なために、彼らは往々にしてあやまちをおかすのだ〉
〈もとはといえば、それが彼らの苦悩のみなもとだ〉
〈同時に、それは彼らの強さのみなもとでもあるのだろう。あなたの種族も、われわれの種族も、それぞれ独自の進化論的な事情にもとづいて、はるかに落差のある相手を伴侶にえらぶ。われわれはつねに、知性の点ではるかに劣った相手を伴侶とするのだ。人間たちはといえば、自分の優越性をおびやかしかねない相手を伴侶にえらぶ。人間の男女のあいだに葛藤があるのは、意思の疎通がわれわれに劣っているからではなく、彼らが相手と深く交流しているからなのだ〉
(オースン・スコット・カード『ゼノサイド』上巻・2、田中一江訳)

「誰もすんなり退場なんてできないのよ」ローラが静かに言った。「人生っていうのは、そういうふうにはできてないの」
(マイケル・マーシャル・スミス『ワン・オヴ・アス』第1部・6、嶋田洋一訳)

 どんなものも、過去になってしまわない限り現実味を持たない。それまではただの踊り回る影でしかないからだ。?犧F??瓩箸いΔ里肋蘆未任△蝓?偶発的で流動的だ。高らかに歌を歌うのは?爐?のう?瓩世韻世辰拭?
(マイケル・マーシャル・スミス『ワン・オヴ・アス』第2部・13、嶋田洋一訳)

「でも」と彼はブルーノに言った。「もうぼくは以前のぼくではなかったんです。そして、二度ともとのぼくに戻ることはないでしょう」
(サバト『英雄たちと墓』第?吃堯Γ院?安藤哲行訳)

(…)脳裏に残っていたのはとりとめのない言葉、ちょっとした表情や愛撫、そして柱の断片のように響いたあの見知らぬ船の憂鬱げな汽笛の音ぐらいのものだったが、ただ一つ、びっくりしたせいではっきり覚えていた言葉があった、その出会いのとき彼女は彼を見つめながらこう言ったのだ、
「きみとわたしには共通する何かがあるわね、とても大切な何かが」
 その言葉を耳にしてマルティンは驚いた、というのも、自分とこの並外れた人間とのあいだにいったいどんな共通点があるのかと思ったからだ。
(サバト『英雄たちと墓』第?吃堯Γ魁?安藤哲行訳)

彼は若く、おそらく(それはほとんど確かなことと言ってもいい)彼女が好意を寄せ、関係を持つことのできる最後の男だろう。大事なのは、そのことだけだ。もしも、後で彼女が男に嫌悪感を催させ、その脳裡にあった記念碑を破壊したとしても、そんなことはどうでもいい。なぜなら、その記念碑は彼女自身の外側にあるものだから。この男の考えや思い出が彼女自身の外にあるのと、同じことだ。そして、自分の外側にあるものなど、すべてどうでもいいではないか。
(ミラン・クンデラ『年老いた死者は若い死者に場所を譲ること』14、沼野充義訳)

ハヴェル先生は、伝聞や逸話もまた、人間そのものと同じく老化と忘却の掟に従うものだということをよく知っていた。
(ミラン・クンデラ『ハヴェル先生の二十年後』3、沼野充義訳)

 彼女が歩くとき、あの脚がまさしく何かを語っていることにもう注目していたのかね? きみ、あの脚がいってることがきみにきこえたら、きっと顔が赤くなるだろうよ。
(ミラン・クンデラ『ハヴェル先生の二十年後』8、沼野充義訳)

これは人生においてよくあることなのだが、私たちは満足しているとき、傲慢にも私たちに差し出される好機をみずから拒み、そのことでますます幸福な充足感を確かめようとするものだ。
(ミラン・クンデラ『ハヴェル先生の二十年後』10、沼野充義訳)

 神として、あらゆることを知って永遠に生きるというのは、存在のありかたとしてはかなり退屈なものに思える。すべての文章をおぼえている本を読むようなものではないか。読書の楽しさは不確定性にある──まだ読んでいない部分でなにが起きるかわからないということだ。神は、神であることにすっかり退屈しているにちがいない。だから、宇宙をもっとおもしろいものにするために時間を発明したのだ。
(ジェイムズ・P・ホーガン『ミクロ・パーク』26、内田昌之訳)

誰が、おまえを作ったか?
(フレデリック・ブラウン『未来世界から来た男』第二部・いとしのラム、小西 宏訳)

だれがきみを作ったかは知らないというのか?
(R・A・ラファティ『このすばらしい死骸』浅倉久志訳)

どういう意味があるのかしら?
(ジェフ・ヌーン『未来少女アリス』風間賢二訳)

(…)「数知れぬと言ってもいいが、この地上における一切の不幸のなかでも」と、エレディアは身振りをまじえ、宮殿の避雷針を見つめながら語る。「詩人の不幸ほど甚だしいものはないでしょう。さまざまな災悪よりいっそう深く苦しめられるばかりでなく、それらを解明するという義務も負うているからです」詩人はわめくような声で、自己弁護を続けた。自分も不平の声をあげていたにもかかわらず、修道士は聞き咎めて詩人のほうを見、おしゃべりをやめずに心のうちで思った、泣き虫だな、この男、自分の苦しみと馴れ合っている、いつも死を口にしながら、ひどく用心深く庭園の石段を降りる。
(レイナルド・アレナス『めくるめく世界』34、鼓 直・杉山 晃訳)

一度に考えることはひとつにしておけ。深淵(しんえん)にせまるには、そっと手探りで行くのだ。
(ブライアン・オールディス『外がわ』井上一夫訳)

 不安になって、ハーリーは部屋のなかをうろついた。寄(よせ)木(ぎ)細工の床が、彼の足どりの不安を反響する。彼はビリヤード室にはいった。矛盾する意図に板ばさみになった彼は、緑の布地の上の球を一本指で突きやった。白い球がぶつかって、離れた。心の動きもそのとおりだった。
(ブライアン・オールディス『外がわ』井上一夫訳)

そこで何かが彼女をマントルピースの上のチューブに目を上げさせた。
(ブライアン・オールディス『黙劇』井上一夫訳)

 暖かな日には窓を少しあけて、そよ風にカーテンをはためかせる。喘息患者の浅く不規則な呼吸のように起伏する、ふくれあがってしぼむそのカーテンは、凝視するものはみなそうであるように、彼女の人生を物語っているように見えた。ほかのカーテンやシェードやブラインドの背後には、もっと悲しい物語が隠されているのだろうか? ああ、そうは思えなかった。
(トマス・M・ディッシュ『334』334・第二部・12、増田まもる訳)

 一台の車というものは、ロッティがいくら呟いてみせたり不服を言ってみせたりしたところで、しょせん理解できないような、一つの生き方を表しているのだった。
(トマス・M・ディッシュ『334』334・第三部・21、増田まもる訳)

愛が彼女を狡猾にしていた。
(トマス・M・ディッシュ『334』334・第三部・24、増田まもる訳)

(…)そんな音に耳をかたむけ、外の美しい光景を眺めながら、ぼくは思った。
(このすべてが永久に失われてしまうのか?)
その問いに、どこからともなくアイネイアーの声が答えた。
(そう、このすべてが失われてしまうの。それこそが、人間であることの本質なのよ、愛しい人)
(ダン・シモンズ『エンディミオンの覚醒』第一部・10、酒井昭伸訳)

「ぼくはいまその原因について、かなり思い当たることがあるんだ」と彼はおもおもしげにいった。
 そういうのは当たり前の話だが、その思い当たることというのが、一時間ののちには、別の考えになるかもしれないのだ。
(ジョン・ウィンダム『ポーリーののぞき穴』大西尹明訳)

そんなこと、ぼくの知ったことかい?
(ジョン・ウィンダム『ポーリーののぞき穴』大西尹明訳)

ジミーをいらいらさせるのは、そういうこまかい話である。
(ジョン・ウィンダム『ポーリーののぞき穴』大西尹明訳)

だが、フェリシティ・フレイにはそうさせるな。
というのは、きょうはきのうの一部だからだ。そしてきのうときょうとは、生きていることの一部なのだ。そして生きているということは、それぞれの日が大時計の振り子のように、カタン、コトン、カタン、コトンと過ぎて行くだけのことではない。生きているということは、なにかずうっとつづいていて、くり返しをしないものである。(…)
(ジョン・ウィンダム『野の花』大西尹明訳)

(…)彼はもの憂げにもう一度あたりを見まわした。「もっとしばしば町に来るべきだな。人間は飽食していると、他の喜びをすっかり忘れてしまいがちだ」ため息をつく。「ビリー、おまえにわかるか? 大気に満ち満ちているものが?」
「なんでしょうか?」サワー・ビリーはいった。
「生命だ、ビリー」ジュリアンの微笑は彼をからかっていたが、ビリーはどうにか微笑を返した。「生命と愛と欲望、豊富な食物と豊富なワイン、豊かな夢と希望だ、ビリー。それらすべてがわれわれの周囲に渦巻いている。可能性だ」彼の目がぎらぎらと輝いた。「美人ならいくらでもいるというのに、どうして通りすぎていった美人ひとりを追わねばならないのだ? 答えられるか?」
「わたしには──ミスター・ジュリアン、わたしにはわかりません」
「そうだろう、ビリー、おまえにはわかるまい」ジュリアンは笑った。「わたしの気まぐれが、これらの家畜どもの生であり死なのだ、ビリー。おまえが心からわれわれの一員になりたいと思うなら、そのことを理解しなければならない。わしは快楽だ、ビリー、わしは力だ。そして現在のわしの本質、快楽と力の本質は、可能性のうちに存在するのだ。わし自身の可能性は広大であり、無限である。われわれの歳月が無限であるように。だが、家畜どもにとってわしは、彼らのあらゆる希望と可能性の終わりなのだ。
(ジョージ・R・R・マーティン『フィーヴァードリーム』10、増田まもる訳)

 だが、やがて不安感がしだいに頭をもたげてきた。漠然とした、どこかおかしいという感覚が生まれ、見慣れた事物が新たな姿をとるようになった。
(ジョージ・R・R・マーティン『フィーヴァードリーム』12、増田まもる訳)

急にそれらの言葉がまったく新しい意味を帯びた。
(ジェイムズ・P・ホーガン『仮想空間計画』34、大島 豊訳)

(…)あの午後の静けさの中、下を流れる川の穏やかな呟きを耳にしながら、彼は雲が予言者の顔、雪原を進むキャラバン、帆船、雪の入江と絶え間なく変身する様子を眺めていた。あのときはすべてが安らかで穏やかだった、そして、まるで目覚めのあとの空ろなぼんやりとした瞬間のように、静かな快さに包まれて彼はアレハンドラの膝の上で何度も頭の位置を変えながら思っていた、項(うなじ)の下に感じる彼女のからだはなんて柔らかく、なんて優しいんだろうと、そのからだは、ブルーノが言うには、肉体以上の何か、細胞や筋組織、神経でできた単なる肉体以上に複雑で曖昧なものだった、なぜなら、それは(マルティンの場合には)すでにもう〈思い出〉でもあったからだ、そのため、死や腐敗から守られたもの、透明で儚(はかな)いとはいえ永遠性、不滅性を具えた何ものかであったのだ、それはミラドールでトランペットを吹くルイ・アームストロングであり、ブエノスアイレスの空や雲、(…)コメガの二階のバーから眺めたブエノスアイレスの屋根であった。そうしたものすべてを彼は柔らかな脈うつ肉体から感じたのだ、たとえその肉体が湿った土塊やみみずに引き裂かれる運命にある(というのはブルーノの典型的な考え方)とはいえ、そのときには彼は一種の永遠性を垣間見させることになったのだ、なぜなら、これもいつかブルーノが彼に言うことになるが、わたしたちはそんなふうにして、このもろい死すべき肉体を通して、永遠を仄かに見ることができるように作られているからである。そして、そのとき、彼が溜息をつくと、彼女は『どうしたの?』と訊いた。彼は『何も』と答えたが、それはわたしたちが《ありとあらゆること》を考えているときにする返事と同じものだった。
(サバト『英雄たちと墓』第?局堯Γ粥?安藤哲行訳)

「困難なことが魅惑的なのは」とチョークは言った。「それが世界の意味をがらりと変えてしまうからだよ」
(ロバート・シルヴァーバーグ『いばらの旅路』1、三田村 裕訳)

 ロナの足がロナ自身に告げた。アーケードへ行って、この雪の夜の光とぬくもりに包まれながら、しばらく歩きまわろう。
(ロバート・シルヴァーバーグ『いばらの旅路』4、三田村 裕訳)

 一九三〇年一月の末、カピタン・オルモスでの休暇を終え、カンガージョ通りの下宿に荷物を置くと習慣からほとんど機械的にカフェ・ラ・アカデミアに向かった。なぜそこに出かけたのか? それはカステジャーノスが、アロンソが一日中延々とチェスをやっているのを見るため。いつものことを見るためだった。そのときはまだ、理解するに到っていなかったからだ、習慣は偽りのものであり、わたしたちの機械的な歩みはまったく同じ現実に導くとは限らないということを、なぜなら、現実は驚異的なものであり、人間の本性を考えれば、長い眼で見れば、悲劇的でもあることにまだ気づいていなかったからだ。
(サバト『英雄たちと墓』第?孤堯Γ魁?安藤哲行訳)

彼の精神は死後でさえ、わたしの精神を支配しつづけている。
(サバト『英雄たちと墓』第?孤堯Γ魁?安藤哲行訳)

(…)そして彼女はフェルナンドのそんな仕草をもどかしそうに待っていたみたいだった、まるでそれが彼の愛情の最大の表現ででもあるかのように。
(サバト『英雄たちと墓』第?孤堯Γ魁?安藤哲行訳)

人間のもっとも親密な部分に向かう道は常に人や宇宙を巡る長い周航にほかならない
(サバト『英雄たちと墓』第?孤堯Γ魁?安藤哲行訳)

 教会の鐘が一度だけ鳴り、なにか不思議なやり方で、それが風景全体を包みこんだように見えた。ジョンにはその理由がわかり、心臓が跳びあがった。鐘の主調音から切れ切れにちぎれたぶーんと鳴る音の断片がこれらの色になったので、基本的なボーオオオンという音は白のままだ。さまざまな色がぶーんと鳴り、渦巻いて、神の白色となり、分かれて、もう一度戻ってくる。なんであれ、神はそれとどんな関係があるのだろう? いや、ここのローマでは、そんなことをいってはいけない。(…)
(アントニイ・バージェス『アバ、アバ』4、大社淑子訳)

想像力は、魂の一部じゃないのか?
(アントニイ・バージェス『アバ、アバ』6、大社淑子訳)

「きみのいってることがわかったらいいのになあ」
(アントニイ・バージェス『アバ、アバ』6、大社淑子訳)

「自分の良心に耳を傾ければ、答えてくれるはずだよ」
「神の声のように静かに囁く声のことですか」
「ように、ではないよ、メグ。良心は神の声そのもの、内部に宿る聖霊の声だ。聖霊降臨祭のための集祷文には、全てのことに正しい判断ができますようにと祈る箇所がある」
 メグは穏やかな口調で食い下がった。「でも、その声が自分の声ではないと、自分の潜在的な欲求ではないとどうしてわかるのでしょう。その声の言っていることは、自分の体験、個性、遺伝体質、内的欲求を通して考え出されたものにちがいありません。人間は自分の心の策謀と欲望から自由になれるものなのでしょうか。自分が一番聞きたいと思っていることを良心が囁くということはありませんか」
「私の場合はそういうことはなかったね。良心は大体の場合、私の希望に反した方向に指し示した」
「あるいは、その時、自分の希望だと思い込んでいたこと、かもしれませんね」
 だが、これは食い下がり過ぎだった。コプリー氏は静かに坐ったまま、古い説教や法話、よく使う聖句からインスピレーションを得ようとしているのか、せわしなくまばたきした。ちょっと間を置いてから、彼は言った。「良心を楽器、たとえば弦楽器として考えるとわかりやすいと思うね。伝える内容は音楽にあるわけだが、楽器をいつも修理して、定期的にちゃんと練習しないと、まともな反応は得られない」
 メグはコプリー氏がアマチュアのヴァイオリニストだったことを思い出した。今は手のリューマチがひどくて、ヴァイオリンを持つどころではないが、楽器は隅のタンスの上に今もケースに入ってのっている。
(P・D・ジェイムズ『策謀と欲望』第六章・51、青木久恵訳)

(伯爵夫人に向かって)おまえが?牘?宙の魂?瓩噺討屬發里砲弔い董△錣燭靴?、あの独裁者が自分自身のことを知っている以上に、よく知っているとは、思わなかったのかね? おまえのいう?牘?宙の魂?瓩世韻任覆?、多数のもっと下位の諸力も、その気になれば、マントのように人間性を着るのだよ。そういうことは、われわれほんの二、三の者にしか関係ない場合もあるがね。とにかく着られているわれわれは自分は自分のままだと思っているから、めったにそれに気づくことはないが、他人から見れば、やっぱり創造神(デミウルゴス)であり、慰め主(パラクリート)であり、悪魔王(フイーンド)であるのだ。
(ジーン・ウルフ『調停者の鉤爪』24、岡部宏之訳)

 彼女は低い天井を見つめていた。わたしはそこにもう一人のセヴェリアンがいるように感じた。ドルカスの心の中だけに存在する、優しくて気高いセヴェリアンが。他人に最も親しい気分で話をしている時には、だれもが、話し相手と信じる人物について自分の抱いているイメージに向かって、話をしているものだ。
(ジーン・ウルフ『警士の剣』10、岡部宏之訳)

 水が笑い声を立てている川のほとりで、われわれがいかに真剣だったか、少年の濡れた顔がどれほど真剣で清潔だったか、その大きな目の睫にたまった水の雫がいかに輝いたか、それを描写できればよいのだが。
(ジーン・ウルフ『警士の剣』17、岡部宏之訳)

 死の十年前、フロイトが人間を総括して何と言っているか、御存じになりたくありませんか? 「心の奥深くでこれだけは確かだと思わざるを得ないのだが、わが愛すべき同胞たる人間たちは、僅かな例外の人物を除いて、大多数がまず何の価値も持たない存在である。」今世紀の大半にわたって大部分の人たちから最も完全に近く人間の深奥を理解した人と認められている人物の言がこれなのです。いささか当惑せざるを得ないのじゃないでしょうか?
(ジュリアン・バーンズ『フロベールの鸚鵡』10、斎藤昌三訳)

 彼がわたしに望んでいたのは、もちろん、できる限り彼のように書くということなんです。こういう自惚れを持った作家たちはこれまでにもよく見かけたものよ。卓越した作家であればあるほど、この種の自惚れがはっきりしたものになりがちなようね。彼らは、誰もが自分と同じように書くべきだと信じているんです。もちろん、自分と同じように書けはしまいが、(…)
(ジュリアン・バーンズ『フロベールの鸚鵡』11、斎藤昌三訳)

 ナポレオンは死の直前、ウェリントンと話がしたいと願った。ローズヴェルトに会いたいという、常軌を逸したヒトラーの懇願。体から血を流しながら、一瞬でいいからブルータスと言葉を交わしたいと願ったシーザーのいまわのきわの情熱。
 自分を破滅させた相手の胸にはなにがあるか?
(オースン・スコット・カード『キャピトルの物語』第一部・4、大森 望訳)

人の心の邪まな情熱だけが、永く残る印象をきざむことができるのです。これに反して、善い情熱はいいかげんな印象しかのこしません。
(アルジャノン・ブラックウッド『妖怪博士ジョン・サイレンス』邪悪なる祈り、紀田順一郎訳)

「ガラス魔法がなくてもゴブリンに変わる人もいるのよ」とフロー伯母さん。「まっとうな世界よりも壊れた世界のほうが好きな人たち。そういう人たちは、自分たちだけが壊れていることに耐えられないのよ」
(ジェイムズ・P・ブレイロック『魔法の眼鏡』第十四章、中村 融訳)

人間は、自分の才能(ちから)を生かせる場所に行くしかない。
(オースン・スコット・カード『神の熱い眠り』3、大森 望訳)

「ポール」と彼女はもう一度わたしの名を呼んだ。それは新しいわたしにも古いわたしにも手の届かない、いや、わたしたちを形作った長官たちの目論見も手の届かない、彼女の心の奥底からのせつない希望の叫びだった。わたしは彼女の手をとっていった。
(コードウェイナー・スミス『アルファ・ラルファ大通り』浅倉久志訳)

いまやどんなことも起こりうる。
(コードウェイナー・スミス『アルファ・ラルファ大通り』浅倉久志訳)

すべての物事が新しく生まれ変わる前には。
(コードウェイナー・スミス『アルファ・ラルファ大通り』浅倉久志訳)

別の雲。
(コードウェイナー・スミス『アルファ・ラルファ大通り』浅倉久志訳)

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9431 : 余裕は無い  祝儀敷 '17/02/06 19:24:16

スクランブル交差点のあちらこちらで
余裕無い人達が両手をぶるぶる
すれ違い行き交う人の流れの中で
置き石のよう立ち留まり焦っている

黄信号 腕の残像 照り返る熱気
鳴り重なる足音 靴底の硬い音

四方に主要道 各斜めに細長いビルが乱立
摩天楼は濃密に空を埋めていく
それらの行間を人々の群れ塊は
石の裏にひっついているような
湿った虫のようわらわら進む
だけど余裕無い人達だけは足が固まったのか
前に進めずぶるぶるぶるぶる

クラクション 排気ガス 赤信号
日射に溶けるアスファルトはゆっくり垂れる
横断歩道は縞模様 各斜めに辿り着き
人々はざわつく午後一時

ゆらり人の流れに乗って
平穏にやり過ごせばいいものを
余裕無い少数の人達
彼らはその場にすくんでしまって
巨大なスクランブル交差点に点々と点在
紅潮した顔面に汗だけは絶えず噴き出ていて
無用の運動 ぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶる

男も女も老いも若きもいる
カロリーが消費されていく
眼球は小動物のよう泳ぎ狂っている
一体全体の大渋滞に騒音ばかりが増していくが
ただただ物も言えず移動もできず手を振るだけ
手のひらを下向きに手首を軸にして往復するだけ

轢かれない轢かれない 余裕無い人達
目立つ目立つ 道路に立って焦るだけ
轢かれない轢かれない 車は進めない
余裕無い人達が要石のよう
そこに立ち止まっているから
そこから動けないでいるから

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9434 : きみはおれのなまえを知ってる  中田満帆 '17/02/06 22:28:41 *1  [Mail]

   山田太郎氏、投稿の夜に



 おまえはおれのなまえを知ってるだろう?
 わたしはカミュをだれよりも読んでる
  ──そうかれはいった
 おまえのような若造にわかるはずがない
 ムルソーはアラブ人を殺したんだ
 太陽のせいでちゅよーなんていった
 わたしは若いころ、いつでもカミュを手放さなかった
 おれほどカミュを耽読したやつはいない
 それにわたしはカミュのような高等ぶったものなんか読んだことはないし
 そんものを詩に引用するやつがきらいだ
 ツェランやラカンだってその類だ
 あなたがたに忠告するが、
 野党連合の統一候補者がまちがっても親鸞会のセクト出身なんかじゃない!
 第一はわたしは信仰心なんか一ミリもない
 キリスト教は反吐がでる
 仏教はうんざり
 親鸞の仏教への姿勢、考え方、境地、思想、そういうものに興味があるだ
 まちがってもきみらのカレッジ・ポエトリーなんかには尻尾なんざふるつもりはないね
 おい、だれだ?
 おまえはだれなんだ?
 おれのなまえを知ってるだろ?
 わたしが内弁慶だって?
 おれが壊し屋だって?
 それがどうしたというんだ?
 きみら全員が職を持っていないからといって、
 わたしまで持ってないというのはうぬぼれの一形態にすぎない
 ε=ε=ε=ε=┏(; ̄▽ ̄)┛タスケテクレ!
 ε=ε=ε=ε=┏(; ̄▽ ̄)┛タスケテクレ!
 おまえらみたいなやつが安部の命ずるままにひとを殺し始めるんだ、
 もちろん殺戮は見えないかたちでやって来るが、
 おれはおまえらを絶対に叩きつぶしてやる!
 おまえらはてめえを天才だと妄想してるがな、
 自己評価と外部評価のあまりもの落差にほとんど
 陰惨なほど性格が歪んでしまった万年文学青年ちゃんなんだ。
 わたしにいわせるとお笑いでしかない。
 急性発達精神病だ
 もちろんわたしは自己評価と外部評価になんの矛盾もなく
 相手をズタズタに切り裂いてその正体を暴いてやれる
 内田樹先生がいってるように
 「外部評価が低く、自己評価が高い人間」を「バカ」という
 もちろんわたしは例外だ
 内田樹という自称思想家の抱えている心の闇がこれでもかと晒されていて
 おれはこの人の無意識の荒れたさまに痛々しさすら覚えた
 この掲示板にはわたしが必要だ
 自己批判のできるわたしが必要なんだ
 わたしは敬われるべきなんだ
 それをわからないやつには投稿資格を取り上げてやれ
 糞投稿のオンパレード
 これ、どうしろっていうんだ? 
 コメントなんか書けるシロモノじゃない
 まぢめにやってるやつはいつも割りを食ってるんだ!
 出てこい運営人ども!
 フォーラムを登録制にしているのになぜ投稿板をそうしない?
 これでは投稿者への攻撃や、
 投稿板への荒らしが自由自在で、
 投稿者の安心への配慮がいっさいない
 ダメ板であることを世間にさらしてるのもおなじだ
 では、どうして投稿者が安心して投稿できる板にしないのか? 
 フォーラムを登録制にしてるのに、
 なぜ大事な投稿の場を最低でも登録制にしないのか?
 おれはカミュをだれよりも読んでるんだ!
 わたしはカミュなんか読んだこともないんだ!
 荒らしや特定投稿者への嫌がらせを黙認してでも
 自由な投稿の場であることを選ぶというのなら
 それはそれでひとつの覚悟だ
 しかし、それではマジメに一生懸命、
 いい詩をとがんばっている人間はコケにされているようなものだ
 ホモ牛乳どもめ!
 おれに謝罪しろ、蛆虫はおまえらだ!
 おれに謝罪しろ、差別主義者はおまえらだ!
 ここには詩人なんかいない
 例外的におれしかいない
 詩人なら壁に向かって書け
 おれのようにひたむきに書きつづけるんだ
 おれはこれから詩を書くんだぞ!
  ──そう叫んでかれは壁に落書きをする
 おれはこれから詩を書くんだぞ!
  ──そう叫んでかれはひとに絡む
 おれはこれから詩を書くんだぞ!
  ──そう叫んでかれはみずからの匿名性を傘に来て他人の過古を漁る 
 おれはこれから詩を書くんだぞ!
  ──そう叫んでかれはタダの乗りをつづける
 おれはこれから詩を書くんだぞ!
  ──そう叫んでかれはいつまでもいつまでもおなじステップを踏みつづけるのだ

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9342 : 未女/ロールメロンパンナ複合  澤あづさ '16/12/12 22:28:38 *2

『メロンパンは未完成』と『焼きたて!!ジャぱん』で読んだのちコンビニで見た。メロンパンのつらの皮。降って湧いて去りまたもパン屋へ降りたシナモンロールに、凍りついている顔射の聖痕。男根畑へ散種したのが、たしかアクアシティお台場だった。ソニーでQRIOの踊りを見たあと、シナボンでげんなりしたのだから。

「それで、きみ、名前は。」
「ぼくはぼくだ。きみはきみと呼べばいい。」
「しかあれかし。」

所与。処女だったころカラオケで熱唱しながら、渡辺美里の『My Revolution』を男装の麗人と思い込んでいた。人を「きみ」呼ばわりする女を、ベルばらくらいしか知らなかった(アントワネットよりはオスカルのほうがましだ)からだが(マリーは?)『聖体でないならシナボンを食べればよいのに。』ミルクに薔薇を浮かべたような頬。顔射に薔薇のまみれたような化粧。百合から薔薇が咲くような比喩(掛詞)胎児のまま死にQRIO聖(きよら)なる。

「この丸いのがリンゴで、あの長いのがヘビだ。ぼくが名前をあげた。」
「わたしの名前は。」
「きみはきみだ。なにせほかにきみがいない。」

おもむろに、聖母と言えば百合。一世紀のイスラエルに百合はなかった。チューリップなら咲いた咲いたがそのチューリップもあのチューリップではなかったのですべからく。百合たるべきだった。(いま「おもむろに」と「すべからく」は本当に読まれたのか?)知恵の実がバナナでも、フルールドリスがアイリスでも同じく。ありさえすればよかった。ベルばらでは顔射を断れない。フランス人は神を「tu(きみ)」呼ばわりし、聖書は女性同性愛を知らず。

「しかあれかし。」

アダム(つち)に対しハヴァ(いき)の名は、創世記3章20節によれば、失楽園ののちアダムに定義された。同3章19節までかの女は、同2章23節に『人(イシュ)から取られたもの(イシャー)』と書かれた骨肉であった。その息により命は僕(しもべ)と吹き込まれたのである────対立する、と思い込んでいるその他を、踏まねばあたしへ行き着けない。知恵の実を食ったのでいまさら。

「ほかのきみが生まれるのなら、ぼくが名前をあげる。」
「わたしがあげる。」
「ぼくがあげるのはきみのきみじゃない。きみだ。」

女性歌手の「きみ」に違和感もない。なにせ女性歌人が『君がある西の方よりしみじみと憐れむごとく夕日さす時』(与謝野晶子)『も少しを君のかたへに見る海のなにも応へぬ波音を聞く』(寺尾登志子)『君がため散れと育てし花なれど嵐のあとの庭さびしけれ』(松尾まつ枝) 歌い継いでいる「君と僕」パン工場が魔女を焼いたように妹(いも)よ。女の末(創世記3章15節)よ。



妹よおまえが
先に生まれた

「もし世界にきみとぼくしかいないなら、ぼくらに名前は必要ない。地が妻を名づけた辻褄、ふたりではないと知っていただけだ。ジャムおじさんと愛の花の蜜のように、君と僕と。きみ。いきの絶えた対称を。ぼくが君ではないあかしに。」

夢が
ありすぎた
おまえの、めぢからを縁どる
焼き印に
蜜月に似たもろさがあった
剥がされるため化けたい皮の
人為的な弱みが

ロールパンナ(善)「見上げると空に雲が走り、いつどこにでもいる娘を象る。空のもとに海として母が映る。やがてひえびえと、娘が母の手を取るだろう。そのようにすでに、みなそこへ引き上げられた。どこから来ようと川が海へ束ねられるように。そこが息の束だった。」
メロンパンナ(飛行中)「見下ろすと海に波がうねり、いまそこにいる妹を象る。雲を姉として下へ妹が降る。やがてさめざめと、妹が姉の手を採るだろう。そのようにまたも、水底へ引き下ろされる。どこから降ろうとあめがつちへ束ねられるように。それは息の束なのだ。」
ロールパンナ(悪)「書きたいことしか書かれなかったあかしに。」

神から、割愛された
悪心
わたしはおまえの悪阻である
御前、花から生まれ
女からは生まれなかった

「作者よ君が女だとして、きみが生んだと言えるのか。植えつけられた男根から、どこまで行っても父しか来ない。この大根畑にすら花が咲くのだった。十字架様に。犠牲を根深く磔けるためにかつて。火刑の女囚が空を飛ぶという、夢が魔女と呼ばれ狩られた。去勢不安である。働き蜂が夢を飛ぶならそれは去勢不安である。ほうきのように束ねられて羽が、百花蜜から去りますように。様に。」



『美しい飛行の夢を、一般的に性的興奮の夢、勃起の夢として解釈しなければならないことに胸を痛めないでください。』
『女性でも飛行の夢をみるではないかという抗議をなさってはいけません。われわれの夢は願望を充足させたいと望んでいるものであること、しかも男性になりたいという願望は、意識すると意識しないとにかかわらず、女性には非常に多く見られることを思い出してください。』
(フロイト/高橋義孝・下坂幸三郎訳『精神分析学(上)』岩波文庫一九七頁)

『女性のかくも偉大な曖昧さは男性的な明確さや明瞭さの反対物として切望されている』
『彼女の欠点が大部分彼自身の投影から成り立っていることには、幸せなことに彼は気づいていない』
(ユング/林道義訳『元型論』紀伊国屋書店一四〇頁)

『悲劇の意味がますます失われてゆく社会形態の中では、いつまでもその公演のポスターが貼られ続けることはありえないであろう……。いかなる祭典をももっていないのであれば、神話は生命を維持しえない。精神分析はオイディプスの祭典ではないのである。』
(ドゥルーズ、ガタリ/市倉宏祐訳『アンチ・オイディプス』河出書房新社一〇六頁に、ラカンがオイディプス概念(エディプス・コンプレックス)についてのフロイト神話に対して、上記の警告を発したと書かれている。出典は書かれていない。きっと機械状に無意識の引用だった。)

『確かに夢はオイディプス的』
『volerの二重の意味での、飛躍と窃視のあらゆる対象』
(上掲書三七五頁と、河出文庫の宇野邦一訳『アンチ・オイディプス(下)』一八六頁を確認した結果、あたしの都合ですっかり二次創作した。)



百合そのふた重の花被を「男根がなければ愛せませんか?」二冊もろとも原作レイプする。「お姉ちゃんの生地ハァハァ、」妹も母もなく。「ラブメロンジュース顔射!」母も父もすらなく。あたしは男根畑ではない、と言いたいだけならだれでも言えた。どうとでも言えた。無意識って意訳でほんとは「それ」なんだよ。das Ich und das Es、まごころとばいきん、愛と勇気だけが機械状の精神。原罪って誤訳でほんとは「的はずれ」らしいよ。フロイトはユダヤだったみたいだけど、ああ。デリダも。

注1 デリダ/藤本一勇ほか訳『散種』(ソレルス論)法政大学出版局五二一頁
注2 ツェラン/飯吉光夫訳『息のめぐらし』静地社五一頁「歌うことができる残り」終連初行
注3 デリダ/林好雄訳『雄羊』(ツェラン論)ちくま学芸文庫五九頁
注4 新約聖書 新共同訳 コリント信徒への手紙一 一四章三四節

『あなた方に語りかけているのは誰なのか。それは「作者」でも「語り手」でも「機械仕掛けの神」でもなく、スペクタクルの一部をなすと同時にそこに立ち会ってもいる「僕」である。』(注1)『禁治産者の宣告を受けた唇よ、語れ、』(注2)『ある語る口のまわりに、この唇=傷口はくっきりと姿を現わす。』(注3)『婦人たちには語ることが許されていません。』(注4) あたしが歌えば罪だから詩にした。パン工場が魔女を焼いたように。束ねられて息がめぐらされませんように。

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