◇ No.318 , '12/04/28 23:41:24 作成

5957 : 近江  右肩 '12/03/24 10:37:03 *1

地球が
朝ご飯を食べている
おはし
おはしはどこだ?

石山寺縁起絵巻

トランクを開けたら
勢いよく飛び出した雲が
比良の頂の陰で
泣き始めた
飴はどうですか?
とりあえず飴を舐めましょうよ
ささ波の志賀
志賀に波の音

日傘を畳むと
レースの花はかたちを崩して
深い襞の中で寄り合っている
顔を上げると茶髪の前髪
三白眼
「舌が
乾いてしまった」
と言いました
乾いた舌を
見せるでもなく
言いました

ボートはちょうど

瀬田の唐橋 

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5993 : 悪いか  時乃 '12/04/06 21:15:17



キセルの煙 吸ってゲボ吐いた

スーパーで安売りされたトウキビを 学徒兵が凝視した
その時飛び出た哄笑が なんも見えない空でダンスしだしたで

キセルの煙 吸ってゲボ吐いた

知ってるか そのときのBGMはバナナジュースを腐らせてしまうんやで
あのバナナなんか、黒くなりすぎてハエが手を吸い擦り擦り吸い

キセルの煙 吸ってゲボ吐いた

だから おまえがどうにかして
あの時間を取り戻すために
真剣になって 言い訳考えて
結局無駄だったなって知るわけだ
歯ぐきと子音のスキマ縫い合わせて

吸って 擦って 吸って 擦って


「慎重に選考を致しましたが、残念ながら貴意に沿いかねることとなりました」


まだ足りない
吸って 擦って 吸って 擦って

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6002 : 偽の植物園  水野 温 '12/04/09 18:41:55



蒼穹ということばのなかにきえてゆく鳥の声が
とりかえしようのないあえかな記憶の
みずみずしいうそを
傷つけている 

そしてわたしはきみにはもうあたえることができない

いうよりはあたえるものさえも思いだせないままに秋の
蒼穹のなかにきえて
ゆくのである 鳥の声は。 (あざやかな
黄金状の死のなかで倒れふす男の夢が
反復され)水の気配がしずかにひろがってゆく。

    ありふれた風景がひろがる秋の植物園のまぼろしが
            陽射しのうちがわにおりこまれ

思いだせないもののおもさが
枯れ葉いろの空白ににじみながらしずんでゆくいたみを
すこしづつずらしながら
鳥の声をきいている

きいているのはだれだろうか
わたしではない。

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6001 : ブリキの勲章   '12/04/09 10:04:23

新しいものを探しています
新しくなければ意味がないのです
今まで誰も見たことがなければ
何の価値もないのです

あなたは古い
あなたの帽子も古い
あなたの言葉
あなたの思想
何もかもが古い
あなたはカビの臭いがする

ボクは新しい
ボクの思想
ボクの言葉
ボクの靴
すべてが新しい
ボクは新しい扉

だからボクは
ブリキの勲章をもらった
ボクに恐れるものはない
だって胸にはブリキの勲章
ボクには使命がある
古いものの破壊
愚かな人々の追放
ボクは頭に勝利の旗を突き刺す
そして飛行機を真似て疾走する
両手を大きく広げて
新しい世界を飛翔する

今や世界は頭を垂れて
ボクの足元に跪く
すべての思想と哲学が
ボクの靴に口づけする
ボクの革命は始まったばかり
そんなわけで消えてください
勲章を持たない人たち
ここは新しい世界なのです




そこまで一気にまくし立てると
彼は射精直後の様な表情になった
もしかしたら実際に
パンツを汚していたのかも知れない
それから彼はガニ股で
私の前から去っていった
どこからかサーカスの音楽が聞こえる
それに合わせて彼が揺れる
彼はクラウン?
いいやピエロだ
私のような老人は
昔から山ほど見てきた
彼のような若者を
古臭い複製品を
彼の思想も
彼の言葉も
百万回は見聞きしてきた
所詮はそんなものなのだ

忠告してやろうかとも考えたが
次の瞬間には諦めた
彼らは決して聞く耳を持たない
ずっと昔の私のように
ブリキの勲章を胸につけて
ガニ股で歩いていた私のように

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6004 : 孤高の虎  二階堂新館 '12/04/09 22:22:30

今宵、三日月眩しく
夜風唸る崖の上
疎らに咲く星々を
浚う暗雲虚しく
遠吠え響かぬ空の下
ただ傍で根をはる
枯草のみ涙憐れむ



虎そびえる岩山
見つめる地平線に陽は還らず
狼群れる荒野を傍観し
喰われる兎を悲しむのみ
彼方から狼の雄叫び
その姿月光に擁され
声は天に召す勢いである



孤高の虎無に等しく
鋭き牙ついに錆び果て
寂しき一本道俯き歩む
褪せた虎斑を縮ませ
明日を祈らんと
孤独な旅を続ける
覇者の面影すでになく
空睨み叫ぼうとも
流星の如く闇に霞む

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5988 : 人は知る  柏原一雄 '12/04/04 15:11:08

人は知る

生を受け 意味を知る

人は知る

地に落ちて 在り方を知る

人は知る

愛を受け 心を知る

人は知る

時を経て 験を知る

人は知る

日々を過ごして 老いを知る

人は知る

死を迎え 業を知る

人は知る

天に召されて 生を知る

人は知る

生きる事とはこの繰り返しだという事を……

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5986 : サクマ式  大ちゃん '12/04/04 10:19:21 *30

             


                  Little Buddha 

               サクラ草
               空を覆いはしないけど
               うつむく僕に
               微笑みくれた


               サクマ式         

               神様が
               ドロップスの缶シェイクして
               巻き散らかした
               薔薇の花園


ナツコイ                            波紋
                鬱愛   愛鬱        
僕の眼は           愛  嘘 幻  愛       風なき日
夏空映す水鏡         鬱   春   鬱       湖底に眠るオルゴール
君の魂             夏     秋         目覚めたらしい 
JUMPして鯉             金   悪           幽かな波紋
                  嘘 幻
                   冬
 

               Melancholy        

               鬱人の           
               命の水を汲みあげて     
               六花を咲かせる       
               水銀の空
   

               Tsubaki

               蒼白き
               三日月の夜に人知れず
               苔むす岩に
               落ちて死ぬ華


                      


              

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5994 : 生命の木  弥勒 '12/04/07 02:26:45  [Mail]

系統樹を見ている

一つの根元から
フラグメントに解体していく
それが生命の進化なのか
分岐しながら
あらゆる可能性を試しては消えていく
それが生命の成長なのか

一つの根源から
あらゆる可能性に向かって分岐していく
それは人も同じだ
フラクタル理論を引くまでもなく
あの日あの時あの選択が
分岐を促し一方の枝をのばし・・・

花の着く枝はごくわずか
実の着く枝は更に少ない
無限に繰り返される分岐の果てに
萎え衰えていく枝のいかに多いことか
切り落とされる枝もあり
自ら枯死する枝もあり・・・

だが、選択されなかった枝も
透き通りながら
パラレルにのび続けている

象牙のような枝とガラスのような枝と
彼らはのびることを止めない
胴ぶきした芽やひこ生えの枝
枯れ枝もからんで
手もつけられないほど
まるでジャングルだ

野山の木々は美しい
一体誰があのように
すっきりと美しく整えている?
風と光と、葉を食べる虫
芽をついばむ鳥、枝を食む鹿

私の木は
私が剪定しなければならない
そうずっと思い込んでいた
しかし、思いがけぬところから
何かに突き動かされるようにのびてくる枝を
私の意志は選別し得ない

野にあるごとく
まかせきること
時の流れに
身をゆだねること

大地から水を吸い上げながら
私は天を目指す

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5984 : チタニウムホワイト  久石ソナ '12/04/03 01:48:57

身体の皮膚のほてりから

  窓ガラスには結露の芽生え
  ゆりかごに乗せられた重力の
  素足のまとうおぼつかなさ、冷たさ、

(この部屋には私がくぐれそうなドアはない

私は指先を結露に添わせて
途切れ途切れの放物線を描かせる
指先に気孔の明るみ
熱に包まれた切なさが
蒸散するころ

  ほつらほつらと小さな虫の舞い、雪の
  音に隠れ呼応する
  忘れ去られたものたちの

(鼓動を私はいまだに
(鼓膜へ触れ合わせたことがない

  この部屋の外側に
  その生きた呼吸が
  実り熟しているとは知らず

(世界はここで完成してしまった

  遠くから、呼び人の痺れた声に
  記憶はすべてを奪われた

ただ雪の底に眠るなにものかへの欲求に
窓ガラスを割り未成の部屋へ
破片に結露の反射はない

私は元素の振動となって夜へ、
              夜に、



人のひづめの跡を探して、酸素の

  道には雪の重なり
  沈みゆくたびに足音の速達便は
  私に届き、目を通わせる

(結び目のふくらみを
(眺めながらする空気浴

今に、確かな過去が
地面から溢れ、生き続けて遠い

  たゆたう寒さに
  なにものかの痕跡の
  喘ぎを垣間見る

(枯槁の気配のような匂いに風

  私は手のひらを広げる
  そこへ落ちてくる雪の
  結晶の溶けゆく速さを
  私は目に音もなく焼きつける

その温度は私には高すぎて
すべての記憶が押し寄せる

  何千年も前から
  こうして雪は時間とともに
  町を造り上げていたのだろうか

(私から離れた息はしだいに湿り、色をなす、

ふらふらと時間の先端に口づけを

    白い夜になにもかも溶け合っている
         雪層の途切れた熱の色彩
           地面からはじけて、

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5999 : ピエロノーム  紅草 '12/04/09 05:29:04

 
重力にまかせた指先の行方では
あなたの眼球が串刺しになり
春うららの中で一番の開花を宣言した

遠慮深い花見鳥は空高く飛翔していく
ああした振る舞いは私には到底できない
私にできるとすれば飛翔とは真逆
この植え込まれた手指を伝い
あなたの水晶体へと生まれ落ちることしか

中身のないこの身体はからっぽだから
抜け落ちた羽のように落ちるに違いない
私はそのためにからっぽに生まれたのだから

そうした私の期待は軽やかに逃亡して
早すぎる自由落下に全身の皮膚が翻る
ボロ切れのような乳房が剥き出しになり
はたはたと上下させる
相対する情けしらずの突風

衝撃を迎えた私が壊れることはなかった
そもそもの話として
からっぽな私には壊せるものがなかった
せいぜいベロベロに延長する乳房ぐらいしか

ああ、どうやら
わたしは水晶体を突き抜けてしまったらしい
ああ、ただの一本でさえ
視神経は奥行きをもって息づいている
わたしとは別世界のそれらが妬ましかった
妬ましくてだから幾束かを引きちぎった

感じるのは未だに脈動する手振れ
焼け焦げるような嫉妬にかられてだから
みすぼらしいピエロは首を吊った
右へ左へ〜前へ後ろへ〜
とまらない振り子は私を愉快にさせる
いくつかの時が経つと
ピエロの胴体は腐り落ちてしまった
頭部だけになる
振り子の周期は変わらずのまま
右へ左へ〜前へ後ろへ〜
ふと足元に目をやると
飛び立ったはずの花見鳥の死骸が踊っている

ここで私は一つのことに
はた、と気が付いた
満たされることがないように
生まれ落ちた私のまわりが
常に絶妙な音楽で満たされていることに

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5983 : なにか  こひもともひこ '12/04/03 00:08:55


私はできるだけそっと触れようと思う
いつか抱いたことのある赤子のように
そのものに慈しみをもって対面する
夜毎悩ます
  恨みなど忘れて

丸くもあり角ばりや尖った鋭さもあり
触れると凍てついた氷の温度に驚かされ
反射的に手を離そうとする指先を今
熱い温度を持つ
  液体が流れていく

脈を打っているのか命を持つものなのか
それとも触れた私に感化されたのか
影響が状況を変化させて
血を流させる 
  あるいはそれは涙か

本能に従ってそれを味わってみたく感じて
爪を立て傷口を開き侵入する私の利き手が
内部に潜む本質というものを掴み出そうとすると
激しい悲鳴が
   聞き覚えのある激しい悲鳴が聞こえる

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- ealis -