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狩心

選出作品 (投稿日時順 / 全4作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


嫁の夢

  狩心

浮気とかもあったみたいでさ
東京タワーは家にも寄り付かず
家庭を顧みない砂糖が多すぎる牛丼なんだよ
何年か前に富士山が大噴火したせいで
僕は東京と静岡を行き来するようになったんだ
それ以来  永遠と続く騒音と共に呪文が流れてくるだけなんだ

疲れたよ母さん  マザコンファックだよ
恐ろしいよ  気持ち悪いよ  夢で見たんだ
東京タワーと富士山を足して二で割った
大きなお婆さんに
夢なんて無いよって言われる嫁の夢
嫁は眠れなかったんだ  いつも陰口ばかり叩く婆ぁのせいで
寝静まる深夜  婆ちゃんの歯軋り
爺ちゃんのイビキ  夫の寝言で大合唱
ビデオカメラで録画して町内会で発表したんだ
そうやって夢の中で仕返ししている嫁の夢
見たんだ僕  夢なんかじゃないよ母さん
僕の前に今  母さんがいる事が夢なんだよ
母さんは死んだんだから  母さんがいるってことは・・・
これは夢なんだよ  早く夢から覚めたいよ
僕は男なのに  なんで嫁の夢を見るの母さん
突然  東京タワーと富士山を足して二で割った
大きなお婆さんが現れて
あんたは変態なのよって言いやがって  
僕は包丁を握り締めていて
やっぱり僕はおかしいんだって分かった
母さんを助けたかった  婆ちゃんが母さんをいじめるから
嫁の夢を見るなんて  僕は男の子じゃなくて
女の子でお嫁さんなのかしら
そうよ  思い出したわ  将来の夢はお嫁さんなの
昨日は徹夜で料理の練習をしたから
夢の中で一睡もできなかったの
でもね  一睡もしてなかったのに
自分の子供が婆ぁを殺しちゃう夢を見た嫁の夢
見たんだ私  夢じゃないよ私  だから  たぶん私
夢の嫁になるのはやめることにしたの
だから  約半分の私  嫁に優しい夢の男になろうと決めたの

婆さんは実の子への愛を金で示す悪の権化
その人の血が僕に混ざっている事が悔しいよ
父さんも母さんも大嫌いだから  反面教師で
でも  二人のこと  愛してるから
やり切れない気持ちで  呪文は流れ続けるんだ
嫁の夢は普通の幸せを掴む事
普通の幸せだったら楽に手に入るって思っていた嫁が
浅はかだったんだよ
常識と理想まみれの嫁が最後はロボットに見えたんだ
家庭を顧みない砂糖が多すぎる牛丼と同じだなって
勝てない現実から  好きなだけ逃げればいいさ
だから  嫁の夢はいつまで経っても夢の嫁のままなんだ

夢と嫁と婆さんのやり取りは35年間続いた
婆さんが病気になって死ぬ間際に嫁にこう言ったんだ
実の子たちは金が欲しいだけで
あっしの面倒を見たがらない
みんな冷酷だよ・・・
あっしの事を本当に心配してくれるのは
あんただけだよ・・・
信じられるのはあんただけだよ・・・

みんなに嫌われていた意地悪な婆さんが死んだ
母さんも父さんも泣いてた
先に天国に行ってた爺ちゃんもそこに居た
その日は夜になっても太陽が沈まなかった
僕はその日を境に嫁の夢を見なくなった
そして僕は家を出て自立したんだ

婆さんは気付くのが遅すぎた
そのせいで  嫁はもう老人になろうとしていた
夢は一度も嫁を助けてなんかくれなかった

母さんが僕を誤解しているように
僕も母さんを誤解していた
そんな行き違いが生い茂っている草原を
僕は大好きな恋人と手をつないで走っていった
          


死ぬ間際だよネーチャンこの言語動作は

  狩心

正常な者は立ち去れ 死の言葉を目撃してはならない 幸福を求めるものは立ち去れ

二十二時二十二分二十二秒二十二二十二二二イコールイコール類コール胃胃袋増増殖食食 
ああ、気持ちええ。きもちいい。気持ち悪い。わからない。変わらない。甲高い声、キィ!

東京発乱気流歯医者男失踪車線変更脱毛改革勃発恐怖落日政治学校虐殺請求書類上詐欺師
告発人間的破片無重力怪奇現象

新幹線も 飛行機も さらば さらば 
頭が痛くなる 体は固定され 引き千切られる
移動 さもなくば 死 わだかまる 脱 天空者 脱 けちらし 純情 緑翼の野獣

運命はそこで閉ざされた。分かりもしない事を分かるはずだと思い、分かりもしない事を分かると言い放ち、言い伝えの通りに前後運動を行い、一体それに何の意味があるのか。我々は、今を生きているのか。そうか、でも俺は今を生きていないんだな。そして、諸君が生み出した、ソーダ水を飲み干した、体中から生み出したそうだ。全てがどうでもよくなってしまった諸君。意識は無意識だろう、無意識は死んだだろう、宇宙のやさしさに腹が立つだろう、諸君が極悪非道残酷の限りを尽くしても、既に世界はそれ以上に虐殺なんだな。諸君が自由を謳歌し、愛で世界を満たしても、それを行う以前に既に世界は素晴らしいんだな。何か、やらなきゃならない事があるはずだと思い込む使命感は自由だ、ファの音が出るくちばしはミファソだ。俺が漂っている殺気漂う無銭乗車、ここはサイレンが鳴り止まない遊泳禁止、補助輪が作動する動作を見せ付ける危険区域だろう、そうだろう、さざなみ。

俺は生きているのではなく
 生かされている 養殖産業
俺は動いているのではなく
 動かされている 強制労働
俺は俺に反逆する俺は俺を殺す俺は生かされていない動かない俺を創造する俺は死んだ方がマシだ誰のせいでもない落ちるなら堕ち切れ 切れ端になれ 死ね早く死ね これはポジティブだ 俺は常に前向きだ そうだろう、アゲハチョウ。

縄梯子を用意しろ。今から。見失うような見間違えるような見る事など出来ないとの宣告は、お前が死んだ後だ。空洞化されろ、嫁入りしろ、早く早く早く、乳母車爆発の歓喜。

ああ死ぬもう死ぬ 死のう死ぬ時 おい てめぇ このやろう そんな気力もねぇ 絶頂 
全てがどうでもよくなってしまった諸君 ざあざあ降りだ 久しぶりだ わかめは海藻だ
心は死んだのに指先だけが生きたいと叫ぶなんて誰が予想しただろうか 朝はお茶漬けだ

弱者健康歩兵隊前進前略母上父上祖先全部省略削除決定稿世間出没地下鉄事件妄想軍事力

五月雨散文詩メカゴジラ来い 五月雨散文詩メカゴジラ来い 五月雨散文詩メカゴジラ来い
五月雨散文詩メカゴジラ来い 五月雨散文詩メカゴジラ来い 五月雨散文詩メカゴジラ来い
五月雨散文詩メカゴジラ来い 五月雨散文詩メカゴジラ来い 五月雨散文詩メカゴジラ来い
五月雨散文詩メカゴジラ来い 五月雨散文詩メカゴジラ来い 五月雨散文詩メカゴジラ来い

どうやらおれはまだ希望の星を

使命感は植え付けられた 世界がこんなにも暗いから 心温まる火を人々は掲げる
海の波は力強いから 一人乗りの木のボートはすぐに浜辺に打ち上げられてしまう
海を眺める 左から右へ 右から左へ 同じように見えるか? 何か違いはあったか?
ナタデココゼリー どこで抉じ開けられた缶詰 声が出ないもう声が出ない 
砂漠の歯応え 己1 己2 己3の首を切り落とす 何か世界に変化はあったか? 

新幹線も 飛行機も さらば さらば スカイジェット 万が一のダージリン珈琲
頭が痛くなる 体は固定され 引き千切られる

移動 さもなくば 死 わだかまる 脱 天空者 脱 けちらし 純情 緑翼の野獣

唱えるよ、ごるむぞてにた。

こんすとるらくちゃ。みんたまげた、はきだんめんなか。
めくそんたれ、まだがすかる、またにとうはいらん。
みんたまげた、こんすとるらくちゃ。

にーたんたれたん、すきみる、ろうろうとるべきすがた、ふぁっく、すとりんみー。
ざるぐるべるぐるぼるぐるもるぐる、はじきとばしのなか。
おれの世界に誰も入るな、呪い殺してやる。
ひとことまさいばる、まるまるしくまさいばる、ろうろう。
ちくさんげのむ、じんたくめき、どーじょーなす。
がづでむにだ、がるばるがる、ばせにそんみたる。
むしけらのごとく、ゆくがごとし、おまえらがごとく、はじきとばされるなか。
こうちょくむし。
ねつききゅう。
きゅうじじん。
すきーじじみんたれたれ、じじじじんせいわすれるな、すわれるな、すわれるとおもうな、
なげだせ、ここまできたのだから、おまえらはほんものだ、

こんすとるらくちゃー!     みんたまげた!
はきだんめんなか!   めくそんたれ!
まだがすかる!   またにとうはいらん!
 みんたまげた!   こんすとぉーるぅーらくちゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああー!

移動 さもなくば 死 わだかまる 脱 天空者 脱 けちらし 純情 緑翼の野獣

こんす とぉー るぅー らくちゃー


火災現場からのレポート

  狩心

ニュースでやってた
どうやら、隕石が衝突したらしい
隕石の中からはたぶんエイリアンが出てくるはずだよ
あーあーあー、マイクマイク、テストテスト
壊れた腕時計を見ると、時刻は午前二時(深夜)、しかし!
私の意識は、暗闇が影の中にひっそりと身を潜めた明け方の朝なので、服を全部脱ぐ
風呂場
あーあ、いい湯だな〜、梅酒のんで〜、生ハム&チーズ、けけけ、の最中にシャワーの穴から、誰かの悲鳴が聞こえてきた、
シャワーを受話器のようにして、もしもし、もしもし、大丈夫ですか?、と語りかけてみたが、返答がない、
鏡に映る自分の姿を見て、いや、むしろ、俺が大丈夫か?、と自分を疑った、
丸裸でこんな
303号室
日当たりは抜群なんだけど それはむしろ 吸血鬼にとっては不都合で
左右対称の部屋 美しすぎて 逆に疲れてくるので ここから抜け出す事にする
腕時計が チッチ チッチ 舌打ちして 憂鬱なムード
そんな空間を漂い 時間に囲まれる前に 二足歩行で ここから抜け出そう
壁も天井も床もミシミシ いっている (いや、四足歩行でもいいけど)
私の影の足跡もミシミシ いっている (いや、二人三脚でもいいけど)
それに加えて今日は、プスプス いっている
ドアノブが熱い、皮膚が付着して、片手が焼け爛れて、
じゅーじゅー、じゅーじゅー、ぎゃーぎゃー、ぎゃーぎゃー、
利き腕が機能しなくなってもいいや、ここから抜け出そう!
廊下
切断された利き腕から、血がポタリポタリとリズムよく落下するんですけど、
火事を知らせる緊急警報がピーピーうるさいので、
部屋の前のドアには、住人たちの削ぎ落とされた耳が転がっているので、
ああ、そうですか、そういう事ですかと、全て一人で納得する廊下
そして そこから見える沢山の部屋の中はー
炎の渦ですー 温度は最悪に上昇 地獄ですかここは。
生身の体を持った者たちがキャーキャー言いながら焼失していく中で
機械化された者たちがウィーンウィーン言いながら余裕かまして
テレビを見たり、ゲームをしたり、音楽を聴きながら踊っている、ポテトチップス
袋詰で売られている、情報の世界で首を180度うしろにひん曲げて笑顔
妖怪のように舌を伸ばして、口だけで呼吸、舌が体に絡みつく
体がネジのようにねじれ始めて、建物の骨組みに打ち付けられる
トンカチの音と共に裁判にかけられて、自殺未遂容疑で実刑判決、キリストの張り付け
火はどんどんと燃え広がっていく廊下 そしてそこにある沢山の部屋
丸焼けになった死体がどんどん出現してきて 廊下 はきだめになる
食欲をそそるステーキの匂いが充満し始める 廊下 はきだめになる
ナイフで切られた肉の断面は丁度いい赤さで 一時的な生の躍動かな? 幻覚です
得体の知れない変な汁がじゅるじゅる出てる 老化現象かも しれません
滴る液体を全て吸い尽くす吸血鬼のおっさんは私です 光速で若返ります
302号室
隣の人は生きているのか
インターフォンを鳴らす
返事さえ返ってこない
立ち尽くす私の顔は 顔面漂白剤 立ち尽くす私の顔は 顔面漂白剤 撮影中 生本番!
顔の皮膚がボロボロと剥がれ落ちる ヤバイ ワタシガ エイリアンダト バレテシマウ
身近な人間同士で言葉が通じない 身近な人間同士でエイリアンごっこ 身近な人間同士で極秘スパイ大作戦 身近な人間同士で政治的な侵略
非常階段
上か下か迷うけど
とりあえずのぼれ
それが人だ
助かるか助からないか
そんなのは二の次だ
とりあえずのぼれ
なんていう声が聞こえてきて、半ば強制的に体を動かしました、先生! 竹槍を持ってぼくぁ、宇宙人に立ち向かいます、ぼくぁヒーローなんです、先生、ヒーローは世界と愛する人とどっちを助けるんですか? 愛する人よりも世界の方が大切ですか? せんせい・・・走って逃げた ばかやろう 頼りにならない先生 でも ありがとう!
屋上
満天の星空だ イェーイ ☆ しかし誰もいない、うそーん
みんな逃げるのに精一杯なんだろう
リモコンボタンでポチッと夕焼けに変更 ポチッと雨上がりの快晴で虹が架かる!
ポチッと南国の浜辺 ポチッと火星人襲来 ポチッと地球の危機に変更 そして、
落下してくる隕石たちが、この町に降り注ぎ、建物を破壊し、火の手を揚げ始める
ヘリポート
防火服を着た連中が空から降ってくる
手には銃を持っていて 射殺
顔は一様にガスマスクで 大気汚染
戦争でも始めるつもりだろうか
真上を轟音と共に戦闘機が走り抜けていき
ミサイルを発射して隕石を粉々に粉砕している 干渉の嵐
飛び散った破片が雨となって
町の舗装された道路に突き刺さっていく 感傷の嵐
それを踏み潰していく戦車に乗っているのは赤ちゃん
親を探しに遥か外国まで行くその姿は、熱狂的な支持を受けてアニメ化に至る
エレベーター
私は降りていく
自動で動かないエレベーターを手動で動かせ
屋上から、9、8、7、6、5、エレベーターを止めて誤解で降りろ
誤解の廊下は目が痛くなる位、煙が充満しているので
コミュニケーションはいつも誤解から始まる
506号室
人の声がする
ドアを開けたらバックドラフトで全身火だるま
私は黒い影
悪魔の化身
血も肉もない骸骨戦士
私の姿を見て
小さな子供は悲鳴を上げながら
ベランダから身を投げた
そんなつもりじゃなかった
壁をすり抜けて
505号室
有毒ガスを吸い込んで
体、動かなくなった老人と
手を繋いで
螺旋階段
スキップで駆け下りる
言葉なんていらない
二人は災害の中
共通の体験
老人と合体して
あなたの死に耳を傾ける
104号室 204号室 304号室
ドアのない部屋もあるらしい
私は黒い影
悪魔の化身
壁をすり抜けて
404号室 504号室 604号室
終わらないアパートで
存在しない部屋を求めて

人々は移動する 火災現場からのレポート


ゼロの射程

  狩心

おれは行き止まりでウロウロする犬「わをん」だった
おれは花の上の辺りに三つの点々とした傷がほしかったので
自らそこを爪で傷付けた おらぁ! オラオラオラオラオラァァ!
ジョジョじゃない・・・むしろ、ジョニ・ミッチェルだ 妖精の歌声だ
お花畑で流れ出す俺の血は
オナニー専用のティッシュで何度も吸い込んだ
シャア専用の赤いザクとは違う! ザクとは違うのだよ!グフは!
ミミズのような無知を持っている
なれろー! Not at all
吐く息 索敵 上下左右12ヘックスまでは俺の射程内だ
そこら辺に拡散メガ粒子砲を打ち込んでやる 原爆はまったく酷い話だった
爆撃の後
そこから湧き出てくる言葉たち
それを凝視しようとしても
だだっ広い太平洋に浮遊するクラゲのようなおれ達には荷が重すぎた
燃えカスの亡霊のようにゆらりゆらりしていて どんぶらこ 桃太郎の絵本
焦点が定まらない! 精神コマンド「ひらめき」のせいだ
止め処ないなぁ〜もぅ 仕方ねぇ「必中」でも付けるか
とか言ってる間に
何の文字かも分からぬまま
そいつらは! 立ち消えてしまった!!!
この暑い夏の湿気の中に・・・逃げ足だけは速いんだねぇ・・・おれ達も歴史も

Not at all
ボーボーと燃える
誰かの残像と腰の砕けた日常! もう年ですねぇ 生年月日が西暦だなんてふざけてる!
カツカツと階段を上る! 全ての電車は人身事故で止まったままだ
ピピー!
誰かが死んだらしい サッカーの
タイムアップの音と共に 日本代表は決定力不足で試合に勝てない
それは他人か
それともおれ達自身か そうか
カラスの鳴き声が聞こえて おれの頭上に小石を落とした
めるへん 見たままで 起きたのは昼の12時だった

12ヘックス
そこに戻ろうとした世界が広がっていた
東京特許許可局 少し外れた田舎とも都会とも癒えない場所で
異空間大作戦が ジョン・F・ケネディ暗殺と共に
大きく口を開いていた! 蟹股のルーズソックス ありがとう!
引きこもり ガバガバする音と
流れる汗 流れる肉体 流れる人込みの
三弦ギターが!
おれの米神を刺激した アチョー!中国雑技団 一生懸命スーパーのレジを打つ!日々!
おれの計算は間違っていないが、答えは絶対に出ない 円周率のように
小数点以下を弾き出すだけだ
短歌で運ばれて闇の中に消える少女
漫画喫茶の辺りで途方に暮れて
インターネェェェーーット! チェスト!
という文字が巨大化する 明日の荒野で
明滅するのはボクら
救急車の運転手の手には
凶器と見られるフルーツナイフが握られていた

茹で上がる
蕎麦の水を切る音 ざんざかざんざか
網目の間からするりとすり抜けるということ
おれたちにも出来るだろうか
この蒸し暑い夏のアニメから
地面へと落下する事が
出来るだろうか S
M 睡眠を忘れた者が
目を覚ましたままで眠っている ゼロの射程を

わたしの衣服は剥ぎ取られた羅生門 日本の古典文学の
鳴り止まないベルと
底に屯する浮浪者たちの手によってアスファルト
ベルトで
締め上げられる内臓と
おまえ少し太ったんだなぁ
誰かも知らない奴らにそんなことを言われ ☆ ハッピーなお星さま
星の王子様が薄ら笑いを浮かべてやがるポンキッキ
おれも何だか可笑しくなってね
クククク笑ったよ 靴の紐は解けて
いーとーまきまき ひーてひーてとんとんとん!
シャア専用ゲルググティッシュがなくなって おれたち!
流れ出す血は止まったマクドナルド 高校生の受胎!
固定化された三つの点々とした傷跡を
お花畑で君が優しく舐めてくれる
ペロリペロリ ローリングストーンズ ぐちゃぐちゃ 岩波文庫
お凸とお凸の皺を合わせて しあわせ な〜む〜
ダメだぞ! そんなことしちゃ
と言って崩れ落ちるおれの2Dの体を
豆腐屋のお父さんが受け止めた! 寂れた商店街で
夜の闇と
夏の湿気が!TWO-ドッグ!酒だ!

面倒くせぇーから 小手 突き
財布ごと店員に投げつけてやった! 剣道で
金ならやるよ ケンドー・カシンというプロレスラーも大喜びだ
小さな部屋で うぅぅと蹲りながら、
朝が来るのを待っていた
膝が痙攣し始めて お母さんの名前を連呼する!
煙草を吸わずにはヤってられなかった
近親相姦なんてサ、
バスコ・ダ・ガマ.世界一周!
何の意味もないこの草が
辛うじておれに意味を与えようとしていた
「おれがお前に詩の宣言をする」
「だからお前は死を忘れるな!」

夏の暑い日
ベースボールの真っ只中
止まらない汗の中に
おれは一つの希望を見出していた
ア〜セの雫が
硬いアスファルトに落下するリズム
「わをん」 おれの足音と呼応している
めんどり 子犬も並走してきた 家族一丸になって
熱したおれの体を冷やす フルーツシャーベット劇場 MPEG3!
それと同時に固まった自由を解凍しながら
空に羽ばたいていくア〜セの姿を!

シャア専用ズゴックを朦朧とした目で見つめ
水中に潜むオペラ座の怪人を暗示とっていた
原作は良いが、映画は糞だった
おれは走った
朝の町を
ア〜セを書くためにもっと強く
おれは走った 走り抜けた
アスファルトの地面が
無くなるその場所まで
アイウエオ カキクケコ サシスセ!!!
和音のメロディたちに捧げる!ゼロの射程!!!!

文学極道

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