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空丸ゆらぎ - 2018年分

選出作品 (投稿日時順 / 全2作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


高く放り投げたボールは・・・

  空丸ゆらぎ

葉が揺れ
雫が落ちる 
(私のせいではないよ)

普段通りの朝に「普段通りの朝」とタイトルを付け、線路脇の風車小屋で私は風景になる。
(ああ、そう。)
「標準」からはみ出たら闘うしかないよね。

最初に笑った者は何に笑ったのだろうか
涙と笑顔はどちらが早かったのだろうか

空き地になってはじめてわかる
     柱時計とか
     廃棄されたエアコンとか
     積まれた新聞紙とか
     傾いたベビーカーとか

フライパンの柄に手首が付いている
玄関には傘と靴がある
君に軍服は似合わない
雲の流れに音はなく
時刻表通り電車が走る
こらこらこら、、、、
  (猫が通り過ぎる)
  ^-p・@lン hyfげ465 、むhbげdxr 
       *
         *
                     (作者 COCO)

 病室の窓に
 雲が浮かんでいる
 それぞれの雲が
 浮かんでいる

類と個のハイブリッド
おっと、もうこんな時間だ。
昼は、うどんでいいですか。
                            ・・・まだ落ちてこない。


不在を訪ね歩いて

  空丸ゆらぎ

断片は…、瀬戸内海に浮かぶ島々。のどかな海原を余白に、漁師の衣食住を――労働を砂浜に託す。


不在をノックする。無言を聴き、沈黙を語る。3・14159265358979… 今日も改札口を往復したが、世界はいったい何が言いたいのだろう。
―― 見上げた途端、空は無口になる。


鳥の声で目覚める。時々、鮮度の良い朝を世界は私に届ける。昨夜の噂話さえさえずりに変換する。地下鉄。ポケットの小銭。無名。曖昧。輪郭。不確定。地図と時計。人工知能を搭載した案山子。光。風。水。土。無人駅。…


死は余韻を伴う。残影の行方は知らない。生が捜索を放棄しただけである。生きるとは剥がれていくことである。剥がれていった言葉は、誰かの心の軒下で雨宿りしている。無表情という原型のまま。


私は時々無題でありたい。死がそう望むから。名前は世界を分断するが、魂を区別する固有名詞はない。飛行機雲と死を混同することもない。黙って去っていく魂を棺に納め、私たちは再び空白に文字を埋めていくことしかできない。また、文字は空白を欲している。

文学極道

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