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ローゼ・ノイマン

選出作品 (投稿日時順 / 全3作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


8 1/2

  ローゼ・ノイマン

俺の屍を観ながら 道化のサーカスを観ている
終わりの時 俺がいる所 天国か地獄か
訳の判らぬまま 俺はその祭りを観ている
終わりの時 俺の存る処は天国か地獄

映画の終わりの様に
バックコーラスまで流れてきた
祭りは騒ぎを増してゆく

映画の最後だというのに君がみあたらない
そんな事とは関係無くパレードは続く

俺の屍を観ながら 道化のサーカスを観ている
終わりの時 俺がいる所 天国か地獄か
訳の判らぬまま 俺はその祭りを観ている
終わりの時 俺の存る処は天国か地獄

思い出がシアター状に流れてくる
二十一世紀の夢 トム少佐の追従者

青白い光 それが君だとわかった時
俺の存在(いる)ところの意味を理解した

俺の屍を観ながら 道化のサーカスは行く
終わり時 俺の存るは 天国でも地獄でもない
青白い君と一緒に映画の終わりがやってくる
青白い君と一緒に映画の終わりがやってくる

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注解

*8 1/2
フェデリコ・フェリーニの
同名映画8 1/2('63)のより着想を得る。

*トム少佐
David BowieがSpace Oddityの曲中で演じた宇宙飛行士
Ash to Ashの曲中ではただのヤク中と扱われる。


答えのない数式

  ローゼ・ノイマン

原初に還る感覚 人や生物、原子から抜け出す瞬間
やがては枯れて消えてしまう花の様に夢を観る

フリージャズの9th不協和音 歪んだ心に共振する
私はきっと暗闇の内(なか)から生まれたと思う

紫色の空を観る 廻る空に思いをはせて
僕は宇宙(せかい)に溶けていく 雲の様に 雨の様に

自戒の様に自分のなかの自分が重荷になる
答えの数式は出ているのに運命はそれを許しはしない



原初に戻るように 自分という概念という枠を抜ける
そこにある感情は愛、それとも産みの苦しみ

Starless Dark まるで胎児の様に空回る
歴史を観て来た 古い書物を紐解いた

星々が隠れみれない街の空 私は相変わらずだけど
誰かが言ったように残った自分が愛しい

運命の数式を解こうと科学者と革命家が動いている
常に神は我々を試そうとするのか、レールをしくのか?



運命論者になる度 私はハデにころんだ
父の記憶、その記憶は曖昧で その血が流れている事を知る


東京受胎

  ローゼ・ノイマン

夜の蝶、炎の帳の内で灰のなかから甦る
原始的な信仰の様に 人は美と炎と黄金を信仰するのか

メガロポリスが死に絶え僕が生まれた
荒野に散らばるのは古(いにしえ)の「理(ことわり)」
弱肉強食、個人主義、法と秩序
そして自由−−

受難の時、空から天災が降り注ぎ
選ばれし奇形児達はその「理」に従う
受難の時、空から天災が降り注ぎ
選ばれし奇形児達はその「理」に従う

東京だけじゃなく 世界中で災いが起きる
それは産みの苦しみなのか 終末の時なのか
いずれにせよ進化しないものは死に絶える
いずれにせよ進化しないものは死に絶える

選ばれし奇形児達は夜の海を泳ぎ
創世の時、古き神々と失われた信仰をみる
全てが変わり行き 神無き世界に立っている
創世の時、神無き世界で僕等は立っている

メガロポリスが死に絶え僕が生まれた
荒野に散らばるのは古の「理」
弱肉強食、個人主義、法と秩序
そして自由−−

文学極道

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