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ねぴ

選出作品 (投稿日時順 / 全1作)

  • [優]    (2005-01)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


  ねぴ

動かないでそこにある
嬉々として陽を受ける
腐りかけの果物が、絵の中を統べらない
ほじくる
目線の先から嬉々として腐食する
皮が落下する
顔面も
かくれもしないで 陽を受ける

どうかしている カーテン のように
郵便局の階段に落ち着き 
かさを増す光へ 目分量で鎮まる
ここも 大気の底
砂掘るこどものスコップ
なにか這い出る 夕焼け みたいに
這い寄って飲み込む
あふれるさっかく で
うすめ られてゆく

だから

水の色に見える市街地に指を浸し

飛び惑う翼のばさつく黒いドーブツくさい灯火

瞳の火の色に燃え移る木切れ が
駆け抜ける
目抜き通りで
地べたに額づき

なにか祈ろう としてみる
映画館の薄明かりで 笑う
落花生ばかり食って殻を散らかす
空港のロビーで
ラップのかかった魚の目玉にちっこい指をつっこんで
見ている
海のもひとつ向こうの海の夜の雷鳴 夜と呼ばれる
あれは海 これが右手で
音のない色のない 半球と半球
いたいのは目の奥50センチくらい 奥のほう

昨日は風が砂を削る音
夜行列車のオレの荷台はほこりじゃなくって砂もぐれ
いっそ棺桶だったから
手足を縮めて丸まり疲れる水底に 直立の光
柱状が 差し込む 
疎ましく立ってあることが ぐらぐらと煮られて
炎天下とは どなた の こったろう
葉の照り返しを よぎる
満月が
すぐに欠けていた 足鳴らす鈴の音がかじった
どこかの祭り で
オレの
泥人形たちハ 河になりにゆく 夜の身のまま
星はアタマの空洞にひとつ
切れやすそうな糸で吊るされる
かるく燃えそう
だから
こしょうでもふって

文学極道

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