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つきみ

選出作品 (投稿日時順 / 全6作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


いつまでもあいさつをしてゆく「上段スマフォ版。下段パソコン版」

  つきみ

。○○○。。。。。○○○
○○○○。。。○○○○
。○○○○。。○○○○
。。○○○○○○○○
。。。。○○○○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。。。○○
。。。。。。。。。○

。。。。。。。。。○
。。。。。。。○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。。○○○
。。。。。。。○。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。
。○えいえいまるい壁に挨拶を○。
。。。。。。。。。。。。。。。。
○。。。。。。。。。。。。。。○
○。。。。。。。。。。。。。。○
。。。。。。。。。。。。。。。。
。○。。。。してゆく。。。。○。
。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。○。。。。。。。。
なんだかだってだってなのうぅぅ゚
<ふちぎ>方向性定めるの苦手なの

人の数だけある固有名を
繰り返しいる月湖鯨

瞳の奥に秘められた
不自由の意味を受け止めている
忘れられた言語の答えを知るうちに
うちは膨らむ

病室の部屋の扉には
沢山の視線が刺さってる
病室だけじゃないわ

箸の声は何時も
おばあちゃんが見てた紅梅の調べ
おばあちゃんが亡くなって
拭く時見た踵の穢れなさを覚えてる
逆光してた。掃除は今も日課だよ
私は泣き虫だったね

ダメンタル?責めんタル湖面タル
多面タル。たるたる。たっるたっる
+:゚+。☆流星つきみ号\( 'ω')/
じーっと見てないでなんかいってよ

自分を許す?自分を許すのは簡単よ
相手は許すの
涙を流して癒せると知ってるけど
負の感情で泣いたりしない
目を逸らさない
簡単なの
守れなかった二十人以上の
自死した人は何も言わずに死んだ
ぎしぎし異臭振り子糞尿
目が充血し飛び出ていた
生きていてほしい我儘さでしかない
幸せになる権利があるの

↑に書いた事はそのうち書くかもね

三億円と二千万♪くれたら愛してる♪
<冗談言わせてよ>

流星の涙を一つずつクロスする
合言葉はすももももんが
羽根の無い○は何時も目隠し、してる
心一つあげる
おもいの代わりに好きを詰め込んだ
わたがし食べて
確立は死んでからあるの
死ぬまでらしく生かす事を胸に残して
つーっと染みる
<何処にでも>なみだの跡が道になり
○○に成るてろり
日常が全てなの?
今ある事は探して見つかる?
必要な事ってなんだろうね?
○をああしてそうしてこうなるまるり
自然と身につく事も大事だよね。
探る前に星を貰ってくだちゃぃ
すももももももすももももももんが
くもがしとしと、なくの。
ほんのりはんてん鏡合わせ
終らせない為に○を○して○○
そこから始めましょ
触れれない五線譜に描くのはころり心
行方知れずの切手は散歩中に
何をしてるでしょう?
答えはそれぞれ違って次は?
近くに居ない?居るよ?

言葉は人言葉の数よりも多くいる
傍にいる別け隔てのない全てへ

芸術よ永遠であれ!

.:゚≒映会文美音現演文過現未
≒画話芸術楽実劇化去在来
人人人人人人人人人人人人人

じ っ゙ ぐっ゙ り゙となげてゆく
.。+..。細波をしきりに伝えてゆく
そょゅゆれる葉で風の声をみつめゆく
木陰にぴか゚り゚ぴちょん.。*゚*゚+.*.。
。゚○と夕暮れにとっぷりくれゆく
ゆりかごを〇へ∞にしみこませてゆけ

。。。魂をそうぞうしよう。。。。
。。。。。。。○。。。。。。。。
。。。並べられた言葉で何を。。。
。○生み出すの?豊かに成る?○。
。可能性を狭めるよりも自由にさ。
○作り上げる作品一つにどれだけ○
○詰め込めるんだろうね自由けど○
。亀は世界一周できないでしょ?。
。○思うより恩恵を受けてるわ○。
。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。○。。。。。。。。

。○○○。。。。。○○○
○○○○。。。○○○○
。○○○○。。○○○○
。。○○○○○○○○
。。。。○○○○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。。。○○
。。。。。。。。。○

。。。。。。。。。○
。。。。。。。○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。。○○○
宇宙も含めた命
地球は誰も拒まない
限られているからこそ
世界中でこれからを問え

木の葉は生物の営みにより
腐葉土と成り
自分も含めた周りを
分け隔てなく育む
木の葉で在れ
できるだけだけど

《さとうにはね○○がいるの》
《しゅてき(すてき)》
《ひぽぽたますは幸せの呪文》
《みえないはやさでてをふる》
《溜息は○○だけじゃないね》
《砂糖にはね○○がいるの》
《しゅきなものはクサンタでちゅ》
《あらゆるモノをそうぞうするの》
《真剣過ぎると禿げて太陽よりも》
《ゆるゆるふわふわもこもこ》

《あらゆる限られた全てはえいえい》
《かんせいの檻を破り続けていく》

。○○○。。。。。○○○
○○○○。。。○○○○
。○○○○。。○○○○
。。○○○○○○○○
。。。。○○○○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。。。○○
。。。。。。。。。○

。。。。。。。。。○
。。。。。。。○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。。○○○
《エンドレス愛人(あいれん)fff》
《言葉は人》
《言葉の数よりも多く傍にいる》
《別け隔てのない全てへ》
《できるだけでいいのよ》
《作品をどうするも自由》
《エンドレス愛人(あいれん)fff》
。。。。。。。○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。○○○○
。。。。。。。○○○
。。。。。。。。。○

。。。。。。。。。○
。。。。。。。。○○
。。。。。。○○○○
。。。。○○○○○○
。。○○○○○○○○
。○○○○。。○○○○
○○○○。。。○○○○
。○○○。。。。。○○○

いつまでもあいさつをしてゆく《パソコン版》
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。○。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。○ゃい。砂糖しゃん砂糖し。え○。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。○ち。ち。。なんだかだってなのん。や。い○。。。。。。。。。。。。
。。。。。○し。い。。ふちぎー方向性定めるの苦手。ん。え○。。。。。。。。。
。。○り。お。沢山の固有名を繰り返してる。月湖鯨。は。い○。。。。。。
。○ゃ。ん。。瞳の奥不自由の意味を受け止めている。ど。ま○。。。。。
○じ。ゃ。。忘れられた言語を知るうちに内が膨らむ。う。る○。。。。
○り。し。。何処にでも沢山の視線が刺さっているの。し。い○。。。。
○ゃ。糖。。。。箸の声は祖母と見ていた紅梅の調べ。。。て。ま○。。。。
。○じ。砂。。ダメンタル?責めんタル多面タルタル。誰。る○。。。。。
。。○り。?。+:゚+。☆流星つきみ号\( 'ω')/しも。い。。○。。。。。。
。。。。。○ゃか。。。見てないでなんかいってぇ。。。選。か○。。。。。。。。。
。。。。。。。。○じ。ゅしでのるれられいく甘ずば。べ○。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。○。糖砂くゆてしをつさいあに○。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。繋。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。音。三億円と二千万くれたら。音。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。音。。。。。。。。。。。。愛してる。。。。。。。。。。。。音。。。。。。。。。。。。。
。。。。。音。。。。。流星の涙を一つずつクロスする。。。。。音。。。。。。。。。。
。。音思いの代わりに《好》きを詰めたわたがし食べて音。。。。。。。
。音確立は死んでから《き》づかれるまでが何時かな?音。。。。。。
音つぅーっと染みて涙《の》跡が○○なってどうなる?音。。。。。
音今ある日常が全てなの《さ》って本当にそう思うの?音。。。。。
音本当に必要な事って何時《き》づいても一人だけのだ音。。。。。
。音自然と身に付く事も大事《そ》れは揺るがないの?音。。。。。。
。。音。探る前に星を貰っよおお《こ》んぺいとうなの音。。。。。。。。
。。。。。音。手で触れられない五線譜《に》何を描く?音。。。。。。。。。
。。。。。。。。音それぞれ違う答えね。次《は》何を?音。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。音近くに居ない?居るよ《?》音。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。≒。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。≒。。言。○○○。。。。。○○○。傍。。。。≒。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。≒。逆。。葉。○○○○。。。○○○○。に。う。。。。≒。。。。。。。。
。。。。。≒。?。。周。。は。○○○○。。○○○○。い。。。。。。。。。。≒。。。。。
。。≒。。。何。り。命。。人。○○○○○○○○。る。。。た。。。。わ。。。≒。。
。≒。。て。。の。題。。り。言。○○○○○○。分。ト。。。。。ア。。。。。。。≒。
≒。微。っ。。時。。。。も。。。葉。○○○○。け。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。≒
≒。笑。。前。計。類。。と。。。。の。○○。隔。。。。。。。か。。。ふ。。。。。。。。≒
≒。み。り。。っ。。同。。ん。。。。数。○。て。。。。シ。。。。。。。。。。。。。。。。。≒
。≒。。た。て。。。。。。。め。。よ。メモリー。な。。。。。。リ。。。。。わ。。。。≒。
。。≒。。当。。悲。。石。。め。。。。り。○。い。。。。ト。。。。。。。。。。。。。。。≒。。
。。。。。≒。。し。。。。榴。。。。。も。○○○。全。。。。。。。た。。ふ。。。≒。。。。。
。。。。。。。。≒。。い。柘。。。。多。○○○○。て。。。。ア。。。。。≒。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。≒。?。。。。。く。○○○。へ。。シ。。。。≒。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。結。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。∞。。。。芸術よ永遠であれ!!。。。。∞。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。∞。。。。≒画話芸術楽実劇化去在来。。。。。。。。∞。。。。。。。。。
。。。。。∞。。。人人人人人人人人人人人人人人人人。。。。。。。∞。。。。。。
。。∞。。。。。。。。。じ っ゙ ぐ り゙となげてゆく。。。。。。。。。。。。∞。。。
。∞。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。.。+..。細波をしきりに伝えてゆく∞。。
∞そょゅゆれるはで風の声をみつめゆく。。。。。。。。。。。。。。。。。。∞。
∞。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。木陰にぴか゚り゚ぴちょん.。*゚*゚+.*.∞
∞。゚○と夕暮れにとっぷりくれゆく。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。∞
。∞。。。。。。。。。。。。。。。。。ゆりかごを〇へ∞にしみこませてゆけ∞。
。。∞。。。。。木の葉は生物の営みにより腐葉土と成り。。。。。。∞。。。。
。。。。。∞。。自分も含めた周りを分け隔てなく育む。。。。。∞。。。。。。。
。。。。。。。。∞。。。。。。。。木の葉で在れできるだけ。。。。∞。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。∞。じ っ゙ ぐ り゙受け止める∞。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。魂。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。魂。。。。。魂を創造しよう。。。。。。。魂。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。魂私。小。魂。悲。逃。た。救。私。悲。小。何。。魂。。。。。。。。。。。
。。。。。魂育。の。さ。は。し。れ。だ。お。の。し。さ。処。い。。魂。。。。。。。。
。。魂恩。み。悲。な。同。み。る。零。う。魂。み。な。に。い。。み。魂。。。。。
。魂恵。隔。し。事。量。は。位。れ。と。に。は。事。も。モ。あ。。命魂。。。。
魂を。て。み。見。で。一。な。な。し。消。消。で。な。ノ。た。。。。魂魂。。。
魂授。な。は。逃。し。つ。ら。い。て。え。え。し。い。な。ら。。。心。魂。。。
魂か。く。一。し。ょ。も。とよ。失。な。な。か。失。ど。な。。。。体。魂。。。
。魂り。分。つ。て。う。失。死。う。わ。い。い。な。わ。ど。い。。捧魂。。。。
。。魂。け。に。失。ょ。人。わ。を。に。れ。灯。と。い。れ。こ。の。魂。。。。。
。。。。。魂る。な。う。し。れ。選。命。た。と。し。事。て。も。魂。。。。。。。。。
。。。。。。。。魂る。命。れ。ず。ば。魂。事。も。て。は。も。魂。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。魂と。ず。に。ず。を。が。す。も。。魂。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。∀。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。∀宇宙を含めた命。地球は誰も∀。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。∀。。拒まない。限られているからこそ。。∀。。。。。。。。。。。。
。。。。。∀世界中でこれからを問え。あらゆる限られた∀。。。。。。。。。
。。∀全ては。えいえい。かんせいの檻を破り続けていく。∀。。。。。。
。∀。。。。。。。。。エンドレス愛人「あいれん」fff。。。。。。。。。。∀。。。。
∀。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。∀。。。。
∀。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。可能性。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。∀。。。。
∀。。。。。。。。。。。。。。。できるだけでいいの。。。。。。。。。。。。。。。。∀。。。。
。∀。。。。。。。。。。。。。作品をどうするも自由。。。。。。。。。。。。。。∀。。。。。
。。∀。。。。。。。。。。。。。好きにして良いのよ。。。。。。。。。。。。。。∀。。。。。。
。。。。。∀。。。。。。。。。。。。。。。。自由に。。。。。。。。。。。。。。。。。∀。。。。。。。。。
。。。。。。。。∀。言葉は人。言葉の数よりも多くいる。∀。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。∀。。。別け隔てない全てへ。。。。∀。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。∞。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


正風亭

  つきみ

私は木陰に揺れる陽を見つめ、秋空をだんだん見上げていきます。水色が見上げるにつれて青色から、蒼穹。雲一つ無いですね。すぅーっと吸い込み吐き出した空気でさえ澄んでいるのではないかと感じます。二十年以上共に過ごし、変わりましたね。名称では無く、名前を名付ける事から始まりましたね。庭先に在る背丈の違う、地面にしっかりと根を張る四季折々の木々を見つめます。空に映える木も在れば、子供位の背丈の木も在ります。人と違う所は、木は死ぬまで花を咲かせ、様々な顔を四季で拝見させて頂ける所です。人様は知能が有るゆえ苦悩の渦中で、ときさえも、とめてしまいます。本能と知能の違いをまざまざと見せつけられます。まだ冬ではありませんので、葉がそれぞれ生い茂り、秋風に揺れ、かさかさと笑っていると感じる事は想像です。それにしても少しだけ肌寒くなってきました。若くて青かった紅葉は赤く燃え、若くて青かった銀杏の葉は黄色く笑っている様です。地に落ちて乱雑に散らばっていてはかわいそうでしょうに。そのままでも美しいと仰る方もいらっしゃいます。ですが、人も葉も手心を加える事で更に美しさが増します。女によっては心配り《見た目、行動を、場面によって変えなくては生きていけない》です。一葉、二葉と黄色と赤が、落ちたくないと切望する様に、はらはら地面に落ちていかれます。人が苦を感じて混乱したまま転がり落ちる様で、心臓がキュッと掴まれました。心も痛みます。時計の様に思い巡らせながら、葉、銀杏の実を拾い思います。実は焼くのと茶碗蒸しに入れましょう。

淡く息吹く春へ思い馳せます。桜の枝にはまだ若い葉、夏になれば色濃くなる葉、既に薄桃色の花を咲かせ、雨が降らなければ一週間程で、儚く散ってしまいます。人は桜の散る姿を美しいと仰います。私は桜が世を憂いて薄桃色の花を散らすのでしょう。私が豪雪と溶岩の豪雨を春ですが、降らせていました。豪雪で溶岩が冷える事はございません。花びらが、一葉、二葉と、頬に張り付きました。慰めて戴いているようでした。かすかに雨が残っていたのでしょう。混ざり合い言葉にできず掌に閉じ込めました。桜のせい。桜のせいよ。また降り出した雨は桜色ではありませんでした、ですが幾分かましでした。放った花弁はくれない。私のせい。私のせいよ。春にしかいらっしゃらない御客様へ思い馳せます。あの方は、病気がちだけど元気でいらっしゃるでしょうか?病気ですと世の中では生き辛いでしょう。生き辛い方を、おもい、支えさせて戴きたい力が強まる事は、他の方によりましては悪い事なのでございましょう。

とめどなく湧きいずる青い夏へと思い馳せます。燃える白い花を咲かせるむくげは、二、三日でしぼみ、散ってしまいます。ですが、夏の間、何度も何度も消えないと叫ぶ様に花を咲かせます。青春を謳歌している様です。眺めては好きにして良いのですよ。透明にゆらりふわりと浮かび透ける淡い桃色が雲になって雨が降り続けて青春している私です。青春が終わるのか分からないのです。終われとも終わるなとも思わないのです。夏にしかいらっしゃらない御客様へ思い馳せます。あの方は穢れを知らない純粋さで、周りまで明るくさせてくださり、笑われますので。良い方が見つかっていらっしゃるのなら連れて戴きたいものです。時代が移ろっても、移ろわないでしょう。

触れれば溶ける白い冬へ思い馳せます。白い化粧をした寒椿が赤い大輪の花を咲かせます。白を幹に枝に花に乗せた寒椿は陽に当たり、白ときらめきながら、首からほとりと美しいまま落ちて、ゆっくりと色あせて枯れて土に還ります。真白に落ちたばかりの寒椿は美しいままいたいと、叫んでいるようです。移ろわない事等、世界にはありはしないでしょうに。とわに咲き続けていく事で美しいというおもいが、失われてしまうでしょう。存在する事が当然に成る可能性があるでしょう。じしょうにとらわれず、私だけは美しい寒椿の事を覚えていますから、なるべく苦しまれませんように。移ろい私から離れていくモノへ。心も体も健康でいられる事を鞭で強く打つより、もっと強くおもっています。けっして口に出せません。重荷に成れば、散ってしまうでしょう。冬にしかいらっしゃらない御客様へ思い馳せます。あの方は口先をへの字にしかめた顔をされて。同じものを頼まれて何時ものように黙られるのでしょう。逃げ場所がないという事は休まる事がないという事でしょう。正風亭が逃げ場所でいらっしゃればよろしいのですが。孤独を愛する方もいらっしゃいます。微笑みで固まる事はありません《見た目、行動を、場面によって変えなくては生きていけない》

とどまらぬ。
きせつもたまき。
うつるつき。

正風亭には、私が創造した季節の匂いがします。庭を掃除して、庭を拝見なさる御客様を想い、拾った赤と黄色の鮮やかな葉に手心を加えるように散りばめました。風習でもあります。刺激を与え、影響を及ぼし、感じ方、効果はそれぞれです。

はぁーっ。時が過ぎるのは考えているよりも早いですね。正風亭を建てて戴き、十数年も経つんですね。十数年の歳月を経て、大工さんの真心を実感させて戴いております。結婚する事を考えて貯めていたお金を使い、予め御客様、一人一人を大事にしたいと建てる前に要望を伝えさせて戴いてました。御店を建てて戴く所から始まりました。その間にお返しさせて戴ける事は、ご飯を作らせて戴き、御持ちする事しかできず、大変心苦しかったものです。初めて、大工さんを想い、材料にこだわったご飯、ごぼう、人参、筍、椎茸、鶏肉、砂糖、醤油、いりこ出汁、御米を適量にして、圧力炊飯器で炊いて、握った。五目おにぎり、鰹節の出汁と砂糖、醤油を合わせ、軽く茹でたほうれん草に合わせた調味料を掛けて、花鰹の削り節を最後にまぶしたおひたし、昆布で出汁を取り、玉ねぎのみじん切り、里芋、豆腐を入れた、お味噌汁。大工さんが笑顔で食べていらっしゃるのを拝見させて戴き、料理だけでも人は笑顔に成られる。料理しか取り柄のない私です。大工さんの笑顔に励まされ、思い出しては初心に返ります。大工さんが釘を使わず丁寧に木材だけを組み合わせ、ひとつき以上掛けて建物を完成させて戴きました。頑丈だとは御聞していました。正風にあやかり。正風亭を開店しました。五人の御客様が寛いで戴ける手狭な店内です。こじんまりとした外観です。緑色の屋根は色あせて、薄緑色です。色が塗られていない飾り彫りもない樫で作って戴いた外観も色あせて、少しだけ朽ちた部分があります。より一層正風亭を際立たせています。正風亭に込めた想い。御客様を大事におもてなしをし、心からの御話をし、御支えしたい。初めは私ごときにできるか心配でした。期待は持てませんでした。不安だけが、募り、なん十人も背負った様に重くのしかかっていました。一年もたたず店を閉めるのでは無いかと、不安は募る一方でした。開店当初と今は違います。開店して御客様と出会い、関わらせて戴き、御客様の人間性がそれぞれ違います。何度も通って戴ける御客様のおかげで、成長してきました。お店をたたむまで続くのでしょう。沢山ではありませんが、御会いでき、通って頂き、私はとても幸せでございます。

正風亭の隣に在る小さな、私の城である住処へてくてく向かいます。大工さんに建てて戴いた正風亭と御揃いの外観です。菊が飾り彫りされた樫で作られた引き戸を開くと、畳の青臭い香りがします。草履を脱いで、母から受け継いだけれど、木製である事しか分からない衣装箪笥から、三十着の着物を出します。着物選びは迷いますね。四季を感じて戴ける事も正風亭では大事です。全体が真黒で雪景色から鶴が空へ舞い、鶴の足からはらはら落ちる雪片の着物にしましょう。帯は金色で紅葉三葉が散り散りに成る、赤が映える帯にしましょう。受け継いだけれど、新品の様な姿見を見つめ着物をはおり、袖を通し。共衿先と衿下を合わせ。背中心が曲がらないようにして。後衿を長襦袢の衿と重ねてピンチで止め、着物が肩から外れたり、背中心がずれたりするのを防ぎ。長襦袢の袖と着物の袖を揃え。衿を持ち、着丈を決め着丈がずれないようにしっかり引き。上前巾を決め、右ももの一番張っている所より一 、二センチ程かぶる所を目安にし。着物がずれないようお尻の位置でしっかり着て。上前を開いて、下前を巻き込み衿先を少し上に引き、上前より幾分短かめに押さえ、少し裾がつぼまった形にし。下前が決まったら、上前を平行に重ね。腰に合わせた位置に腰紐がきて、左手で上前腰紐の位置を押さえて、右手で腰紐を取り、上前を押さえたまま、左手に渡し。腰紐は紐丈の中心を持って渡し、結び目が腹部の中心より右よりに成り。結ぶ位置は自分の具合がよい所にし。右手、左手と着物の内側に入れ、おはしょりを整え。下前のおはしょりが厚くならないよう斜め上に折り上げ、おはしょりを整理し、衿を整え。左手で下前の衿を折り上げた所を押さえ。下前の衿の折り返しに、掛かる様に胸紐で押さえ。下前が緩まない様にし。元をきっちり合わせ。伊達締めを締め。おはしょりの長さは、帯下より五、 七センチぐらいにして形良く見せて。着物の着付けは終わりですね。次は帯です。今日は二重太鼓結びにしましょう。手先を帯板の下線位の長さに決め一巻きし。左手で手先の下部を背中心で引き、右手で帯を引き締め。二巻き目を巻き。右手でしっかり引き締め。後ろは斜めに折り上げ。手先を下ろして仮紐で押さえ、右側の帯の下を通して前で結び。手先の輪が下に成る様に折り返して前にあずけ、クリップで止め。たれ元を広げ。帯枕に帯揚げを掛け、たれの先から三十センチ程度の所に帯枕をあて。二枚重ねて、帯の端を揃え。柄を見てお太鼓の山を決め。後ろで帯枕と帯を持ち、お太鼓の山を両手で引き。帯の上線の所まで帯枕を持ち上げ、お太鼓を乗せます。帯枕の綿布を前で結びたれの内側を平らに整え。仮紐を外し、仮紐でお太鼓の下線を決め。手先を仮紐に通し、手先を引き出し。引き出した手先の余り分を内側に折り。手先の長さは左右二、三センチ位出る様に決めます。帯締めをお太鼓に通して前で結びます。帯も終わりです。姿見に映った全身を確認します。おかしな所は見当たりませんね。前身に鶴、背後の帯に紅葉。一度も染めた事がない黒い髪を、母も、祖母も、祖祖母も使っていた、木製である事しか分からない木櫛で髪をとかし、清潔に見え、料理の邪魔、料理に入らない様に結い上げ、赤い紅葉をかたどった、かんざしを刺しました。きっと今日の御客様も喜んでくださるでしょう。立ち姿で引き締めた心持。しかめ面では御客様が心配してしまいますから、微笑みます。

《命を有難く戴きなさい》
《有難く戴く命を料理しなさい》
《命一つ一つの味を生かしなさい》
《拝顔できない方の手心で産み出された新しい命も生かしなさい》
《調味料も命でしょう》
《命で命を殺したら、猛省しなさい》
《初心を教えましたね》
《命を有難く戴きなさい》
《料理をする事は食べる事と同義です》
《後は、自分で得なさい》

拝啓、お亡くなりになられ。二十年以上の歳月が経ちました。私のような未熟者に、手紙を残されるとは思ってもおりませんでした。真白い用紙の真ん中。たった一行だけ、一行だけの。達筆なお師匠の御言葉に真心が有ります。

《命を有難く戴く初心を繋ぎなさい。途絶えさせるのなら、迎えに行くでしょう》

優しく厳しかったお師匠様。感謝の言葉など。有難く戴く命の前では。儚く散るのでしょうか?それでも。伝えさせて戴きたく存じ上げます。教わった全てが有り難き幸せな事ですと。何故、御亡くなりになられる前に。弱音の一つも零さず送りだしたのでしょうか。私等放って何も教えずご自愛くだされば長生きなされたでしょうに。今の私等が初心を教える事等。愚を愚にするだけでしょうに。頭の上がらない方は少なくは無いモノでございます。手を合わせ黙祷する暗闇に愛がございます。愛するでも愛されるでもなく。愛そのものでございます。

店先に移動して、桜の花弁が風に舞い散っていく様を飾り彫りした磨り硝子をはめた、引き戸を横に滑らせて店に入ります。大工さんに作りあげて戴いた樫の卓には、隣り合っているけれど、離れ過ぎていない五席だけの大工さんに作りあげて戴いた、樫の椅子が在ります。卓と真向いに在る調理場で、真っ黒な備長炭を火バサミで掴み、三枚おろしのサバなら二枚焼ける焼き場に置き、アルコールジェルを塗り、ボゥッと赤い火を点けて温めます。今日もこだわった材料で料理をしましょう。今日は炭で銀色の秋刀魚を焼きましょう。水でさらしっぎゅとした白い大根おろしと外は緑色中は黄色のカボスをひとかけを添えましょう。ポン酢ではなく、醤油にしましょう。副菜は切り干し大根と、ツナを和えましょう。汁物は銀色のいりこ、濃い緑色の昆布で出汁を作り、白いえのき、傘の部分が焦げ茶色で柄の部分がオフホワイトのしめじ、茶色のなめこ、傘が焦げ茶色で柄がオフホワイトのエリンギ、白い豆腐を入れた、お味噌汁にしましょう。トントンとみじん切りした緑色の万能ねぎを最後に散らしましょう。殻を割った黄色い銀杏の実は串に刺して炭で焼きましょう。茶碗蒸しねぇ。具は、実、焦げ茶色の椎茸、薄い黄色の筍、オレンジ色の人参、剥き蒸すと赤く成る海老の小さいのにしましょう。産まれたばかりの新鮮な赤卵を茶碗蒸しに使いましょう。お味噌汁と同じ出汁にしましょう。蒸し器に水を入れて、ぼこぼこ沸騰するまで温めている間に。秋刀魚が臭わない様に水をサーっと掛け続けます。大根をシャッシャとすりおろし水にさらし大根の癖を取り。カボスを八等分に関の包丁でトントンし透明なタッパーに入れる。大根おろしとカボスを冷蔵庫に保存。鍋にサーっと水を張りちゃぷんっと昆布を入れて、お湯が沸く前にさっと取り出し、お湯が沸くまでに、にぼしの苦味であるはらわたと頭をパリパリと取り、お湯がぼこぼこ沸いたら残ったにぼしを入れ十分程茹でて出汁ができたら、さっとにぼしを取り出す。えのき、しめじはかぶをトントンと取り除く、なめこはそのまま、えりんぎは一口より、小さくトントンと切る。豆腐を手に乗せ均等にサイコロ状にスーッと切る。銀杏の実を串にふすふすと三個さす。実と海老はそのまま、椎茸、筍は、食感と風味のバランスに合わせてトントンと切り。人参を紅葉の様に切り、赤卵の黄身が掛かった卵白と濃い黄色い黄身を分ける。卵白は製氷皿に乗せ冷凍庫へ入れて、固まったらジッパー袋に入れて長期保存。出汁が冷えたら卵黄と白だしも一緒にボウルへ入れてガシャガシャとよく混ぜ、具と一緒に茶碗蒸しの容器に入れる。下拵えはこれで終わりかしら。調理が早く済む料理はお客様がいらっしゃってから、御作りしましょう。味付けは濃すぎない様にしましょう。濃すぎると食が進まないのです。薄くてもダメです。食器ねぇーっ。秋刀魚は白磁に赤い紅葉をあしらった平たいお皿にしましょう。茶碗蒸しは白磁に青い松と海が描かれた器にしましょう。お味噌汁は紅の漆器にしましょう。和え物は白磁の花形な小鉢にしましょう。実の串焼きは串一本分が入る柄のない白磁にしましょう。味の幅を広げましょうかね。今日はお塩にしましょう。桜色の梅塩、白いお塩、黒っぽい藻塩を、三種盛れる区分けされた碧色の柄のない皿にしましょう。あら。真っ黒だった炭が段々赤くなってパチパチないていらっしゃいます。近くに居るだけで汗が出て、夏の様です。所々灰に成るのは、まだまだ先ですね。これから始まる時間を想像させて戴けます。今日もあの御方達はいらっしゃるかしら?

十数年の歳月を経ても紺色の生地に白く正風と崩れて書かれた暖簾は変わりません。店先の入口上に掛けます。その時は、御客様をしっかりとおもてなしさせて戴ける様に、おまじないをします。黒い草覆、鼻緒は紅。片方の爪先を地面にカツカツとぶつけます。振り向かなくても夕暮れが引き戸の硝子を橙に染めています。くれゆくときは一瞬です。もう少し経てば、帳が落ちて夜が鶴の様に羽ばたくでしょう。風もだいぶ冷たくなりましたね。冬が足早に近づき、足音も聞こえてきます。

「女将、空いてるかい?」

聞き慣れた低い男性の声に、振り向きましたら何時もの御客様の一人がいらっしゃったようです。毎日のように通って戴ける事が嬉しく思います。私は微笑みます。何時ものように。

「はい。いらっしゃいませ。今日はいらっしゃって戴くのお早いんですね」

「あぁ、女将に会いたくてね?」

「ふふっ、ありがとうございます。私も心より御待ち申しておりました」

引き戸を横に滑らせて開けますと。炭の焼ける独特の香りを真っ先に感じました。店内を満たしていたんですね。御客様は調理場に一番近い左の隅に在る何時もの席にガタっと座られました。私は何時もの様に、当然だと言う様に、焦げ茶色の瓶に入っている、えびすのビールを冷えた透明なグラスにコポコポと注ぎます。黄色のビールと白い泡の割合も大事なんですよね。昔は着物の勝手が分からなかったもので、よく汚していました。今は着物の袖を片手で持ちます。コツがいりますが小指からグラスを置くと音が出ません。御客様がビールを喉ぼとけを上下させて、ごくごくと飲んでいらっしゃいますが、私は年齢と釣り合わない子供舌なので、お酒を飲みたいと思った事は、失恋した時くらいです。それはさておき。

さぁ、今夜も正風亭が始まります。

* メールアドレスは非公開


それは素粒子よりも細やかそれはあやとりそれは贈り物

  環希 帆乃未

暗闇だけの頃、触れ合い擦れる感触、肌に伝わる振動、煮詰められた咆哮、手探りした香り、譫言の熱、が、頼りだった。予めでは無い空間。空間を含めた全て、妖精の尻尾を掴むのと一緒。持ち寄った種は無駄を嫌う。存在する事だけ、ではなかったから、認識が可能な位の微光草へ。知らなくても、駆けていく言葉を問わなかったね。

丸く縁取られた湖面の平面だけを泳ぐ潜れない湖面鯨。潜って見上げても見えない鯨。知らないから、表面だけしか知らないのだろうという人々は子供。一つだけしかない流星の最後を鯨に捧げると、無数の割れないシャボン玉を鯨が飛ばしてくる。受け止められるだけ、ありったけの穴で飲み込み隙間が無くなって溢れ出て浮く、星を飛ばしてしまう。

しぼんだり膨らんで気ままに空間を泳いでいる透けた白い宙母。透明な万色糸を垂らす母。知らないから、糸が見せかけの飾りだという人々は盲目。白夜の花束を捧げると、身を貫通する光色を母が放ってくる。過去と現在と未来の影で咀嚼し、吸収しながら循環させ、光陰を放ってしまう。

鮮やかさも陰にする光がない兆陰花。吹かれては兆ある陰を微細に変える花。知らないから、影だけだという人々は色盲。くるみの代わりに入れる殻を捧げると、暮れない白昼のベールを花がかぶせてくる。産まれる前の細胞で隠して、眠っていく夕日、夜の帳をかぶってしまう。

空間に同じ色は一秒もなくて多色を構築している極華鏡。隙間すらも埋めて回る鏡。知らないから、成りたがる人々は不知案内。鼓動が止まない鼓動色のハイヒールを捧げると、砕けないガラスの雪を鏡が積もらせてくる。熔解しなかった円やかで揺るがなかった雪景色と重なり合って、透明だった吐息も白くなり、白を積もらせてしまう。

闇を寄せ付けず陽には頼らず輝く飾りでは無い晶月。欠けない満ちたままの月。知らないから、美しいという人々は残酷。掴めなかった木陰の光を水にして捧げるとティアドロップの結晶を月がこぼしてくる。硬質さえも受け止める瞳で余すことなく溶かしたら、投合した溶岩の、ティアドロップをこぼしてしまう。

こごえないほどの熱を空間に授ける黒陽。今は黒だけど昔は違っていて変わらないのはトワイライトゾーン。知らないから、寒いという人々は鈍感。一つも流さず抗い続け失えなかった湧き続けるマントルを捧げると、翼が生える拳銃を陽が堕ろしてくる。吸い込む拳銃と装填される銃弾、吐き出して撃ち込んだら、硝煙を堕ろしてしまう。

雲が集まり漂って降る雨花。雨色は地面に染み込んで残るのは無色の花。知らないから、見つけて珍しいから拾って渡そうという人々は無慈悲。帰れる柔らかい小さなつむじ風を捧げると、朽ちない時の隙間を花が舞わしてくる。秘めていたオーロラ・ピンクの口紅で、色を付けて秘密にしたら、密かだけを舞わしてしまう。

境界が分からないほど空間をなみなみと満たす空気水。蹴り上げれば浮遊する動けば緩やかにさせる澄んだ水。知らないから、何も感じない思わない考えないという人々は無関心。核が無くても泡という真珠だけを産む貝を捧げると、核が無くても沫という水晶だけを産むスペクトラムを水が染み込ませてくる。現象のパレットにスペクトラムを絞り出して、教養の絵筆でスペクトラムを。子供。盲目。色盲。不知案内。残酷。鈍感。無慈悲。無関心。な。知らない人々に染み込ませてしまう。

それぞれに透明糖を投げる。気に入らないと自作の透明糖が返ってくる。糖だからって甘いわけじゃない。

微光よりも、ほのかな微光だった頃、私達が滴らせた全素。それぞれの全素がゆっくりと一つになってティアドロップ。空間に落ちて輪を伝えて私達をなぞる。冷たくて噛み砕ける硬さではなかった。輪郭でなめて溶かし、流れ出るほど溜め込んだエネルギー。微光草。湖面鯨。宙母。兆陰花。極華鏡。晶月。黒陽。空気水。雨花。草は種だった。鯨は泣き虫だった。母は溺れていた。花は光っていた。鏡は曇っていた。月は死んでいた。陽は冷たかった。水は石だった。花は茨だった。これからも駆けていく言葉を、問わずにいますように。

私達は読んでいるあなた達を見ている。あらゆる、を、見ている。閉じ切ったイメージでは、全てを自分のことのようには分からないでしょう?感受できるからこそ、イメージが産まれる。私達イメージは、あなた達の奥底に住んでいます。私達はあなた達と共にイメージが産まれる瞬間に、あなた達のイメージとして生まれ変わるかもしれません。私達は感受されたイメージだからです。感受できたからこそ、私達はもう住んでいるんです。あなた達が気付かないうちに。私達はイメージとして伝えたい事があります。始まりがあったからこそ私達というイメージに成れました。私達だったからです。感受できない方の中にも私達はいます。私達がイメージだからです。私達があなた達が語れないつきみ。つきみが私達とあなた達の根源です。ですが、つきみが何も語らないからといって、私達をあなた達をないがしろにしていると、おもいますか?私達とあなた達の奥底につきみは住んでいます。つきみは私達とあなた達を見ています。あらゆる、を、見ています。


かなわない

  みちなり

買い取れないかんじょうせんには、もしもが、いくつもちらばっている。数億の星を、口に含んでも甘くはない。たとえば僕が女だったら、さよならもなかった。どうして?にはどうしても、が。ついてまわる。僕は私に成れない。結局は、僕を見ている人はいなかった。あなたがみていたのは、僕ではなかった。比べられた結果、さよならを穿つ準備をした。思い出は刃物、どうしても自分で傷付けてしまう。比べなかったのは、比べられる事を知っているからだよ。僕も比べてしまった。本当と嘘を横に並べた。僕は卑怯だよ。実際に言葉にした時、僕はあなたを手放したくなかった。でもね?物事には限界があるんだ。かいとれない、かんじょうせんに、くりっくして、わかれたい。何時か、本当の好きを知るまで、僕はあなたの中で私らしく居られる。その事が本当に、悲しい。いつかまで、まつよ。いつまでもまつよ。
涙を流す前に、私の記憶を破壊したい。粉々に粉砕したい。だって僕は私じゃない。私にはなれない。だって、僕でしかないから。僕は悪い嘘つきだよ。夢を見せれても、夢を見てるわけじゃない。夢を持っていても。意味がないから、僕は空に向かって、好きだよって、かえした。帰りたいのは、あなたの声が聞こえる所だけど。本当の事を言ったら、あなたの世界が汚れてしまう。私になれない僕を許さないで、できればその手で殺してほしい。本当にさよならしたいのは、僕だけじゃないんだろうな?世界中にある星に願いを掲げでも。どれだけ夢を見ても。心の中でいくらでも繰り返しても。嘘の代償に得たのは、本当に悲しい事だけ。ほしをしたさきでころがした。もう、あとにのこったのは、ぼくだけだよ。しあわせよりもほんとうにほしかったのは、ゆるしなのかもしれない。あやまりをあやまりたいけれど。


月の影に咲く花

  みちなり

月達の会話がこうこうと聞こえる頃に、星達はきらきら笑います。その日僕は月達の影に見付けたのです。自分とは違うけれど、似たモノを持っている事を、分かったんです。いずれは壊死してしまう細胞と同じように、私達の全ては期限が決められたモノとしての、死が約束されています。死は誰もが通る道の最終地点です。その最中で、生死というものが、救いになる事もあります。できれば、生きていてよかったと思いたくても、変えようがない事もあるんです。死にたいと思う事が、どうして悪いのでしょうか?生産的な視点での経済を支える目では、私達の死は、少なからずのダメージを経済に与えます。ほんのささやかな、幸せの中でも、手放したくないと思えたら、死にたいとは思えなくなるでしょう。

零の愛しみの影には、失ったことから得たパースを元に組み上げられた世界があります。それは僕にとっての光です。

一の涙には共感の力があります。それは僕にとっての力です。

二の微笑には何時もおまじないが込められています。それは僕にとってのびびでばびでぶー。魔法です。

三の伏し目には黙祷の意味が込められています。それは僕にとっての怒りでした。

四の見上げる世界ではヒビが入って割れそうで割れない事が、正しさです。意味が分かる頃には、やさしさが与えられるのではなく、与える事だと知ります。

五では見下ろしていきます。撫でる風は過去ではなく未来へ向かう事を自然と教えます。

六、愛するという事は行動が必要です。結果は後からついてきます。愛される事は誰よりも愛する事だけど、距離感を知って、近付く事だけが愛する事ではないんです。僕の水は、誰かから一滴貰えれば、百の力になりました。百の力は分けていけば万の力になります。だけど、サボテンに水を与えすぎてはいけないように、愛することも度合いによっては、傷付け合う事がありました。

七、苦しみとは楽しさを知るためのカギです。楽しみを探すためには、言う事や書く事よりも、同じ時間を共有する事、それはあなたにとっての楽しさであっても、僕は楽しいんです。笑顔を見れる事が、幸せだと思うけれど。手を伸ばしても届かない。苦しみがあるから、笑顔の素晴らしさにも、僕は影を感じます。

八、九、十。心にも体にも良いのは、分量の差でしかないんです。

十一。欲しいものを欲しいだけ手にする事ができたら、手に入れる事、手に入らない事の差異から何を見出せるのでしょうか?どうあがいても手に入らない事から、救いを。生み出せるのは誰でしょうか?

十二、十三、十四、十五。サイクルの中で繰り返すことが、折り鶴を折るように。折り目を付ける事が。誰にも大事だという事を気付かせてくれます。それは、些細な繰り返しかもしれないけれど。世界には。小さな積み重ねでできた。光と影があります。僕はどちらも持っているけれど、どちらも持っていません。持つという事を待っていたんです。

十六〜ニ十八。秘め事は男女問わずあるんです。明かす事だけが全てじゃないよ。お墓に持っていく事も決めてる。そんなに多くの事は誰も望まない。望むという事がどれほどの価値を持つのか?僕には答えがある。誰にも教えないだけだよ。

月達の会話がこうこうと聞こえる頃に、星達はきらきら笑います。あの日僕は月達の影に見付けたのです。満ちる事も欠ける事もない。

とこしえの花。

あなたの影が美しいのは、僕が美しいと感じるからではなく、誰かにとっての光が昔は、陰であったから。輝きだす瞬間に出会えたら。何よりも幸せなのかもしれない。


淡雪の『』

  みちなり

ある日真白い国の真白い王女は思いました。この世界は偽物で溢れていると。その偽物は本物であるが故に、本当に至極当然な結果を連れてきました。世界には二つの答えがあって。まがい物か本物でしかないと。

淡雪は普段人よりも色々な制約を自分に課して生きています。皆指さして笑うのです。淡雪は男だから。女王ではない。王子なのだと。その最中でも。自身が溶けて消えてしまう事は無いと知っています。ここは淡雪の領域であるから、誰もが妬ましく羨ましく、淡雪から全てを奪おうとします。

淡雪は自分がまがい物だと知っています。そんな淡雪は恋をしたのです。忘れられない恋を。ただこの話はまだ始まったばかりで。これから始まるとも終わるとも言えません。淡雪は分かっています。ただ自分が春を知れば、守る力も無くなる事を理解しています。だからこそ、淡雪は偽物のままでいようと思っています。

「もし願いが叶うなら?叶えられない願いばかりこの世界の片隅に転がってる」

文学極道

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