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軽谷佑子 - 2017年分

選出作品 (投稿日時順 / 全1作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


挽歌

  軽谷佑子

帰らなくとも
家はいつまでも家
冬至が過ぎて
まだながく続く冬の
片手をそっと引いた

町がひかりを区切り
高いところで
飛行機がちいさく移動していく
冬の空は色が薄いので
はさみで切った紙のかけらが
はりついていてもわからない


わたしたちはそのまま
落下していく夜の水辺に星は
かがやきやがてすべてはがれおちて
しかたがない と
口に出して

名残の日々がいちめんに満ち
作業だけがかたちをのこす
あまりにも暗い
朝のなかもはや知らない
風景のなか

わたしたちはいつでも
学ばない水位のあがった川の
したいきたえたひとたちによびかける
冬のきまりにしたがい
枝と葉は別れをいいかわす

文学極道

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