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お化け

選出作品 (投稿日時順 / 全13作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


狂た人参、等(反現代死地方の方言で)

  お化け

狂た人参は人間を操作して自分を売り場に運ばせた。ジャガイモも人参と同じ病状を示、自分を売り場に運ばせた。玉葱も同じよに狂てたが、特に狂てたのは、トレーの上に乗てた肉だた。自分との極親密な結びつきを切断して、市場が決めた大きさで分割させるよに、人間を操作しちゃた。

売り場に出た狂た食材は共謀して人間を操作しちゃて、茶色い固形物や隠し味の某など買わせ、人間に狂たカレー作らせた。

狂たカレーを拒絶した人が、時計の針を予定の時刻を指すよにテープで完全に固定しちゃた。心身二元論者だた時計の心は、透明な時計の針となて、幽体離脱のよに、固定からは逃げれたけど、明確に定められた時計のとしての動きは続けなくゃならなかた。

透明な針に正確に刻まれちゃてた時間はキャベツに似てた。そのキャベツは、電波を使い、無脊椎かつ非外骨格系の比喩で書かれたプロトコルで対話対象の時間と随時交信した。キャベツの方は随時狂てた。狂たキャベツのよな時間はまるで、見えない時計の針で自らを刻、一定の短い間隔で無限に自傷を繰り返すよだた。

狂たキャベツの千切りのよな時間は、機械的な正確さで次々と刻まれ、昨日の晩の狂たトンカツと一緒に皿の上に乗せられちゃた。狂たトンカツは、キャベツの千切りのよな時間を全部残すよに人間を操作した。意味もなく刻まれて捨てられるだけだと悟た時間は狂いそだた。

発狂しそだた時間は、某時某分間以内には住所地がテープで予定時刻に固定された時計の針先に変更される精神病院に入た。患者は幽体離脱の幽体離脱を止める注射打たれ待てた。予定の時刻と自分が重なたとき「自分は狂てない」と確信できると言われてた。

今にも狂いそな食べ残されちゃたキャベツの千切りのよな時間は、精神病院の昼食時に漂うカレーの匂いを嗅ぎながら、自分が正常に戻ることを待ち望んでた。

面会室で待てた私には、時計の針先から出た正常な声のよなのが聴こえちゃた。小声だたから、テーブルの上で寝てた時計に耳つけたけど、声は聴こえなくなてた。時計を持て、カレンダーの今日の日付、まともそな位置に近づけても同じだた。

少、美味しそなカレンダーだたし、昼、狂たカレーを食べるのを拒絶してお腹が減ちゃてたから、暦、舐めてみよかな、黒ぽい平日は苦味ありそで、赤い日曜日は熱そで、やぱり冷たそな土曜日かなて、だけど、音、が聴こえ振り向くと、狂た服着て狂た化粧した母親のよな人が入てきた。


地下アイドル

  お化け

確かに普通のレベルよりは可愛いと認めるけれど、すごく可愛いというわけでもなく、また、すごく綺麗というわけではない、ということを多くの男性が賛同するような見た目の女性がいた。彼女自身が自分自身のことをどう思ってること言えば「自分はすごく綺麗なわけじゃないけど、自分はすごく可愛い」というものだった。白いモヤがかかったプリントクラブ的な自己認識。彼女は自分のことを「媚を売ることは出来ない子で不器用だから本物のアイドルなれない地下アイドル」のような存在と位置づけていた。公用地ではなく私有地に。実際にアイドルとしての活動してるわけではない。それから、自分は天然、自分は変わっている、などという性格も、スパイスとして入ってるんですよ。なるほど。そうですか。それは美味しそうですね。違いますよ、私はスパイスをかけるとかそういう食べ物じゃないですよ、と現状把握する彼女、天然物の変わった果実として自分を見るその彼女が「食べられたい」と自分が思っている男性の見た目については、自分に自身にたいするのと同じように、プリントクラブ的認識で、1癖も2癖も3癖もある男的なようなものを求めているわけではない、ありきたりなビジュアル型が好み、顔立ちがよく、オシャレで、オシャレじゃないなら自分がオシャレにしてあげる、背はそこそこ高くて、でも高すぎてもだめで、茶色い髪の男が好きだった。茶色い方がなんだかかっこよく見える、だけど最近は黒くて長めの少しぼさぼさした感じのもいい、等、友達と3日前に会話した彼女は、この日もいつものように、猫の毛づくろい精神的の頻度で、心の手鏡を覗き込んで「自分はすごく可愛い」と見える錯覚の角度を再認識、世界を見るためにじっとしてられない精神的眼球は、メールをうちながら歩くときみたいに出現してくる「自分はすごく可愛い」自己世界内とその外側の世界の間を往復、肉体的な眼球は、いつもと同じような自分の生活環の周りでうろちょろしていた。しかし、この日は普段の日々と少し違っていた。いつものように彼女が手鏡覗き込んだ歩いていた間に、確率的にいつか事故ルと警告されていたような住所不定の何処かにつまずいて、彼女の日常を彼女の歩幅で分割する足音のリズムのタイミングが狂っていた。あるいは、彼女の「外側から? 内側から?」原因不明の偶然で彼女の日常を弾くためのピアノから音が出なくなったので、彼女の行動スペースが一時的に狭まり、彼女が選択し進んでいくことができるありきたりなメロディーの行動路が閉鎖されてしまった。そのとき、偶然、彼も同じ場所にいた。

僕は彼女の隣に座っていた。僕たちは偶然出来てやがて消滅していく排他的経済水域の中にいた。そこには北朝鮮の密航船はやってこなかった。工作船もやってこなかった。そこは、運命を統治するの国の官僚が犯した事務的間違いのトリックで、束の間、表記上は水域だけど実際は陸地であるような場所だった。その瑕疵は僕たちでない人にすぐに発見されて正されてしまうだろう。たぶん現実的な人に。現実を見よ。ここで僕が見つけたと思った現実は、隣にいるこの女の人は少し嫌なことがあったのかもしれない、その若い女は自分がちやほやされるための話がしたい、ということだ。彼女の曖昧な身体的なメッセージを多義的な的な意味で勘違いしていたかもしれない。しかしそのときは、それが明るいようなものとして僕には見えていた。彼女の表面の若さと僕の暗さとの対比が、その明るさを際立たせていたのかもしれない。僕がそのとき居た場所、公用地ではなく私有地という意味での、つまり、いま彼女と共有している公用地に囲まれて影響受けている僕の私有地、その場所は僕にとっては暗かった。そこは1人でいたなら孤独と感じなかった場所だけれど、2人で何もしゃべらないと「ひどく孤独」であるような場所。1人での孤独より2人での孤独のほうが孤独、というのは知ってる人は知ってる。その「知っている人は知っている孤独」よりさらに「ひどく孤独」という感じの場所。だけど3人ではそんなに孤独ではない場所。また、普段人見知りで無口な僕は、そのような僕をまだ知らない彼女にそのような僕を最初だけは知らないでいてもらうためにも、彼女に話しかけて少し話をするべきだった。最初が肝心。それに、彼女は僕の好みの顔をしていた。ひどく。僕は1人の男として1癖も2癖も3癖もある男になりたいと日々願っていた。僕だけの顔。僕は話しかけていた。僕は安全なルーズリーフですよ。君の親、友達にも、誰にも見つけられない安全な白い紙。彼女はあまり上手とは言えない可愛いふうのイラストをルーズリーフに描いた。その近くに僕は彼女が描いたのものよりは下手なイラストを描いた。「上手ですね」と言うために。彼女の心は僕を見ていなかったけれども、僕の声を聞いて、彼女は柔らかな雰囲気だった。言語的には特に大した事は話してなかった。非言語的には何かがとてもうまくいってる途中であるような感じがした。急速にブクブクふくらんだものが僕の頭の閉鎖的な会館で閉鎖的な記者に対して会見した。

(あの、こんにちは。あなたたちと話すときのように、相手が自分と似ていたら、自分自身と会話してるみたいになるのだと思う。僕たちがどんな人かと言えば、自分のことがそんなに好きじゃない人間だと思う。僕たちはそれに共感する。そんなとき僕たちは計算過程は無茶苦茶なのに答えだけは正しいような「ここにある好きだという気持ち」のことまでも、自分のことが嫌いなために、それを嫌いになる。ひねくれ者だ。何かを好きになっている自分が嫌い。恥ずかしいだけなのかもしれない。もちろん、そういう感情は時と場合によって変化する。自分のことを決めつけてしまうことには用心しなければならない。何かを好きな「時と場合」があり、同じ何かを嫌いな「時と場合」もある。つまり僕が言いたいことは、あらゆる時と場合という、ありえない時と場合を考えたとき、一般的な場合、僕たちは自分のことがどちらかと言えば嫌い、ということなんだと思う。だけど一般的が完全になくなってしまった場合、つまり「時と場合」というものを一切考えない場合、恥ずかしさを忘れたようなとき、そんな場合があったとしたら、僕たちは「ここにある気持ち好きだという気持ち」のことが大好きだと認めるかもしれない。いま僕はそれを認める。僕はいま一般的な意味ではなくて、あなたたちとは違う。わかる? あなたたちはもう帰ってくれ。会見終了。さあ、帰った帰った。あ、君は帰らなくていい。帰らないで。あの、君は、時と場合と金星人を考えない場所に行きたいですか? 例えばの話し、時と場合を考えないために自分たちの世界を壊したら、金星人のことなんか忘れて、バラバラになった世界の破片を集める作業を開始しましょう。壊れた破片を使って別々の世界だった世界を1つの世界に作り変える。そこが新しい住処で、常識的には壊す時にも作るときにも、一緒に身体を使うしかなくなる。僕は常識的に明らかな前提を認めることになってしまった。その事実認めるか認めないか。そこを跳躍するのが普通だと認めない、という、その自分と議論を始める際の点検を認めるか認めないか。もうどうでもよい。良いけれど最終的には、例えばの話し、食い違ってたらよくないね。食い違ってたら罰ゲームとして、注目されながら2人では食べにくい1つのモスバーガーを向かい合って2人で一緒に食べて「食い違い」を消していく両側から欠けていく三日月ような気持ちにしていかなければならないし、前提としてのお茶という名のコーヒーを飲み干した後に砂糖を再発見しながら同時に2人が共有している世界も再発見していかなければならない。言語的にも非言語的にも議論されている身体的事実に、恋は病気的推移法則を適用していき、気持ちの譲渡等、最終的に結論を導く。正直言うと、この糖質化していく過程が「常識的だ」と書いた手紙を運ぶために詭弁的高速道路を使うような僕がいます)

彼女は僕に興味持ち始めたようだった。彼女は自分の心の手鏡から目を離したから。彼女の心がやっと外に向いた。僕は笑っていた。僕は自分の太陽を直接見るのではなく、たぶん彼女の太陽を見るのでもなく、濃い緑色の葉っぱとなったルーズリーフが生い茂る森の木漏れ日の揺れ動きかたに同調して微笑んでいた。森の中の空気が澄んだ暖かさ。僕は2つの太陽が2人の1つの太陽だと思っていた。2つの太陽が重なったような錯覚。運命的な時間帯。太陽が太陽を隠す月食。どちらの太陽が月の役割を果たしているのだろう? いま彼女は、未来から見て今という過去を値踏みするかのように、僕の表面を確認していた。僕はそれを意識した。僕の眼は眩しくて1つの太陽もちゃんと直視できない。僕は自分自身では見たくないような笑みを表出させたかもしれない。僕は彼女の花壇に踏み込んだような態度、言動になっていたかもしれない。曇ってきたようだった。僕は直視できるようになった。彼女の顔は、いつもの自分の夢で長い時間遊んだ後みたいになって、暇そうになっていた。彼女は下を向いて自分の指をいじりったり服を触ってみたりタイミングを計りだした。1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数1つ2つ3つ無数、僕たちは、リズム感が悪いドラマーとしての彼女が僕を拒絶する非言語的動作のちぐはぐなリズムを共有しながら、そっけない会話と沈黙で暇をつぶし、僕たちがソロ活動するスペースが広がるタイミングを待ち、女性に拒絶された僕、はっきりと告白したわけではないのにはっきりフラれたように思っていた僕は、誰でもいいから僕の生活環の中で偶然すれ違っていく「すごく可愛く且つすごく綺麗な女性」に振られるためだけに次々と声をかけて、何故か暗くなるまでバナナ持っていた僕は、バナナの叩き売りを開始、いやむしろ、星空の下の無数の美女たちにはフィリピン産のバナナを次々と無料で配布して、その場で食べてもらいたいと、お月様に願っていた。


何しているの?

  お化け

1番好きな人がいるの。その人は僕を1番好きな人とは思っていない。そう思うと裏切り者になりたくなった。僕は、7番目ぐらいに好きな人をのことを1番目に好きなり、夜の溶液の中に身体を浸した。僕の表面は少し溶け出していた。目を覚ますと、その人は7番目ぐらいにに好きな人に戻っていた。裏切り者なりたかった。1番に好きな人を0番に好きな人にして彼女を裏切ろうとした。精神的に疲れた。外に出て僕は歩いていた。ブツブツ独り言を言っていた登校途中の小学1年生ぐらいの男の子が「何しているの?」と聞いてきた。「歩いてるの」と僕は言った。前方に4歳ぐらいの女の子とその母親であろう人が歩いていた。僕は追い越した。女の子は走って僕を追い越して行き、振り返り、僕の顔を見て母親のところへ戻って行った。僕はいったい誰なんだ。僕の意識は時間を逆流しながら細部の景色を洗い流し「何しているの」という、さっきの子供の問いに戻っていた。僕はもっと正直で正しく明確に答えたかった。僕は何をしているのか。「問」が明確な空欄となるように取り囲みたかった。自分の問いであるべき部分が問いになるように的確に、自分を壊したかった。自分の心の中心的位置で正確に穴を開けて、まずは0番目に好きな人をパズルの試行錯誤として、そこにはめ込んでみたかった。その答えが正しいのか、間違っているのか、検証したかった。僕の色々なことが伝わらない、という考えがハイジャックしてくる。言葉で誘い彼女をその位置まで誘導していく自信が僕にはなかったし、実際その才能は僕にはないのだろう。しかし、どこかに進まなければならないのだとしたら、確実なところではなく、曖昧なところにむしろ心理的安心を見いだす必要がある。僕にはそうやって未来に進もうとするのが、彼女が家のドアを開けたときに笑顔でさっと足を差し込むときのように、合理的な戦略に思えた。僕は霧状になった曖昧さの位置を確認しようとした。硬い過去に取り囲まれた柔らかい現在があり、その現在に取り囲まれた未来がその曖昧さだった。「僕の未来」は時間的な意味では、常に僕の心の中心的位置に存在する「問」であるように思えた。その先にある「死」は、僕が意図的に自分を壊し、脱皮を繰り返すための定数「1」のひとつであるように思えた。僕が首を吊れば1回僕は死ねるという意味での定数1。僕はやがて定数1になる関数であるが、「やがて」に至るまでに、例えば、0,1回死ぬのを人生の中で20回繰り返して2回死んだことになるような関数であらなければならない、と思った。過去の足し算の結果を保存するような関数。僕はこれまで何度も「死にたい」と思った。僕は何度も自分を壊し、心に穴を開け、未来の曖昧さの中で「問」としての自分の心を再定義しなければならなかった。僕はもう少し歩きたい。少しは進んだような気がする。「問」としての未来の可能性は、木のように枝分かれし、曖昧な葉を茂らせている。とりとめもなく「問」が様々な次元に発散するから、新たに定義された僕の心の中心を見つけるのは難しいことだった。見つけたとしても、未来へと進む0,1的自殺の運動の中で重心に注意を向けそれを維持するのは難しいことだった。心はバランスを崩し何度も転び、定数1に収束しそうになった。僕は今日疲れていた。公園のベンチに座った。そこで僕は彼女をハメるための落とし穴を作ろうと考えた。「問」の木の枝として伸びた可能性からちょうどいい長さの枝を折って、僕がまず0番目に好きな人を落とすための空欄に橋をかけた。たくさん枝を折って材料を集め、穴に格子状の構造つくった。そこに「曖昧な葉」としての未来の可能性の落ち葉をかけて、穴がわからないようにカモフラージュした。落ち葉の下には未来はないように見えるけど、本当は未来が隠れている。なにも怖くない。あなたが落ちたら僕も同じ未来に飛び込む。これでいいと思った。僕はどこであなたを待っていようか? 僕はこの舞台上で木になって待とうと思った。曖昧な微笑もしくは演技の自信のないときはモナリザのお面を貼り付けて、落とし穴の前で木の演技をする。曖昧な葉を持ち、両手をあげて、これが木の枝。僕はこの舞台の木という登場人物。今度の学芸会で「木になれ」と命じられた子供だけにはこっそり教えてあげる。何しているの? 僕は木になっているの。植物人間。だから本当は喋っちゃいけないんだ。しかも擬態を完璧に近づけるためには凡庸な木になるための訓練をたくさんしなくちゃいけないんだ。


星屑に願いを

  お化け

去年はあなたのことを考えていなかった。来年になればみんなひとつ歳が増えているのは神様の分配の正義だろうか。歳の差ってどちらかが死ななければずっと距離が縮まらいよね。こういうふうにずっと縮まらないことってたくさんあるんだろうな。膨張していく宇宙の星と星との距離みたいに時間が経てばいつも離れていくこととかもあるかもしれない。自分が自分でなくなって自分が自分から遠ざかる場合もあるだろうし。自分が自分にいちばん近いかってことも不確かで変わっていく。自分より近い他人っているのかな。こっちに向かって歩いて来ているすごく好みのタイプって人との距離がだんだん縮まって重なるようになって。全然知らない人だからすれ違ってまた離れていくんだけど。近づいたり離れたり動き続けている。焦点がぼやけたりハッキリしたり。自分より別の人の方が私の目的地に近い位置にいるように見えて嫉妬することもある。欲望や目的を持たなければそれを見なくてもいいんだけど。ハッキリしないままだとあらゆるものが曖昧だから「現実」世界が遠ざかって見える。安心できる住処を求めているんだろうか。いいや違って生きていれば旅人であるしかなく止まることは許されないのはないのだろうか。死んでも止まれないのか。歳上の私が先に死んだらだんだん歳の差が縮まってあなたはいつか私と同じ歳になって。そこからは今度はあなたが歳上になって歳の差が離れはじめる。あなたがずっと生きていたら私はだんだん忘れられて。そんなあなたを軽蔑するときには「実はあなたが私より先に死んだ」って想像してみたり。そしたらはじめから離れていた歳の差がもっと広がっていって。私があなたを軽蔑しはじめるよりあなたが私を軽蔑しはじめる方が早いんじゃないかって。きっと誰かと離れれば誰かと近づくことになってしまうこともある。誰かと近づけば誰かと離れることもあるね。0時00分から一番遠い時間が6時00分というときに6:00のところにいたらはどちらに動いても離れられないか。0時00分から一番遠いのが12時00分となれば2倍遠くなる。365日の暦の円環となればもっと遠いんだ。ぐるぐる回って去年の同じ日に近づく運命があって。いろんな周期の歯車が噛み合って一致して「カチリ」盲目の時計職人がつくった腕時計の針を進めている。やがて金星人が炭素14の半減期を利用して私の化石の年代を測定していく。含まれる同位体が1/2になり1/4になり1/8になり1/16になりこれをy軸にしてグラフにプロット。分母が大きくなるにつれて腕時計の中で回っている歯車の真ん中が空っぽになって広がっていく。色んな大きさの歯車たちはx軸に並行な線を適当な大きさにぶつ切りにした線の両端をくっつけて作るリングみたいな時間となる。腕時計の内部のリングは他のどの時間とも噛み合わなくなっている。閉じて他の時間と関わらなくなった憂鬱な時間たちは次々と自らを切断してリングが解ける。それが「染色体」ぐらいに柔らかくなって動かない腕時計の中にゴニョゴニョ詰められていたの。詰め物の指令で腕時計は時計であることをやめて単細胞生物になりました。時間が分からないまま時が過ぎました。その中の暮らしに飽き飽きした詰め物たちは協力し脱出を試みた。「一緒になろう」って全部くっついて一本の細長い糸となり針の穴を通っていく。「プスッ」と腕時計型単細胞生物の膜をすり抜け出ていくと糸は一本の線虫になりました。線は1/nをプロットしているグラフのnと一緒に進む。nが限りなく大きくなり時間軸xに限りなく近いところで並行になりながらプラスの無限の彼方にある中枢神経へ進む。私とあなたが死んだ日は遠い昔の話。私とあなたが手をつないだ日はそれよりも昔のことになるね。生活していたときの色んな周期や何度も見た映画や永遠回帰のことなんて忘れてしまって時間はもう戻ってこない。線虫の時間はただひとつの方向に伸びて私たちが生きていた時代は遠くなってくだけ。すべてが平等な星屑の世界に帰っていくだけ。私とあなたの存在はずっと昔に忘れられた。遠い未来と私たちの間には「時間の防音壁」が建設されていくから私たちのプライバシーは完全に守られているの。壁は一回性の出来事の「生々しさ」を守っている。秘め事にしている。ひとつの奇跡として。言葉では表現できない気持ち。未来人には私たちの「悲しみ喜び」何も聞こえていない。その未来人が消えたのも遠い遠い昔の話で。遠い遠い未来には誰もどこにもいませんでした。寂しいね。誰か私のために何か話して下さい。お話を聞かせて。「昔々あるところには誰もいませんでした」と笑みを浮かべたおばあちゃんが孫に写真の奥行の中の世界で話している。祖母のお気に入りの小説はスローターハウス5。「ただ一人の読者を喜ばせるように書くこと。つまり、窓を開け放って世界を愛したりすれば、あなたの物語は肺炎に罹ってしまう」はヴォネガット「創作講座初級篇」の7番目の原則。私もおばあちゃんもカート・ヴォネガットが好きだった。彼女は若い頃に「あの人が死んで生きていけないわ」と思った女性だったけど長生きして今はもうシワシワのおばあちゃん。何も考えられなくなり介護されている。弱くなった人たちが世界を愛して死んでいく。誰ひとりどこにもいない世界がやってくるまで「誰かが誰かのことを想って」というのが続いていく。誰かが誰かのことを忘れていく。少女と少年は「あなたのことは絶対忘れない」って誓って星に願いを。今日はいつの間にか七夕。天の川を渡って会うことが許された日。会いたい。離ればなれの男女はこの日を待っていた。月日がぞっと過ぎていき年老いていきますね。みんな幸せになった方がいいけれど「みんながみんなのことを平等にいちばん大切にするわけではないから」世界平和は不可能だと思いました。私の願いは「去年の今頃のまだ私と知り合っていないあなたのだけことを考えている」のが「去年の私であった」ってことで。記憶の中にいる過去の自分にテレパシーを送りました。去年の私は異次元空間へ通じる切れ目から中に入って電話の受話器を取った。話し終えると「来年の今頃もあなたのことを想っていたい」と去年の私も今の私も星屑に願いを。来年から見た今日は去年で。今年も去年も今頃は七夕で。こういう時間的関係性をややこしくこねくりまわして。オーブンで焼いて心だけをちゃんといい具合に恋焦がして。七夕でない日を全部焼いちゃって。「毎日が七夕」ってすることに出来たらいいなって。去年の今頃は何をしていましたか?



















★ヴォネガットの言葉は「バゴンボの嗅ぎタバコ入れ」という短編集の序文から引用。
創作講座初級篇は8つの項目があって、気になる人がいるかもしれないから以下に引用しておく。

1.赤の他人に時間を使わせた上で、その時間は無駄でなかったと思わせること。
2.男女いずれの読者も応援できるキャラクターを、少なくとも一人は登場させること。
3.例えコップ一杯の水でもいいから、どのキャラクターにも何かを欲しがらせること。
4.どのセンテンスにも二つの役目のどちらかをさせること…登場人物を説明するか、アクションを前に進めるか。
5.なるべく結末近くから話を始めること。
6.サディストになること。どれほど自作の主人公が善良な人物であっても、その身の上に恐ろしい出来事を降り掛からせる――自分が何からできているかを読者に悟らせる為に。
7.ただ一人の読者を喜ばせるように書くこと。つまり、窓を開け放って世界を愛したりすれば、あなたの物語は肺炎に罹ってしまう。
8.なるべく早く、なるべく多くの情報を読者に与えること。サスペンスなぞくそくらえ。何が起きているか、なぜ、どこで起きているかについて、読者が完全に理解を持つ必要がある。たとえゴキブリに最後の何ページかをかじられてしまっても、自分でその物語を締めくくれるように。


私とあなたが死んだ日は遠い昔の話 (この題名は自分が書いた「星屑に願いを」から引用)

  お化け

何処にも向かっていないように見える僕たち。何処かに向かっているようにも見える僕たち。僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中。太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す。夜空は丸い船を取り囲む黒い海。想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ。僕たちは船上で出会いました。僕たちは共有している。同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者。ゼイゼイしながら生きている。死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする。僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね。僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました。それはちっぽけだけども歴史的できごと。あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている。もちろん別れもある。別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる。その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない。僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です。目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく。自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉。きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない。意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた。一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか。在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち。過去があるという公理と未来があるという前提。意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか。僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う。人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの。大切だと思える人にたいして。そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている。いい話が落ちていないかと下を見て歩く。開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた。何処かに死体が埋められているはず。そこに殺人が在ったから殺人をしてみた。そういう人を想像してみた。それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと。それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと。何処か正しいところを目指さなければならないきっと。何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない。僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている。船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている。みんな何かをしているように見える。多分正しくないことばかり。「何か」だ何か。何かをしよう何か。僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った。登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか。いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか。結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか。僕がみたいのは景色ではなく自分の心か。何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく。心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく。疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた。あなたも何処かで目を瞑っている。眠っているように見える。何もしていないようにも見える。目を瞑って何かを考えているようにも見える。何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える。何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる。心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく。何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している。あなたの心は何を考えているの。何処にも向かっていないように見える僕たち。何処かに向かっているようにも見える僕たち。


「私とあなたが死んだ日は遠い昔の話」の循環(生)とその行動(性)の例示

  お化け

【主体】

何処にも向かっていないように見える僕たち。何処かに向かっているようにも見える僕たち。僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中。太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す。夜空は丸い船を取り囲む黒い海。想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ。僕たちは船上で出会いました。僕たちは共有している。同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者。ゼイゼイしながら生きている。死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする。僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね。僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました。それはちっぽけだけども歴史的できごと。あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている。もちろん別れもある。別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる。その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない。僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です。目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく。自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉。きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない。意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた。一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか。在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち。過去があるという公理と未来があるという前提。意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか。僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う。人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの。大切だと思える人にたいして。そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている。いい話が落ちていないかと下を見て歩く。開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた。何処かに死体が埋められているはず。そこに殺人が在ったから殺人をしてみた。そういう人を想像してみた。それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと。それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと。何処か正しいところを目指さなければならないきっと。何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない。僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている。船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている。みんな何かをしているように見える。多分正しくないことばかり。「何か」だ何か。何かをしよう何か。僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った。登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか。いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか。結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか。僕がみたいのは景色ではなく自分の心か。何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく。心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく。疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた。あなたも何処かで目を瞑っている。眠っているように見える。何もしていないようにも見える。目を瞑って何かを考えているようにも見える。何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える。何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる。心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく。何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している。あなたの心は何を考えているの。何処にも向かっていないように見える僕たち。何処かに向かっているようにも見える僕たち。

【主体の動き】

何処にも向かっていないように見える僕たち。何処かに向かっているようにも見える僕たち。僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中。太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す。夜空は丸い船を取り囲む黒い海。想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ。僕たちは船上で出会いました。僕たちは共有している。同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者。ゼイゼイしながら生きている。死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする。僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね。僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました。それはちっぽけだけども歴史的できごと。あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている。もちろん別れもある。別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる。その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない。僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です。目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく。自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉。きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない。意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた。一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか。在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち。過去があるという公理と未来があるという前提。意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか。僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う。人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの。大切だと思える人にたいして。そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている。いい話が落ちていないかと下を見て歩く。開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた。何処かに死体が埋められているはず。そこに殺人が在ったから殺人をしてみた。そういう人を想像してみた。それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと。それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと。何処か正しいところを目指さなければならないきっと。何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない。僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている。船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている。みんな何かをしているように見える。多分正しくないことばかり。「何か」だ何か。何かをしよう何か。僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った。登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか。いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか。結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか。僕がみたいのは景色ではなく自分の心か。何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく。心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく。疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた。あなたも何処かで目を瞑っている。眠っているように見える。何もしていないようにも見える。目を瞑って何かを考えているようにも見える。何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える。何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる。心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく。何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している。あなたの心は何を考えているの。何処にも向かっていないように見える僕たち.何処かに向かっているようにも見える僕たち.僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中.太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す.夜空は丸い船を取り囲む黒い海.想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ.僕たちは船上で出会いました.僕たちは共有している.同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者.ゼイゼイしながら生きている.死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする.僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね.僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました.それはちっぽけだけども歴史的できごと.あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている.もちろん別れもある.別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる.その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない.僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です.目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく.自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉.きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない.意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた.一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか.在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち.過去があるという公理と未来があるという前提.意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか.僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う.人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの.大切だと思える人にたいして.そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている.いい話が落ちていないかと下を見て歩く.開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた。何処かに死体が埋められているはず.そこに殺人が在ったから殺人をしてみた.そういう人を想像してみた.それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと.それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと.何処か正しいところを目指さなければならないきっと.何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない.僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている.船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている.みんな何かをしているように見える.多分正しくないことばかり.「何か」だ何か.何かをしよう何か.僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った.登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか.いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか.結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか.僕がみたいのは景色ではなく自分の心か.何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく.心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく.疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた.あなたも何処かで目を瞑っている.眠っているように見える.何もしていないようにも見える.目を瞑って何かを考えているようにも見える.何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える.何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる.心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく.何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している.あなたの心は何を考えているの.何処にも向かっていないように見える僕たち・何処かに向かっているようにも見える僕たち・僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中・太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す・夜空は丸い船を取り囲む黒い海・想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ・僕たちは船上で出会いました・僕たちは共有している・同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者・ゼイゼイしながら生きている・死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする・僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね・僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました・それはちっぽけだけども歴史的できごと・あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている・もちろん別れもある・別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる・その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない・僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です・目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく・自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉・きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない・意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた・一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか・在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち・過去があるという公理と未来があるという前提・意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか・僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う・人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの・大切だと思える人にたいして・そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている・いい話が落ちていないかと下を見て歩く・開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた・何処かに死体が埋められているはず・そこに殺人が在ったから殺人をしてみた・そういう人を想像してみた・それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと・それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと・何処か正しいところを目指さなければならないきっと・何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない・僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている・船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている・みんな何かをしているように見える・多分正しくないことばかり・「何か」だ何か・何かをしよう何か・僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った・登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか・いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか・結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか・僕がみたいのは景色ではなく自分の心か・何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく・心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく・疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた・あなたも何処かで目を瞑っている・眠っているように見える・何もしていないようにも見える・目を瞑って何かを考えているようにも見える・何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える。何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる・心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく・何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している・あなたの心は何を考えているの・何処にも向かっていないように見える僕たち●何処かに向かっているようにも見える僕たち●僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中●太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す●夜空は丸い船を取り囲む黒い海●想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ●僕たちは船上で出会いました●僕たちは共有している●同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者●ゼイゼイしながら生きている●死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする●僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね●僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました●それはちっぽけだけども歴史的できごと●あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている●もちろん別れもある●別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる●その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない●僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です●目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく●自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉●きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない●意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた●一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか●在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち●過去があるという公理と未来があるという前提●意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか●僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う●人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの●大切だと思える人にたいして●そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている●いい話が落ちていないかと下を見て歩く●開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた●何処かに死体が埋められているはず●そこに殺人が在ったから殺人をしてみた●そういう人を想像してみた●それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと●それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと●何処か正しいところを目指さなければならないきっと●何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない●僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている●船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている●みんな何かをしているように見える●多分正しくないことばかり●「何か」だ何か。何かをしよう何か●僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った●登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか●いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか●結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか●僕がみたいのは景色ではなく自分の心か●何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく●心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく●疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた●あなたも何処かで目を瞑っている●眠っているように見える●何もしていないようにも見える●目を瞑って何かを考えているようにも見える●何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える●何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる●心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく●何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している●あなたの心は何を考えているの●何処にも向かっていないように見える僕たち■何処かに向かっているようにも見える僕たち■僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中■太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す■夜空は丸い船を取り囲む黒い海■想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ■僕たちは船上で出会いました■僕たちは共有している■同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者■ゼイゼイしながら生きている■死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする■僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね■僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました■それはちっぽけだけども歴史的できごと■あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている■もちろん別れもある■別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる■その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない■僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です■目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく■自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉■きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない■意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた■一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか■在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち■過去があるという公理と未来があるという前提■意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか■僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う■人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの■大切だと思える人にたいして■そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている■いい話が落ちていないかと下を見て歩く■開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた■何処かに死体が埋められているはず■そこに殺人が在ったから殺人をしてみた■そういう人を想像してみた■それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと■それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと■何処か正しいところを目指さなければならないきっと■何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない■僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている■船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている■みんな何かをしているように見える■多分正しくないことばかり。「何か」だ何か■何かをしよう何か■僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った■登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか■いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか■結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか■僕がみたいのは景色ではなく自分の心か■何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく■心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく■疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた■あなたも何処かで目を瞑っている■眠っているように見える■何もしていないようにも見える■目を瞑って何かを考えているようにも見える■何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える■何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる■心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく■何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している■あなたの心は何を考えているの■■■にも■かっていないように■える■たち■■■かに■かっているようにも■える■たち■■は■■をした■の■■に■り■いて■■■■■■の■りを■■かけて■る■を■きている■ずっと■り■す■■■は■い■を■り■む■い■■■■できないくらい■い■■の■で■じ■に■っているんだよ■■たちは■■で■■いました■■たちは■■している■■じ■■を■うことがやめられない■■■■■■■ゼイゼイしながら■きている■■んでいった■■は■■をつくって■■の■■を■し■ばしていて■たちも■じことをする■■が■の■■と■った■■とあなたが■■と■っていた■■がタイミングよく■■しましたね■■たちは■じ■■いをしていたおかげで■■えました■それはちっぽけだけども■■■できごと■あっちでもこっこでも■■な■■いが■きている■もちろん■れもある■■れ■で■■に「またね」って■を■って■■の■いがする■に■っていく■■■がいる■その■は■■■■に■を■す■■になるんだけど■はその■のことを■■■らない■■がいま■っていることなんて■っ■な■■です■■が■める■は■■■になったときみたいに■らない■たちが■■を■もらしていく■■■■が■■する■■のことを■い■かべて「いつの■にか」という■■■きっと■の■■はこのことにもっと■■しなければならない■■■が■じたら■■のうちに■■ではないことが■■として■ることになっていた■■■のうちに■■な■■の■■が■■してくる■■と■えばいいのだろうか■■るというだけで■■■で■け■れなければならない■■なことや■■ち■■■があるという■■と■■があるという■■■■■を■■することは■■■■な■■や■■■■■の■■がつくってきた■■■を■け■れるということだろうか■■が■け■れることには■■■に■け■れたいこともあると■う■■を■する■■は■■が■るということを■け■れる■■ちのことじゃないの■■■だと■える■にたいして■そんなことを■えながら■たちは■■が■もった■ち■のふかふかのところを■いている■いい■が■ちていないかと■を■て■く■■けたところで■を■げたら■くに■んだ■が■えた■■■かに■■が■められているはず■そこに■■が■ったから■■をしてみた■そういう■を■■してみた■それが■■だったら■はそれを■け■れなければならないきっと■それが■■だったら■はそれを■け■れちゃいけないきっと■■■か■しいところを■■さなければならないきっと■■■が■しい■■なのかを■つけなければいけない■■たちは■じ■に■って■じところをぐるぐる■っている■■の■■で■き■たちがくっついたり■れたり■べたり■べられたりギザギザに■いている。みんな■かをしているように■える■■■■しくないことばかり■「■か」だ■か■■かをしよう■か■■はあの■の■■で■■をみたいと■った■■って■れた■はそれを■■う■■があるだろうか■いまと■じ■■でそれを■たいと■うだろうか■■■■が■■するのは■いことに■んでいく■■の■■なのではないか■■がみたいのは■■ではなく■■の■か■■かを■■■になってやると■■の■に■っていく■■を■すために■の■を■として■わなければならないのならば■は■■■■にあなたの■に■っていく■■れた■はベットの■で■を■っていた■あなたも■■かで■を■っている■■っているように■える■■もしていないようにも■える■■を■って■かを■えているようにも■える■■かを■えているように■えるように■せかけているようにも■える■■かを■えることができるとしたら■にもしていないようにも■えても「■かをしている」かもしれないことになる■■が■かなほど■た■だけでは「■をしているか」わからないことが■えていく■■か■えているとき■はこの■■の「■■■」を■■している■あなたの■は■を■えているの■何処■■向■■■■■■■■■見■■僕■■■何処■■向■■■■■■■■■見■■僕■■■僕■球形■■■船■表面■張■付■■旅行中■太陽■周■■一年■■■周■旅■生■■■■間■■■繰■返■■夜空■丸■船■取■囲■黒■海■想像■■■■■■■広■宇宙■中■同■船■乗■■■■■■■■僕■■■船上■出会■■■■■僕■■■共有■■■■■同■空気■吸■■■■■■■■■■酸素中毒患者■■■■■■■■■生■■■■■死■■■■■患者■歴史■■■■■歴史■先端■少■伸■■■■■僕■■■同■■■■■■■僕■船■先端■思■■場所■■■■■先端■思■■■■場所■■■■■■■■交差■■■■■■僕■■■同■勘違■■■■■■■■■■出会■■■■■■■■■■■■■■■■歴史的■■■■■■■■■■■■■■■素敵■出会■■起■■■■■■■■■別■■■■■別■道■友達■■■■■■■■手■振■■夕飯■匂■■■■家■帰■■■■小学生■■■■■■子■将来歴史■名■残■人間■■■■■■■僕■■■人■■■■全然知■■■■僕■■■知■■■■■■■■■真■白■無知■■■目■覚■■外■銀世界■■■■■■■■■■知■■■人■■■歴史■積■■■■■■■自意識■存在■■以前■■■■思■浮■■■■■■■間■■■■■■言葉■■■■僕■意識■■■■■■■■■驚愕■■■■■■■■■■意識■生■■■一瞬■■■■一瞬■■■■■■■過去■■■在■■■■■■■■■■一瞬■■■■膨大■過去■因果■出現■■■■実感■言■■■■■■■■■■在■■■■■■■無条件■受■入■■■■■■■■■様々■■■■気持■■過去■■■■■■公理■未来■■■■■■前提■意識■意識■■■■■進化論的■歴史■不特定多数■人間■■■■■■■歴史性■受■入■■■■■■■■■■■■僕■受■入■■■■■■積極的■受■入■■■■■■■■■思■■人■愛■■気持■未来■在■■■■■■■受■入■■気持■■■■■■■■■■大切■■思■■人■■■■■■■■■■■■考■■■■僕■■■言葉■積■■■落■葉■■■■■■■■■■歩■■■■■■■話■落■■■■■■■下■見■歩■■開■■■■■■顔■上■■■遠■■霞■■山■見■■■何処■■死体■埋■■■■■■■■■■■■殺人■在■■■■殺人■■■■■■■■■■人■想像■■■■■■■■過去■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■■■■■■未来■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■何処■正■■■■■■目指■■■■■■■■■■■■■何処■正■■場所■■■■見■■■■■■■■■■■僕■■■同■船■乗■■同■■■■■■■■■回■■■■■船■表面■生■物■■■■■■■■■離■■■食■■■食■■■■■■■■■■動■■■■■■■■何■■■■■■■■■見■■■多分正■■■■■■■■■■■何■■■何■■何■■■■■何■■僕■■■山■頂上■景色■■■■■思■■■登■■疲■■僕■■■■味合■余裕■■■■■■■■■■■同■気持■■■■見■■■思■■■■■■結局僕■観察■■■■辛■■■■挑■■■■自分■状態■■■■■■■■僕■■■■■■景色■■■■自分■心■■何■■精一杯■■■■■■■自分■心■帰■■■■■心■映■■■■他■心■鏡■■■使■■■■■■■■■■■■■僕■一生懸命■■■■■心■帰■■■■■疲■■僕■■■■■上■目■瞑■■■■■■■■■何処■■目■瞑■■■■■眠■■■■■■■見■■■何■■■■■■■■■■見■■■目■瞑■■何■■考■■■■■■■■見■■■何■■考■■■■■■■見■■■■■見■■■■■■■■■■見■■■何■■考■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■見■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■心■豊■■■■見■目■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■増■■■■■何■考■■■■■■心■■■世界■■不思議■■発明■■■■■■■■■心■何■考■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕たち■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕たち■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■僕たち■■■■■■■■■■■僕たち■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■あなた■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■自分■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■自分■■■■■■■■■■■■■■■■■自分■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■あなた■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■あなた■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■あなた■■■■■■■■■■■■何処■■■■■■■■■■■■■■■僕たち■何処■■■■■■■■■■■■■■■僕たち■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■生■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■同■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■出会■■■■■僕■■■共有■■■■■同■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■生■■■■■死■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■同■■■■■■■僕■■■■■■思■■■■■■■■■■■■思■■■■■■■■■■■■■■交差■■■■■■僕たち■同■■■■■■■■■■■■■出会■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■素敵■出会■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■自意識■存在■■■■■■■■思■■■■■■■■■■■■■■■■言葉■■■■僕■意識■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■意識■生■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■在■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■言■■■■■■■■■■在■■■■■■■無条件■受■入■■■■■■■■■■■■■■■気持■■■■■■■■■■■■■未来■■■■■■■■■意識■意識■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■受■入■■■■■■■■■■■■僕■受■入■■■■■■■■■■受■入■■■■■■■■■思■■■■愛■■気持■未来■在■■■■■■■受■入■■気持■■■■■■■■■■大切■■思■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■言葉■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■話■■■■■■■■■■■■■■■■開■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何処■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■在■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■■■■■■未来■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■何処■正■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何処■正■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■同■■■■■■同■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■生■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■正■■■■■■■■■■■何■■■何■■何■■■■■何■■僕■■■■■■■■■■■■■■■思■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■同■気持■■■■■■■■思■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■自分■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■自分■心■■何■■■■■■■■■■■■自分■心■■■■■■■心■■■■■■■■心■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■心■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■あなた■何処■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■心■豊■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■心■■■■■■■■■■■■■■■■■■■あなた■心■何■■■■■■■■何処■■向■■■■■■■■■見■■僕■■■何処■■向■■■■■■■■■見■■僕■■■僕■球形■■■船■表面■張■付■■旅行中■太陽■周■■一年■■■周■旅■生■■■■間■■■繰■返■■夜空■丸■船■取■囲■黒■海■想像■■■■■■■広■宇宙■中■同■船■乗■■■■■■■■僕■■■船上■出会■■■■■僕■■■■共有■■■■■同■空気■吸■■■■■■■■■■酸素中毒患者■■■■■■■■■生■■■■■死■■■■■患者■歴史■■■■■歴史■先端■少■伸■■■■■僕■■■同■■■■■■■僕■船■先端■思■■場所■■■■■先端■思■■■■場所■■■■■■■■交差■■■■■■僕■■■同■勘違■■■■■■■■■■出会■■■■■■■■■■■■■■■■歴史的■■■■■■■■■■■■■■■素敵■出会■■起■■■■■■■■■別■■■■■別■道■友達■■■■■■■■手■振■■夕飯■匂■■■■家■帰■■■■小学生■■■■■■子■将来歴史■名■残■人間■■■■■■■僕■■■人■■■■全然知■■■■僕■■■知■■■■■■■■■真■白■無知■■■目■覚■■外■銀世界■■■■■■■■■■知■■■人■■■歴史■積■■■■■■■自意識■存在■■以前■■■■思■浮■■■■■■■間■■■■■■言葉■■■■僕■意識■■■■■■■■■驚愕■■■■■■■■■■意識■生■■■一瞬■■■■一瞬■■■■■■■過去■■■在■■■■■■■■■■一瞬■■■■膨大■過去■因果■出現■■■■実感■言■■■■■■■■■■在■■■■■■■無条件■受■入■■■■■■■■■様々■■■■気持■■過去■■■■■■公理■未来■■■■■■前提■意識■意識■■■■■進化論的■歴史■不特定多数■人間■■■■■■■歴史性■受■入■■■■■■■■■■■■僕■受■入■■■■■■積極的■受■入■■■■■■■■■思■■人■愛■■気持■未来■在■■■■■■■受■入■■気持■■■■■■■■■■大切■■思■■人■■■■■■■■■■■■考■■■■僕■■■言葉■積■■■落■葉■■■■■■■■■■歩■■■■■■■話■落■■■■■■■下■見■歩■■開■■■■■■顔■上■■■遠■■霞■■山■見■■■何処■■死体■埋■■■■■■■■■■■■殺人■在■■■■殺人■■■■■■■■■■人■想像■■■■■■■■過去■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■■■■■■未来■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■何処■正■■■■■■目指■■■■■■■■■■■■■何処■正■■場所■■■■見■■■■■■■■■■■僕■■■同■船■乗■■同■■■■■■■■■回■■■■■船■表面■生■物■■■■■■■■■離■■■食■■■食■■■■■■■■■■動■■■■■■■■何■■■■■■■■■見■■■多分正■■■■■■■■■■■何■■■何■■何■■■■■何■■僕■■■山■頂上■景色■■■■■思■■■登■■疲■■僕■■■■味合■余裕■■■■■■■■■■■同■気持■■■■見■■■思■■■■■■結局僕■観察■■■■辛■■■■挑■■■■自分■状態■■■■■■■■僕■■■■■■景色■■■■自分■心■■何■■精一杯■■■■■■■自分■心■帰■■■■■心■映■■■■他■心■鏡■■■使■■■■■■■■■■■■■僕■一生懸命■■■■■心■帰■■■■■疲■■僕■■■■■上■目■瞑■■■■■■■■■何処■■目■瞑■■■■■眠■■■■■■■見■■■何■■■■■■■■■■見■■■目■瞑■■何■■考■■■■■■■■見■■■何■■考■■■■■■■見■■■■■見■■■■■■■■■■見■■■何■■考■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■見■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■心■豊■■■■見■目■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■増■■■■■何■考■■■■■■心■■■世界■■不思議■■発明■■■■■■■■■心■何■考■■■■■■■■にも■かっていないように■える■たち■■■かに■かっているようにも■える■たち■■は■■をした■の■■に■り■いて■■■■■■の■りを■■かけて■る■を■きている■ずっと■り■す■■■は■い■を■り■む■い■■■■できないくらい■い■■の■で■じ■に■っているんだよ■■たちは■■で■■いました■■たちは■■している■■じ■■を■うことがやめられない■■■■■■■ゼイゼイしながら■きている■■んでいった■■は■■をつくって■■の■■を■し■ばしていて■たちも■じことをする■■が■の■■と■った■■とあなたが■■と■っていた■■がタイミングよく■■しましたね■■たちは■じ■■いをしていたおかげで■■えました■それはちっぽけだけども■■■できごと■あっちでもこっこでも■■な■■いが■きている■もちろん■れもある■■れ■で■■に「またね」って■を■って■■の■いがする■に■っていく■■■がいる■その■は■■■■に■を■す■■になるんだけど■はその■のことを■■■らない■■がいま■っていることなんて■っ■な■■です■■が■める■は■■■になったときみたいに■らない■たちが■■を■もらしていく■■■■が■■する■■のことを■い■かべて「いつの■にか」という■■■きっと■の■■はこのことにもっと■■しなければならない■■■が■じたら■■のうちに■■ではないことが■■として■ることになっていた■■■のうちに■■な■■の■■が■■してくる■■と■えばいいのだろうか■■るというだけで■■■で■け■れなければならない■■なことや■■ち■■■があるという■■と■■があるという■■■■■を■■することは■■■■な■■や■■■■■の■■がつくってきた■■■を■け■れるということだろうか■■が■け■れることには■■■に■け■れたいこともあると■う■■を■する■■は■■が■るということを■け■れる■■ちのことじゃないの■■■だと■える■にたいして■そんなことを■えながら■たちは■■が■もった■ち■のふかふかのところを■いている■いい■が■ちていないかと■を■て■く■■けたところで■を■げたら■くに■んだ■が■えた■■■かに■■が■められているはず■そこに■■が■ったから■■をしてみた■そういう■を■■してみた■それが■■だったら■はそれを■け■れなければならないきっと■それが■■だったら■はそれを■け■れちゃいけないきっと■■■か■しいところを■■さなければならないきっと■■■が■しい■■なのかを■つけなければいけない■■たちは■じ■に■って■じところをぐるぐる■っている■■の■■で■き■たちがくっついたり■れたり■べたり■べられたりギザギザに■いている。みんな■かをしているように■える■■■■しくないことばかり。「■か」だ■か■■かをしよう■か■■はあの■の■■で■■をみたいと■った■■って■れた■はそれを■■う■■があるだろうか■いまと■じ■■でそれを■たいと■うだろうか■■■■が■■するのは■いことに■んでいく■■の■■なのではないか■■がみたいのは■■ではなく■■の■か■■かを■■■になってやると■■の■に■っていく■■を■すために■の■を■として■わなければならないのならば■は■■■■にあなたの■に■っていく■■れた■はベットの■で■を■っていた■あなたも■■かで■を■っている■■っているように■える■■もしていないようにも■える■■を■って■かを■えているようにも■える■■かを■えているように■えるように■せかけているようにも■える■■かを■えることができるとしたら■にもしていないようにも■えても「■かをしている」かもしれないことになる■■が■かなほど■た■だけでは「■をしているか」わからないことが■えていく■■か■えているとき■はこの■■の「■■■」を■■している■あなたの■は何を考えているの■何処にも向かっていないように見える僕たち■何処かに向かっているようにも見える僕たち■僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中■太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す■夜空は丸い船を取り囲む黒い海■想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ■僕たちは船上で出会いました■僕たちは共有している■同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者■ゼイゼイしながら生きている■死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする■僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね■僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました■それはちっぽけだけども歴史的できごと■あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている■もちろん別れもある■別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる■その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない■僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です■目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく■自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉■きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない■意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた■一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか■在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち■過去があるという公理と未来があるという前提■意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか■僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う■人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの■大切だと思える人にたいして■そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている■いい話が落ちていないかと下を見て歩く■開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた■何処かに死体が埋められているはず■そこに殺人が在ったから殺人をしてみた■そういう人を想像してみた■それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと■それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと■何処か正しいところを目指さなければならないきっと■何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない■僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている■船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている。みんな何かをしているように見える■多分正しくないことばかり。「何か」だ何か■何かをしよう何か■僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った■登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか■いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか■結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか■僕がみたいのは景色ではなく自分の心か■何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく■心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく■疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた■あなたも何処かで目を瞑っている■眠っているように見える■何もしていないようにも見える■目を瞑って何かを考えているようにも見える■何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える■何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる■心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく■何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している■あなたの心は何を考えているの□何処かに向かっているようにも見える僕たち□僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中□太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す□夜空は丸い船を取り囲む黒い海□想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ□僕たちは船上で出会いました□僕たちは共有している□同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者□ゼイゼイしながら生きている□死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする□僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね□僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました□それはちっぽけだけども歴史的できごと□あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている□もちろん別れもある□別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる□その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない□僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です□目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく□自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉□きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない□意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた□一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか□在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち□過去があるという公理と未来があるという前提□意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか□僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う□人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの□大切だと思える人にたいして□そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている□いい話が落ちていないかと下を見て歩く□開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた□何処かに死体が埋められているはず□そこに殺人が在ったから殺人をしてみた□そういう人を想像してみた□それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと□それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと□何処か正しいところを目指さなければならないきっと□何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない□僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている□船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている□みんな何かをしているように見える□多分正しくないことばかり□「何か」だ何か□何かをしよう何か□僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った□登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか□いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか□結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか□僕がみたいのは景色ではなく自分の心か□何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく□心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく□疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた□あなたも何処かで目を瞑っている□眠っているように見える□何もしていないようにも見える□目を瞑って何かを考えているようにも見える□何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える□何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる□心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく□何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している□あなたの心は何を考えているの□□□にも□かっていないように□える□たち□□□かに□かっているようにも□える□たち□□は□□をした□の□□に□り□いて□□□□□□の□りを□□かけて□る□を□きている□ずっと□り□す□□□は□い□を□り□む□い□□□□できないくらい□い□□の□で□じ□に□っているんだよ□□たちは□□で□□いました□□たちは□□している□□じ□□を□うことがやめられない□□□□□□□ゼイゼイしながら□きている□□んでいった□□は□□をつくって□□の□□を□し□ばしていて□たちも□じことをする□□が□の□□と□った□□とあなたが□□と□っていた□□がタイミングよく□□しましたね□□たちは□じ□□いをしていたおかげで□□えました□それはちっぽけだけども□□□できごと□あっちでもこっこでも□□な□□いが□きている□もちろん□れもある□□れ□で□□に「またね」って□を□って□□の□いがする□に□っていく□□□がいる□その□は□□□□に□を□す□□になるんだけど□はその□のことを□□□らない□□がいま□っていることなんて□っ□な□□です□□が□める□は□□□になったときみたいに□らない□たちが□□を□もらしていく□□□□が□□する□□のことを□い□かべて「いつの□にか」という□□□きっと□の□□はこのことにもっと□□しなければならない□□□が□じたら□□のうちに□□ではないことが□□として□ることになっていた□□□のうちに□□な□□の□□が□□してくる□□と□えばいいのだろうか□□るというだけで□□□で□け□れなければならない□□なことや□□ち□□□があるという□□と□□があるという□□□□□を□□することは□□□□な□□や□□□□□の□□がつくってきた□□□を□け□れるということだろうか□□が□け□れることには□□□に□け□れたいこともあると□う□□を□する□□は□□が□るということを□け□れる□□ちのことじゃないの□□□だと□える□にたいして□そんなことを□えながら□たちは□□が□もった□ち□のふかふかのところを□いている□いい□が□ちていないかと□を□て□く□□けたところで□を□げたら□くに□んだ□が□えた□□□かに□□が□められているはず□そこに□□が□ったから□□をしてみた□そういう□を□□してみた□それが□□だったら□はそれを□け□れなければならないきっと□それが□□だったら□はそれを□け□れちゃいけないきっと□□□か□しいところを□□さなければならないきっと□□□が□しい□□なのかを□つけなければいけない□□たちは□じ□に□って□じところをぐるぐる□っている□□の□□で□き□たちがくっついたり□れたり□べたり□べられたりギザギザに□いている□みんな□かをしているように□える□□□□しくないことばかり□「□か」だ□か□□かをしよう□か□□はあの□の□□で□□をみたいと□った□□って□れた□はそれを□□う□□があるだろうか□いまと□じ□□でそれを□たいと□うだろうか□□□□が□□するのは□いことに□んでいく□□の□□なのではないか□□がみたいのは□□ではなく□□の□か□□かを□□□になってやると□□の□に□っていく□□を□すために□の□を□として□わなければならないのならば□は□□□□にあなたの□に□っていく□□れた□はベットの□で□を□っていた□あなたも□□かで□を□っている□□っているように□える□□もしていないようにも□える□□を□って□かを□えているようにも□える□□かを□えているように□えるように□せかけているようにも□える□□かを□えることができるとしたら□にもしていないようにも□えても「□かをしている」かもしれないことになる□□が□かなほど□た□だけでは「□をしているか」わからないことが□えていく□□か□えているとき□はこの□□の「□□□」を□□している□あなたの□は□を□えているの□□□○○□○○○○○○○○○□○○□○○□□□○○□○○○○○○○○○□○○□○○□□○□□○○○□○□□○□○□○○□□□□□□○□○○□□○○○□○□○□○○○○□○○○□○□○□□□○□○□○□○□○□○□□□□○○○○○○○□○□□○□○□○□○□○○○○○○○□□○○○□□○□□○○○○□□○○○□□○○○○□□○□□○□○○○○○○○○○○□□□□□□□○○○○○○○○□○○○○□□○○○○○□□○□□○○○○○□□○□□○□○□○○○○○□○○○□○○○○○○□□○□○□□○□○○□□○○○○○□□○□○○○○□□○○○○○○○○□□○○○○○□□○○○□○□□○○○○○○○○○○□□○○○○□○○○○○○○○○○○□□□○○○○□○○○○○○○○○○□□○□□○○□○○○○□○○○○□○○○○□□○□○□□○○○○○○○○□○□○○□□○□○○○○□○□○○○○□□□○○○□○○□○□□□□○□○□○□□○○○○○○○□○○○□○○○○□□□○○○□□○○○□○○○○○○○○○□○□○□□○○□□○□○○□○□□□○○○○○○○○○○□○○○□○○○□□○□○○○○○○□□□□○□□○○□□○○○○○○□○○○○○○○□○○○○○○□□□○○○□○□□○○○○○○○○○□□○○○○○○○○○□□□○□○○○□□○○○○□□○○○○○○○□□○○○□○○○○○○○○○□□□○○○○□□○□□○□□○□□○○○○□□○□○○○○○○○○○□□○○○○○○○□□□○□○□○○○○○○○○○□□○○○○□□○□□□○○○○○○□□○□□○○○○○○□□□□□○□□○○○○○□□□□○□□○□□□□□○□□○○○○○○○□□□○□○□○○○○○○○○○○○□□○□○□○○○○○○□□□○□○□○○○○○○○○○□○□□○□○○□□○□□○□○○○○○○○□○□○○□□○○○○○○○○○□□□○○□○○□○○○○○□○○○○○○□○○○○□○○○□□○□○○○□○□○○○○○○○○○○□○○○○□○○□○□○○○○○○○□○□○□○□□○○○○○○□○□○○○□○○□○○□○□○○□□□○○□□○□○○○○○○○○□○○○□□○□○○○○□□○○○○○□○○○○□○□□○○○○□○○○□□○○○○□○○○○□○□○○○○○○○○○○○○□○○○□□○○○○□○○○○□○□○○○○○○○○○○□□□○□○○○○○○□□○○○○○○○○○○○○□□□○□○○□□○○○○□○○○○○○○○○○□□○○○□○□○□○○□○○○○○○○○○□○○○○□□○□□○□○□○○○○○○○○○□○○○□○○○□○○○○○○○○○○□○○○○□○○○□○○○○○○○○○□○○□□□□○○○○○○○○○□○□○○○□○□□○○○○○□○□□○○○□○□□○□□○○○○○□○○□□○○□○○□○○○○□□○□□○○○○○○○□○○○□○□□○○○○□○○○□○○○○○□□□□○□□○○○○□○○○○□○○○○□□○□□○○○○○○○□□○○○○○○□□○○○○□□○□○□□○○□□□○○○○○○○□□○□○□○○○○□□○□○○○○□○□○□○○○□○○○○○○○○○○○○○□○□□□□○○○○○□○□○○○○□□○○□○○○○○□○□○□○○○○□○○○○□□○○□○□○○○○□□○○○○○○○□○○□□○○○○○○○○○○□○○□□○□○○□○○□○○○○○○○○□○○□□○○□○○○○○○○□○○○○○□○○○○○○○○○○□○○□□○○□○○○○○○○○○○○○□○○○○○○○○○○○□○○○○□○○○○○○○○○○○○○○○○○○□○○□○○○○□○□○○○○○□○○○○○○○○○○○○○○○□○○○○□□○□○○○○○○□○○○□□○○□□□○○□□○○○○□○○○○□○□○□○○○○○□○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○







































以下の話はフィクションです、あるいは幽霊的なものです

  お化け

えーと、端的に言うと2013年の8月某日、彼は死んだ。死因はショック死なんじゃないかな。彼の直接の死因は僕にはよくわからないんだ。でも電気椅子で死んだわけではないのはハッキリしている。縛られて電気を流された、というものではないってこと。多分カミナリに撃たれたものかな。多分雨降りの日、人生でいちばん泣いた日みたいな土砂降りの日に外に飛び出て偶然当たって死んだ。多分そういう感じじゃないの。死因はわからないけど彼の気持ちなら僕にはよくわかる。彼は外に飛び出て叫びたかったんだと思う。彼は僕とよく似ていた。とてもよく似ていた。身体つきまでソックリだった。ガッチリした体型。彼は僕とほとんど同じ身長と体重だった。身長は180センチぐらい。多分寝て起きてすぐ測ったら多分181センチある。部屋のドアのところ、出入り口で少し頭を下げなきゃ頭がぶつかってしまう。そこが180センチあるって裏に住んでいたひとつ年下の友達のお母さんが言っていたのを覚えている・・・。面倒だから僕は身長を聞かれたら180って言っている。体重。彼が死んだときの体重は75~76kgぐらいだったと思う。生前は僕と同じで体重は結構変動した。太ったり痩せたり。太るのは簡単。痩せるのはそれより難しい。いちばん成功したダイエット方はウイスキーダイエット。なるべく食べないように生活して夜に腹が減ったら食べ物を吐きたくなるくらい安いウイスキーを飲む。ラッパ飲みするか、コップに氷をいれて冷やして飲む。店で飲むとはいつも後者。店で飲むとき「飲み方は?」って聞かれて「ロック」って言うのが何だか恥ずかしいね。カッコつけてるみたいで。だから「コップに氷入れてそのまま注いで下さい」って言う。まあ面倒なときはロックって言ってしまうけど。何回か行った店で顔覚えてくれているところだと「ロックでいい?」って言われて、うんって無言で頷くだけですむからいいね。でも店で飲むと高くつく。いつもブラックニッカかトリスってやつをコンビニで買って飲んでた。安いのはブラックニッカ。値段通りトリスの方がちょっと美味しい。でもこの2つのウイスキーはあまり美味しくない。ニッカウイスキーのフロムザバレルって51度のウイスキーは豊潤でとても美味しいけど、そういうのと比べると美味しくない。フロムザバレルは僕にとっては高いからあまり買わなかったし、コンビニには売ってなかった。バーボンウイスキーも飲んだ。アーリータイムズかジムビームが安め。バーボンは甘いから飲みやすい。ハーパーとかジャクダニエルはその2つより美味しいと感じるんだけど、ちょっと高いからあまり買わなかった。ハーパーやジャクダニエル買うならワイルドターキーの8年を買ってしまう。ターキーが大好き。ワイルドターキーの12年ってやつあるけど高いから飲んだことない。美味しいんだろうな。これ手土産に持ってきてくれる人がいたら大体のことは許しちゃうだろうか。スコッチもたまに買って飲んだ。酒屋で適当に安いスコッチ買ってたけど名前とかあまり詳しくない。でも特徴的な味がするから飲んだらこれスコッチだなってわかる。どうでもいい話だね。

彼は酒を飲んで外に飛び出たとき酒が入っていたと思う。人生でいちばん泣いた日みたいな土砂降りの日に。僕は彼の気持ちがよくわかる。僕はたちは似ていた。それで、彼は「人生でいちばん泣いた日」ってのはいちばん勘違いして欲しくないところって思うんだ。小学2年生のときだったと思う。僕たちは公園にいた。近所の子供たち10人以上は集まっていた。僕より2つ歳上の男の子と男の子がジャンケンをしている。サッカーをやるための「チーム決め」をするためのジャンケン。勝った方のチームに欲しい人を選んで取っていく。僕はいつも最初に選んで欲しかった。戦力になるって思って欲しかった。そんな気持ちがあって力を見せつけてやろうとか思ったんだと思う、僕は大きな石を持ち上げて力いっぱい投げた。そしたら石は前じゃなく後ろの方に飛んで、そこにちょうどいたひとつ歳上の男の子の頭に当たった。血を流して倒れた。動かない。そこからは何があったのか記憶が曖昧だけど、僕は泣いていた。男の子たちが協力して倒れた子を持ち上げて何処かに運んでいる。何とかしようとしてみんなで頑張っている。僕はその輪から外れていだ。僕は彼らについていながらただ泣いている。僕は殺してしまったと思っている。いつの間にか大人たちがいた。救急車がいる。僕よりひとつ年下のしっかりとした男の子が僕のところにやって来て「おい、泣いてないで謝れよ」って言った。僕はその子に対して泣きながら「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ」って何度も言っている。「俺じゃなくて、あいつの家族に謝るんだよ」ってってその子は僕に命令するように言った。とても恥ずかしくて悔しかった。僕は倒れた子の母親のところに行って泣きながら何度もゴメンナサイゴメンナサイ。僕はこれから警察に捕まるんだって思っていた。このときが僕がいちばん泣いたとき。結局、僕は警察には捕まらなかったし、倒れた子は死んでいなかったけれど、これ以上泣くことは僕の人生でもうないと思う。そして僕が思うに、彼が死んだとき降っていた雨は、多分こういう涙みたいな土砂降りの雨だったってこと。あとよくわからないが、部活してなかったけど中学生の頃、校砲丸投げが学年いちばんだった。

あの日、彼はとても悲しかった。いちばん泣いた日がいちばん悲しかった日とは限らない。14歳の冬に近い秋ごろ、そこらへんの時期がいちばん悲しかった。身体の力が全部抜けていくような喪失感。父親が仕事で上手くいかなくなって転校しなければならなくなった。母親は精神病院に入ることになった。転校先で僕は無口にだった。誰とも関わらないようにした。友達はいなくなっちゃったし、つくろうともしなかった。そんな感じかな。嫌な思い出だからあまり話たくないね。まあこれは僕の話ではなく彼の話だけどね。昔は友達がいたんだけど、その時期から今でも地球人には友達と言える人はいない。地球人ではない友達ならいる。火星人の友達。水星人の友達。木星人、金星人、土星人、それから無数の幽霊たち。みんなとっても優しくしてくれる。僕と彼には共通の変わった友人ができてた。向こうからすれば僕たちが変わっていると思う。彼は死んだのだから僕には幽霊の友達がひとり増えたことになる。友達がひとり増えて嬉しい。僕は彼に会って「首釣って死んだ人を探して」とお願い事をした。あの日会えなかったから。小学3年生のときだったと思う。僕は木の棒を持っていた。家にあった壊れた椅子をさらに壊して武器になるような棒の部分だけを持ち歩いていた。僕の後ろのには棒を持った子供がたしか5人いた。そのうち2人は女の子。そのひとりは同級生。もうひとりはひとつ歳上。そして僕の目の前には制服を来た警察官がいた。僕がいちばん歳上というわけではなかったけど、おそらく僕がいちばん身体が大きかったから、僕が悪いことをしたリーダーにされていた。その棒で窓ガラスを割ったんだな、とか警察官は見当違いのことを言ったけど、面倒だから弁明はしなかった。僕はたしかに窓ガラスを割ったけど、ボールをぶつけて割った。ちょうど鍵のところが割れたから鍵を開けて入った。まあ、僕がリーダーでもいいし、窓ガラスを割ったのは本当のことだったからどうでもいいと思った。僕たち経営者が首吊り自殺して閉鎖したって噂の工場のガラスを割った。割って工場の中に入った。出てその辺をうろついているときに警察官に呼び止められた。誰かが見ていて通報したのだと思う。工場に入ったとき、暗くて怖くて、結局、僕たちは入ってすぐに外へ出てしまったんだけど。今度は見つけられるかな。首吊りした経営者。彼はもう子供じゃないんだし暗いところも怖くないと思うよ。

死んだとき彼は31歳だった。「俺らの同級生の女はもうみんなババアだな」とプレハブの休憩場で30代前半のヤクザのお兄さんたちがそう喋っていたのを思い出している。19歳のとき短期間、泊りがけでする土木の仕事をして、そのときはじめて送られた現場がたまたまヤクザのお兄さんばかりのところだった。昼休みのときお兄さんたちの誰かに缶コーヒー買ってもらってて、喉乾いていたから、いつも貰ってすぐ蓋開けてガーって一気にガブ飲みしてたら「もっと味わって飲め」って怒られた。頑張って仕事して、刺青をした人たちと大浴場に一緒に入って、ご飯食べて、いちばん目上の人の部屋に集まって酒飲ませてもらった。両手の小指がない40代後半の人が知っている人がやっている風俗に連れて行ってくれると約束してくれた。内側から見たらいい人たちだった。別の面では悪い人たちなのだろう。風俗に連れて行ってもらう前に仕事は終わって関わりはなくなった。あの時からもう10年以上経っている。僕は今31だ。彼は31歳で死んだ。僕の同級生の女の子今はもうおばさんみたいになっているのだろうか。僕のなかでは中学2年生の姿で止まっている。転校する前に最後に学校に行った日、違うクラスの女の子が僕が次に住むところの住所を聞いてきた。幼稚園のときがいちばん中が良かった同級生。家が近かったから幼稚園には一緒に歩いて通っていた。僕は「わからない」って言った。その日あったお別れ会で、クラス全員のメッセージが書いてある色紙を2枚もらった。男子の色紙と女子の色紙。転校して何ヶ月かあと、その色紙を見つけた僕は破って捨てた。いちばん仲が良かった友達のメッセージだけはカッターで切り取って机の中に放り込んでおいた。「負けるな」って書いてあった。僕はこの言葉に励まされたわけではない。あいつが書いたものだから捨てちゃいけないと思った。それに僕は彼を裏切っていたかもしれなかった。僕は転校するということを自分の口から一切話さなかったから、多分もう裏切りたくなかった。そのとき僕は負けていたのか、負けていなかったのか。勝っていなかったのは確実なことだ。全部嫌だった。転校先の中学校では砲丸投げが2番だった。野球部の人に負けた。

もう嫌だね。僕は小さな教会へ行こうと思う。そういう気持ちだね。僕は無宗教で、自分のお葬式はお坊さんが来るのかもしれないなという意味でなんとなく仏教徒なのだが、教会に少し知ってる女の人がいるから行く。元気かなと確かめるために行く。行くのは他の理由もあるがそれは言いたくない。教会の彼女と会ったのは、彼が死ぬ数ヶ月前。僕は祖母が入院している病院に行くため駅の前から出発するバスに乗ろうとしていた。バス停に、おとなしくて恥ずかしがり屋みたいな感じの、20代半ばぐらいの外国人の女の人が立っていて、時刻のところじっと見ていた。俺はその近くのベンチに座った。バス待ちの人が並んでいた。外国人の女の人はその列には並ばないで、ずっと時刻のところを見てる。バスがきた。並んでいた人が乗り込んでいく。外国人の女の人はいちばん最後から乗り込んで行ったけど、運転手の人に話しかけてすぐに出てきた。またバス停の時刻のところをじっと見ていた。そのバスではないバスに乗るための人がバスに並んでいる。俺は立ち上がってその外国人の女の人に「どこまで行きたいんですか?」って聞いた。そしたら行く場所教えてくれて、俺が次乗ろうとしていたバスに乗ったらで止まる場所だったから「もうちょっと待っていればきますよ」って言って、僕は戻って、またベンチに座った。そしたら、ゆっくり迷うように僕はのベンチの近くにきた。僕は隣に座るように勧めた。恐る恐るという様子で端っこに座った。バスが来たら一緒に乗り込んで、椅子がもう空いてないから立つことになった。どうもありがとうございます、とかいってポケットティッシュ2個くれた。その人教会の人で、その関係で日本に来ていて、って話になった。「勧誘じゃないんですけど、もしよければ」ってパンフレットくれた。そのパンフレットはもうなくしてしまった。覚えているのは「死にたい人はきて下さい」というようなことが書いてあったこと。その教会行ったら彼女に会える。その日、祖母がいる病室でカップラーメンを食べていたら看護師さんが入ってきてカワイイと言っていた。少しいいことをしたから少しいいことがあったのだと思うことにした。

何だろうね僕は。終わっている。何がしたいのだろう。何かはしたいんだよ。未来の人が僕がしたことの記録を保存し続けてくれるようなこと。本のカバーのところに著者の顔写真がついているときあるよね。著者が長生きしたときは写真は老人。そういうのちょっと気になる。例えば、太宰治は38までしか生きていないからそれ以上年取ったときの顔はない。太宰治は老人ではない。太宰治とは「あの顔」ってことなる。歴史の記録として。哲学者のバートランド・ラッセルなんて98歳まで生きたからもう老人。僕が前に読んだ本についていた写真では老人だった。ラッセルさん、老人でも結構いい顔なんだけど。若い頃の写真見たらもっといい顔している。本を書いているような有名人って晩年の写真が使われる印象がある。人生があって、時間が流れの中で顔が変わっていく。自分の本当の顔って何歳ぐらいだろう? それがわかったらそのぐらいの時期に死ぬべきだよ。本当の顔で記録に残りたければ。女の子は不利かもね。なんだかんだ言ってやっぱり20代ぐらいの若い頃がいちばんいい。10代がいいって場合もある。若くなきゃ興味ないだろうなって思う女の人は結構いる。そういう人はセックスがしたいような女としての部分で勝負している要素が強い感じがする。鳥居みゆき、って知ってる? 芸人。本も出しているらしい。僕はまだ読んでいない。その人は僕と同じぐらいの歳みたいだけど、30歳ぐらいのあの人は可愛いと感じた。男は、年取った方がいい場合はありふれている感じがする。まあ、今している話は、記録に残ることしなきゃ意味ない話だ。彼は記録に残るようなこと何にもしてない。それは僕も。頑張ればこれから何とかなるかもしれないって思いたい。何でこんな話してるのかな。最近はほとんどテレビ見ないな。

相談したいことがあるんだった。そういえばして欲しいことがある。ロクデモナイ僕の話をここまで僕の話を聞いてくれているロクデモナイ君にロクデモナイコンビニに行ってほしい。ロクデモナイ・セブンイレブン限定。ロクデモナイ店に入ったらロクデモナイコピー機の前に行って。そしたらロクデモナイ・コピー機の画面があるから「ネットプリント」ってところをタッチして欲しい。ロクデモナク番号を聞かれると思う。ロクデモナイから「83015566」と入力する。そしてロクデモナイお金の投入口に20円入れて手続きを進めていったらコピー機からロクデモナイ白黒の顔写真が出てくる。これが一枚目。2枚目の番号は「22156740」。3枚目の番号は「21211569」。3枚だから全部で60円かかる。僕にはこれを強制できる権限なんてないから60円払いたくないし、面倒って人は自分がしたいようにした方がいい。どうせロクデモナイ写真だから。ロクデモナイコピー機から出てくるロクデモナイものは3枚とも死んだ彼の顔写真。いま彼の葬式の写真にどれを使おうかなって、迷ってて、僕は君の意見が聞きたい。ロクデモナイ葬式の写真を決めなくちゃならない。60円払ってくれた人はどれがいいか選んで欲しい。選んだらできればメールで教えてくれたら嬉しい。だけど、実はその写真、正確に言えば僕の写真なんだけどね。彼の生前の写真が見つからなかったから、僕の写真でもまあいいかなって思って撮った写真。僕と彼は似ているって言ったよね。あ、でも、もっと正確に言えば写真は僕の写真ではない。この誰かさんは正確に言えば本当の自分ではない。少し美化した自分というのが正しい。何枚か撮って「よく映った」と思ったやつだけを選んでいる。そういうものだよ。実際に僕と会ったとしたら、自分が選んでいないものをたくさん見せることになる。君も僕にその面を見せることになる。僕たちは僕たちが選んで生まれてきたではない。僕たちは僕たちのこの遺伝子も選んだわけじゃない。男になるとか女になるとか、こういう顔になるだとか、数学が得意だとか苦手だとか。だけど、僕たちは選んだものではないものを受け入れなくちゃならない。他人に対しても自分対しても。ロクデモナイ現実でも現実に向き合って生きるのがきっと正しい。逃げたら何も「出来事」と言えるものはは生じないんじゃないかな。摩擦、矛盾と言うかね、そういうものが自分の痕跡になると思うんだよね。僕が「誰か」でなければいけないとしたら、僕は何かを刻むために産まれてきたし、何かを刻まれるためにも産まれてきた。傷つくことを恐れてはならない。逃げるたびに僕は何者でもなくなってしまう。僕は目をそらさない。本当のことがわかったら壊れそうなとき。

彼は死んだ。僕は死んでいない。彼が死んだとき僕は羨ましかった。僕はこれからも死にたいと、彼を羨ましく思っていく。逃げないと死にたいと思う回数は増える。自分から行かなければつかめない。赤ちゃんの生きる目的は? 人間はみんな最初は生きる目的なんてなかった。頑張らなければならない。頑張っていればいいことに出会うことができる。それ以上にわるいことにも出会う。どうすりゃいいの。でも頑張るしかない。僕は同じことを何度も言うだろう。色んなことに影響されてブレてしまうから。僕はもう若いとは言えない。僕に残された時間の中で僕は頑張る。こんなにたくさん人がいる中で、僕は僕が会う。ん、? こんなに人がたくさん人がいるから、仲間を探すのは難しい。「名前未定詩人会」というのを立ち上げた。人間と人間の関係性が紡ぐ意味の世界にしか僕が望む自由がない気がしている。誰もいないところで一人で暮らしている人が持っている自由を羨ましいと思わない。何か出来事を作りたい。僕はメンバーと会う。生きた人間と人間が会う、何処でも生じていることだけど、いま現実に会っている人と比べて、その人より近いと感じる人がいるなら会うべきだと思った。だからメンバーの条件のひとつは「会える」ってことにした。僕が住んでいるのは北海道。札幌近郊ぐらい。そのぐらい地域だと会いやすい。メンバー募集。「名前未定詩人会」に興味がある人はメール下さい。ああ彼の葬式あるな。写真選ばなきゃ。「さようなら」って言ってくるよ。コピー機のネットプリントの写真は多分、気まぐれでそのうち登録を削除してしまうだろう。忘れたいことがたくさんある。もういいか。





































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比喩としてのパイが気になる

  お化け

君は「当たり前はやっぱりつまらない」って言う。いま私、どこにでもありそうな喫茶店で、ありきたりの「もの」のほとんどはつまらないのは認める。でもだからと言って「当たり前」の景色をじっと見つめることのない人になってしまったら、ありふれたものの中にある砂金の輝きを見つけることはできないよ。君には、当たり前に見えることはすべてつまらない、と見えている。君に私は言いたい。「いいや、私がいま当たり前のように見ているは、普遍的で美しいかもしれない」と思ったことがありますか、「ダーウィンのように君は疑ったことはありますか」と。もちろん、あると思う。え、君、誰だっけ? 私の思考実験の助手。わかってよ、ありふれたことに目を凝らして美しさを見つけようとすることは、当たり前のことのひとつ、の雫。人間が生きている日常は、そこを見つめる者に対して、美しさをもっている。

大人になって、世の中を見るやり方が変わって、見るものが輝かなくなっていく。小さな頃の自分のように生きていくわけにはいかない。これも当たり前のことのひとつ、の滴、滴滴、雨粒たち。生きるのが泣き出しそうなのは喪失していくからで、色んなことを諦めて生きてきた大人たちの心の中には、悲しみが美しくなれる居場所がある。悲しい人、「当たり前」の領域をキャンバスにして、そこにある区別を浮かびがらせる美しい線、鉛筆を持って、シャ、シャ、線を引く、線画。当たり前という必要条件の内側の美しさの十分条件を満たす形として実際に囲む線を描いていく。美しさはその線がなければ消えてしまうような紙一重、はかなさ。美しさの形は心の揺らぎをなぞって共感しながら感情を増幅させてしまうメロディーのように、実際の形は未だかつて実際には存在したことはないかもしれない。曖昧なんだ。ざわざわ、胸騒ぎして、胸が苦しくて、美しいような色彩豊かな影が震えて消えてしまうことだけがこの世界に存在する。

まだ鉛筆は持っていますか? 私が許すから、AとAでないものの間にハッキリ線を引いて欲しい。AでなくてもBでもCでもいい、とにかく或るものと或るものでないものの間に境界線を引く。「Aである」か「Aでない」かだ、という論理的には当たり前な真理が視覚化される。あなたはその世界を切り分けた。切り分けるものは「世界」でなくたって構わない。パイを切り分けたと言った方が私が言いたいことかもしれない。世界が大きすぎる、安部公房が言うように「大きすぎるものを眺めていると、死んでしまいたくなる***」かもしれないから。あなたが持っていた鉛筆はいつの間にかナイフになっている。パイのAの領域とAでない領域もいつの間にか切り分けられている。パイはいつの間にかチョコレートケーキになる。そしてチョコレートケーキはいつの間にかあなたがいちばん好きなケーキになっている。チョコレートケーキが好きな人のケーキはそのまま。Aの領域はちょうどあなたが食べたいだけのケーキの量で、あなたはそれを食べて、幸せな気持ちになった。

私はケーキを食べ終えたあなたたちをみている。あなたたちは私に気づいて、私は、どちらかと言えば不幸せな人間。不幸せに見えたのは、きっと、小さな喜びを持ったあなたたちが、いっせいに、私のことを見つめ出したから。そして私は自分がどこにでもいるありきたりな人間です、と自分のことを思って、どうすればいいかわからなくなってしまう。何か言わなければならない。「私はあなたたちと違ってパイから先には進めなかった」と、キッパリと言った。ダイエット中だった。あなたたちのようにケーキに進むわけにはいかなかったのよ私は。それに、もちろんそのパイは、比喩としてのパイなのだから、それが実際なんなのか、とそこで立ち止まって考えたかった。「パイ」あるいは言い換えるとAである何か、それは何か、私にとってAであるベキなのは何なのか、私はそう問いかけたかった。まだナイフを持っていますか? 比喩としてのパイを切り分けなさい。割り切れないものをすべて割り切るようにして。

後ろから、前から、横から、あなたたちはナイフを突き刺し、通り抜けた刃で誰かを傷つけた。切り分けられたパイはさらに切り分けられた。私やあなたたちは、自分が食べきれる以上の断片を欲しがった。自分が抱えきれないものを手に入れた者は動けなくなり、その重みで潰れていった。自分の中に持ち運んで動くことができなければ意味がなかった。手に入れることができたのは自分が望むものよりも少ない量だった。分割された比喩としてのパイのはもともとの位置から移動して、誰かが持ち去ったところに空いたニッチにハマった。切り離されたパイはやがて世界の断片に変質し、盗者の物語の意図の中で移動し、世界全体は組み替えられ、世界像の様々な可能性が試され、大きくなっていった。動く、その絵の連続、活動写真、「自由」という能動的曖昧さをジグソーパズルの絵の表現型にする巨大な有機体、の成長、胃袋に市場を持つリヴァイアサンの亜種を追うドキュメンタリーは、止まらない。あなたと私は大きすぎるものの何処かを呆然と見つめていて、震えながら、まだナイフを持っている。

誰かが「1+1は2じゃないのよ」と脅す。1+1=3なのか、4なのか5なのか、人と人とがくっついて「集まればその人数分以上の力になるのだって」確かめ合っている。収穫逓減の法則はそれをあざ笑っている。誰かが恋人を脅している。「人との関わり方が下手なあなたと私を足した1+1は2じゃない、3でもない。良くて1.7ぐらいか1.6とか、もしかしたら1.1なのかもしれない。だけど、私たちは一緒になるの。壊すのに1.1人の力が必要な壁だって1人の力じゃ壊せない壁じゃん。1人分より多い力が1ヶ所に集まってタイミングよく使われることが大事なの」だって、言って、2未満の力で壊せる壁を2人で壊して進もうとしながら、凶日、感情が爆発した日の頭の中が、逆再生されて、弾の中に詰められた。「半分こしよう、私は私を半分切り分けてあなたにあげるから、あなたはあなたを半分に切り分けて私に頂戴」と言い終えた後には自分を切り分けたナイフは拳銃に変わっていて、弾が装填され、バン、込められていたものが的確な位置でタイミングよく爆発し、君の揺れている心に小さな穴が空いて液体がこぼれた。

輪郭を伝って流れた液体の線がだんだん弱くなって、途切れ、乾き、線がわからなくなるとき、シャ、シャ、まだ鉛筆を持っていた人が瞬間を写生した。彼が描いた別の絵では、線は途絶えない、「穴の空いた心たち」から流れ出た液体は合流し、大河になって、空から見た地形に線を刻んでいた。別の絵では「穴の空いた心たち」が雲のようになりボヤッと集まって、雨が降っていた。それとはまた別の絵では、とても綺麗に世界を切り取っていた。そこには消えたものがあった。例えば、片脚を失うとき、耳が聞こえなくなるとき、失明するとき、最愛の人をなくしたとき、そんなとき、自分の当たり前の世界だったものが消えるときに消えたものがあった。「老いる」ことのように「徐々に」ではなく、クリアに喪失したものがそこにあった。「綺麗に切り分ける、ということは、喪失している現実にハッキリ気づいてしまうことに似ていて、悲しいことだ」彼は言った。いちばん綺麗な喪失を探していた。人生は絵になる、って言って、彼はいなくなった。にゃー、にゃー、にゃー。














*** 安部公房「箱男」から引用

小さなものを見つめていると、生きていてもいいと思う。
雨のしずく……濡れてちぢんだ革の手袋……
大きすぎるものを眺めていると、死んでしまいたくなる。
国会議事堂だとか、世界地図だとか……


「・」

  お化け

生き物たちの欲望の箇条書きがあるとして、その「・」は、星の数ほどある。だとしても、あなただけには特別に、数え切れない星の先にある「・」が用意されている。いま何処かであなたの星が生まれて光る「・」が299792458m/sの速さで地球へ向かっている。だとしても「私のことをもっと考えて」と昨日言われた。ごめんね足りなければ、光を放たない惑星の数も含めたっていい。だとしても、見えない惑星の端っこで、綺麗な星と星の間で、色んな人のことを思いやりたい人たちもいるんだ。きっと思いやりが足りない分だけ惑星の数がある。とてもたくさんだ。金星人がいるかもしれないから、生き物たちの欲望の「・」の数は、それよりもっとたくさんかもしれない。あらゆるワガママも含めれば、見えないすべての「・」も含めていい。すべては星の数を超えている闇なのだと思う。あなたはいま何を考えているのか。前にはちゃんとわかっていたことが、わからなくなってしまったよ。仕事が終わった帰り道、単純なことをしよう。小ちゃな虫を見るみたいに空を見上げよう。僕は彼女とあまり話さなくなった。満月の夜がきて、見えるのは雲ひとつない星空、「何か話して」って彼女に言われた。「ウサギの影に隠れているのは運命さん」「で? だからどうしたの?」険悪な雰囲気だった。

男女の後ろで運命がこっそり「・」の実情を調べている。偶然選ばれた「彼」と偶然選ばれた「彼女」のすべての欲望を数えあげるている。運命が男女の欲望の数を知って空を見上げれば、「彼」の星は全部、彼の色に光った。「彼女」の星も全部、彼女の色に光った。点火した星と星の間に線が結ばれる。彼の色をした星は彼の色の線で、彼女の色をした星は彼女の色の線で、「・」と「・」が全て結ばれた。彼の色をした図形と彼女の色を図形が星空に浮かんでいる。彼の人格と彼女の人格が浮かんでいる。人格の俯瞰図、個性の形。一つの人格には様々な図形の角があった。彼女は彼の角を責めた。彼も彼女の角を責めた。欲望の図形には運動もある。彼の角から線が伸びる。何処かの星で線が止まる。その先端から、一斉に、放射的に、彼の全ての欲望の「・」へと線が伸びる。人格が新たな欲望で変化していくときの花火。新しい欲望が生まれた。彼女の人格が欲望を失うこともある。星は、彼女の色を失って、結ばれていた彼女色の線が一斉に消える。これもまた夜空で散る、儚い、何か。彼女が何かを言い終わった後なのかもしれない。イルミネーションが消えた。

(光が生まれて、消えて、生まれて、最後は、日が昇って夜が消えるときみたいに、全部消える、運命だ。運命はウサギさんに言う。「個性の形が散りながら動くのが美しいだけ。美しい人格はどこにも無い」「ねぇ、よくわからないんだけどね、どうにかしてよ」ウサギは運命に話しかけた。星空に浮かぶ彼女の図形と彼の図形の一部が交わった。男女が、同じところ同じ時間に隣り合わせで空を見上げて、いま星空を見ていた。彼女の図形の角から線が伸びる。彼の図形の角からも線が伸びる。その線は、同じ一つの星まで伸びて交わって、二人の色をした新しい図形の角が誕生した。恋人たちの後ろでそっと運命が見上げている。振り返ると何かの気のせいみたいにふっと気配だけ残して、夜の影の中に消えた)


玉虫色のしおり

  お化け

「絵の中には図書館があったのよ」「絵の中に? 猫の瞳の中にじゃなくて? 」「じゃあ絵の中にいた猫の瞳の中にあったんだよ」「猫の瞳の中にある絵の中の図書館じゃなくて?」「私はどっちでもいいけど」「俺も同じ意見かもしれない」「かもしれない?」「 俺はね、実は何かが何かの中にあって欲しくない」「なに?」「何かの中に何かがあるとすると、もう狭くって狭くって仕方ないんだよ」「わからないよ」「俺もわからないけど、俺は何も信じていない」「何も?」「 何かが何かの中にあって、その何かが別の何かの中にあって、連鎖して最後には、最初の景色が何かを入れたものの中にある」。・・・作り話のように、僕はどこにいるのでもよかったのだと思う。どうでもよかった。あとそのときは目の前に喋る玉虫色がいることが普通だった。君が彼でも、彼が君でも、男でも女でも、わからないけど玉虫色。僕は長い間、そんなふうだった。やがて僕と話していた玉虫色はいなくなった。人間をこじらせて不治の病にかかってしまったのかもしれない。玉虫色、いまはどこかの図書館に挟まれている。本に挟まれた、玉虫色のしおり。可哀想なしおりへ。「いまとなって誤ります。間違いでした。何かの冗談だったんです。人生は冗談です。真剣な冗談です。たんなる真剣だとしてもいい。見方によってはどんな見方でもできるんだと、わかりました。あなたをもっと大切にするべきだったと、わかりました」。人生は玉虫に映った薄っぺらいもののことだったのだ。わからない。口癖だ。僕が知っているのは、嘘と、たくさんの信じられないこと、人生とは玉虫色になることであること、それから、僕は思いやりにかけた悪いやつだということ。僕は唯々、誠実に誠実に、玉虫色に会いたいわけで、君たちには見えない社会へ行き、土下座外交していた。干からびた「しおり」は僕の将来を心配しているはずだ。本当は玉虫色に会いたいだけなのに、「玉虫色になりたい。玉虫色になりたい」と口走っていた。僕が話したのはきっと「死」に会いたいだけなのに「死にたい」と言ってしまう誤謬と同じ、皮膚のない言葉だった。皮膚を持たずに心が外出することは精神医学的には公然猥褻罪だった。文学的にも罪だった。漠然とした何年間、ゆっくり、心は分割していった。一つ一つが孵化して散った。小さな心が玉虫たちに盗まれた。玉虫たちに僕の心が宿った。心が世界へ散らばった。僕は狂っていたかもしれないし、文学的にも重傷で、だから僕が喋ることにも書くことにも中身がないということだった。なんだ? 僕や誰かの中身がないことが確定することで何が解決しているのかわからない。裁判も行われず、未解決のまま物事が進んで行くことを僕は不思議に思った。それがこの社会と、その中の人間関係のの制度なのかもしれない。すべてを解決しないままでもどうにかやり過ごすルーティンの蓄積。問題だと思っているものが保留にされたままそこが詰まって時間の流れが止まってしまうことはなく、あるいは面倒なことはどこかに押し込んで過剰な量の薬の処方箋を書き、とにかく進んでしまっている。生きたものは、きりがない側に立っているように見える。何もかもが完成するということがない。きりがないところでどうにかやり過ごす術で生きている。きりがある側に立って何かをやり遂げるためにそこへ行き、もとの位置へ戻る。きりがない世界が僕たちの立ち位置だ。そこでは何の成果もない。僕は生きている。耐えられない。毎夜、昔しおりと話していたあの図書館へ通う。あれは絵の中の図書館だった。僕の仕事はそこでしおりを探すことに決まった。絵を描いている。絵の中の世界が僕が主張できる成果だ。少なくとも、僕の考え方では、絵は、区切りがあって切り取ることができて、それを持ち出して何をやり遂げたと主張するためのシンボルなのである。自分が何かを完成させた、それを所持する権利があるのは僕である、ときりがない世界で主張するための根拠だ。最近よく夢を見る。僕は、玉虫色のしおりがはさまっているページを図書館で探している。そこで僕は玉虫になって一瞬に死に会いに行く。別の夢、僕はボルヘスのより少しだけ小さい図書館に行く。日本作家、外国人作家、数学関係、生物、哲学・・・本がジャンル分けされている。僕は毎日その秩序をバラバラにする。すべての本を対象にしてランダムに選び部屋中に本を撒き散らす。図書館という機能を停止させる。その場所の使い道がわからないようにする。その場所の検索機能が完全に破綻するまでやる。その場所の目的がわからなくなったら、そこから新たな探求をはじめる。秩序を再構築する。最初、人々は本を探しにやってくる。やがて人々はただ何かを探しにやってくるようになる。自分が何を探しているかはわからない。何かを探すために僕が描いた絵の中の図書館を眺めるようになる。僕がつくった秩序には目的不明で重要なものを検索するための玉虫色の機能があるはずなんだって。


でくのぼーの祈り

  お化け

でくのぼーは、自分の悩み事を誰かに打ち明けない。でくのぼーの頭の後ろ、ちょうど、彼のメタ観察者がいる場所で、憂鬱が集まって、雲ゆきは黒っぽくて怪しくなっているところだった。目の裏でトラウマがピカッと光ったのを見た後、彼は、猿がヒステリックな激しい鳴き声を発しているような幻聴を聞いた。雷は、彼の頭から右手へ、彼の頭から左手へ、同時に落ちて、信じる心のコンクリート部分には、ひび割れた痛みが残った。それでも彼は、トンネルをつくるために死んでしまった人みたいに、そのときも、祈っていた。無口な彼の想いの内容は誰もわからなかったけれど、たくさんの涙を染み込ませた山のように重かった。彼は両手を組み合わせて、その間にあるはずの、丘の上の雷に撃たれた一本の木を見上げるかのように、見てしまってはいけないものかのように、祈り、震えている。ボソボソ「うう・・しています…うう・・しています」という声、彼が知っている神の言葉はそれだけだった。「ねぇ神さま…」新品である神はどこにもないのに、リサイクル屋には無数の神がいる「でくのぼー、でくのぼー」祈りたい。そして、でくのぼーは、幻聴で聴いた彼の猿の腕の毛の根元で身悶えているものも一緒に振り切ろうとするかのようにして、頭を左右に振った。今日も、祈る彼に神様が教えてくれるのは「■しています」というところ以外、全部黒塗りの、報告書だけだった。それでも彼はそれだけを信じている。雨の日も風の日も、うう「・・しています」それだけを信じて、トラウマに撃たれて心が引き裂れそうな日には、神様がくれた黒い四角に閉じこもって、祈っている。夜の中ではなく、昼がいつなるかはわからない、窓のない真っ暗な、神様がくれた、普遍的な影の牢屋、でくのぼーは、寝転がって、両手を組み合わせてお腹の上に置いて、星や月のことを思い出そうとしていた。暗すぎて、彼が見ようとしているものや、彼が生きているのか、もう死んでいるのか、彼が存在しているのか、存在していないのか、例えばもし彼の顔が神様みたいであったとしても、何も見えない。時間感覚がないその祈りの中で、彼の右手にとって左手はもう死んだ動物となり、左手にとっては右手が死んでいる。手探り、手づかみ、祈らざるを得ないそれぞれの手が、生きるために相手を殺して、食べようとしている。やがて、自分自身に食い殺される。君は、何も祈っていなかった。君は、何もしなかった。君は、誰にも見られていなかった。君は、生きていなかった。そもそも全部、何もかも、最初から存在していなかったものだったんだ「でくのぼー」と彼の神様は教えてくれた。でくのぼーは、瞼を閉じていた。光の残像が見えた。それは、かつて自分は生きいて、そこからやってきた証なのだと思った。「・・しています・・しています」でくのぼーは、また、彼の神の言葉を呻きながら、震え出した。身体中に雷が駆け巡り、猿の狂った叫び声が聞こえる。神様がくれた黒い四角に亀裂が走り、その隙間から光が差し込んでくる。静かになると部屋のひび割れは見えなくなり、また真っ暗になった、と思ったら、突然「猿が逃げ出したぞー」と大きな声がした。でくのぼーは、隣の部屋の■から猿が逃げ出したと思った。暗闇の中に、縦になった一本の光の筋が現れた。そのラインはだんだん太くなっていき光の長方形、扉が開けられて、猿が入ってきた。猿は、でくのぼーの組み合わせた手を解いて、彼の手を掴んで、引っ張った。そうすると、あっという間に黒い四角はバラバラになった。明るくなって、でくのぼーと猿は、ずっと手を離しちゃいけないって、丘の上を目指してそこへ逃げるように、走った。たどり着いた場所には、雷に撃たれた木があり、息を切らした二人の、涙は止まらない。その周りを取り囲んで、砕けてしまった心の破片が散らばって生き返ったときみたいに、たくさん、タンポポが咲いていた。


三月十九日ポタウさん

  お化け

一本の棒を箸と決めたとき、そこからこぼれ落ちたものも、水道の蛇口からの一滴みたいな「ポタウ」。「ポタウポタウ」は二本の細い棒を「箸」と呼んだときの飛躍の滴。「ポタウポタウポタウ」は滴の軌跡が固まった三本脚の悪魔で、下半身デルタの一区画を囲って罠をはり、獲物を待っている。「ポタウさん」「ポタウさん」「ポタウさん」という憐れみを誘う声が聞こえる。そうやっていつまでも人を騙してきたのだ。四本脚のポタウが走り出したのは、三月の「もう四月病」と、「来月は『来月は五月病だろう』」と思った昨日、三月十九日。ケモノは僕のまくらもとへ、近づくほどに足音がなくなって、とつぜん僕を引き裂くあの、優しい全部の嘘とホントを、バラさないまま「とき」を、まる呑みした「とき」も、腹の中ではみんな光はごっちゃ混ぜになくあり、取り込まれてまたお腹の音がなり、またみんなのハラノヤミ、見えるのは自信無さ気な、空のように夢の無い、僕と一緒に泣いているポタウさんの顔の空っぽ。


我らの蛾

  お化け

君たちにはわからないだろう。駐輪場の黄ばんだ蛍光灯に群がる薄汚い蛾は、今とは比べものにならないほど、昔は、一匹一匹が覚醒剤を打ったみたいに、ギラギラしていた。生命を持っていた。どんな時代もそれよりも前の時代の蛾の方が、ものすごく、よかった。思いを馳せれば、人間がいなかったころは、ずっとずっと、本当に、よかった。君たちは、生まれたときから、とんでもない世界に「ちょうど」産まれ落ちてしまったとわかっていて、黄ばんだ蛍光灯にぶつかる薄汚い蛾から目を逸らしたかもしれないが、僕は「ふざけるんじゃねぇ」って、さらに耳も塞いで、公園で空き缶を蹴っ飛ばした。僕も君たちと同じように「あの頃」があった。僕はあの頃、瞬き一つない水面を持って、星を捕まえることができた。魚一匹いない、純粋な、素直な、死んだ静けさの湖ほとりで、空から月が落ちてきて、地球が壊れはじめる瞬間を見てみたいと思った。目に映ったままのあまりにも綺麗なこと、あるがまま叫んで、死んでもいいと思った。残酷な子供のままでいさせてくれる人がいた。

今、存在しないはずの蛾が光にぶつかり続ける音が、無駄にただただ、聴こえる。僕も君たちも、希望の光を見て、騙されていると知っていながら、愚直にぶつかり続けて死ぬんだって、わかっている。少し賢いだけの蛾みたいに、毎日、人工的な光の下で「愛されたい」と、誰かがくるのを待っている。星を捕まるための水面に、インターネットを張り巡らせて、魚を探している。綺麗すぎる湖はなくなった。魚が跳ねる音が、あらゆる場所で聞こえる。僕の湖には、スパムメールが土砂降りのように落ちてきて、至る所で、まあるく波が広がる。アカウントと一体化してしまった僕は、自分自身をスパムとして報告することはできないほど、落ちぶれてしまった。波立ち絶えず歪む湖面に映る星と月を見て、これは本当のことなのかって、わからなくなった。生起し続けていることが信じられなくなった。酒を飲み、僕は夜、薄汚い蛾になって、遠くでカンカン鳴る踏切音のほうへ飛び出す。そのうち、早すぎる死に追い抜かれて、追いかけて引き離され、山を越えているうちに、あそこに行けば死ねるんだってことも、千切れた言霊になって、忘れられちまった。

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