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いかいか - 2017年分

選出作品 (投稿日時順 / 全13作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


倫理

  生活

母の、
様に醜く曲がり、
父の手をとる、
生きることが、
死ぬことに、正しく
曲がる、
私は、私に、
伸びていく、
また、
父の方へ曲がる、
咀嚼は、
母の様に、と、
伝えられ、
父が私の方へ、
伸びてくる、
きれいに、
まがること、
死んでいくことに、
曲がる、
姿を、
見る、私は、
また、私へ延び出す、

くらい、りんりの、
時間に、
死の予感から、
皆、眠ってしまった夜に、
曲がる、ものが、
見えるか、
私には、
恐ろしい、ほど、
よく見える、
窓の外に、
曲がる人が、
くらやみの中で、
きれいに、曲がろうとして、
やはり、延びていく姿が、
恐ろしい、問いの、
重さに、耐えるためには、
曲がらなければならない、
そのじかんは、
永劫だろう、
いかさなればならないものは
悉く、殺さなければならないものと、
実は均しい、と、しってしまった、
じかん
逆も、おなじだ、
ことごとく、いかさなければならないものは、
ころさなければならない、
徹底的にだ、
虐殺だろう、
跡形もなく、
誰も曲がらないように、


(無題)

  生活

八月の雨に降る批評かな

Haimの、
新曲をきいて、
口ずさむ、
新しい、
風と、花の、
言葉、
つまり、
改めて、
水の、
物語、

カレンダーが、
切る、
風と、
人差し指の、
傷口、
の浅い、
赤、

色素の、
薄い、午後に、
生まれる、
アフリカ、
の、名前を、
呼ぶ、ヨハネスブルグ、
また、あらためて、
アジアと、
暗く叫ぶ、
獣と、毛虫が、
一匹、
花の名前を、
科学に垂らす、
日に、
萌える、
夢の、香り、

こんな、午後なのに、
いいえ、
こんな、午後なのに、
叫ぶ、
ものは、
一人じゃない、

(いいえ、こんな、午後に)
あらためて、
(季語が機械化されて、
地面に伏せている)
右翼的な、
まばたき、
まつげが長い、
革命の、
君、
または、
左翼的な、
サヨウナラの、
紫陽花、
咲き誇るのは、
ゲバルトの、
潮騒、
満ちていく、
天皇の、俳句、

永らく、
この、土は、
国体の、
名が与えられ、
抉られた、
右目だけが、
まだ、すべての、
鉄が熱かった、時の、
鍬の、歪みを、
知り、

深い、宗教の、
森に降る、
小さい神の、
(人の様な輝きをもった)
未熟な、雨、

権力の、
座る、
四月の、花と
花言葉で、
埋め尽くされた、
椅子に、
遠方からの、
悲しい政治、

わたしは、
一匹の、
(それも、たった一匹の獣!!)
獣を、知る、
そして、獣は
(たった70億と3億が
出会っただけの、
数字に)
わたしたちの、顔を見る、
70億と、3億の、
手が生えた私たちの、
身体に、
70億と、3億の、
足が生えた私たちの、
身体に、
たった一匹、
(だけの)人のような、
獣が、
人のように、
降る


(無題)

  生活

獣の様な、
悲しい、動物は、
まるで、人のようで、
つまり、
人のような、
動物が、
獣を、
殺す、
時に用いる、花言葉は、
石楠花、

朝鮮人の皮を剥げばいいよ、
または、アメ公と、
障害者の、爪を剥がして、
君にすべてあげる、
日本人の、内蔵は匂うから、
たべるのにむかない、
紫陽花、

今、降っている雨からは
遠い未来に起こる最終戦争の、火薬の
匂いがしなければならない

倫理は、
引用されない、
または、
押し寄せる死を、
腐らせることができない、
私の、
海に、流れていく、
塩の、
陰惨な、過去に、
「それは、焼かれた」もしくは
「未だに息苦しく」と、
「つまり、すべての人に平等に殺す権利」
があるなら
皆、やはり、「殺されてしまえ」
生きかえさせてあげると、
生かしてあげるの、
間に、
客人、
震災、
人が多く死ぬより、
獣が多く死ぬほうが小さい、
「生かしてあげる」だから、
「平等に皮をはいであげる」
朝鮮人の、内蔵を、
君の心に、
または、心から祈るように、
日本人の、
魂を、ハンバーグにする、

書かれる度に、
花言葉、

私は、
膝を落とす、
私が見下ろしてい、
死が、腐らないように、
または、生きている、
ものの、ために、
視線が、同じになるね、
やはり、話さないの、

生きているものに、
「触れる」、
私を、
見る、
ひとみに、
私が写る、
まだ、迷っている、
本当は死んでいたかもしれないものが、
目の前にいる、
生きていることが、腐って、止まっているのか、
死ななかった事実が、
生きているのか、

触れる、
ただ、触れる


私の体はいつも古い

  選者

わけいってもわけいってもメンヘラ

私の体は、
いつも、古い、
私を織り成す、
糸の、織られた日は、長く、
(長い詩を書くためには、長く雨が降らなければならない)

「私は、痛みを」
取り除く、つまりは、
(やがて、)または、
引き伸ばされた、
世俗的なるもの、から、
押し潰された、
政治的な、過度に、過度に、
(政治的な枕)
眠れない、枕、
枕詞に、
紫陽花、または、
蜜柑、
身体的な、死を、
書くためには、
柑橘類の、酸味と、
花の、香りを、
紙に、

私は、
貴方の、
敵だ、
月明かりに、
下る、
糸に、
引く、
低い、神の、涎、

私と、言う、
新しく、生まれた、
幼い、概念、
火を灯す、
人差し指の、
指先が、始めて、
燃える、
油ー始めて、
「私」が、
獣に、混じった時の、
汗の名残、
または、
獣道を、探した、
人の道を捨て、
捨てられた、道を、
まわって貴方に、会うために、
暗い夜、雨が降る前の、
あの、すべてを、濡らしてしまう、
雨が、闇を、夜を濡らして、
引き剥がしてしまうまえに、
捨てられた、獣道を、
行く、

(貴方の、
新しく、編まれた、
皮膚に、新しく、
織られた、
花言葉と、
瞳と口が、
添えられ、)

わたしの、
からだは、
いつも、ふるい、
ひらがなや、
かんじの、
ように、
古く、
未だに、
人を、
続けなればならない、
夜の、闇の中で、
獣道を、探す
(神を、知覚することはできない、
だから、神は闇に、暗闇に覆われている)
この、暗闇を、払うことはできない、

雨が降る、上がらなければならなかった、
雨が降る、

雨が、
編まれる、
音が崩れる、


未だかつて文学が知らない言葉で

  選者

つま先立つ
弟よ、
お前の、開かれた、腹に、
残った異国の、
黒い肌の、男の
息と、少しだけの、
精液が、
熱い、

白鳥は、
歪な、造形で、
垂らす汗を、
飲む、
口は、
内臓をひっくり返した、
愛は、
日曜の、午後に、
干からびて、
死ぬ
たった一週間の、
破滅的な息子の、
生、
思い出せ、
エイリアンの、
銀色な、青春に、
垂れる、
水銀の、
歌を
雨の、様に、
してほしい、

または、
風のように、
してほしい、

子宮外生命体、
われら、ツチノコ、

私が叫んだ、
ゾワゾワが
ゾワゾワ集まった、
だから、私はモゾモゾした、
モジモジが、
背中を伝って、
つま先立てた、

七日目
足元に出来た、
水溜まりで、
髪を洗う、
はじめて生んだ子を、
初めての、
叫びへ、
呼ぶために、
また、三日目に
はらわたから、
生きている、
ことを、抜く

恐ろしい、
政治を始める、
ために、私は、
獣の、
信仰を、飲んだ、
四つ足は、
獣の、様に、
しか、
顔を、上げられない、
幽霊だ、
亡霊だ、

「ひどい重力だ
「瞼が開かない、
「ほどに、かなしい、
だから、目を捨てる、
見ることを、
書くことに、垂らす、
まるで、涎みたいに、
欲深いね、
涎には紛い物の、
か 神が宿る、
だから、
人類学者は、
祈る、
破滅的な、
息子に、
しご?
私語、
私の語は、
すでに、死んでいる??
いや、私という語、が
すでに、死んでいた、
起源はすでに、
失われ、
文学的に、
純化された、
私や、
言葉だけが生きている、
つまり、神が宿った後の、
言葉に、
悪魔を、呼び込む、
神によって、焼き払われた、
化膿性が、
一つ、
また、一つ、と、
水ぶくれ、て、
弾ける
「人だよ」
「臭うね」
「人の臭いだ」
「神が化膿した、可能性の一つだよ」
「たがら、ひどく臭う」
「重力の、起源は、これだよ、」
「窒息しそうほどの、人の臭い」
「神が焼き払いまた、焼き払われ、焼きただれた 」
「化膿し、膿が」
「人だ」
「恐ろしいほどに、人だ、人の臭いだ」
だから、私は
はらわたから、
生きている、ことを、
抜く
すでに、
わたしは
言葉として死んでいる、
死語だ、
私語、
私の言葉は、
文学的に純化されて、
死んだ、

何度言わせるんだ!!

雨と共に泣くな、
風のように、悲しむな、
火のように、別れて、
雷のように、
出会った、
あの頃を、
「思い出せない、」
砂漠は好きか、
雨に、打たれるのは、好きか、
誰ももう、私、の、言葉を知らない、
ほど、遠くに、
行きたいか、
文明はない、
なぜなら、わたしを、
うしなったからだ、
松明はない、
言葉を、消すように、

私がまだ、灰の様に幼かった頃、
暗い両生類は、
冷たい出来事を、
「襞」と告げ、
私は、
それは
「弟」か、
または、
「雨のように濡れる」と、
言い直した、
生活の様に、
深く浅い場所に
入り浸る時、
「漏れていくもの」を
「僕」とは言わない

あの、夜、
私の、庭を横切った
雨は、
「帝国」
崩れるように、
風は、
頬を切った、
熱い、
季節は、
まるで、血のように、
沸き出て、
「戦争」へ
この、慈悲をめぐる
残虐な、
国家に、
僕は、今おりていく

(死んでいく、
それも、ぼろぼろと、
零れ落ちて、
またさらに、
死んでいく、ことに、
生きて行くことが、沈んでいくのだ
私が、砕かれ散らばる、
神が散らばる、
あちらこちらに
砕かれた私が、
私から、神が同じように砕かれて散らばる)

獣、神から生まれなかった可能性の一つ、
化膿しなかった、傷、
乾いてしまったままの、
私が、
捨てられる、
深い、
溝、
言葉とわたしを唯一投げ捨てられる、
または、隔てる、
谷、

消えてしまえ、
すべての、
悲しみと、と共に、
言葉たち、
いつか死んでしまう、ことから
生きている、ことを、
削り出す、
獣ように、爪で、
私が、貴方を生きられないように、
貴方も私を生きられない、
「人だよ」
「どこまでもひどく人だ」
「言葉に追われて」
「かなしいか」
「あまりにもかなしくて」
「泣くことよりも早く言葉がでる」
「それも、尽き果てることなく」
「私はあまりにも純化されてもうどこにもいない」
「はず、なのに」
「」呼ばれる
「幽霊に?」
「」悪魔に?
「人に?」
「かなしみだけが」
「広がる」
「どこに?」
「魂も同じだよ」
「あまりにも純化されて」
「私たちは所有できない」
「違うよ魂がもはや、私たちを、私を、所有できないんだ」
「」

広がる、
私が再現なく、
際限なく、広がる、
どこに?
どこにも、
だから、かなしい、

政治、
獣のように、
這いずり回りながら、
涎を垂らし、
私を濡らす、
消えないように、
濡れて、滲む
それ以外にない、
生きのべるすべはない、


私はいるだろう、
あまりにも、
悲しみに満ちてしまっているから
中身がなかった私が悲しみに満ちて、
中身が埋められる、
悲しみで埋める、
ようにして、
私を中身に埋める、

私はいるだろう、
いや、いるようでいない、
いないようで、いる
ようにしか、もう
人と言う、
概念は、底が抜けていて
私はいつも、
底から、漏れ落ちる、
だから広がる、
獣が、それを舐める、
乾きを癒し、
また、涎を垂らすために、
尽きない言葉が、
尽きない悲しみにかわる、
人だ、
ひどいくらいに、
人だ、
だから、なに?
なに?なに?
人の焼き焦げる臭いがする、
だから、
人だ、
うるさい


「重力が晴れるね」
「重力が晴れるとどうなるの?」
「人であることも晴れてしまう
それどころか、すべてが飛びさってしまうよ
 かなしみも、喜びも何もかもが、空気も山も、
 私以外の何もかもが、そして、私自身すらも、
 飛び去ってしまう」
「だから、獣になる?」
「それでもなお、しがみつくために、這いつくばるために、
 飛び去ってしまわないように、何もかもが飛び去って
 失われても」
「獣には何が残るの?」
「輪郭だけが、何もかもが飛び去って、入れ物だけが、
 獣として残るの」
「獣は晴れない?」
「決して晴れない」
「人であること、あったことは、そんなにかなしい?」
「かなしいから、獣になる」
「なにもかも忘れて、失って、それでも、しがみつき、這いつくばる
 四つ足で、獣になって、叫ぶの?」
「そうだよ」
「だから、政治をする、姉のように、弟のように、妹のように」
「長く人ではあったが、一度も私は私じゃなかった」
「私は私でいられなかった」
「どこ?」
「だれ?」
「あなた?」
「わたし!?」

また、焼け焦げる、
臭いがする、
人だ、
でも、私は、

いつか、
人であることも、
晴れしまう、
その前に、
私は、

神は、
獣は、
政治をしない、
人は、
政治をする、
政治とは、盗まれた、
炎だ、(何から!?)
人であることすらも、
(私であることすらも)
「貴方でないことすらも、
誰かでもないことすらも、
何者でもないかもしれないことすらも、」
焼き払う、
眼も、
耳も、体も、
魂も、心も、
焼き払うための、
炎だ、
「つまり、地獄だ」

人であることが、晴れますように
あらゆる、人々が、
あの、まだ、幼かった灰の頃の様に
つまり、地獄を思い出しますように
だから、「私は、」


食べる。

  あらかわようこ

どしゃぶりを食べる。
戦争にいって泣きじゃくった彼を食べる
つまり戦争をお腹一杯たべる
火薬と汗の腐った味
それをかみさまと言い換えた
人をたくさんたべる

いかいか死んでください
ぐだぐだいってんじゃない

わたしはいぬのように
いきることをたえずたべる
そしておなかいっぱいなったら
しぬ

飼われていることをたべる
私が世界に切断されたら
傷口から花が咲いてほしい
だから花言葉を覚える

めくるめく小説のように
食べる
鶯を、花を、
母を食べた
死ぬことはまだ食べてない
だから食べたい

物語をあげる犬にはせかいがないからものがたりをあげる私を舐める舌には私を見つめる瞳にはせかいがないでも生きている

ボビー
ナチスドイツにおける最後のカント主義者
こらいかいか出てくるな

ひともたべるよね
たくさんたべた
ボビーはレヴィナスを食べたし
私も食べられた
だから、私も
たべるね
ハイデカ食ったら下痢するぞボビー!!

犬が飼われることを
望んでいる、ことを知る
そうしなければ、私たちと、
家族にはなれない
服従しなければならない、
あの足で、


(無題)

  いかいか

この、工都には、
葡萄しか実らない、
「林檎は神の物語を呼び込んでしまうから」
血のように、硬い、
骨を
油で満たし、
汗は、
雨をよぶ、

工都は、
秋に燃える、
君はいつ燃えるのか、
はやく死ね
天使よりもはやく


(無題)

  いかいか

花のように咲いた、
人の死を頼む、
雨のように、
泣く人の、悲しみを、
頼む、

今、僕は、サフランを、
摘みながら、
ブエノスアイレスの
冷たい、路地裏で、
歌われるであろう、
歌を、描こうとして、
必死だから、

僕の詩には足がないから、
逃げ出すことを知らない、
僕の詩には腕がないから、
戦争にも革命にも行けない、
僕の詩には死がないから、
本当の悲しみも、喜びも知らない、

だから、僕の死を頼む、
悲しみを知らない、
生まれたばかりの、
詩を、

眠いから止めたわ


悲しいからこの眼球を、抉る

  いかいか

あまりにも、
深い、悲しみが、
流れるから、
この、眼球を、抉る、
また、新しい、
悲しみを見ないために、
外に、
世界に向けて、
流れない涙が、
一筋の、
川と
なって、
私の、
暗い内側に、流れて、
「出ていく」(どこに)
のを、
ずっと、見つめている、
姿が、遠くから、
裂ける、

川上には、
小さな集落があり、
夏の夜に、
蛍の、ように、
光る、
松明を、
もって、祓う、
姿に、潜っていく、
私の。悲しみが、
私の内側を、通って、流れ出る、
間に、出会う光景を、
追っている、
毎晩、

その、集落には、
祓い、の、後に、
男達だけが、
より集まり、
蝿のような、音を、出しながら、
女に求婚する、
女は、剣をもって、
恋人の、
結った髪を、
切り、口に含み、
男と、
口づけをする、

つまり、私の、
詩が生まれでる、
この、故郷に、

中流では、
流れ出るかなしみに、
花を投げ込み、
人の一段に出会う、
誰かが死んだ日に、生まれた、
子供は、幸せを約束された、

喜んで、花を投げ込む、
そして
死んだ彼または彼女も
最後に投げ込む

もう、詩を読んでも、
悲しみがない、
悲しみは、
逃げ出した、
僕をおいて、
遠くの戦争に、
異国の荒々しい言葉の中に、

だから、昔、ぼくは書いた
今日、日本語から、一切のかなしみがなくなると、
悲しみは流れているが、
もはや、君や僕の、
詩や、言葉の中には、
悲しみはない、
流れていくものは、
とめれれない、
掬うこと、で、口をゆすぐ、
また
渇きは、
消えない


  いかいか

夢の、
中に、
涙のような、
雨が降り、
洗われては
編まれる
私は、
晴れたもの、たちの
間を、縫って歩く、
この、踵が、
踏まれないように、

家族と言う、
句読点が、
白紙に、滲む、
ような、額は、
熱く
流れる、
この、水域は、
人が、見た、
ことによる、
毒に、
満たされて、
綺麗だ、

ゆめの、
中に、雨が降るから、
私は川になる、
私の、中を流れる、
川が、
貴方へと、
流れ出る、
時に、
台所に、
光が指して、
クレタ、の、
朝が、
どしゃぶりの、
ように、降る、


日記

  いかいか

あれは、
木漏れ日、
雨のなか、
難産で、生まれた、
雲雀、

鳴き声は、
まだわからない、

こんな夢を見た、
何度も夢のかなで、
訪れた、村外れ、
回りは、水田で、水だけが、張られ、
薄暗い夕闇だ、
遠くから、街頭が灯る、
そして消えては灯り、
近づいてくる、
ものがいる、
彼は近くまで来て、
ほら人の腹を殴れば光る、
といって笑う、
街頭の灯りは、太った人で、
くくりつけられている、
彼は、
隻眼で、片足の、
男で、
お前は俺が好きか、
と、私に聞く、
そして
私に接吻を、して、
唾液を流し込んでくる、
離れた、彼が、
人を殴れば光る、
簡単だろうといって、
街頭を殴って、
去っていく、
お前がよく光るように腹を大きくしてやる
と叫んで

目が覚めた、
時に、彼の唾液の味が、
甦り、
何かがお腹に流れ込んでくる、
様な感覚があった、

生まれることが、
流れていく、
どこに、
または、流れるように、
生まれる、
ことが、
生まれないことなら、
生まれることは、
流れをとめることなのだろうか、
生まれるは
とめること、
一体何を、

雲雀が落ちてくる、
木漏れ日に、
私はまだ、
鳴き声を知らない


今詩を書いている

  いかいか


室内に雨は
降らない、
紫陽花に、
人の話が実り、
思い出す、


古い、時代
女は三途の川を、
渡る際、
初めての、
男に、手を引かれて、
わたったらしい、
つまり、愛する、
男では、ないかも、
しれない、男が、

ある夢の、
中で、長い木造の、
橋を渡った事がある、
渡った先には、
からぶきやねの、
家々があり、
人がいない、
ただやけに、
空気が清んでいる、
と言う感覚があった
一人の、少年が、
皆、上流に
いった、と言い、
突然、浅い、川底の、
川の中心に、
腕組みをした、
男が腕を組んで、
川下を眺めている、
光景に変わる、
私は川岸からこの、男に、
村の人は皆どこへ、
と、聞いたが無言で、
仕方なく、私も、
川に入り、男に近づいて、
再度、聞いた際に、
女たちを、
連れに、皆行った、
で、また、途切れ、
夢から覚めた時に、
一つの、イメージが、
残った、
あの世の、花には、
人の名前が、名付けられ、
死んだ女達は、
それを、摘んで、
仏に、供えるのだと、
若くして死んだ子の、
名前を言って、
花を摘み
また、死んだ見知らぬ、
男の、名前を、
言って摘み

そして、現世に、
ひまわり、
に、人の話が、
あじさいに、
あらゆる、花に、
人の、話が実る、

あの村は二度訪れた、
二回目は、
姉妹に、つれられ、
翁に会った、
翁は、
釣りをしていて、
やはり、私は前回と同じように、
村の人は、と訪ねた、
夢はそこで終わる、

男と、翁は同一人物なのだろう、
昔、
生まれ故郷の、
川の、水源地に行った時、
小さい、水源の水溜まりの中に、
小さい鯢がいた、
これも、あの翁であり、
男だろう、

花は人の、
名前を宿している、
未だ生まれていない、
ものの、名前も、
だから、実る、
人の、話は、
気持ち悪いのだ、


激しい雨が降るように

  いかいか

病は、
睡蓮、
生きていく、
事に、
深く、
浸す、
病床は、
苗床で、
貴方が、
赤く実る、
季節に、
「激しい雨が降る」

花は、
摘まれる、
ために、
開く、
「砂嵐が止まない」

私は、
貴方の、
言語を、
孕む
「初めての雷雨が身体中を巡る」

睡蓮、
膝を、ついて
私と言う言語を
死んでいく事に、
浅く浸す、
この、
水は、私の、
髪を洗った、
初めての、
死んでいく、こと、
を、水源として、
分かれ、
いくつもの
流れが、
混濁し、
汚れなかった、
ことが
流された、後の、
生きている、
かなしみ、
は、深く、
沈むことができない、

息をとめる、
種のように、
そして、
白く、
吐かれて、
咲く、
花を、
病床とも
名付ける、

病は、
雲雀、
雀、
紫陽花、
睡蓮、
と、名付けて、
痕跡を、
消すように、
体を、
擦る、
と、赤く実る、
私が、膨れて、
弾ける、

貴方を身籠る、
言葉として、
貴方を、

激しい雨が降る、
様に、
砂嵐が止まない、
様に、
初めての、雷雨が、身体中を巡る
様に、
私は、
言語を、

病は、
高山病の、
香りに、
似ている、
から、
葡萄を、
私の、
墓所として、
実り、
食べておくれ、
春先、雪を、
燃やす、
私は
まだ、終わらず降っている、

私は、
紫陽花を、咲かす、
くそやろう、
ここからが、
お前の、
悲劇だ、
よく聞け、
雨の中、
神々の、
はき忘れた靴を、
探せ、
俺は、
明日三丁目を曲がる、
君は、失われた、
スローカーブを、
もう一度投げれるか、
俺は投げれるよ、
はは、革命は、
遺伝子を、泣かせるからな
だから、黙って泣け、田中!!

言語君おやすみ
明るすぎて寝れないんだね、
だから、もう、灯りを消すよ、
君が起きないように、
君が寝たら、
僕はもうただただ、
泣くだけだ!!
泣くな、言葉
悲しみは、
激しい雨が降る様に、
かきけさなければならない

うわああああああああああああああ

病からは甘い香りがする、
それは、窒息するように、
息がつまる、
様な高山病の
香りだ、

私は、待っている、
激しい雨が降る事を

文学極道

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