第2回 21世紀新鋭詩文学グランド・チャンピオン決定戦


みさき (18/57)
  


いきさつがある。この時フクは喜代子の霊媒を間近で目撃し、その
不可思議な力の虜になってしまった。フクに言わせれば喜代子が霊
魂を降ろすときには金色の光背が見えるという。フクは日常生活に
は支障がない程度には健常であったが、統合失調症と思しき言動が
多数見られた。そのためフクの証言による喜代子の霊験は眉唾とい
わざるを得ないが、喜代子の行う交霊には確かに現実には説明のつ
かないところも多くあり、結論は未だ出ていない。
















第2回 21世紀新鋭詩文学グランド・チャンピオン決定戦
月刊 未詳24 × 文学極道