それは
判決のようにやってくる
迎えた初潮は
穢れを染付け
血で満たされた子宮は
粘つき 黒く濁ることで
腐敗を呼び起こした
ただ
女であるというだけで
臓腑が苛まれる
裁きを受けるかのように
鈍痛が自身を欺瞞する
乳房が役立たずに終わることは
敗訴なのだと
頭の裏側が輪唱している
脅かすものは
当然のように蔓延っている
皮膚を貫いて
臓腑に達するまで
緩慢に蝕んでゆくのを
止められずに
見送るだけだ
純潔なのは
男であることが前提なのだ
酸化物の皮膜が覆い
薬匙で削り落としながら
錆の臭いを薬包紙に包んで
女は
今月も死を纏う