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ぽかんと晴れた暇な日に
道端にしゃがんで川を見ている
春の陽にぬるんだ川の中では
生まれなかった子供たちが
泳ぎ回ってはとろけてゆくのが見える
そこの川からはほんのときたま
腹いっぱいに卵を抱いた
おそろしく大きな魚が揚がる
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道端に咲く花の中には
そのひとつひとつに
ちいさい子供が腰掛けている
たまに空を見上げると
ちいさいちいさい子供たちが
手をつないで輪になって
空中で踊っているのが見える
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子供が欲しい
と言う女の人の眼の中には
もうすでに子供がいるのだ
水晶体の中を泳ぎまわりながら
なにかけたけた笑っている
十月十日経って産み落とすのは
決まってその子供なのに
どうして誰も気づかないのか
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此の頃
子供が減ったという人があるが
それは大きな間違いである
子供は
思い思いの大きさで
そこいらじゅうに存在している
嘘だと思うなら靴のつま先で
足元の土を掘ってみるといい
あとからあとから色んな子供が
わらわらあらわれてくるだろうから