郵便局は閉まってた
無駄足運んだ午後
傘をさす手間も気に入った服が濡れていくさまも
全部全部無駄でしかない
気づかずに踏んだ水溜り
ブーツが泣いて車に怒鳴られ
ほら無駄無駄
夜のような空と両手で掴んでる傘の柄
横を向く顔 変わらない信号
まだ無駄無駄
背中に背負った通帳
頼りないセキュリティ
全部全部無駄でしかない
それでも歩く道に詩を唄い
暇人となり 笑い話を持ち帰る
無駄じゃないと象り金と天秤にかけた事情で
膝を撫でるあなたを探せなかった
濡れていくはみ出した白いリュック しなびる髪の毛
手をあてたって 声をあげたって 無駄でしかない
今更と怒鳴る顔期待していたのに
強くなる雨と正反対のあなたに無駄な時間を与えられ
とうとう傘を捨てた
無駄な遊び 無駄に繰り返す 無駄を繰り返す
>さあ、ここからどう書いていくか、そういう位置にいると思います。
オーロラをめぐるスカンジナビアの旅。学生の冬休みや、社会人の年
末休みの時期を避けて、と思っていた。だからこのタイミングで、北
欧の氷河に日本人の、おばさんの一団が大挙しておしかけていたのは
まったくの誤算だった。彼女達の姿形はまちまちなのに、みな一様に
フラフープを持参している。
今の会社に勤めはじめて丸5年になる。そして今3回目の休職期間を
過ごしている。ポンプのモーター音、水草と砂。青白く輝く水を湛え
た水槽が、窓のない4畳半ほどの小部屋を淡く染めている。机の上に
はボールペンとわずかの紙片。人事の黒田さんはやんわりと退職を促
している。壁の向こうの毛羽立った空を思う。両手で掬うと水は思い
のほか冷たい。部屋の壁では熱帯魚のグラフィティが回遊をつづけて
いる。
旗を持った添乗員と思しき男性にたずねる。これはいったいどういう
ツアーなんですか。男性は答える。「オーロラの下でロマンティック
痩身ツアー」なんですよ、と。オーロラを見上げながらフラフープ、
感動ついでに気になる腰周りの肉をシェイプアップ、そういうことら
しい。まったくいかれた話だ。
出張とか外回りとか、そういう役回りがなるべく少ない仕事がいいと
思っていた。ところが辛うじて滑り込んだ今の会社で待っていたのは
正反対の仕事だった。毎日のようにあちこち飛び回って汗水を垂らさ
なければならないうえ、たまに会社に戻れば、山のような書類の処理
と、こと細かな報告書の提出を求められた。いろいろな場所に行けて
いいじゃないかと言う人もいたが、ぼくはいろいろな場所に行きたい
なんて微塵も考えたことがない。
SUUNTOの腕時計が21時を告げる。やがて空にぼんわりと幽霊のように
現れ、うねり、形を変えるものがある。オーロラだ。寒さを忘れ、ぼ
くはそれを注視する。その動きは次第に大きく、強くなっていく。す
るとおばさんの一団も、ここぞとばかり一斉に太い腰をうねらせ、フ
ラフープを回しはじめる。歓声とも嬌声ともつかない声がスカンジナ
ビアの氷河に響く。オーロラはあられもない奇態を現しはじめる。
やがて体のあちこちに変調をきたした。心因性の抑うつが原因だろう
と言われた。ところが社長は精神論の信奉者で、上司はぼくを厄介者
とみなしている。内勤を希望したがそれも叶わず、2回・3回と休職
を繰り返し、結局今こうしてぼくはスカンジナビアにいる。オーロラ
を見る、ただそれだけのために。日本に戻ったら、退職願いの書き方
を調べてみるつもりだ。
真っ白い息を吐き出しながら、首が痛くなるくらい空を見上げつづけ
ている。オーロラのフラフープが止まらない。おばさん達から流れ出
た汗は奔流となり、雪解けよろしく氷河を溶かしていく。ぼくは足元
が崩れていくのを感じている。いつのまにかぼくは一団の先頭で旗を
振っている。こんなに旗を振って、ぼくはこの一団をどこに導くつも
りなんだろう。
もう潮時だろうと思う。不要な汗を出し尽くし、おばさん達の腰はく
びれにくびれ、みな砂時計になって佇んでいる。ひとり、またひとり
と、持ち時間を使い果たしていく。やっと静かになったスカンジナビ
アに、さらさらと音をたてながら、砂が時を刻んでいく。そして最後
のひとりが砂を落とし尽くした瞬間、足元が音もなく氷解する。遠ざ
かっていく空に光の輪が見える。氷河の下では輝く魚達の群れが回遊
している。青白く、ただ青白く染めて。小部屋のドアを開けて黒田さ
んは、誰もいないことを確かめてから施錠する。
>この作品は散文としての死を通過していない感じがする
>内勤を希望したがそれも叶わず
>退職願いの書き方
>を調べてみるつもりだ。
>を調べてみるつもりだ。
>まず、全体に各連が、切れすぎていて、話者の視点、居場所が、不明瞭です。
>一連と二連は、いきなり切れ過ぎたですね。
>三連では、もう話者は唐突に、添乗員に話しかけています。
>一連のおばさんが、誤算な理由は?
>ニ連の青白いと終連の青白いの関連性は?
>五連の腕時計のブランドと、時間の記述は、何か必要ですか?
>終連、黒田さんの動行を、どうにもぼくが、話述できる視点がどこに在るのか
>タイトルも、ついでに御一考されては?
>もっと、読む者に強いナニかをつきつけて下さい
>「正反対の仕事」は私もちょっと引っかかりました
>作品世界から遊離してしまっていて、手ごたえがこちらにつたわってこない、というのか。
>ぼくはいろいろな場所に行きたい、なんて微塵も考えたことがない。
>学生の冬休みや、社会人の年末休みの時期を避けて
>内勤を希望したがそれも叶わず、
>鮮烈さが足りない
>作者の感情の強度が、足りない
この手を離れた風船が/何処かで破裂するのを/僕は/瞼の裏で/見る/ / //。
暗い部屋/思い出一つもいで/口付けたら/水色の桜/咲き溢れた/ / //。
膝を抱えて座る時/足がしびれないのは/タバコの煙が行き着く場所の/墓守がそう決めたんだよ/ / //。
ビニル傘の下は/僕一人だから/濡れない右肩を/左中指のドクロが/冷たい肌して/笑う/ / //。
この手を離れたあなたが/何処かで破裂するのを/僕は/瞼の裏で/ / / /見えな/ /い//。
>左中指のドクロが/
>この手を離れた風船が/何処かで破裂するのを/僕は/瞼の裏で/見る/ / //。
・案内状・
疲れて、部屋にもどった僕は、食卓のわきに絵葉書を見つける。妻が、ソファ
ーで眠り込んでいる。黄色くにじんだ模様の底に、透かしのような文字があっ
て、うつくしい馬のサーカスと書かれていた。背広を脱ぎかけ、しばらく手を
とめる。案内状の、まん中の写真。大写しにされた馬のたて髪と、緑の眼が印
象的で、傷付きやすい賢しげな表情や、すっと伸びたまつ毛の清潔さに、言葉
をのんでしまう。寝息をたてない妻の隣りに、僅かにもたれかかるだけのすき
間を探して、ついに休息した。ああ、じつに見事なものだ。馬の頭部は、何と
いってもよく出来ている。恐らくは、誤りのおおい他の人生に比べて。
・サーカス・
大きな夕焼けが、僕の背丈には不釣合いになるころ、会場に辿り着いた。街の
片すみの、見覚えのない空き地に、テントが張り巡らされていて、中だけほっ
と明るい感じ。ざわめき始めた人混みのはしに、ひとつの席をえた僕は、ポッ
プコーンを手にして、息をひそめている。座長が腕をふり回すたび、白い手袋
が僕には眩しい。それから一匹の、緑の眼をもつあの奇妙な馬が、団員によっ
て舞台に引き出され、かるく足踏みをした。音楽が鳴り、それが合図だったこ
とに気付く。続いて、何十匹もの馬が登場した。形のいい鼻すじや、張りつめ
た筋肉が見え、次第に舞台中央に密集し、片足を持ち上げたり、首を揺すった
りする。座長の手袋が、馬に合わせて大げさに旗めき、何だかつられるように、
やや遅れて手拍子が始まった。ライトがするどい三角錐となり、照り返しで影
がやけそうだ。きっと僕には、堪えられないだろうな。そんなことを考えるう
ちに、群れの全体が盛んに走り出し、どの馬が、あの最初の馬で、どの馬がそ
うでないのかが、さっぱり分からない。
うつくしい馬は、空を飛べません。僕にはそれだけを、聞き取ることがようや
く出来て、白い手袋は、今となってはあまり目立たない。いっそう音楽が賑や
かになる。ざらざらした傷や、粘膜や、時間そのものが引きつる感じ。それが
馬の運動によって、呼びよせられ、色付けられ、うわ書きされる気がして、僕
は声をあげている。馬、はしれ、馬、走れ。すると、赤毛の馬、名前のない馬、
つんとお尻が傾いた馬、胴の輝くような馬、すべてが木馬のように、同じ速度
でまわる、回る。座長の口上はさらにかん高いものとなり、胸が詰まって吃る
みたいだ。踊り子が現れ、喜劇役者がつんのめって転んで、忘れられないあの、
緑の眼が、ぱちぱちと閉じられるのを感じる。僕は思わず、ポップコーンを投
げ捨ててしまって、もう堪えがたくあきれるほどの必死さで、馬、はしれ、馬、
走れ、とくり返すしかない。左右の人混みは、すでにそれぞれ、顔を見合わせ、
席を立って手拍子を強めている。形のいい鼻すじ、張りつめた筋肉、浮きあが
っては沈み込む足、何本ものたくさんの足、それらを眺めやるうちに、僕の暗
がりから何かが溢れ出した。
・星・
部屋にもどると、妻がベランダでかがみ込んでいて、寒そうに見えた。窓の外
にいる姿は、何故だか頼りなく、危うげな印象。手には如雨露があって、こん
な時間だというのに、植物に水をやっている。水は、穴だらけの終端から出て、
尖った幹をぬらし続ける。空は暗く、その分、星は細やかだった。よこに長い
雲を透かして、ひとつ、緑色の光りがずれていく。壊れそうだ。それは本当に
息をするようで、見えないくらいに幽かに揺れる。通りの何処かから、みじか
い馬の嘶きが聞こえてきた。
昼食に選ぶ
父の好物
母子家庭の食卓
一口食べる毎に
遠くなる距離
おとうさん。
僕達いい子だよ。
「初投稿です。よろしくお願いします。」
> 一口食べる毎に
> 遠くなる距離
>
> おとうさん。
> 僕達いい子だよ。
>単刀直入に言うと日記の域を出てないよね。
殺しでパクられた男が
手紙を書く
シャブ男も、大麻男も、ツッコミ野郎も、付け火男も
みんなみんな手紙を書く
一生懸命
女に手紙を書く
心からの反省と
心からの愛と
心からの再生を誓い
一日三通
七枚までの便箋に
彼らの人生が
綴られていく
相部屋の男が
どんな罪を犯して
ここにいるのか
知らなくても
女からの返事で
お互いの人生を
嗅ぎ分けている
小指のない奴は
薬指のない男を嫌い
中途半端な入れ墨の奴は
すじ彫り野郎を嫌う
規則正しい
退屈な生活
食事も三度三度食って
太ってしまった
と言って
腕立てや腹筋をしているが
長続きしない
検房
窓が開く
風がながれる
ぷ〜んと
香水の匂いがする
泣きたいのかい?
ごめん
今
ハンカチも
ティッシュもないんだ
だから
この手袋をはめなよ
本物の牛革だよ
でも
洗ったらちぢんで
合わなくなったからって
友達がくれたんだ
それで
何が言いたいのかというと
この手袋
まだ私には大きいんだよ
だから
手袋をはめた手で
涙を拭うといいよ
好きなだけわんわん泣いていいよ
君の涙で手袋はちぢんで
私の手にちょうどよくなる
君はすっきり
はれやかになって
私の手は
あったかくなって
それぞれの道を歩んでいける
泣きたくなったら
また会おうよ
何度でも
会いたいだけ
その時も
私は必ず
ぶかぶかの手袋を
持っていくよ
あたしに痛んだ赤い櫛を 誰も近寄らない路地に捨て 誰にも拾われないために髪をからませ 青草などぱらぱらとまぶしておくと 見あげる細長い青い空は 色見本の短冊のように美しすぎて 眼差しで色をはじいてしまえば ぺらぺらと軽々しく剥がれて 私の首に落ちて絡まってきそう あたしその無色を支えようと いつまでもあたし たった一度の瞬きができないでいた、
生まれたからには生まれた時より 少しでもましな人間になって死にたい だって てめー そうは言うけどよ 考えてもみろ この現場で足場組んでる奴ら みんな堅気の人間じゃねえよ さっき飯場で汗拭ってる時 背中に彫り物があってよ 龍がこう 首を持ち上げてよ 赤い舌出してよ オレのこと こう睨みやがってよ 奴らの背中 血が通ってねえよ 奴らがまともに板組めると思うか 奴らに命預けてるんだぜ 前の現場でよ 落ちた奴いてよ ボルト何本か抜いてあってよ 死んじまったよ まったく ひでえ話もあったもんだって そんなんでよ ましな人間になる余裕なんて あるわけねーべ オレのコレに赤んぼできてよ オレだって今 大変だけどよ、
子供と視線の高さを合わせることが必要でしょうね 怯え という膜が 子供の心の表面を覆っていまして 何かに触れた時にそれが震えてしまう 破れてしまうことがあります いや コーヒーはもう結構ですから 胃を悪くしますのでね それで 視線の高さを合わせるというのは 別に意識の問題だけではなく 実際に姿勢を低くして 中腰とか片膝をつくなどして 子供とあなたの眼球の位置を水平に保つようにすることです この力の均衡が先程の膜を 穏やかな状態に保つのですね 静かな湖のように像を結ぶのですね 子供はあなたが考えている以上に 瞳の暗闇をよく見ています 暗闇に映る自分の姿を見ています ああ お茶を頂くことにしますよ どうかあまりお気遣いなく しかし暑いですね毎日 やっと五月だっていうのに、
膝を折って光を避け 首を折って湿った苔を爪で削り パンプスの先端に擦りつけると 青臭いだけの気流が生まれて 無遠慮に首筋へ滑り込む気配がして しばらくあたし たった一回の呼吸ができないでいた 無計画に並んだ室外機がビル風でカラカラと回り 回りそうで回らない羽根があってもどかしいので 唇を尖らせて息を吹きかけると キャベツの葉っぱのように重たくて このまま今日は回らないつもりなのだろうと諦めていたら 突然勢いよく回転し始めるので 青臭い匂いは千切れて消えて あたしの爪の中にだけ深い緑となって残った、
そういえばよ あのマンション 全然買い手がつかないらしいんだ そうそ あの横長の 白い建物さ 珍しいべ 東京23区でよ 駅から近くてよ まだガラガラなんだって 気持ちわりーな スカスカのマンションて なんか気持ちわりーな たまにあるんだってよ エアポケット っつーのかな よくわかんない理由で人が住みたがらないマンションがあるんだってよ てめー どうよ あそこ絶対お買い得だぜ 辛気臭い顔してないでマンション買っちまったらどうよ 今のアパートよりましだべ かみさん喜ぶべ なあ 今よりましだべ オレが? オレは駄目さ オレ コーショ キョーフ ショー だから 駄目なんだオレは コーショ キョーフ ショー だからよ、
放熱するモーターの唸りが聞こえてくると ここはもうあたしの領域ではなく それは赤い櫛にふさわしい騒々しい情動のはしくれで 切り取っておくべき余計な部分として存在して どこかに寄せ集めて放っておくより手立てがないみたいで ああ なんだ あたし息してる 寄せ集めたら息してる でも瞬きができない、
ところでご主人は銀行にお勤めでしょう いえね 本棚に金融関係の専門書を見かけたものですから たぶんそうだろうと では ご帰宅はいつも遅いでしょう お子さんと顔を合わせる機会があまりないでしょうね 私だってそうですよ 平日は子供の顔なんて見たことがない 土曜日に一週間ぶりに再会しては お互いの安否を確認しあうといった感じでして 勿論そうですね その時も 目線を合わせてお互いがお互いの瞳に映っているかどうか きれいに映っているかどうか 確認するわけです いえね 実は妻とは死別しましてね 早いものでこの五月で もう七年になりますが まだ赤ん坊だった息子を残して 逝ってしまいましてね、
いや 奴が落ちたのはあのマンションじゃねーよ 別んとこでさ そこはちゃんと全部売れたってさ 結構死ぬんだぜ現場でさ そんなんは隠すにきまってっからよ みんな知らねーで買うわけだけどよ だからって関係ねーよ そんなんは気持ち悪かねーよ たくさん人間住んでんだから さっきもいったけどよ スカスカのマンションが 気持ちわりーのよ そんなの建てちまったらオレ この商売やんなるね なんかでっかい墓でも建てたみたいでね あ ほら見てみろ あいつの背中に龍がいるんだぜ 雲の上に長い首だしてよ 赤い舌べろんと出してよ 汗かいても冷たいんだぜ あの背中は ほんと気持ちわりーよな、
ちょっとそこまで と言い置いて部屋を出たわりには あたしはとてもきちんとした身なりをしていて どこに出しても恥ずかしくないから どこまでも行くつもりでいたのに 案外近くであたしは諦め 髪をほどいてばっさりと背中に落としたら急に 広い道は歩けなくなって何だか 整えたいものがあるような気がして 体ひとつぶんくらいの路地に嵌まり込んでみたのだけれど 薄い胸が空間を持て余してするすると あたしするすると入り込んでしまい ああやっぱりどこまでも行けるのだ思っていたら ここから先 私有地です という看板に遮られて ああやっぱりあたしそのへんまでしか行けないんだと諦め そういえば整えたいものがあったんだと 手鏡を鞄から出して襟元を直して 手櫛で重たい髪をとかしていたら あたし何であの赤い櫛を使わないんだろうと思い出して 暗い場所で冷たい胸元に手を突っ込んで長い時間 赤い櫛を探していたんだっけ。」」
>無色を支えようと
>あたしに痛んだ赤い櫛を 誰も近寄らない路地に捨て 誰にも拾われないために髪をからませ 青草などぱらぱらとまぶしておくと 見あげる細長い青い空は 色見本の短冊のように美しすぎて 眼差しで色をはじいてしまえば ぺらぺらと軽々しく剥がれて 私の首に落ちて絡まってきそう あたしその無色を支えようと いつまでもあたし たった一度の瞬きができないでいた、
>ここから先 私有地です という看板に遮られて ああやっぱりあたしそのへんまでしか行けないんだと諦め
>無色
きみはいつも砂の色した飴をしゃぶって鰊の腐った目をした黒毛の犬とせなかのまがった
チャボのことなど考えていたアスファルトとアスファルトがぎこちなく接げている車道を
デパートのブテックでマヌカンをしている向かえとなりの奥さんが小牛ほどに太った?酘?
を散歩させているこんにちはあひるのだいちゃんはげんきしてますえぇ水道代がつきに八
万ほどかかるのよこの前なんか水道局のひとがやってきて水漏れしてないか調べていった
わ街路樹のもくれんのつぼみが膨らみことしは東京に雪はふらないかもしれないという話
向かえとなりの四角いかおした嫁さんがけしょうなおしもそっち抜けにはしり回っている
きみは砂の色した飴をのみこんで解体された?酘擇里海箸鮃佑┐討い燭?ょうは酢豚にしま
しょどうなさいましたうちのみどりちゃんが逃げちゃったの小牛ほどに太ったおしりをた
ぷたぷ撥ねながら遠ざかっていったじんちょうげの実がゆたかに垂れ下がる国松さんちの
しわくちゃなチワワみたいなひたいをした旦那さんがきょねんから自転車をおすかわりに
シープランドをつれて出てくるくにまつ元気かそうつぶやきながらきょうもまた出てくる
主観の青がりが、無慈悲に生まれて
花を擦りぬける、温みは円い
片一方の足が、線香みたいで
不恰好だ
何もしらないので、わからず
分からないので、悔いない
切れかけた、街灯が
弛んだり、ふざけたり
たのしい
体温は、もう
どうでも好いので
はやく、心臓のおとで
はやく、安心したい
風が鳴っている、夜にふさわしく
きれいな、おと
まだ、すこしもじゅんびできない
風が鳴っている、夜ににつかわしく
きれい、なおと
宿題が蒸発した、そのそらが
みごとな紫に光り
あてどもないのに、わたしはそまり
私でなくなった
そうすることを仕組んだのは、私ではなく
わたしの通ったあしあとでも、私のほころびでもなかった
ただ、夜は紫で
わたしは夜を遊んでいた
そうやってどうしようもなく
夜がふける
>まだ、すこしもじゅんびできない
>そうすることを仕組んだのは、私ではなく
>わたしの通ったあしあとでも、私のほころびでもなかった
>主観の青がりが、無慈悲に生まれて
>構造を放棄した作品なんて読みたくねーよ俺は。
>その空気自体を唄っているような
>風物と身体の隙間に、差し込んでくる言葉の使い方
>感じる部分が少なく、掴み所がないという印象でした。
>最初の四行目までの「無慈悲」「花」「線香」という言葉から死のイメージ、それも儚さを伴った死、もっというと仏教的な世界観が浮かんできます。
>最終的に「夜がふける」ので明るさや救いの余韻が残りますが、
>この詩は読後感を楽しませるものなのかなと思いました。
>ただ個人的な好みの問題なのですが、最初の行の「主観」や「無慈悲」という単語がほかの部分に比べちょっと固すぎるような気がしました。
>また最後の2行は他の部分に比較すると少し凡庸な気がしました。
>ひとつ言えるのは無意識的世界なのにイメージより言葉の意味とか論理性によりかかっているのだなということです。つまり理屈くさい。
>テーマは「胎児」だろうかと思った。そんなことを思うし、そういう感覚を与える作品だと思います。
>主観の青がりが、無慈悲に生まれて
>ナイトウオーカーが感じるだろう夜の肌触りも、夢遊感覚も描けていない。ケムリさんの「風景檸檬」読んでみて。
>上手くなられましたね。
>全部読んで、次の日まで残らないんですよね。
>最近、田崎さん、空間と自己との溶け合いのものばかりが浮き立ち、作品は謙虚に嫌悪と美麗を滑らせていると思うんです。
>一つだけ何か頼る「もの」を組み込ませたら、もっと良いのかな、と思います。
>例えば、この作品だったら、中間と最後に花を出したら、かなり強固になると思いました。
>この方向は間違ってはいないと思います。が、文章だけ磨かれている気がしてきつくないのかな、と不思議に思います。
雨が降っている。俺はぼんやりと窓の外を見ていた。
俺は雨が好きだ。雨が降ると世界が小さくなる。
世界はこの部屋だけになる。
俺が見ている場所に、空から宇宙船が降りてきた。
宇宙船は駐車場に降りた。車四台分くらいの大きさ。
俺は窓からその光景を見ている。
宇宙船の扉が開き、中から小柄な宇宙人が出てきた。
宇宙人は茶色い肌に赤い斑点が全身を覆う、醜い生き物だった。服は着てない。
近くにいた人たちは叫びながら逃げ惑い、大騒ぎ。
俺は自室でコーヒーを飲みながらその光景を見ている。
そのうち警察が来てあたりを包囲した。
宇宙船から出てきた宇宙人は、ただ突っ立っているだけ。
警察がスピーカーから呼びかけるが何の反応も示さない。
自衛隊も駆けつけてきた。
野次馬が集まり、テレビカメラもきた。
俺は、ふうとため息をつき、窓を開けた。
俺の体は宙に浮かび、窓から出て、空気の上をゆっくりと歩いた。
野次馬や自衛隊やゾウやライオンやキリンたちを見下ろしながら、俺は宇宙人の方に近付いた。
宇宙人は俺を認めると、茶色に赤い斑点のある細い腕を俺の方に差し出した。
俺はその腕を握り、地上に降りた。
周りから、わあと歓声が上がった。中には泣いている人もいる。
俺は宇宙人に「遅かったな」といい、人間のマスクを剥いだ。
人間のマスクの下から、四つの大きな赤い目と猛獣のような巨大な口が出てきた。
大衆は、おおと歓声を上げた。
俺は宇宙船に乗り込んだ。
宇宙人も俺のあとに続いた。宇宙船の扉が閉まる。
宇宙船がゆっくりと浮上する。俺は宇宙船の窓から雨に濡れた人々を見下ろした。
俺は雨が好きだ。
雨が降ると、世界が小さくなる。
>ゾウやライオンやキリンたちを見下ろしながら
>人間のマスクの下から、四つの大きな赤い目と猛獣のような巨大な口が出てきた。
おんなは、国道をマイナスの方向に横切った
足を引きずり、
店に現れたピアノ弾きは、後ろ手でロープを緩め、
慣れた手つきでdEad Cow blUesを演奏した
ドミソの和音に支配されたその音楽は、ら知#れ、知#れそ、靴擦れ、また、靴擦れだ
となり街の石油コンビナートから、
煤煙が空を、
洞察的に立ち上がっていくのを、
世界中に設置された火災報知器は、
ただ静観している
突如、出張所から、一台の消防ポンプ自動車が出動した
そいつはフル装備で、赤色灯を回転させ、
いつだったか、
妊娠したおんなの腹に黒い海が見つかった
海はみなみの方向に流れ、
やがて星々へとなった
卵形のいまいましい星々が、
おんなをいれものにする
おんなは、
いまいましいむすめをだきかかえた
わたしのむすめがつくった童話は、
赤い兎がうそをつくお話で、
むすめの皮膚は、
お話の途中で、赤くただれた
草原が赤い兎を飼い、
老婆からの電話で目がさめた
わたしは、ながれていくものを相手にしているのだ
むすめがつくった童話には、
けつまつがなく、
ぬりえからはみだした、赤や黒がうみにながれていく
にんしんしているおんなの顔を、
ひとつ汚すたびに、
むすめは、あたらしいコインを手に入れた
コインをたくさんあつめると、
好きな人に出あえるという恋まじないのようだ
時計の針が、
ぐにゃりと折れ曲がり、
むすめは、わたしと目があうと、
針の折れ曲がったほうこうに、
敬礼をしていなくなった
あなたがまだうまれたばかりのころ、
父親によく似たやさしいクジラと泳いだことは、
忘れないで、うさぎちゃん
おれは、
牛が殺されるのを待ちながら葬列の先頭がどこにも見つからないことに
気付いていた
そいで、
死んだ牛のブルースが、
暗号的に処理される棺の中、感染した販売所から百万頭の牛のドミソが、
一匹残らず失われていくのを、
加えて何かを、
鎮火した消防ポンプ自動車は、朝焼けの国道をひきかえした
何を鎮火したのかは、
いつまでもわからないまま、
あのピアノ弾きが、
ゆっくりと、おもむろにdeAD BeEf blUEsの演奏を始めるころ、
その音楽に耳を傾けているのは
静かにしろ、ここは、警察だ
>卵形のいまいましい星々が、
>おんなをいれものにする
海老の背綿抜く
あなた どこのひと
こんなに並べてしまって
今夜は果てしなく
召しあがるつもりですか
あいにくの断水で
(ほら 蛇口から遠いせせらぎが 聴こえてくるでしょう)
手を洗うことは叶いませんが
盥に水を張ってあるのは
ご存知でしょう 勝手口のよこに
そのクロッカス 造花だと
教えませんでしたか
植物にしてはすこし
瑞々しすぎるとあなた
茎を撫でていきました
海老の足毟る
あなた どこのひと
足のなかに手が何本かあると
今夜はずいぶん丁寧に
えりわけていくのですね
あいにくの断水で
(ほら 蛇口からせせらぎの匂いが 洩れてくるでしょう)
お茶の支度もままなりませんが
喉をうるおすのなら何か
果物でも切りましょうか 戴き物があるので
そのクロッカス 生花なら
早春に花を咲かせるそうです
寒さに強いので冷えた
あなたの帰るすみかに
植えてもきっと咲くでしょう
盥からひと掬い
あなたは 水を運んでくる
あなたの 椀にむすんだ手のなかで
あなたに 背綿抜かれた桃色の
海老のからだ
きれいにあらって
見逃されたかぼそい手足
きれいにもいで
あなたが剥いた順に
きれいにならべて
透きとおった海老の整列を
あなたとしばらく眺めていた
あいにくの断水で
あなた 留め置く
じゅうぶんな水を 調えられず
あなた 勝手口から帰っていった
盥の水で 足の汚れをすすいで
冷たいすみかへ 帰っていった
そのクロッカス あなたから
戴いたような気がします
食料となる草が、大方刈り取られてしまった、冬枯れるものの残っていない高原は、夏、牧羊地として使われている。風はかなり強く、埃に濁った青空の中を、雲が高速でちぎれ飛んでゆく。
一枚岩の張り出した下、直接は風の当たらない場所に、粗末な墓がある。夏、冬、秋、そして春、羊たちととともに生きて、羊飼いよりも早く死ぬ、牧羊犬のための墓。宗教こそないが、かれらが取りまとめていた羊たちの神の名が、木を組んだだけの墓標のそばに記してある。
すこし降りた中腹には、羊飼いの家がある。この時期は、妻も、子も、羊たちも、あたたかい地方で過ごす。暖炉に火が入れられるとすぐ、飼い慣らされた火がのどを鳴らし、羊の糞が、乾ききった細い薪が、大した時間もかからずにくずれ落ちる。
よわよわしい陽射しの下、煙突から逃げる生きたものたちの欠片と、強い風にたなびく前に散ってゆく煙にのせて、羊飼いが歌をうたう。幼少のころを過ごした、海に近い町での子守唄。風が遠くへと針路を変え、いっそう強く吹きすさぶ。
夕陽をグラスにかざして 汚れをふき取ると まなみは
白い指先で静かに ワイングラスに 赤を注いだ
黒い瞳が どこを見ているのかわからなくて 窓の外の
高速道路の明かりが 光の点滅をフラッシュさせながら
闇を切り裂いて 空の向こう側へ走り抜けていく 世界は
何のために回るのか 地軸の回転がふたりの座ったソファーに
重みを加えているような気がした晩秋の黄昏 まなみが
バックから取り出したのは ふたつに綺麗に折りたためられた
離婚届けだった ぼくはペットボトルの水を飲み干すと
その夜 二年ぶりに まなみを抱いた
十tトラックのブンっと走り抜ける音 取引先の会社の駐車場で
ぼくは営業車のシートを倒して タバコを吸っていた まなみが
夜の商売をはじめたのは多分 ぼくの知る限り この半年くらいの
ことだ 窓の外に まなみに似た女を見て 思わずタバコを
落としてしまった 火の付いたままのタバコが 車のシートを
ジュっと焦がした 人違い そうに決まってる
アポのあった10時に 会社の受付をくぐると 5階の会議室で
横田専務と 打合せに入った サンプルとデータを見せて
ランニングコストの比較を説明していると 専務は 唐突に
仕事とは関係ない話を繰り出した
「二木君 一週間前に 娘が家出をしてね 帰ってこないんだよ」
「はぁ」
「仕事をしていても いつもそのことが頭から離れなくってね
でもね ぼくは仕事一本で 家庭を顧みなかったかもしれない
家族の為だった それは妻や娘たちにとって 言い訳にしか
聴こえないんだ まだ若い君には ピンとこないかもしれないけど」
その夜 ぼくは会社の帰り道で 同級生とバッタリ出会った 真っ赤な
マフラーに 厚手のダッフルコートを着て駅のホームの端っこ設けられた
喫煙コーナーでタバコ吸ってる女の子 寒そうにかじかむ手を白い息で
温めながら 彼女は 電車を待っていた ぼくが彼女の前に立つと
不思議そーな顔でぼくを見た にわかに記憶が蘇ったのか 「二木君!?」
なんてパッと急に顔を明るくして 驚いた目をパッチリと開けてぼくを見る
「久しぶり」
「元気〜ぃ?」
「まぁ なんとかね」
「二木君ってさ ほらこないだの同窓会 こなかったじゃない?!
でもなんだ 地元に戻ってきてたんだ」なんて
彼女はまじまじとぼくを見た でもぼくは 彼女の名前が思い出せなくて
スーツのポケットから名刺を取り出して 彼女に渡した
「あっ 名刺の交換ね」
彼女は鞄から ゴソゴソと名刺入れを取り出して ぼくに手渡してくれた
「なおちゃん」
「んー わたしの名前 忘れてたんでしょう? きっと美人になって
見違えちゃった?! なんてところかな〜」なんて
くりくりした目で ぼくを見つめる
不意にぼくは 彼女の肩を抱きすくめた 「何?」って
ちょっと脅えた声で 彼女は言った 誰かを必要としている でもそんな時
そこに誰もいなかったとしたら
ほんの少しでいいから 君の小さなぬくもりを 分けてはくれないか
ぼくはギュッと強くなおちゃんを ずっと強く 抱きしめていた
>世界は
>何のために回るのか 地軸の回転がふたりの座ったソファーに
>質問をさせてください
「今すぐに君のもとへ行くよ」
波打ち際でささやく声は
打ち寄せる波に掻き消され
ここからでは、何も聞こえない
「だから、僕は行くよ」
砂浜に刻まれた想いは
打ち寄せる波に掻き消され
ここからは、何も見えない
その多くが孤島へ流されたが
水面に残る皮膜のようなものを
すくい取り小瓶の中へ
「飲み干してよ」
「はやく」
たった一回のSEXにも満たない
残滓を僕は呆然と流しこむ
水平線が僕を/夕陽を飲み込む
はっきりと確認できた訳では無いが
少なくとも男は笑っていた
ここからでは、何も分からない
「あの先には何があると思う」
際限無く群がり続ける世界の中で
一人、また一人、消えて
辿り着く残滓は揺られ、また揺られ
「あなたには分からないの」
頬を伝うのが涙であると知っている
悲しいから、眠たいから、
「ずっと、ずっと、ずっと」
打ち寄せる波に掻き消される
大きく息を吸い込み、目を閉じる
深く、広い、「海」へ潜り込む
遥かなる孤島へ、体流に乗って
残滓を呆然と流し込む
ゆき子は手に生命を宿した
ある冬の日だった ゆき子は凍えながらも 大好きな白粉につつまれて 近くの店に出かけていった 心の中でレミオロメンがながれている そのうち、しばれはすうっと溶けていった
そのときだった ゆき子のぽこんと出たおなかの真下が
ふくらんでいるような気がした
ひとに気づかれないように、そうっと右手でふくらみに触れた
10年以上前に読んだロレンスのあの一節が
ゆき子のこころにはっきりと蘇った
「いま、子宮に生命が宿った」
「絶対そうだわ」
ゆき子は 何か感じることがあるとすぐ走り出す ペトロそのものになった
しかし 途中で はたと思いとどまった
「転んだら大変」
はやあしで家へ
300万もの卵たちが眼に飛び込んできた
取り去ったばかりの小花のインナーの表面に・・・
ゆき子の心のなかのプレーヤーからは
もうレミオロメンは消えていて
夏の日の「北海よされ節」が太鼓とともに響き渡りはじめた
よされ節に酔いしれながらゆき子はあたたかな家で
卵たちに語りかける
おなかの中にあなたたちを戻したい
でも、それはできない話
おかあさんは生命のつぎに指が大事だと思っていたの
ピアニストを夢みていたのよ
いまだって、「遅咲きの華」っていわれたい
でもいいの
ひとさし指だけね、あなたたちにあげる
もうおとうさんの大好きな「熱情」も弾くことはできない
それでも あなたたちのほうがおかあさんには大切
そうね おかあさんは ちゃんとちゃんと
指がなくならないように産むからね
大丈夫。
さあ、おかあさんのところにいらっしゃい。私がお母さんよ。
あなたも、あなたも、あなたも、あなたも、
あなたも、あなたも、あなたも、あなたも、
ゆき子はだれにも 信じてもらえないことをしっていた
だから、これは みんなには ないしょ。
きょうもゆき子は手を大きく広げ、子どもたちを見つめる
早くおおきくなあれ。おかあさんの手を大きくしてね。
ほおら。大きく 大きく
もっと 大きく なあれ
ゆき子のゆびのあちこちで ぷっくんと
ながひょろまるく 子どもたちの かたちが浮かぶ
鼓動がきこえる
ぽんぽんぽんぽん ぽんぽんぽんぽん
ゆき子の心が奏でる 「雪の造形」の
オーボエの風のようなメロディと
まっすぐに落ちてくる白粉をあらわすマンドリンの
しゅんしゅんしゅんしゅん しゅんしゅんしゅんしゅん
の刻みにあわせて
※「雪の造形」(組曲):鈴木静一作曲
>「一編の詩は、他社との対面行為」
>「体のすべてを使って書く」
>ロレンス
アナタに捧げるはずの詩が
今日、誰かに
謳われているのを聞きました。
あぁ、嫌になる。
ワタシのこの想いは、この言葉は
誰にでも想い描ける
ありふれたものだったのか、と。
だからワタシは必死になって
アナタへの言葉を集めます。
書いては破いて
消してはぐちゃぐちゃにして
泣いて
叫んで
戸惑って・・・。
諦めそうになると
ゴミ箱から溢れ出すほどの
言葉の残骸が
ワタシの事を慰めました。
そうして、今
ワタシは謳う事を決めました。
アナタのためだけのこの詩を。
手紙では、雨に滲むから。
メールじゃ、アナタは嫌がるから。
電話じゃ、言葉に詰まるから。
ワタシはあなたの前に立ち
一言だけこういうのです。
「ほら、アナタのために
書いた詩です」
突然ゴミ箱いっぱいの
紙くずを見て
あなたは何を思うのでしょう?
ワタシにアナタの
今の気持ちはわからないけれど
どうかこのワタシの想いだけは
アナタの元に届いて欲しい。
不器用だけれど
普通かもしれないけれど
見た目はあんまり
良くないけれど
これが今のワタシだから。
ただ、ただ
涙をこらえて
アナタの温もりを待ちます。
私はとても強がりで
弱虫なのが安心です
いつか私は霧散して
あの星のように何からも
見放される時が来るのでしょう
たまに見上げる人達が
私を指差し笑うのを
密かに見てはほっとする
そのぐらいの冷たさが
私を生かしてくれるのです
悲しみ楽しさ忘れては
何もないこと不安がる
大人の優しさ身につけて
子供の甘えに縋るのです
平静装う胸の奥
がなり叫びたい衝動
どうか私を愛してよ
口には出さないお約束
愛などいらない私には
人を愛したことがない
全ての人を傷つけて
愛してるのかもしれないが
私はここにいるのです
これは私ではないのです
広がる空はいつまでも
私を無視して変わってく
ひゅーはらひゃーよぅ
風が吹き
ひゅーはらひゃーよぅ
喉が鳴る
ひゅーはらひゃーよぅ
電線は
ひゅーはらひゃーよぅ
揺れるだけ
あれはスズメかキツツキか
落ちた先にはアスファルト
昨日白猫死んでいた
綺麗な黒いアスファルト
はっけよーい のーこった
賢い大人はいつまでも
はっけよーい のーこった
未来にケリをつけていて
はっけよーい のーこった
小5のときのみぃちゃんは
はっけよーい のーこった
ダンプの下で眠ったよ
私は今はレジ打ちが
将来の夢 希望です
東京に出た春の日は
私を人にさせました
>「私は今はレジ打ちが 将来の夢 希望です」
遠くなる
日差しをはじく
アルミ屋根の集落と
陥没したアスファルトの
水たまりに映る
草の根の
においを含んだ空気
錆びたバスは三車線のインターセクションに
横づけになり
ガードレールが雨に濡れている
共有地を背にしている
あの娘がくれた
ビーズの飾りと
飴玉の入った紙袋
フロントガラスが映す
熱帯の植生は
青ざめていて、深い
バスに乗ってあとにした
農道脇のターミナル
と、雑居ビルが交互配置する
首都の
三車線の
排水構を埋める
灰色の雨水と
とうもろこしの芯
記入された住所、たとえばある場所に
住んでいることは、輸送によって、液
状化され、かくはんされ、梱包された
ラベルの消えた炭酸水
を買い、手のひらに小さなコインを受けとる
よごれたブラウスの売り子が
俯いている
雨に濡れている
三車線のインターセクション
思い出すことは
いくつもの合流/分岐と
湿っぽい首都のコンクリート
輸送されることが
生の表質に
未分化の日程を
書きこむとすれば
朝は夜になり、夜は朝になり
タイル張りの床で
ハンモックに揺れらているあの娘は
ガラス窓の鉄格子に
星空が流れこみ
寝息をたてている
雑貨屋の二階、の薄闇
から、夜行バスで着いた、早朝の
インターセクションで
バスが横づけになった
三車線の
雨上がりの、朝
くもったガラスの外では
砂袋を担いだ
共有地の男女が
首都のあちこちに散らばる作業所へ
音もなく、移動している
>記入された住所、たとえばある場所に
>住んでいることは、郵送によって、液
>状化され、かくはんされ、梱包された
>生」を感じられないもの(言うとすれば、ね)の描写が多いですよね
>砂袋を背負った
>共有地の男女が
>首都のあちこちに散らばる作業所へ
>音もなく、移動している
>共有地を背にしている
>あの娘がくれた
>ビーズの飾りと
>飴玉の詰まった袋
>一つのセンテンスの流れに、おおくの質感が押し込まれていないという言葉の使>い方も、この作品が目指した(と勝手に思い込んだ)叙情の質を、しっかり下支>えしているように感じました。(
>透けるような風景、コンクリートの質感、炭酸水の泡が浮かんでくるような
>半透明のウ゛ィジョンが夢うつつに伸展していくような
>モチーフを極端に概念的扱うような性癖があって。タブン、大抵の場合、主題>そのものを「単語」という形で作品の中に書き込んでしまう。
>例えばこの作品なら→「共有地」
>言葉が上滑りするというか、情景が流れるというよりも、情景を見る前に流>れてしまうというか
>この詩にでてくる「他人」とのはかない出会いに焦点を置いたほうが良い詩になるような気がしました。
>それプラス、「移動・旅」感を醸し出せたら最高ですね。
>コントラさんの作品は不思議な冷たさをくるんでいてその
>アルミの屋根
>錆びたバス