あなたのくれた比喩でない不等式を
証明できないままカルバリの丘に立てる
これがおれの銀河だ
走馬灯のような生活はマイスリーがさらっていく
おれはいまから
おれの足跡がいくつあるのか、真剣に数えたい
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181119_705_10907p
>「書ける」ひとが分かる作品だと思う
>すっごい壮大な含みを感じさせる詩だけどこの語だけ俗というか一般社会と繋がってるじゃん。この詩においてそれが浮揚を邪魔する重しにも見えるし、いやしかしある程度の負荷を与えることでその反発=浮揚への付与はより大きくなっているとも見えるし。
>走馬灯のような生活はマイスリーがさらっていく
運行は拾い上げられて、星のかたちに遊んでいた、密航していく動物たちの、参列はにわかに滲む虹のひとつに、みつけて欲しくて探しあっていた、姉妹のようなブラウの群れに、踏み拉かれる光源に、押し入る彼らは光に紛れる、招かれざる客の手招きに、夜は隠されて、あらゆる光はゆりほどかれた、さあ急ごう、単調な音楽を、追いかけていく、遊びだよ、塞ぐように、いつまでも、交互に押さえて、帰り道、リュトムスの口許にアコードが、汚れる前に帰ろうよ、あちらこちらに隠された、眼差しは赫赫(アカアカ)と、密航者の面差しに幾度も障る、月は何処までもあかるく、窓から押し入り、瞑れていくのに、思い出せない後ろすがたを、いつまでいつまで、と、ブラウは光の深さに、(いきをうずめる、)
Noch ehe Gestirn naht
星月が互いに引き合うまえに
Ihr trautes Schwesterlein
誰かにとっての愛しい妹
schlummert wachenden Schlaf
夢のなかでみた夢の眠りに
Im Hause hat eine Uhr geschlagen...
広間の柱時計は鳴り響き…
Das Wort aus Osten zu uns
東の方から伝わった
Habe ich geschwiegen
言葉は私を沈黙させる
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181121_771_10910p
>まばゆいモノを暗く沈黙して見てる
「今しあわせ?
「思考力失うほどには。
「浮腫む花の持つ意味も変わってしまうね、
「気にしてないよ。全部裏表だから、
「意味不明なんて知るもんか。
「沈む船からローレライ達を引きずり出して、
「笑ってよ、今くらい、
「正義の味方、残機99。もはや暴力。
「思想なんて聞く耳持たないし、
「だから認めちゃって。
逃げる勇気もないんだって、
「予言者は錯覚を愛してやまない。
「それが彼らの言う可能性、か。
やっぱり時間の無駄だった、
「あははっ、それじゃ出撃しよっか。
冷却機関だけフル稼働させて、
お揃いの刺青を対になる胸に施して、
「それが聖者の証だって嘯くのね。
「汚したくて汚そうとして未遂に終わる、
「その事実だけ槍玉に挙げられるのも
よくあることで。
「トレブルの切られたこの声ではどうしても、
伝えることができないのに、
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181119_723_10909p
>「トレブルの切られたこの声ではどうしても、
> 伝えることができないのに、
ぎらつく太陽の下、沼の中で私は浮かんでいた
鼓動はことことと虚ろに刻み、長い足や手は毛根を伸ばし、汚泥の中に浸潤していた
私と同じような生き物達が、沼の中で静かに目をたたみ
その生ぬるい温度の泥に浸りながら思考した
太陽をさえぎる思考と、毛根を伸ばす思考、泥の沼を増大させることを思考した
このように、この沼の住人は沼を思考し、泥を思考し
さらにそこに寄生しようと毛根まで生やすことに成功し
こうして日長ちゃぷちゃぷと波紋に揺られている
このままここで進化を続ける私達は、やがてここに棲むことを許され
あの、輝かしいひかりの元へ行くことはできないだろう
そのことばかり考えながら、ため息から生まれる羽虫を手で取り
さくさくとスナックのように食餌を摂る、そんな生態を維持していた
広大なこの沼は、私達が作り、沼の成分を均一に保ち
私達がねっとりと泳ぐことにより、ほどよく攪拌され耕されていたのだ
しかし、私達の足や手にはすでに毛根が進化を始め
やがて沼底に固着を見ることになろう
終いに私達は体の自由も利かず
蓮のように意識を花にして開花することしか出来なくなるのだ
進化とは、退行でもありうる
かつて、私は無尽蔵な体力と活発な踊るような思考を持ち
あらゆる物を手のひらで弄んでいた
夢を食い、希望を食いながらきらびやかな未来を思考していたはずだ
長大なジャンプ力と脂ぎった想いだけがすべてであった
そう思うと、私の末端の足先や手先は安住を求めていたのだろうか
この沼も世界も、すべて私が見えない物質に働きかけ
すべてを想像し実体化していたのだ
しかし、冷たくよどんだ汚泥の中でひくつく私の体
常に湿った泥にふやけた皮質は乾いた風を待っている
足の爪や手の指先も輝く日差しに触れ、指先を染め上げ
爪を日の元に照らしたいだろう
ただしかし、私がせめて今できることといえば
こうして静かに外気の風を感じ
静かに思考する事しかできないのだろうか
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181127_879_10919p
>蓮のように意識を花にして開花することしか出来なくなるのだ
緩やかに溶ける場所で息を/白いベッドに身を投げて/世界を嘲笑う癖。
あたしの魂は吐き出される煙に入り交じり昏い空へ昇って行く。
冷たい温度で君を抱くとき 君の柔らかな心がそっと崩壊していくから
愛してあげるよ、愛してあげるよ、愛してあげるよ、と、耳に擦り込む
愛してあげるよ
.
.
.
昏がりの中では凡てが自由だから
肉が放つ芳香を嗅ぐ犬
あたしたちの断片を彼らは瞳に吸収し 抉り取り 持ち去っていく
良いんだよ、持って行きな
抉り取られる時 抉り取る、の
魂に刺す 染めるの、
それは等価だと「私は思ってるんだよ」
昏い天の中で、あたし達は自由
宇宙の黒に胎児のように 今 身を縮める 君を背中から抱き締め 絡める
夜の透き翅と白い羽根を隠しておこう
てん てん てん と
星々は燃えあがり
あたしは焼けていく
あたし達はくったりと
身を横たえて
スピーカーから流れる声
ねぇ 好きにして良いんだよ
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181124_818_10914p
何かすることがあっても、辛すぎて糸がふっと切れてしまった。
やる気が起きなくなった。
面倒くさくなってしまった。よくあることだ。部屋も散らかっていて、
その時、地元の神様が
手を ぱんっ とたたいて
「地獄はどこだい?」と言って僕に家の掃除をさせた。
―地獄はどこだい― 宝物の言葉だ。
――――――――――――――――――――――――――――
恋のような友達を作ろう
彼、彼女に今手紙を書きます
まっすぐ進んで、打ち砕かれた時、
傷ついて腰が逃げてしまった。
僕は今とても投げやりで
怠けてもいるのだけどこのようにして、
戦後平和の間違いについて考える
突っぱねて来た自分というのは、今までそれをして来た自分というのは、何か訳があって、失いたくない
それにしても、恋のようなともだち。ぎりぎりで、すてきじゃない?
こんなんに騙されたらあかんで
お高くいるのもダメ
らんらんとうたいたい、そんな気持ち
まぁ、お聞き下さい
「タイトルは、嫌な夜。」
僕は若い時或る彼女が友達にして好きで、ぼちぼち仲良くしていたのに、急にいきなりじぶんを嫌いだと彼女から直接聞いたとき
「死ね」と心の中に思った
伝える術も、自分の心をおしなだめる術や、言うことがわからない時、言うことが纏めることができない時、
「死ね」と「思うしか」ないのだろう。
四角い空の中で泳ぐにはコツがいる。
実存、実在とは心に存在するかどうかだ。10年も前だろうか、僕は悩んだ。誰にもわかってもらえない、誰も知らない恋人の自分に対する悲しい悪事に恐怖した。しかも、それそのことが事実であるかはその子の知的センスや魅力によって幻に消え、うみに流れてしまった。
だからこれはひとりの、僕だけの、相手のいない話となり、僕の妄想となって、年中、この事件のジツが何であるかと悟りとを巡らしている。捜索だ。
僕がそれを妄想だと認めたとき、四角い空は自由を手にいれ、鳥は飛び、作品となる。
それが僕の中で「想像」に展開したからだ。
僕の掴んだジツはこれだけど、
論理的な事とは、相手の顔、表情を見てあげるに尽きていた。
自分のした想像は、実在していて、ストーリーとなり、空に舞っているだけ。
感情とは、実際に存在しているものだ。(実存)
思いは、重くならないように!どうにかして、出来るなら手やこころを動かし、伝えるものだ。
力が欲しければ、精神を鍛え、禅し、その30分の苦しみに耐える。
耐えて、「考え」をよぶ。
そして、苦を苦と耐えて「考え」を。
つまらない、
例えその先に何もなくても 続ける、続けれるなら
(それが平均台となり左右の均一をはかり、私たちは蝶を目指す。)
僕の記憶は妄想となったけど、彼女だけは記憶にしておきたい。
僕が今していることは
衆生、テレビのスター、知的障害、自分の仏性を理解してやる、こと。
仏だから僕は怒ってん。
「私は怒ってる。
こんなにも赤く。」
こりゃ、でも幸せ、幸せなことでさ。
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181105_978_10871p
お父さん お母さん 見上げてください
そして拝んでください
あなた方の白痴の子は
ただ一本をもって
遥かに透き抜ける大空へと伸びていきます
限りなく広がる空間に
鉄の身ひとつ 質量を伴いながら
欠けているように細いその首を
まっすぐ無垢に伸ばすのです
垂れたワイヤーのその端で
フックが寄る辺なしに揺れるなか
望むがままに伸び続けるのです
その行動に思惟はありません
あの子は全くの白痴なんです
親である人間たちが電力を与えてあげないと
動くこともできない子なんです
まことに図体ばかりが大きくて
ひとりでペンキも塗れないかわいそうな子なんです
それがただ一本 たったひとりで空に伸びていきます
どんどんと思惑うことなく伸び続けていきます
父兄の皆さま お願いです! 見上げてください!
舌が喉にかかって嘔吐しそうになっても
雲一つないあの青天へ
刺し入っていくあの子を どうか!
空は見えない血を噴き出しました
あの子は何も考えていません
ただの鉄の塊には考える脳などあるわけないのです
だけど ああ実に尊い
見上げてください 日光に鋼管は燃えあがり
大いなる天上を切り裂いている
お父さん お母さん あの子は神になりました
ただ思うがままに伸びていって
私たち人間の頭上で鎮座しています
見上げてください
そして拝んでください
あなた方の白痴の子は
空を殺して 神になりました
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181127_867_10916p
>クレーンの全体的な知識が無い。
>私が「動かすのに知識、経験、練習」が必要なんてことさえも知らない・想像に到っていないと本気で思ってる? いや具体的な操作なんては全く知らないけどさ、でも重機なんだし大変なのぐらいはわかるよ。馬鹿にされてんのかな。
>てか詩中のクレーンと、現実でのクレーンの云々は関係ないでしょ。なんかあなたほかの人へのコメントでも現実での云々を無理矢理詩と照らし合わせてるよね。そういった読みって必ずしもすべての詩で適応できるものではないし、むしろネットではそれが不適応な詩のほうが多いんじゃないかな。
>持っている知識だけで作品を書くのではないけれど。知識と思考がイメージに直結する部分があるので、この作品自体が不完全な作品だと言えます。白痴だけで動きます。クレーンは操縦者があっての、クレーンです。操縦は簡単ではありませんよ。
>要は私とあなたでは感覚が違いすぎる。
>渡辺八畳さんが同じレスをB-REVIEWでしていたら面白かったのに
>いくつかの場所においてレス返しをできておらず
>あなたの闘う場所は本当にそこでいいのかってね。
>神という言葉をそのまま持ってくるのは少し安易かな
意味が宇宙にあり
宇宙が意味になる
鵙が猛り鳴くのは
木々があるからだと
思って居た幼き日々は
楽しい日々?
管(くだ)まみれになって
庭に水をまき散らす夢
長すぎるホース(管)を切断した
独りになりすぎる青春時代を
総括できずに
孤独な神社を創建した
夢の中は押す毛がすごく
うごめいていたアルバイトの後
カンチュウハイを両手に持って
マクドナルドのハンバーガーが
遅めの昼餉だった三月末からは
残酷な季節四月は想像だにせず
レバーを引いて自爆する宇宙船
バレーコードを抑えられない少女を
しばく四月に沢山のクマンバチが
灌木の八重桜に盛んに出入りしていた
写真を撮るのに炎涼が要るような
感じがした
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181130_919_10920p
千に舞い散る無関心
知って知って葉は知って
嘆き喜び勝手にしてる
作法さあ
研ぎ澄まされた視界
不安で仕方がないから安直に答えを作ろうとしているのだ
いま葉と人は対等に向かい合っている
葉には葉の努力があっただろう
素晴らしき邂逅だ
自分の終わりを知る
そのとき葉の心を知る
僥倖なる邂逅よ
十分に試された生者
生まれたときからずっと愛が傷つけた
一部分でしかない甘え
一人前になって距離を取る
甘えとはすぐに頼ること
一人前とはすぐには頼らぬこと
心が通じ合えば
甘えと距離が宇宙を介して震えだす
思考の余波がさまよう
宇宙が大きく呼吸し膨らんだ
葉が舞う中で暗い空を平静には見られない
朝まで歩くか
挨拶をして私たち
挨拶は会っているということを言うこと
一枚の葉として
あるようなないような摂理を意識すると
千に散る心
無関心は
在ったものを拒否するわけではない
関わるってどんなにも嬉しいこと
たった一人の自分が誰かを
一粒の涙が顔に降り落ちる
葉は岩清水に流れ
この人は他人から思われたのだ
十分に生きたと思っていたはずもないが
報いが注がれる
千の葉
黄金の舞台
穏やかな時の永続を
知るとも知らずとも
関心がそこにある
苦しみを思わない
一枚の葉のように無関心に覆われたときに
生まれたときすでに救われていたことを
関心の絆がすでにあったことを思い出せ
人は昔から
無常なる世界の中で
争いあって
考えも食べ物も
生きるための苦しみに
葉と人と
生きる作法
感じなければ
自分の望みをかなえるために
するべきこと
簡単にできるはず
おかしなことに
生と死に対しての作法が
必要だ
生がつないでいるのは
たとえ今でも
素晴らしいことにちがいない
海の神
山の神
人の神
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181203_981_10930p
群衆よ、我らの主君よ、あの時、慈悲深くも拾ってくださったのでしたね、コネを活かす好機を自ら台無しにして、たださえ短い人生の大部分の意義を無にしたばかりだったこの私を。
群衆よ、我らの主君よ、私があなたに一生懸命にお仕えしたのは確かなこと、けれどもいつしか私はあなたの脅威になっていました、加減を忘れて、一生懸命であり過ぎたために。
群衆よ、我らの主君よ、私は今になってやっと分かりました、世に生きるためには、互いに同じことをしてはならないのと合わせて、かつ皆と同じことをしなければならないのだ、と。
群衆よ、我らの主君よ、私を追放されたあなたよ、私はあなたにお仕えすることはもうないのですから、私は私の個性に従ってのびのびと孤独に生きてゆきます。個性、孤独、恐ろしい。
群衆よ、我らの主君よ、あなたがなんとおっしゃっても、私の耳には聞こえません。お前は人好きがしない、我が道をゆく、孤高の人だ、不健全だ、社会性がない、等々。結構です。
群衆よ、我らの主君よ、世を渡るには、個別的な業績を上げて見せなければならないのに加え、周囲の共感をも得なければならないということを、若い人たちに忘れず伝えてください。
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181130_923_10921p
夏がきて初めて、あそこに桜が咲いていたことを認識できる。
いつもそうだ。気が付けば夏、その次は冬だ。わたしに季節の変わり目はない。
あらかじめ宣言された夢のなかで、あたたかい炭酸水を飲む。
「炭酸水をあたためると抜けませんか」
「炭酸水をあたためるのではなくて、とても強い炭酸水と熱湯を混ぜるんです」
目の前で二杯目を作ってくれる太った女性に欲情していた。
台所からの異臭で目を覚ます。隣で寝ている母親を起こしたが、
彼女はおしろいのようだと言ってすぐ寝た。
私は美しいアンモニアのようだと思った。それからトイレで自慰をした。
ワンルームのベランダから夜空を見上げている。寒くてくしゃみしても、
「谷川俊太郎みたい」って誰にも言えないし、言ってもらえないのに。
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181201_934_10927p
蜜蜂は、わたしの手の甲を突き刺した。わたしは指先で、その蜜蜂をつまみ上げた。毒針ごと蜜蜂の内臓が、手の甲のうえで、のたくりまわっている。やがて、煙をあげて、その毒針と内臓が、わたしの手の甲から、わたしのなかに侵入していった。黒人の青年がその様子をまじまじと見つめていた。「それですか?」「そうだ。おまえの連れてきた娘は、覚悟ができているのか?」白人の娘がうなずいた。まだ二十歳くらいだろう。「エクトプラズムの侵入には苦痛が伴う。そのうえ、ほとんど全身を変化させるとすると、そうとうの苦痛じゃ。あまりの苦痛に死ぬかもしれん。それでもよいのじゃな。」「ええ、覚悟はできています。」女はそう言うと、黒人青年の手を強く握った。「では、さっそく施術にとりかかろう。」わたしは二人を施術室に案内した。「夏じゃった。わしは祖父の手に引かれて、屋敷の裏にある畑にまで行ったのじゃ。祖父が、隅に置かれた蜂の巣を指差した。すると、どうじゃろう。まるで蜜が沸騰しているかのように、黄金色の蜂蜜が吹きこぼれておったのじゃ。」老術師は左手の甲を顔のまえに差し上げた。「蜜蜂というものはな。同じ花の蜜しか集めてこんのじゃ。一度味わった花の蜜だけを、その短い一生のあいだに集めるのじゃ。祖父は、わしと同じくらいの齢の童子をさらってきたのじゃな。蜂の巣のそばの樹の根元に幼児が横たわっておったのじゃ。わしの畑の蜜蜂たちは、生きている人間から蜜を集めておったのじゃ。エクトプラズムという蜜を。わしの畑の蜜蜂たちは、人間の命という花から、魂にもひとしいエクトプラズムという蜜を集めておったのじゃ。」老術師の左手の甲を蜜蜂が刺した。老術師は痛みに顔をゆがめた。「苦痛が、わしを神と合一させるのじゃ。」老術師の左手の甲に、蜜蜂の姿がずぶずぶと沈んでいった。「詩人ならば、苦痛こそ神であると言ったであろうな。」老術師が奥の部屋の扉を開けると、蜜蜂たちのぶんぶんとうなる羽音がひときわ大きくなった。「あやつの信奉しておるあの切腹大臣の三島由紀夫は、日本の魂を売りおったのじゃ、おぬしら外国人にな。」老術師はその皺だらけの醜い顔をさらにゆがめて皮肉な笑みを浮かべた。「そして、おぬしら外国人によって名誉を汚されるというわけじゃ。」黒人青年は握っていた手に力を入れた。白人女性も同じくらいの強さでその手を握り返した。「もはやアメリカは、日本の属国ではないのだ。たとえ先の大戦で、アメリカが日本に負けたといっても、それは半世紀以上もまえのこと。とっくに、アメリカは、日本から独立しているべきだったのだ。」老術師は声を出して笑った。「いやいや、そんなことは、どうでもよい。わしはあの三島由紀夫と、あの詩人の一族が名誉を失うところが見たいのじゃ。ただ、それだけじゃ。」老術師が、蜜蜂の巣のほうに、その細い腕を上げると、蜜蜂たちが螺旋を描きながら巣のなかから舞い出てきた。白人女性が叫び声を上げようとした瞬間に、無数の蜜蜂たちが、吸い込まれるようにして、その口のなかにつぎつぎと舞い降りていった。女性の身体は激痛に痙攣麻痺して、後ろに倒れかけたが、黒人青年の太い腕が彼女の身体を支えた。白人女性の白い皮膚のしたを、蜜蜂たちがうごめいている。うねうねと蜜蜂たちがうごめいている。白人女性の血管のなかを、蜜蜂たちが這いすすむ。するすると蜜蜂たちが這いすすむ。蜜蜂たちは、女性の命の花から、魂を齧りとってエクトプラズムの蜜として集めていた。「あすには、変性が完了しておるじゃろう。」黒人青年は疑問に思っていたことを尋ねた。「あなたがわれわれに手を貸したことがわかってはまずいのではないか。」老術師が遠くを見るような目つきで言った。「死は恥よりもよいものなのじゃ。」黒人青年にはその言葉の意味するところのものがわからなかった。
わたくしが、この物質を発見したいきさつについて、かいつまんでお話しいたします。わたくしは、同志社大学の、いまは理工学部となっておりますが、わたくしが学生のころは、工学部だったのですが、その工学部の工業化学科を卒業したあと、研究者になるために、大学院に進学して、さらに研究をつづけていたのですが、博士課程の途中で、ノイローゼにかかり、自殺未遂をしたあと、博士課程の後期に進学せず、前期修了だけで、工業試験所に就職したのですが、このときの自殺未遂については、雑誌にエッセイとして発表してありますので、詳しく知りたい方は、さきほど配布していただいた資料に掲載されておりますので、後ほどお読みください、すみません、わたくしの話はよく横道にそれる傾向があるようです。工業試験所では、わたくしは、レアメタルを3次元焼着させた電極(スリー・ディメンショナル・アノード)を用いて、高電位で、インク溶液を電気分解していたのですが、あるとき、偶然から、まったく同じ詩が書かれているページを溶解した溶液なのに、異なる本から抽出した異なるインクから、同じ物質が電極の表面に付着していることに気がついたのです。レーザー・ラマン・スペクトル解析やガスクロマトグラフィーによって、その物質の組成をつきとめることは、みなさんご存じのとおり、可能ではありましたが、その構造解析にいたっては、いまだに解明されてはおりません。その解明が、わたくしの一生の仕事になると、いまでも信じ、研究をつづけておりますが、さて、この物質、わたくしが、「詩歌体」と命名した物質ですが、これは、同じ詩や短歌や俳句、あるいは、哲学書やエッセイにおいても、異なる本に書かれてあれば、抽出される量が、インクの種類や量の違いよりも、その文字の書体やページの余白といったもののほうにより大きく依存していることがわかったのですが、このことが、この物質、「詩歌体」の構造解析の難しさをも語っているのですが、通常の物質ではなくて、わたくしたち科学者と異なる歴史と体系をもつ「術師」と呼ばれる公認の呪術の技術者集団によってつくり出されるエクトプラズム系の物質であること、そのことだけは、わかったのですが、高電位の電気分解、しかも、レアメタルの3次元電極でのみ発見されたことは、わたくしの幸運であり、僥倖でありました。いまも務めております工業試験所で、このたび、わたくしは、あるひとりの術師と協力して、この「詩歌体」の構造解析に取り組むこととなりました。術師は、本名を明かさないのが世のつねでありますので、性別くらいは発表してもよろしいでしょうか、彼の協力のもとで、このたび、この財団、「全日本詩歌協会」の助成金により、わたくしの研究がすすめられることは、まことによろこばしい限りであり、かならずや、「詩歌体」の構造を解明できるものと思っております。(ここで、横から紙が渡される。)本名でなければ、術師の名前を明かしてもいいそうです。わたくしに協力してくださる術者のお名前は、みなさんもよくご存じの、あの「詩人」です。リゲル星人と精神融合できる数少ない術師のお一人です。わたくしは、まだ一度しかお目にかかっておりませんが、このあいだ、切腹大臣の三島由紀夫さんが活躍なさった、アメリカ独立戦線のテロリストの逮捕事件で、リゲル星人の通訳をなさっていた方です。それでは、「全日本詩歌協会」のみなさまのますますのご発展と、わたくしの研究の成功をお祈りして、この講演を終えることにします。ご清聴くださいまして、ありがとうございました。しばし、沈黙の時間を共有いたしましょう。(会場の隅にいた、協会の術師たちが結界をほどきはじめる。)
「「葉緑体」が、気孔から取り入れた空気中の二酸化炭素と、地中から根が吸い上げた水とから、日光を使って、酸素とでんぷんをつくり出すように、「詩歌体」は、言葉のなかから非個人的な自我ともいうべき非個人的なロゴス(形成力)と、その言葉を書きつけた作者の個人的自我ともいうべき個人的なロゴス(形成力)を、読み手の個人的な自我と非個人的な自我と合わせて、その言葉が新しい意味概念とロゴスを形成し、獲得すると思っているのですが、どうでしょう?」こう言うと、詩人は、つぎのように答えた。「そうかもしれませんが、「葉緑体」そのものは、作用して働いているあいだ、遷移状態にあるわけですが、作用が終わり、働きを終えると、もとの状態に戻ります。」そして尋ねてきた。「「詩歌体」もそうなのですか?」わたくしは詩人の目を見つめながら言った。「わたくしは、「詩歌体」の作用や働きについても、まだ確信しているわけではないのです。自らが変化することなく他を変化せしめるだけの存在なのか、そうではないのか、まだわかりません。ただ、「詩歌体」というものが、語自体のもつ非個人的なロゴス(形成力)と、語を使う者によって付与される個人的なロゴス(形成力)を結びつけ、新しいロゴスを生成するということだけがわかっています。ところで、」と言って、わたくしは、顔をかしげて、わたくしの机のうえに置かれた1冊の詩集に目を落としている詩人に向かって、話をつづけた。「その点を明らかにすることができるのかどうか、絶対的な確信を抱いているわけではないのですが、あなたが仮の名前の「田中宏輔」名義で出されている、この引用だけでつくられた詩集ですが、これを実験に使わせていただこうと思っているのですよ。」そう言うと詩人は、目をあげて、わたくしの目を見つめた。「あなたは、一つ間違っています。実験についての方針は、あなたが決めることですから、その目的も方法も、あなたの思われるようになさればよいでしょう。わたしは協力できることは、できる限り協力しましょう。間違いとはただ一つ、ささいなことですが、見逃せません。「田中宏輔」というのは、わたしの仮の名前ではありません。わたしが、アイデアを拝借した一人の青年の名前です。彼は彼の30代の終わりに自殺して亡くなりましたが、詩集を出していたのは、わたしではなく彼なのですよ。」わたくしは、手にしていた詩集を机のうえに置いた。詩人はそれを見て、ふたたび話しはじめた。「おもしろい青年でしたよ。わたしがリゲル星人とともに訪れた12のすべてのパラレル・ワールドで、残念なことに、彼は30代の終わりに自殺していましたが、まあ、もともと12のパラレル・ワールドは、お互いにほとんど区別がつかないくらいに似通っていますから、不思議なことではないのですが、残念なことでした。ところで、その詩集は、彼が上梓したさいごの詩集でしたね。できる限り、その詩集を集めて実験に使われるとよろしいでしょう。」そう言うと、詩人は腰を上げて、外套に袖を通すと、ひとこと挨拶して、わたくしの部屋を出て行った。わたくしは、机のうえに置いた詩集を取り上げると、ぱらぱらとページをめくっていった。すべての詩篇が引用だけでつくられているのであった。ロゴス、ロゴス、ロゴス。非個人的なロゴスと、個人的なロゴス。意識的領域におけるロゴスと、無意識的領域におけるロゴス。すべては、この語形成力、ロゴスによるものなのだろう。わたくしも帰り支度をするために椅子を引いて立ち上がった。
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181201_928_10923p
>ぼくに書き方の作法について云々するのは数十年はやいと思いました。ご自分の知識の不足を恥じてくださいね。
>平野啓一郎さん
赤い夕陽、公園の砂場、子供たちがつくっていった城のような砂の山、強い風にさら
さらと毀れていくように、眉も頭髪ももうすっかりと薄い、ブランコを漕ぐ、もはや
子供のように純真な瞳、小さく萎んでいる母の姿。あの日、まだ幼かった、眉を吊り
上げながら、怒りながら、そうして、まだ大きかったその背中、におぶられて、西日
の射す、公園の石段を降りながら――やがて、いつの日か今度は私があなたをは、つ
いぞ果たされなかった。砂場の山は強い風にさらさらと少しづつ崩れてゆく、その巻
き上がる砂塵の灰に紛らせるように、夕空のドームに反響させる声。誰も知らない、
此処には誰もいない、誰も聞いている者さえもいない。が故に。
(おかあさあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん)
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181201_929_10924p
出なくなった中低音を、
濡れた髪で縛って
きらきら
と、
眩い空間の破れ
五月の嗚咽
六月の慟哭
七月の告別
闇夜に鳴るごう音を
昼間の怒りと哀しみが、狂わせる
燃えて
散って
踊って
遠いものを近く見せるためだけの地政学の、
喧噪
意識は流れて
言葉は棄てられて
眩暈、眩暈、
情動に担保された眩暈だけが、良い心地
深紅のドレスを縫う、針の煌めき
脳を茹でた、
鍋に汲んでいた水はもう蒸発した
今はゆらゆら、上を向いていたいだけ
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181126_859_10915p
>脳を茹でた、
>鍋に汲んでいた水はもう蒸発した
>今はゆらゆら、上を向いていたいだけ
[Ver.1]
「君を守りたい」そんな陳腐で傲慢しかないラブソングには反吐が出る。そんなのは偽物だ。
君は僕に言う。
それは偽物だと。
いいや、僕は君に『恋』をしたんだ。
それでも夜空には、熱くて、君と混ざりたい欲求が満ちた。
ヒトはこれを”恋”と呼ぶんだって。君はそれを偽物と呼んだね。初『恋』のあの子に描いた絵には、そんなものなかった。君にもそんな『恋』をしたのだと祈った。「君を幸せにしたい」
声変わりを迎えた僕は誰にでも”恋”をした。「誰も満たせない」なんていう傲慢が目覚めたんだ。無知と馬鹿は罪でしかない、だけど僕は僕を許している。朝とともに自意識が襲来し、君から見つからないように布団の中に隠れたけれど、僕を
見つめているのは、僕の目。
舞い上がってそのまま消えていけたら美しいのに、僕は落ちて潰れて醜いから死にたくなった。
ただ美しくて”恋”をする僕はヒトリ閉じこもっていたから、君が僕を見るわけがないね。
分かりやすいのは”恋”が三大欲求だからだろうか。
だからきっと、陳腐なのだ。
「君を満たしたい」っていう、傲慢、あれも”恋”だった。あれは”恋”だった。
でも僕は信じたかったのだ、あれは”恋”とは違うと。
”恋”だけれど、真実愛していた。『恋』をしていた。そこに嘘はないから、僕は(「『全てそれは僕の『恋』だ』」)と祈った。
でも、傲慢ばかりが見え隠れする。
君は柔らかくて、「ずっともっと抱きしめたい」僕は優しいつもりの嘘で塗り固めて、(「『全てそれは僕の『恋』だ』」)と祈った。
”恋”と『恋』が両立していたのに、それがきっと恋で愛であったのに、僕が”恋”を殺そうとしたからきっと壊れた。
「君を守りたい」陳腐で傲慢しかないラブソングには反吐が出る。でも何も変わらないんだ僕は。だから僕は、「しょうがない」と僕に許しを乞う。無知と馬鹿は罪でしかないけど僕は僕を許している。
偽物なんてないよ。どこにも。
[Ver.2.1]
守りたいって、
それは見下してる
全能神?
チンパンジーの性欲を陳腐と呼ぼう。
僕は、
夜空にそれが星になるように祈った。
馬鹿だ。
あさまし
怒りに
内臓を蹂躙したくなるけど、
幼稚園児は罪だけど、
己に雷霆をくだせない
僕は
僕を許して、のうのうと僕を苦しめる。
僕は
朝のナイフを己に振り上げ
ため息を吐いて下ろして
一所
一生
繰り返してる
半分より少し欠けたあの月が綺麗な夜なのに
死にたいとか嫌いだ。
君を
陳腐と
AIみたいな愛情で
見つめていたけど
僕を
見るのは
僕だけ
ただ群青に不完全が浮かんでいる
きっと僕は僕が嫌いだったから
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>「君を守りたい」そんな陳腐で傲慢しかないラブソングには反吐が出る。そんなのは偽物だ。
>君は僕に言う。
>それは偽物だと。
>いいや、僕は君に『恋』をしたんだ。
>それでも夜空には、熱くて、君と混ざりたい欲求が満ちた。
>ヒトはこれを”恋”と呼ぶんだって。君はそれを偽物と呼んだね。初『恋』のあの子に描いた絵には、そんなものなかった。君にもそんな『恋』をしたのだと祈った。「君を幸せにしたい」
>声変わりを迎えた僕は誰にでも”恋”をした。「誰も満たせない」なんていう傲慢が目覚めたんだ。無知と馬鹿は罪でしかない、だけど僕は僕を許している。朝とともに自意識が襲来し、君から見つからないように布団の中に隠れたけれど、僕を
>見つめているのは、僕の目。
>舞い上がってそのまま消えていけたら美しいのに、僕は落ちて潰れて醜いから死にたくなった。
>ただ美しくて”恋”をする僕はヒトリ閉じこもっていたから、君が僕を見るわけがないね。
>分かりやすいのは”恋”が三大欲求だから。だから陳腐なのだ。
>「君を満たしたい」っていう、傲慢、あれも”恋”だった。あれは”恋”だった。
>でも僕は信じたかったのだ、あれは”恋”とは違うと。
>”恋”だけれど、真実愛していた。『恋』をしていた。そこに嘘はないから、僕は(「『全てそれは僕の『恋』だ』」)と祈った。
>でも、傲慢ばかりが見え隠れする。
>君は柔らかくて、「ずっともっと抱きしめたい」僕は優しいつもりの嘘で塗り固めて、(「『全てそれは僕の『恋』だ』」)と祈った。
>”恋”と『恋』が両立していたのに、それがきっと恋で愛であったのに、僕が”恋”を殺そうとしたからきっと壊れた。
>「君を守りたい」陳腐で傲慢しかないラブソングには反吐が出る。でも何も変わらないんだ僕は。だから僕は、「しょうがない」と僕に許しを乞う。無知と馬鹿は罪でしかないけど僕は僕を許している。
>「これはこうであるはず」「これはこうであるべき」という思い込みや決めつけレス全体から感じ取ったからです。
こツン、と硝子戸がたたかれ
暗い部屋で生き返る
耳鳴りがしていた
からの一輪挿しは
からのままだ
幼い頃、祖父が置いていた養蜂箱に
耳をあてたことがある、蜂たちの
羽音は忘れたけれど、何かを探していた
耳鳴りは蜂たちの羽音と重なり
ひややかな硝子戸に耳をあてて
蜂になるんだ
やみに耳をあて、描く、やみの先、花は
開き、一夜にして花弁は風にすくわれる
蜂は旋回しながら、花たちに惑う
風はすくわない
どこ?
いつかの夜に咲いた
花の手触りは、あたたかで
一層、孤独をあぶり出し
甘い蜜はより甘く、焦げた
トーストみたいなぼくは
いつもそれを求めていた
蜂になりたい
なんのため?
こころから飛び出した手、だれかの
こころ、触れたい、花から花へと
いくら蜜を持ち帰っても触れられない
こころに触れたい、この硝子戸よりも
あたたかいのだろうか、甘い蜜よりも
苦いものに、このこころを浸したいと
思えたときにはもう遅かった
一輪挿しにはまぼろしですら
花は咲かない、からの磁器は耳を吸いつけ
羽音は吸い込まれ、耳鳴りだけが返される
蜂に……
朝の陽に焼かれて蜂は
ベランダで死んでいた
女王蜂がいない養蜂箱は
死んでいる、耳鳴りだけの部屋
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Mmmmm.
Whip!
Mmmmm.
Whip!
子よ、
(創世記二七・八)
わが子よ、蜜を食べよ、
(箴言二四・一三)
tuum est.
それは汝のものなり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
お前の授かりものだ。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
mel
蜂蜜
(研究社『羅和辞典』)
accipe hoc.
これを受けよ。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
Mmmmm.
Whip!
Mmmmm.
Whip!
子よ、
(創世記二七・八)
わが子よ、蜜を食べよ、
(箴言二四・一三)
蜂窩(ほうか)から取りたての金色の蜜だ。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
tuum est.
それは汝のものなり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
tuo nomine
汝のために
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
dabam.
私は與へたり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。
(マルコによる福音書一・一一)
わたしは限りなき愛をもってあなたを愛している。
(エレミヤ書三一・三)
子よ、
(創世記二七・八)
わが子よ、
(箴言三・一)
聞け、よく聞け、
(シェイクスピア『ハムレット』第一幕・第五場、大山俊一訳)
もし、汝、その父をかつて愛していたならばーー
(シェイクスピア『ハムレット』第一幕・第五場、大山俊一訳)
手を伸ばし
(マタイによる福音書一二・一三)
しっかと爪(つめ)を立て
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
わたしを引き裂いて
(哀歌三・一一)
唇に吸うのだ。
(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』第一部、井上正蔵訳)
蜜はたっぷりある。
est,est,est.
ある、ある、ある。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
というのも、
(プルースト『失われた時を求めて』見出された時、鈴木道彦訳)
わたしの血管には蜜が流れていて、
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
ad imis unguibus usque ad summum verticem
兩足の爪の先より頭の天邊まで
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
脈管の中にみなぎり流れ、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)
体のすみずみまで
(シェイクスピア『ハムレット』第一幕・第五場、大山俊一訳)
ex pleno
満ち溢れて
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
あぶくを立てながら血管をめぐる。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第三部、手塚富雄訳)
ぐるぐる回っている。
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)
ああ、この空隙!
(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』第二部、井上正蔵訳)
この空隙はすっかり満たされるのだ、
(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』第二部、井上正蔵訳)
costa
肋骨(ろつこつ)
(研究社『羅和辞典』ルビ加筆)
この岩の古い肋骨(あばらぼね)、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳、読点加筆)
誰が私を造ったのか。
(アウグスティヌス『告白』第七巻・第三章、渡辺義雄訳)
hoc est corpus meum.
これは私の身體なり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
あらゆるぎざぎざした岩の狭間(はざま)から
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
岩から出た蜜をもってあなたを飽かせるであろう。
(詩篇八一・一六)
costa
肋骨(ろつこつ)
(研究社『羅和辞典』ルビ加筆)
この岩の古い肋骨(あばらぼね)、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳、読点加筆)
ubi mel,ibi apes.
蜜のあるところ、そこに蜜蜂あり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
わが胸の蜜窩(みつぶさ)には、無数の蜜蜂どもがうごめいている。
これはわたしの生き物たちだ。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第一部、手塚富雄訳、句点加筆)
胸の奥ふかく
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
心臓の奥の奥まで
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第二部、手塚富雄訳)
わが胸は、蜜蜂たちの棲処(すみか)となっているのだ。
Bienenbeute
蜜蜂の巣
(相良守峯編『独和辞典』博友社)
恐ろしい姿だ。
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)
けれども心臓は鼓動している。
(ロートレアモン『マルドロールの歌』第四の歌、栗田 勇訳)
わたしの心臓は喉(のど)までも鼓動してくる。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第三部、手塚富雄訳)
わたしが蜜に欠くことがないように、
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
休みなく活動する
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)
apis
蜂、蜜蜂
(研究社『羅和辞典』)
わがむねの、満(み)つるまで、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)
行きつ戻りつして、
(トーマス・マン『トニオ・クレーゲル』高橋義孝訳)
この胸に積みかさね、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)
あっちこっちと動いている。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳、句点加筆)
ぐるぐる動きまわってる。
(ジョイス『ユリシーズ』6・ハーデス、永川玲二訳)
心臓のひだを暖めてる。
(ジョイス『ユリシーズ』6・ハーデス、永川玲二訳)
でなかったら、どうして鼓動していることだろう。
(ロートレアモン『マルドロールの歌』第四の歌、栗田 勇訳)
心臓の脈管は百と一つある。
(『ウパニシャッドーー死神の秘儀』第六章、服部正明訳)
aorta
大動脈
(研究社『羅和辞典』)
arteriola
小動脈
(研究社『羅和辞典』)
この体の血管の一つ一つ
(シェイクスピア『ハムレット』第一幕・第四場、大山俊一訳)
わたしの洞窟(どうくつ)に通じている
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
あらゆる血管の中を
(シェイクスピア『ハムレット』第一幕・第五場、大山俊一訳)
Und immer eins dem andern nach,
あとから、あとから、一匹ずつ通ってゆく。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
おお、わたしの古いなじみの心臓よ、
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
costa
肋骨(ろつこつ)
(研究社『羅和辞典』ルビ加筆)
この岩の古い肋骨(あばらぼね)、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳、読点加筆)
わたしの洞窟は広く、深く、多くの隅(すみ)をもっている。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
あちこちの裂目(さけめ)から
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
飛び去る
(ナホム書三・一六)
わたしの生き物たち。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第一部、手塚富雄訳、句点加筆)
口々に
(シェイクスピア『ハムレット』第四幕・第五場、大山俊一訳)
蜜をしたたらせ、
(箴言五・三)
百千の群なして
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
大きな群れとなってここに帰ってくる。
(エレミヤ書三一・八)
たしかに、
(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』第二部、井上正蔵訳)
恐ろしい姿だ。
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)
だが、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)
恐れることはない。
(マタイによる福音書二八・一〇)
おまえの父だ!
(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』第二部、井上正蔵訳)
まさしくわたしなのだ。
(ルカによる福音書二四・三九)
なぜこわがるのか、
(マタイによる福音書八・二六)
this is my body,
これはわたしのからだである。
(マタイによる福音書二六・二六)
手をのばしてわたしのわきにさし入れなさい。
(ヨハネによる福音書二〇・二七)
さあ、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)
あなたの指をここにつけて、
(ヨハネによる福音書二〇・二七)
心ゆくばかりさしこむのだ。
(アドルフ・ヒトラー『わが闘争』第二章、平野一郎訳)
costa
肋骨(ろつこつ)
(研究社『羅和辞典』ルビ加筆)
この岩の古い肋骨(あばらぼね)、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳、読点加筆)
胸の奥ふかく
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
心臓の奥の奥
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第二部、手塚富雄訳)
私の最も深い所よりもっと深い所に、
(アウグスティヌス『告白』第三巻・第六章、渡辺義雄訳)
いつまでもゆるされず、永遠の罪に定められる
(マルコによる福音書三・二九)
一人の女がいる。
ごらんなさい。これはあなたの母です。
(ヨハネによる福音書一九・二七)
今もなお、
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
わたしの内に宿っている罪である。
(ローマ人への手紙七・二〇)
子よ、
(創世記二七・八)
わが子よ、
(箴言二四・一三)
思い出すがよい。
(ルカによる福音書一六・二五)
かつて、
(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』第二部、井上正蔵訳)
一人の女がこの世に罪をもたらした。
(ジョイス『ユリシーズ』7・アイオロス、高松雄一訳)
culpa
罪
(研究社『羅和辞典』)
culpa
罪
(研究社『羅和辞典』)
culpa
罪
(研究社『羅和辞典』)
罪の数々はよりどりみどり、
(シェイクスピア『ハムレット』第三幕・第一場、大山俊一訳)
ibi
そこに
(研究社『羅和辞典』)
hic
ここに
(研究社『羅和辞典』)
ubicumque
至る所に
(研究社『羅和辞典』)
est,est,est.
あり、あり、あり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
子よ、
(創世記二七・八)
わが子よ、
(箴言二四・一三)
accipe hoc.
これを受けよ。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
罪の増すところには恵みもいや増す。
(ローマ人への手紙五・二〇)
tuo nomine
汝のために
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
わが胸の蜜蜂は、
これを集め、
(ハバクク書一・一五)
これを蜜に変える。
これをみな蜜に変える。
これをみな、ことごとく蜜に変える。
costa
肋骨(ろつこつ)
(研究社『羅和辞典』ルビ加筆)
この岩の古い肋骨(あばらぼね)、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳、読点加筆)
子よ、
(創世記二七・八)
わが子よ、
(箴言二四・一三)
思い出すがよい。
(ルカによる福音書一六・二五)
かつて、
(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』第二部、井上正蔵訳)
一人の男が、蜂の巣のしたたりに手を差しのべた。
腕を差しのべた。
(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』第一部、井上正蔵訳)
いったい誰なのか。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
汝の父である。
おまえの父である。
わたしは蜜を愛する。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
わたしは手を差しのべた。
わたしは蜜を愛する。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
わたしは手を差しのべた。
わたしは蜜を愛する。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
わたしは手を差しのべた。
ああ、誰かこれをまのあたりにして、
(シェイクスピア『ハムレット』第二幕・第二場、大山俊一訳)
欲しないものがあろうか。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
子よ、
(創世記二七・八)
子よ、
(創世記二七・八)
similis patris
父に似たる
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
わが子よ、
(箴言一・一〇)
proles sequitur sortem peternam.
子は父の運命に随ふ。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
逃れるすべはないのだ。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳、読点加筆)
proles sequitur sortem peternam.
子は父の運命に随ふ。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
逃れるすべはないのだ。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳、読点加筆)
Mmmmm.
Whip!
Mmmmm.
Whip!
子よ、
(創世記二七・八)
わが子よ、蜜を食べよ、
(箴言二四・一三)
est tuum.
それは汝のものなり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
totum in eo est.
全體(すべて)がそれにあり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』ルビ加筆)
costa
肋骨(ろつこつ)
(研究社『羅和辞典』ルビ加筆)
この岩の古い肋骨(あばらぼね)、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳、読点加筆)
わたしの洞窟は広く、深く、多くの隅(すみ)をもっている。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第四・最終部、手塚富雄訳)
胸の奥ふかく
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
心臓の奥の奥
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第二部、手塚富雄訳)
私の最も深い所よりもっと深い所に、
(アウグスティヌス『告白』第三巻・第六章、渡辺義雄訳)
いくつもの脈管がある。
どれも、神の園に通じる道である。
わが胸の蜜蜂は、
これより蜜を携え、
これより蜜を持ちかえることのできる
唯一の生き物である。
costa
肋骨(ろつこつ)
(研究社『羅和辞典』ルビ加筆)
この岩の古い肋骨(あばらぼね)、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳、読点加筆)
suspice et despice.
上を見よ、下を見よ。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
塊(かたま)りが動いて澄(す)んでくる。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
澄(す)んでくる。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
濁(にご)ってはまた澄(す)んでくる。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
澄(す)んでくる。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
る。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
子よ、
(創世記二七・八)
わが子よ、蜜を食べよ、
(箴言二四・一三)
tuum est.
それは汝のものなり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
dabam.
私は與へたり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
お前の授かりものだ。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳)
Mmmmm.
Whip!
Mmmmm.
Whip!
Mmmmm.
Whip!
Mmmmm.
Whip!
子よ、
(創世記二七・八)
わが子よ、蜜を食べよ、
(箴言二四・一三)
est tuum.
それは汝のものなり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
totum in eo est.
全體(すべて)がそれにあり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』ルビ加筆)
さあ、
(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)
唇に吸うのだ。
(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』第一部、井上正蔵訳)
恐れることはない。
(マタイによる福音書二八・一〇)
わたしの最上の蜜、
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第二部、手塚富雄訳)
わたしの最上の蜜、
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第二部、手塚富雄訳)
versatur mihi labris primoribus.
それは私の唇の尖端にあり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
versatur mihi labris primoribus.
それは私の唇の尖端にあり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
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かん高い声の騒ぐ言葉が部屋中を這いまわっている。声の主は女と女なのだが、女と女は椅子に座っていて向かい合ったちょうど真ん中にテーブルに載った紅茶とポッド、そしてナイフで取り分けたそれぞれのビクトリアサンドイッチケーキが女と女の側に置いてあった。紅茶は、ウェッジウッドの小花柄のカップに注がれていたが、部屋中を這いまわる騒ぐ言葉のせいで微かに波紋を揺らしながら、明るい琥珀の色に溶けた遠いダージリンの土地の幸福な匂いを淡い湯気とともにゆっくり立ちのぼらせていた。また銀のスプーンは、しばしば騒ぐ言葉とともに皿の上で小さく震えることもあったが、女と女は相変わらずケラケラと笑い、無数の騒ぐ言葉を床や壁に這いまわらせていた。その言葉のひとつが、壁に染みた「脂肪燃焼サプリ」だったり、「借金玉の今日はこれに頼りました」だったりしたが、意味は無数の意味の前では何ら意味を成さない。今しも天井を走る「ミコノス島の赤い夕日」が「タコのガリシア風」と激しく衝突し、その拍子で「ミコノス島の赤い夕日」は「賀茂なすの田楽」の這いまわる床に落ちて「日夕い赤の島スノコミ」になって黒い多足の足を天井に向けてバタバタさせている。だが、そんな騒ぐ言葉のひとつひとつを紹介していてもキリがない。ただ一匹、もしくはもう一匹、「あなたのご主人」と「ウチの馬鹿亭主」が、夕べこの家の主人である私が酔っぱらって床に零したワインの染みの上で何故か居心地好さそうに、まだ生まれたばかりの子猫のようにじっと大人しくしていた。そして女と女はケラケラと笑い、さらに無数の騒ぐ言葉を床や壁に這いまわらせるのだった。
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>私には題と詩が調和してる作品でした。私には書けない作品ですね。以外に何も言えず申し訳ないです。
> atsuchan69さんの真面目さというか丁寧さが仇になって「騒々しさ」が、統制されて計算されたものになっている気がします。
>言葉の騒ぎが読めました。騒ぐ言葉は這いまわって居て、這いまわらされていて、言葉遊び的な部分もありますが、言葉が抒情して居ると思いました。「女と女」は言葉の管理人と言うよりは、何か言葉を奏でているようなそんな感じがしました。
僕のなかでは一番、チャーミングな君が僕のことは良くも悪くも忘れられない存在になっているのは、、、嬉しいことです。
悪いことをしたかもなのに、君の思い出は全部がかわいい瞬間ばかりで僕は胸がいっぱいになります。
今は僕は静かな気持ちです。静かな気持ちで君を強く想ってみたり、君を忘れようと享楽に走ったりしています。、、、でもね、結局、君のことをいつも想っています。
僕は今は君には何も求めていません。僕のなかでは君は思い出という「永遠の存在」になったんです。
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>今は僕は静かな気持ちです。
普賢さまが可笑しくありなさいと、だからそう考えた。
意味が無く、しかもやりがいのあるものを書きたいんだ。
君の胸に飛び込もう。どうしてか、
小さくなって しまわないだろうか。
――――――――――――――――――
"身を粉にして"
大地の広大さにしてそれを知った時に忍ぶとゆうこと、耐える。
私は先にその話のゴールを知っている。
そのときまで君に会う日が感動的でありますように。
友達へ
粘り強く話をしてほしかった。
私は感情を殺すことを否定しました。
感情とは理性の一環で人間性、小さいけれど大きなその、水だと思います。
それだと日本語としてそっけない気がするのです。
遥か伺ってくれてありがとうございます。
文学的にも表したいが、こう書かせてもらうことを選択します。
・君が間違っているとも思えないし、感情的にただしくないことであった。
こう手を繋ぐように離れたい。
私の問題に対して答えたい意思を粘り強く伺って頂きました。
――人柄を尊敬してる。その才能に感服している。その資著作を愛読している。わたしの祖国のことをよく言ってくれたことをありがだく思っている。――― ルソー『演劇について』
その賞賛はわたしを緊張させ、或る、かつてあった時代の輝きを思い馳せさせた。今はないものに神経を揺り動かされ、虚しくもなった。
降らないもの。それについて君と少し話し合った。
イマある前のこと、、例えば笑みがこぼれるような、あっけらかんとしていて間抜けな、痛々しいものだけど、
厄年なら厄年に真面目に取り組むということ。
なぜなら、そういえば、世界は果てだし、
大事に思ってやる事といえば、こんなに小さな自分事…と言ったらあれだけど、この通りなのだ。
この通りこの通り、例えばこんな中途半端
な"瞬間"を、許して、ここは是非とも思うので、身軽くあって頂けるなら、幸い。
p.s 今までに感謝を込めて。
――――――――――――
そういう願いを僕のほうは内包している。
耳を傾け、聞いているのは、きっと遅かれ早かれで、
訳のない話しになるけれど、僕的には胸があなたのように広くもなければ、でも、ただ深い。
あなた、君が、思った怪しさは、この事だろう。この深さの事だろう。養ってくださんせ。
でも確かに緊張しているのです。返してはいないから。
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風はどこからくるのだろうか?
風は過去から来る。
何年も考えていて、答えが出てこないことはないと洋書 にてその閃耀をみた。
風が過去から吹くという理論は、
第一に、<過去>という言葉を文系的に理解し、詩(ことば)に流し込み、事実(実状)を作り上げる方法もある。文系的な理解をなしてあるその上に置いて詩に流し込み雲を制作し、
それは式的理解から私が半永久逃れるためである。
ところでこれで何が出来たかと言うと、哲学パーツ屋さんだ。というのは、精密器具として売る限り、言葉ではなく、この空論を買う、バイヤーがあるものです。
Sale <風は過去から吹く>
私は考えました。御心配下さった方ありがとう。
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20181201_940_10928p
白く壁を塗るのは人。そして、新しく家を建てるのは獣。また母の生まれた故郷を花で満たすのは初めての僕の妻。
嵐。
雨のように濡れた服を着るのは子供。生まれたての午後は優しい。それは踝。やわらかい人が降ってくる。黒く家に幕を降ろすのは火。そして新しく言葉を生みだすのは鳥。また父の生まれた故郷を戦争で満たすのは初めての僕の仕事。温かい人たちは逃げ出してしまった。
水。
怖いことは、悲しいことだと、悲しいから怖いのだと、夏が終わり冬がずぶ濡れになり泣き叫びながら雨を突き抜けてやってくる前に、この「もの」を語り終えたい。
行きはよいよい、帰りは怖い。
そう。
帰りが怖いんだ。何もかもそうだ。「もの」は帰り道がない。物語にも帰り道がない。ずっと、行ったきりで帰ってこない。振り返る事が出来ない。帰る事が出来ない。何かを「かたる」とはきっと怖くて悲しくてひどくて優しい事なんだ。悲しい感情や優しい感情には帰る道がない。でも帰る場所だけはある。それがもっともやっかいだ。帰り道はない、でも、帰る場所だけはある。どうやって帰ればいい?
もしくは?
この「もの」語りを始めるにあたって、どこから初めようかと思い、僕の記憶を遡って行くと、千葉県側の江戸川の堤防で、一人、彼女を待っていた所から始まる。向こう岸には、埼玉県が見える。川が県境になっており、境界というわけだ。山だったり、川だったりが境目になっている場所はたくさんあるが、これから僕が話す事のすべてが、境界についてだ。もったいぶらない全部ははじめから話してしまう。
僕は饒舌になった。幼い頃の僕は、人と話すのが苦手だった。話す事自体に興味がなかった。それは、自分自身に対して、語るべきものが何もない、と思っていたからだ。父や母からも特に心配されなかった。父も母も、僕と同じ様に何かを多く話すような様な人ではなかったし、後から知った事だが、僕が生まれる前から、すでに終わっていた、らしい。らしいというのは、母が大学卒業後数カ月して、「すでに、終わっているのよ」と僕に言ったからだ。発言は突然だった。あくまでも、僕にとっては突然であり、この後、幾度となく、父と母から聞かされる言葉によれば、すでに決まっていた事だった。日時、そして、まず母から、最後に父からと、手順も決められていたのだろう。僕は、父と母の正しい手続きでただただ押し込められることがすで決まっていた。
僕の顔など見向きもせずに、唐突に口から出た母の言葉。そして、言葉の後の母の横顔が春先に吹く、まだ冬の冷たさをまとった風の様で、これから訪れるであろう春の生命の躍動にも一切の興味がなくそれとは無関係に、吹き抜けていく清々しさを感じさせた事を、今でも憶えている。そして、母は遠くを見ていた。僕の表情などどうでもよかったのだ。母からすればすべてが決められていた。僕が知らないところで、すべてが父と母の手続きで埋め尽くされていただけにすぎなかった。だから、母は僕の動揺や感情の動き、気持ちなどどうでもよかったのだ。そんなものはすでに問題ですらないのだ。僕は、父と母の問題の中心にいながら、初めから疎外されていた。僕は署名でしかなかった。父と母が設けた手続きにのっとり、流れていく書類でもある。僕が書類として父と母の間を流れて、僕自身が署名する。すべては、何度も繰り返し言い続けられる父と母による「貴方が生まれる前から予め決めていた」ことが処理されていく。僕に設けられた場所は、署名する空欄のみだった。僕は僕の名前を署名するだけで、それ以外の言葉を書き込むことは許されていない。書き込んだとたんに、この書類と手続きは一切の効力を失うのだ。
すでに、終わっている事を、続けている事は、終わっている事が、終わっていないのではないか、と、僕は思った。遠くを見つめたままの母に尋ねた。「いつから?」と、母は、「貴方が生まれるずっと前から」と、そして、「お母さんは、今、妊娠してるの。お父さんとは離婚するし、離婚することも、貴方が生まれる前から決めていたの」と僕の手をとって、「まだ何も聞こえないかもしれないけど」と言って、僕の手を母のお腹に添えさせる。花を摘んだ幼い子供の手をその花と共に引きよせるようにして。
「ごめんなさい。コバトはこの子のお兄ちゃんにはなれないけど、コバトには教えておきたかった。お腹の子は、お父さんの子供じゃない。お父さんも貴方も知らない人の子供。昨日、お父さんに伝えた。そしたら、お父さんも喜んでたわ。おめでとうってね。で、お父さんの方も子供が生まれるみたい。お母さんも貴方も知らない女の人がお父さんの子供を産むの。今日、お父さんが仕事から帰ってきたら、ちゃんとした話があると思うからね。でも、不思議ね。素直に、心の底からお父さんに子供が生まれる事が嬉しいの。それがお母さんの知らない女の人との子供であってもね。勿論、嫉妬とかそんなものはないわ。コバトが生まれる前から、二人で決めていたんだもの」母は話し終えて微笑んでいる。ただ、それは、母のお腹に手を当てている「事」を見て微笑んでいるのであって、僕に微笑んでいるわけではないことに僕は恐ろしくなった。母は僕の方を見ておきながら僕に対してはずっと横顔を向けたまま遠くを向いているのだ。母の手は、幼い頃、僕の手を引いた優しさを未だ持っていた。昔と変わらず優しいが、僕の手は大きくなった。母ではなく、女性としての母を理解できるほどに大きくなった手を、母は、悪意も善意もなく導いたのだ。それはもう、僕と母との間に一線が引かれてしまった事でもある。母は僕の手にも、僕の感情にも無関心でしかなく、自らの中に眠る名前のない不気味な塊にしか興味がない。その塊について、母は、僕に教えておきたかった、と言う。でも、それは、母の冷酷さの表れでもあり、僕はもう冷酷にしか扱われない、興味のない対象でしかないという証明でもある。僕は、ここでも署名しなければならなかった。母のお腹に触れることで、母の体に、そして、不気味な未だ顔のない得体のしれない塊に対して、僕は僕の名前を署名しなければならなかった。
夜、父が仕事から帰ってきた。玄関で靴を脱ぎ、母がおかえりなさいと言う。父も、ただいま、と言い。寝室に入り、着替えている。これは、僕が大学に受かり、家を出るまでの間ずっと繰り返されていた光景だ。母が、台所で夕飯の支度をしている。着替え終わった父が、居間のソファーに座っている僕を書斎から呼ぶ。父の書斎は、ほとんど何もない。時折、自宅に持ち帰る仕事をするためのパソコンと机と椅子があるだけで、後は、何もないと言っていいほど空白が詰められている。父には趣味と呼べるものが、あまり無かったようで、休日などはほとんどテレビを見ているか、母や僕を連れて外出していた。扉を開けると、椅子ではなく、床に胡坐をかいて座り、僕を見上げていた。同じように僕に座るように言う。
「お母さんから話を聞いたと思うけれども、お父さんとお母さんは離婚する。お互いすでに相手がいるし、子供も生まれる。これは、お前が生まれる前からそう決めていた」そう言う父の顔は、冷静で、僕の動揺や感情の動きなどは一切興味がなく、もう、僕がどうでようがすでに事態を変える事は不可能であり、これは運命だ、とでも僕に言って捨てるような言い方だった。母と同じように、父ももう、ずっと昔から僕に対して、横顔を向けたまま遠くを見ていたのだ。その後は、簡単な話だった。当分生きていけるだけのお金は渡すが、ただ、お母さんもお父さんも新しい家庭があるから、金銭的にはあまり助けられないが、かといって、お前の事は、二人とも愛している。何かあればできる限り手助けするので、遠慮なく言え、そして、この家もお前に残す、と言う。そして、これも、「お前が生まれる前からずっと決めていた事なんだ」と言って、通帳と名義変更された土地と家の書類が渡される。父と母が、若くして建て、十分な所得があるエリートの夫をもちながら、母もパートをしていた理由がその時、初めて分かった。そこからは、早かった。僕は、家を人に貸す事にして、家賃収入を得ながら、今から語る事になる「彼女」と彼女の実家からも、僕の実家からも遠く離れた土地で一緒に住む事にした。彼女の事は、両親には一度も話した事がなかった。
父との話が終わり、夕飯の席に着いた時、僕はこう尋ねた。
「なんで結婚したの?」と、母が何かを話そうと僕の顔を見つめて口を開くと同時に、父が、母に「僕から話すよ」と言って、母が話し始めるのを止める。父と母は、幼馴染で互いの事は昔からよく知っていた。同じ高校に通い、大学は別々だったが、互いに故郷に戻って就職し、互いの両親も仲が良かったため二人の結婚を勧めてきた。二人ともお互いの事を嫌いではないけど、かといって、すごく好きなわけでもなかったが、両親の強い後押しもあって結婚した。けれども、いざ結婚してみるとどうも二人には肝心の愛があるのかないのかよくわからない。互いに互いのことは嫌いではないし、むしろ、お互い昔から知っていた間柄なので、気が合う事は分かっていた。結婚してすぐに、二人で話し合った。お互いに同じ事を考えていて、とりあえず、子供を作ってみようと言う話になった。そして、生まれたのが僕だと言う。ただ、いざ、子供を作ると決めた時、互いにいつか別れるだろうと思ったらしい。自分達二人は、ただマネゴトをしているだけで、そう自覚したのは、互いに一度も「愛している」と言った事がないし、そう思った事がないという。子供が生まれてもお互いに愛が芽生えなかったら、恐らく、今後も芽生えないだろうと二人は結論を出し、僕が生まれても、別れる事を前提に行動することを決めたらしい。ただ、父は、「お前が生まれた時、初めて愛すると言う事がわかった。お前に対しては愛という単語で語る事が出来る。それはお母さんも同じだよ。でも、お父さんとお母さんの間には、お前が生まれた後でも、愛という単語で語るべきものが二人して見当たらなかったんだ」
だから、二人は別れる事にした。僕が生まれてからも、二人は愛を探したというわけだ。そんなものはただの単語にすぎない。そんなものがなくても、二人は結婚したし、夫婦でもあったし、周りから見ればちゃんとした家族だったのだろう。僕は思い切ってさらに突っ込んで尋ねた。
「じゃぁ、お父さんとお母さんには、互いに別の家庭があって、そっちで愛が見つかったの?愛という単語で語るべき何があったの?」
父は笑顔でこう答えた。
「あったよ。愛してる、とようやくお前以外の誰かに言えるようになった」
僕は怖くなった。父の笑顔に、そして、それに何も言わずに聞いている母も父と同じなのだろう。二人が気持ち悪いと感じた。内臓が乾いていく感覚が口の中に広がる。返すはずの言葉が舌の上で腐り、それにたかってくる蠅。羽音がする。本当に恐ろしいモノは、恐ろしい姿ではない事が多い。僕が生まれて初めて愛すると言う事がわかった、と、言う二人は、結局、僕を残して、別々の家庭になり、別々の愛をまた探しに行くのだ。こんな茶番のどこに愛があるのだろうか。僕はこの時に初めて分かったのだ。父、母、と名乗る二人は、化け物だったのだと。父と母は、僕の知らないところで、僕の知らない兄弟を作り、暮らすのだろう。化け物の子供は同じように化け物だ。これは、彼女から教えてもらった。彼女もまた化け物だった。そして、僕にも兄弟がいた事に気付いた。父と母が産み落としてしまったもの。流してしまったからこそ、纏わりついてしまったもの。これも、彼女から教わった。僕には、僕より先に生まれておきながら、兄とはならず弟になってしまったものがいる。父と母は弟の事を知らない。でも、弟はたしかに「いた」のだ。この可哀想な弟は、父と母に復讐しに行くだろう。彼女の姉がそうであったように、間違いなく近い将来、父と母は復讐される。
父と母は、僕に対しては愛を感じた、が、それでは物足りなかったのだろう。それはつまり、愛ではなかった。やはり、僕は署名でしかなかった。書類でしかなかった。父と母のための手続きのための書類、そしてそれを自ら読み、確認する署名でしかない。僕は、絶えず署名し続けなければならない。父と母のために、生きている事が署名しつづけることなのだ。あの可哀想な化け物のために、愛されていた者として、愛が存在しうるであろう可能性を証明し、僕を参照しつづけるのだろう。僕を基準として、あの二人は愛を愛だと確認する。もしかしたらそんなのは存在していないかもしれないのに、彼女の言葉を借りれば「私達とは存在の仕方が違う」のかもしれないものを求める。
父と母は、僕に話しすぎた。その結果、弟は父と母にとっては、どんどん存在が消えていった。隠されてしまったが、僕には逆に強く存在しはじめた。弟はたしかにいる。父と母と僕の間に、この家の中に、ずっといたのだ。むしろ、僕ら家族は弟の内臓の中に住んでいる。
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