◇ No.546 , '17/09/12 13:18:58 作成

9804 : よくわからないけどスッキリする話  ちーちゃん '17/08/01 00:19:02

わたしはレディ

でもアイパーをかけて見たくて

床屋に来たの

「どうもいらっしゃい三発やです」

あら、三発もしていただけるの?
それじゃあお願いしようかしら

「かしこまりました、エイ、エイ、ウッ」

え、もうおしまい? しかもまだ一回しか…

「はじめに言いましたよね?無理です、三発ヤです」

はあ、言われてみれば…じゃあ他行きます

「いらっしゃいませ三発やです」

もしかして三発はヤだから一回とか言わないですよね?

「ハハハもちろん(笑)じゃあ行きますよ?」

「エイ、エイ、ウッ!」
「エイ、エイ、ウッ!」
「エイ、エイ、ウッ!」
「エイ、エイ、ウッ!」
「エイ、エイ、ウッ!」
「エイ、エイ、ウッ!」

ちょっとこれ何時まで続くんですか

「はじめに言いましたよね?私は性欲が強いから三発だけじゃヤなんです」

もういいですよ他行きます

「いらっしゃいませ三発やです」

もしかして性欲が強いから三発じゃヤとかじゃないですよね?

「ハハハハハこれはまた訳のわからない冗談を(笑)」

「それじゃあ始めますよ?」

一時間後

素敵、とってもキッチリね…

「お似合いですよ、アイパー」

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9848 : candy  完備 '17/08/14 18:42:50

光を
ヒアリ、と
空耳し

空を愛する
彼ら
横目に

わたしたちは
もはや
発語
おそれなくなった

腫れ
泣く子供

おなじ場所、で、

わたしたち
狂った
ふりをする

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9829 : 8月の  鞠ちゃん '17/08/07 08:53:26 *2

夏が終わる
ハートはコカ・コーラボトルみたいに掴まれて
キューとシェイプされて
誰かの砂漠に飲み干されてしまった

テレビのフィルター越しに花火が闇に溜息をついた
夜の公園のトイレはドクダミが匂い草鞋虫が這っている
あの虫には足がいっぱい、わらわらとある

私とあなたはきっと泣きながら閉じる本だ
相乗りのバウンドが私たちをケラケラ笑わせたのはいつだったか
愚かさがしょっぱい涙の顔をしてヒヒヒと笑う

波打ち際にはお人形が揉まれている
私のハートよ
オナモミになってあなたの夏の
夜叉みたいなおバカTシャツにくっつきたいよ
ハートを絞りカクテルをステアしてあなたにそっと出そう
5歳の頃のようになれないなら淑女になりたかった
それこそ魔女の嗜みというもの
恨みっこなしよ
箒で飛ぶ私を愛したのだから

夏の終わりの夜風に団扇を添えて
夏夜の音楽に腰を揺らす女たちがぶわり
踵返してひらりひらり
波に乗るチョウチョウウオだ

静かな瞳にちろちろと火種
逃げる白蛇の赤い舌、燃える熱よ
私達は熱を転がし
生きることの憧れを焙煎し
夏よ
惜しまれてヒート

鋳型に流される赤い鉄に私は突進して夏と心中する
さああなたの泣き言を強奪し道連れにしよう
さあそれもこれも永遠を探し過ぎたせい
鋳型の中にはしばらくして冷えて
愛惜という名前の小刀が残るだろう

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9846 : 黄いろい砂漠  TURU '17/08/14 00:05:40 *5

夏の日差しがななめに射す
ばたばたと鳩のいる公園
簡素な木のベンチに座って
開いて
解いてゆく
携帯電話のメールボックス
の自動配信メール
ずっと下の欄には友人からのメッセージ
返信すればきっと
うしなわれた電書鳩による即座な文通
ふたたびに取り戻すことができる
けれども
そのあとに重ねなければならない
返書と返書の煩わしさよ
代替えにヤフーのニュースを見る
アイドルでさえ今や夢と夢とは正反対のものをセットで売っている
とおく夏の球場から歓声の蜃気楼が立ちのぼってくる
熱中症の夏
ひとつのところに命を懸けるという
盗んでみたいかれら球児たちの熱すぎる孵卵器に
こちらまでいさぎよく
タマゴ頭になりかねない
こちらまで脱水症状になりかねない
そういえば
低音ベースのような亡霊声で
かたくなに交代を堪え切った
現バンドマン元野球部のフジムラくんの
更衣室のロッカーで頭と頭が盛大にぶつかり合ったとき
景雲台という
墓地のすぐそばに建てられた
マンションに住んでいた
そのモアイ型の頭蓋骨は
そこの墓石と入れ替わっているんじゃないかっていうくらいに
とても固かった
覚えがある
よる床に就くと
ときどき寒気がして魘されることがあると
さして気にも留めてもいない様子で
とても興味深い
あの墓石頭を見習いたい
ためしにわずかな期間だけでも
こっそり取り換えてみたい
そうして冷や汗にまみれた布団の上に
ガイコツ女があらわれる
怪談の夏
呪いはとかねばならない

限りある命だからこそ
夏の夕暮れに飛行する
世界がある
早生まれのトンボたちの真っ赤な空がある
するどく冬がかった冷気を
痛めた腰に纏わせながらも
室内の暖をともに目指して
曲がる坂道を下った
晩秋の夜はけっして一人ではなかった
カラオケ
ジントニックとライム
コーンスナック
マスタード入りのたこ焼きセット
そして手渡された名刺
芸能プロダクション 出版権管理
コンサート企画制作 インターネット音楽動画配信
装飾雑貨品販売輸出入 および美術品骨董品輸出入および
飲食店経営および建設および塗装コンサルタント
かたくなに沈む夕陽をこばむ
青くさい革ジャンを着た男
だがいまはチェロの音が似合う歩き方で
少しずつ
黄色づいてゆく
秋の地平をひとり巡りたい
ガラス製のビラミッドのすぐそば
黄いろい砂漠のボンネットの上
毛並みのいい茶トラは
まるでスフィンクスのように
こちらをむいて
寝そべっている
(こちらから
 問いかけるのだ
 この
 与えられた孤独と淋しさの意味
 について
 そして
 その根源となっている
 生命のはかなさに
 ついての)

んにゃ〜ゴ

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9854 :   湯煙 '17/08/19 21:52:37 *7


天を突く
建物の最上階にひとり
チューインガムを噛み締める
路上にへばりついた御念仏

こんにちは、非正規 
 世紀 生気 盛期 精気 精機 生起 清輝 製機 性器たちよ、

たちよ、

 ♂



太陽のにぶい笑い
太陽の
にぶく
笑う

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9844 : 父の権威  ちょび3 '17/08/12 02:09:11

 父の子として生まれて良かったことは無いと思う
 日曜日に父はいなかったし
 私は父を知る機会に恵まれていなかったから
 父の子として生まれたことは
 私たちが暴れた時に
 たとえば湯船に沈められて、ばたばたとしていた
 兄がふてくされていた記憶であって、
 私としては、父は鉄のように強かった
 でもそれが十数年を経て
 父が死んだ時には思い知らされることがある
 私は不良のように働いていて
 訃報を知るや舌を噛んだ
 誰にもこの人の死を悲しむ権利などないのだと
 昔から身を粉にしてはたらいた人の死というものが
 月曜日のわびしい事務所の一角であって
 自死であったとは誰にも告げようのないものだ
 世がわしゃんわしゃんと新しきものをつくろうと
 ただ一人私の父の死について、
 それが立派であったと言える日というのは
 永劫に無いものだということを
 当時泣いていた私を撫でてあげたいものだという
 世にはばかった、くやしさを
 この信条だけは、今なお私の宝であって
 誰にも汚されぬものである
 誰にも、誰かの死を、嘆き悲しむ権利など無いのだと
 私は一人で、強く賢くあらねばならぬのだ

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9852 : 禁断の半行引用詩  泥棒 '17/08/19 13:01:31

これは


わたしが書いたんじゃありません。
(ベルンハルト・シュリンク/朗読者)


つ、つまり


意味とは、
わたしたちが詩に対して抱く関心から引き出されてくるべきものなのだ。
(ジョルジュ・バタイユ/文学と悪)


そうっ!


もっとも圧倒的な、
最強度の満足をわたしたちに与えてくれるのは、
くだくだしく説明するまでもない、
だれでも承知している、
自明の事実でしょう。
(澁澤龍彦/快楽主義の哲学)


だから飛べない鳥は


しょっちゅうイライラしている
(三島由紀夫/永すぎた春)


潰れた遊園地みたいな街


そんな街をあてどもなく歩いて
(会田誠/カリコリせんとや生まれけむ)


世界が世界をお互いに半分くらい引用している。


それがお前のやり方か?!
(おかずクラブ/コント)


と、
問われれば
いや、
いくらでも他にやり方はある
数ある方法のひとつにすぎない。
それにしても
頭の中と
今日の夕陽はなめらかではない


カッチカチやぞ
(ザブングル/漫才)


ほんまやっ!
コンクリートの上では
なんだか
頭まで
かたくなる気がするから


二人並んでベッドに横になった。
それは
草原で横たわっているのと同じことで、
これ以上の危険は何もないように思われた。
(絲山秋子/愛なんかいらねー)


静かな風が
耳元でうるさくなり
鼓膜を破壊する素晴らしい日曜日
向こうの街では


花模様の傘をさして、
いやにつるつるしたレインコートを着こんだおばさんが、橋を渡ってゆくところだった。
(川上弘美/貝殻のある飾り窓)


見ろよ
頭の中までつるつるしている
何もかもくだらねー
と言い切れるほど
世界は単純ではないが
世界は単純作業で動いている。


でも、僕らは政治が動いたと読んでいる。
選挙が目の前の都知事は、
こう言いたかったんだ。
あれは人間じゃない。
怪物の仕業だ。
サイコパスという便利な言葉。
以上。
思考停止
(松尾スズキ/エロスの果て)


いや、
思考停止してる場合ではない
僕らは書かなければいけない。
怪物のこと
人間のこと
世界のこと
それから何かを、


詩なら書けると思いますが、
あいにくとまだ書ける状況じゃないし、
やっぱりプライベートなことを書くしかないのかしら。
(伊藤比呂美/チョコレートマフィンといらくさ)


なるほど
日記のような詩もあるし
詩のような日記もあるし
今日のような明日もあるし
明日のような今日もあるし
終わりのような始まりもあるしね。
しかしだ、


世界が終わる日の風景は
今日と同じであるに違いない。
何の伏線もあるもんか
誰かが叫ぶことなどなしに
突然終末は訪れる
(桜舞う/平川綾真智)


ふむふむ
半分くらいはよくわかった。
で、
話しは変わるんだが


これから海ほたる名物の
あさりラーメンを食べようかと
思ってるんですが

じつは貝類を食べると
じんましんが出る体質なので
そこをどう乗り切るか・・・
(東村アキコ/海月姫)


コラコラ笑
そんなん知らんがな、
ラーメンの話しでごまかすなよ。
芸術は
芸術的に見る必要はない。
そうだろ?
芸術的なものほど
うさんくさいものはない。
芸術と芸術的なものには
犬のウンチと
冥王星くらいの差があるから


状況は一向に好転せず、
むしろ悪化するばかり
(阿部和重/ニッポニアニッポン)


こうなったら引用なんてやめて


気が違ったふりをして
どこかに行ってしまってもいいし、
急に死んだふりをしたってかまわない。
(山下洋輔/ナポリの海に地震は散った)


死んだふり
生きているふり
詩を書いているふり
もろもろ
いったん終わりにして
とりあえず薬局へ行こう
レジの男が
無駄にイケメンの薬局へ


三島由紀夫が克明に描写したがりそうな外見をしている。
(綿矢りさ/私をくいとめて)


あのイケメンがいる薬局へ行って
ロキソニンを買って
家へ帰って


最も詩に近い
(芥川龍之介/文藝的な、餘りに文藝的な)


しかし近いだけで
決して詩ではないものを半分くらい引用して
今日は終わりにしよう。
きりがない、
そもそも
人は
半分くらいしか自分の言葉を持たない。
後の半分くらいは
ざっくり言えば引用しているのだ。
むろん確証はないがね。


ま、そういうこともありうるね。
いいかえれば、
思春期は劣等感に悩んだり、
自分が他人とくらべてちがっていることに
苦しんだりする。
また、その逆に、
他人とちがったことをして、
自分を目立たせようとする。
それは、成人のものさしではかれば異常だ。
しかし、
誰もが通りすぎるというのであれば、
人生全体から考えれば、
そういう時期をすごさないものが
異常と考えていい。
(なだいなだ/くるい きちがい考)


は?
こんなものは詩でも何でもない
まして芸術なわけがない。
時間の無駄だ。
本を閉じて外を見ろ


日を浴びた家を
獣を
田園を。
太陽はそれらと一緒にいて
一つ一つに色を与える
似合いの色
死ぬほどの色を。
(ジュール・シュペルヴィエル/めぐり去った歳月の・・・)


よし、
そろそろ
最後に誰か
何か言ってやれ


ガタガタうるせえんだよ この野郎!
(北野武/アウトレイジ ビヨンド)


いや、
そんな強引で乱暴な言葉は
よろしくない。
つるつるしたステンレスのような
感情のない言葉で
誰か
最後まとめてください。


はい。
では、ご自分が書いた文章を
今一度、読んでみてください
(真梨幸子/殺人鬼フジコの衝動)


そりゃ困る
自分が書いた文章なんて
私はね、
読みたくない日もあるのよ
それにしても宇宙って広いね^_^


ちょっと何言ってるかわかんないです。
(サンドウィッチマン/漫才)

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9823 : アハッ  田中宏輔 '17/08/07 00:02:14



アハッ

雨のなか、走ってきたよ

出された水をぐっと飲み込んで

プロポーズした

でもきみは

窓の外は目まぐるしく動いているから

せめてわたしたちはこのままでいましょうねって

アハッ

バカだな、オレって

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9827 : ニレの木でハトが鳴いているんだね  阿怪 '17/08/07 04:36:02

本を閉じた
それから身の回りのものや
家具類を
すべて売り払った
その金で細かい借金まですべて精算し
当面の食費と交通費を残した
田舎のあばら屋は風通しのよい
道場の
ようになった


雨戸と玄関を開け放し
庭を掃いた
井戸から水を盛大に汲み上げて
座敷と縁側を雑巾がけした
パンツとシャツを手で洗い
昼に乾くのを待って
裏山へでかけた

滝の水は冷めたく頭も心臓も胃袋も
凍るようだった
信仰心もないのに、なみあむだぶつを
唱名し、瀑布にうたれた
滝壺からあがり
三十年間使ってきた菜斬り包丁を研いた
水面から反射する光がまぶしく
目眩いがした

夕方、イノシシでも一撃で倒せるほどに
磨き上げた菜斬り包丁を縄で巻き
腰にさげて
下山した
途中、村のコンビニで
オニギリと即席麺と缶詰を
買った

それから三日間、十帖の居間に座して
過ごした
腹が減ると缶詰や即席麺を食べ
夜になるとそのまま横になって目を閉じた
星や月の光も虫の音も
慰めにはならなかったが
熟睡した
最後の日も爽やかに目覚めた

注文した新調の夏服上下が
新しい帽子
新しい靴と一緒に
届いた
菜斬り包丁を丁寧に新聞紙で包み
懐に忍ばせると
わたしは出かけた

我が家から
600キロほど離れた地に遠いむかし別れた
恋人が住んでいるという
そのことを
最近彼女が出した詩集で知った
たいそう評判になり新聞でも取り上げられた
本はずいぶん売れたそうだ
そのひとの住む町のバス停に降りると
鄙びた宿をとって早めに眠った

明け方
案内を乞うて玄関戸をあけると
彼女は暗い上がり框の床板に正座していた
まるでわたしが来るのをずっと待っていたかの
ようだった
「やっと、ですね」と
彼女はいった
わたしは懐から包丁を取り出すと
目にも止まらない速さで
彼女の心臓を刺し串いた

一瞬で絶命したようだった
唇を強く結んで悲鳴もあげなかった
わたしの両肩を掴んでいる手をはずし
刃を引き抜くと
噴き出した血がわたしの顔に散った
手ぬぐいで彼女の顔の汚れを
きれいに拭きとってやり
髪の毛を整えてやった

それから、「まるでコリーみたいに」走って
地元の小さな警察署に出頭した
署内は大騒ぎになり
現場へ急行した刑事がすぐに戻ってきた
わたしは
その場で現行犯逮捕された
留置場へ続く厚い扉が背後で閉められると
それまで戸外でぐーぐーぽーぽー
と苦しそうに鳴いていた鳩の声が
とつぜんやんだ

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- ealis -