#The Sunshine Underground
七日間降り続いた雨が突然止んで、僕は、靴下を脱ぎ捨てて小屋から、原野へ向かって飛び出す。僕は、僕の体を必死になって追い掛け回し、原野を駆け回る。雲の隙間から陽が指してきて、ところどころに陽だまりを作っている。その中で、金魚が数匹泳いでいる。豪雨が残していった水溜りに手を差し入れる。そして、何かを掴んで引っ張りあげる。一人の黒人の男性が、下半身だけを衣で隠した姿で、現れて、僕は、やぁ、こんにちわ、と、挨拶をする。彼は、静かに、頭を下げて、挨拶を投げ返してくる。それから、彼とは友人になって、火の起こし方や、食べられる雑草をとったりしながら、暮らしたが、ある日、僕が眠りに入ると、僕はそのまま、水の中を泳ぐ夢を見る。すると、頭上から誰かの手が差し入れられて、僕の肩を掴んで引っ張り上げる。彼は、白人の若い男性で、僕に向かって、HELLO!と、挨拶してくる。僕は、静かに頭を下げて、挨拶を返す。そして、彼に、火のおこし方や、食べられる雑草について教えてやった。
Ohayou!おはよう!
#Around The World
友人とともに、1934年作の『オズの魔法使い』を見る。夢の世界と、現実の世界との区切りは、白黒の絵とカラー絵に隔てられており、なぜか、現実の世界の描写は、白黒のままで、色がついているのは、夢の世界。ドロシーは恐らく、精神的に不安定なのだろう。彼女の感情の起伏の激しさがそれを物語っている。なるほど、つまり、こういいたいわけか。私が今、見つめている世界は、まさに夢なのだと。現実の世界は、白黒で表されるように、無味乾燥な世界で、美しさ、醜さ、味、そんなものはどこにもないのだと、見終わった後、隣に座る友人に、「はじめまして。」と挨拶をした。
虹彩という夢を!
#Over The Rainbow
麦畑を妻とされている人と手をつないで歩いている。黄金という言葉がふさわしい風景の中を、麦を掻き分けながら進んでいくと、私の小さな家があり、犬が一匹こちらに向かってほえている。土壁の家のところどころにはステンドガラスがあって、紫や緑、赤、黄色、と、色彩を放っている。さらに、進もうとすると、妻とされている人が腕を強く引っ張る。振り返ると震えている。どうしたのか、と、問うと、あそこには、魔女が住んでいる。という、いや、あれは僕らの家じゃないか、と、答えると、二階の窓は開いて、一人の老婆が、箒にまたがって、私たちの上を通り過ぎていった。延々と続く麦畑、黄金のじゅうたんの上を、魔女が飛んでいく姿に見とれていると、妻とされている人は、ほら、いった通りでしょう、と、では、僕らの家は?、と、聞きくと、指をさして、ずっと向こうだと言う。
落下する地平線上を超えて、そのまた向こうまで、そこではもう私は中心ではなく、誰かの中心へ接近する、そう、私が中心でいられなくなる場所まで、永遠に!
#World's End Garden
ここは、光が鳴っているな、ツー.....トット.....ツー.....トット、と、映写機に映し出された私の背中、円錐形の内で青白く照らし出されて、影がスクリーンに大きく写る、影は私の意志や体の動きに対応せず、一人でに歩き始めて、舞台袖へと消えていく。私だけが、未だに、映写機に照らし出されて、青白く、何も映し出さずに、影も作らず、ぼんやりと取り残されたまま、ずっとその場から動くことができない。そして、何かが大きく軋む音だけが、会場に広がって、私は地面に倒れこみ、強く額を打って、嘔吐した。
最後に、嘔吐物の中から無数の蝶が飛び出し、劇場全体を青く染める、
#Reset,Sunset,Emerald
bird、達が空へ、そして雨が、rain、まずは、喉を切り裂こう、無数のガラス破片が飛び散って、すべてを光に変える、次に、額が裂け、陽が昇った、最後に、真っ二つに裂けた体から、Emeraldが、飛び出して、そして私を包むまでの話を、かなえられる願いことはいつも一つだけで、思い出せばはるか彼方、私達がいまだに姉妹であったころ、アポロンとアテナイの女神の憂鬱のうちに生まれた一つの涙、緑、赤、黄色、そして、あの青の延長線上で鳴り響く、アリアが、地平線上に落下するまで、数え続けられる数々の数式、それら一つ一つに刻み込まれた、秋月の落ち葉、そして、すべては、明暗の点滅のうちに、すべての夜を焼き払う光の中で、爆撃音が、ポーン、ポーンと鳴って、bird、達は、空を忘れた、blue、blue、青よ、青よ、どこへ、どこへ、早朝、世界が吐く吐息の内に隠されてしまった青が、水泡に包まれて、成層圏で破裂するまで、地球儀を駆け回って、花に水をやる誰かの上に、雨が、そして、rainが、このあまりにも晴れ渡りすぎた空の下から、今すぐにでも連れ出して、雨の中へ、Emeraldに包まれて、最後に光が、光に焼き尽くされる頃に、もう一度、世界を、Emerald!
>最後に、嘔吐物の中から無数の蝶が飛び出し、劇場全体を青く染める、
>落下する地平線上を超えて、そのまた向こうまで、そこではもう私は中心ではなく、誰かの中心へ接近する、そう、私が中心でいられなくなる場所まで、永遠に!
自転車のペダルが独りでに回りだす
石や、あるいは人工の砂、そして
壁は再び地に埋もれ、
学校の裏手に深海魚の銀色のウロコが
乾燥した空から降り積もる
人の声のした方が空
ポールの一本一本の隙間から
倒れかかる人
壁にその影がはりついて離れない
弾痕から、
しらみつぶしにゴミを拾った日
紙をはり、細い
骨として空に揚げるため
探査艇のライトでダンサーを照らしだす
夜、濁流は遠くから押し寄せた
カラカラした手に穴が開き
子どもたちは滴る血と汗で
あの夜、月の光の中で壁に絵を描いた
(何か空に飛ばすものが好き)
(骨から滲みでた梢の擦れ合う音がいい)
在ったことが空虚のままわかる壁
埃にまみれた弾痕が雨に打たれ
コツコツと足音がして
傾く、その角度に流れ出す
弾丸が遠くから
>探査艇のライトでダンサーを照らしだす
>人の声のした方が空
>あの夜、月の光の中で壁に絵を描いた
>コツコツと足音がして
>いつもの概念遊び、言葉遊び、持って回った狙いすぎの表現
>四連でここまで引き絞ったものが一気に開く。
>ただ、ちょっと題名で損してる気がします。
>一読して、あ、まじめな詩、って感じなのだけれど、面白い。はい、面白かったです。
>の部分がやや違和感、な部分でしたが。
>廃墟のような荒廃した雰囲気を感じますが、・・・
>という、空間の感覚を全体に貫いてほしかったと思いました。
>のところで、何だか現実の世界にもどってしまったような気がしました。
>で、音を出してくる必要はあったのですか。私は、音がない方がよかったと思いました。
>そしてで引き込む形はとてもよいのですが、「目に見えない孤独」これは少し難ありだと思います。
>生きているものがないと勝手に想像してましたから。
>足音ならば、コツコツという擬音がやや安易かなと思います。
>学校の裏手に深海魚の銀色のウロコが
>乾燥した空から降り積もる
>3つの描写が1つの文で書かれているので、描写を分けた方が読みやすくなると思いました。
>修飾語が重なると文が素人っぽく見えると思います。
>。「廃墟」をイメージした詩なら題名はそれを鮮烈に示すものを持ってきたほうがより詩が引き立つと思います。
昨日と今日という区別はくだらない
ただのっぺりとしたものに彼らは乗っていて
そうしてどこまでも全自動で
いけると知っている
ぼくは黒板に目を向けたとき
必要なことすべてをやってのけていた
ただし緑色の粉が水槽に落ちたとき笑っていたものは
たいていが死んでいるか
死にかけているものだった
死すらも劇的だ
ぼくは彼らの性愛にも見飽きたら
成人式の後の残滓ともども彼らが
プロペラに挟まって死ねばいいのに
と強く願うことになるだろう
粉々になった剥き出しのガラスでも
それが風に吹かれていれば
誰も痛みを感じない
それと同様に
少なくとも彼らだけは
自分たちだけで何かをやっているとは
まったく信じていなかった
それでやたらとわめきたてるというわけだ
その馬鹿さ加減を身をもって
表現することが狙いだったのだ
感動的なんだ
きもいしね
美しく生きるということが
ありうるとしたら
成り行きのほかにはないのかもしれない
それが奇跡かどうかなんてぼくにはわからない
でも破れたビニール傘をさし
星の光をよけて眠る不思議な夜が幾夜かあっても
ぜんぜん困らない
役にたたないしね
>思春期のクサみ。〜そのまま提示するにはちょっと厳しいかな、という感じ。
>全体にはチグハグしていて、「独白」に近づいてしまっている。
>二連目、三連目の書き方、視点が妙にズレていて、説明くさい部分も気になりました。
>作品を冷静にならなくても良いので向き合って欲しいと感じます。
>何処に重点を持ってきているのかがわからなくなってしまっている
>根底に書きたいことを多く持ってらっしゃる
>私がこの詩を読んですぐ浮かんだ感想は、「小気味よい。」でした。
>〜まず声に出しておきたいこと、なのだと思いました。
>こういう気持ちを、日を置いても変わらず読めるような詩になっているといいのでしょうが、私自身難しいなと思っています。
>「きもい」という言葉があまりに弱い。〜この言葉をもっと気持ち悪い使い方ができたのではないだろうかと考えてしまいました。
>模様のようなものとして読めるかなと思ったので全体のカラーを統一したならばまた違ったオートマティックになったのではと思いました。
覚えたての英単語、飛んでった貯水場
眩暈に溺れたペットボトル
舞い遊べるリズムは気泡の騒めきに似て
吸い込まれるように追っかけた二人
のぼせた沸点 オーバーフロー
引き寄せたなら、
飛び込む一瞬が僕のすべて
陽炎の悪戯に 晦々、白む意識上のエフェクト
水飛沫と弾けた君の笑い声、そのまま――メロンソーダの水面へ
(ダイヴ!)
身体をゆるりと呑み込んだエメラルドゼリー
踊る、踊る 浮いて
きらきら 僕の身体、きらきら 緑 透けて
浮き立つ波紋のエッジが重なり合う
エコーする空へ 絵空の向こうへ
ラララ 二人の避暑地
仰いだパーフェクト・ブルー
飛んだなら、
うだる音域に融けてメロウ
なまぬるい夏期講習
テレビを見て不思議なこともあるものだな、と寝転んで笑っていたらペンギンの集団が家に入ってきた。もちろん僕は驚いたけれど、聞きたいことはなかったので(というより何を言い返せばよかったか分らなかったので、取り敢えず氷をプレゼントしてその場を持たせようとした。
すると黄色いワッペンをしたペンギンが「塩の入っていない氷を我々が食べられるものですか?」と先頭のペンギンと一緒にグウァグウァ言い出した。僕は岩塩でもいいものかと、ますます分からなくなり「樹氷というお酒はいかがですか?」と黒い目で見つめているペンギンに勧めた。そのペンギンはうんともすんとも言わない。曖昧な目でただ僕を見つめている。
「あなた一体?」赤いワッペンをしたペンギンが困りましたわというふうに「我々は霊長類トリ科の二足歩行するペンギンですよ」と文句を言ってきた。
それに要を得たように「二足歩行するという点が我々を飛躍的に進歩させたのです」と黄色いワッペンが強く主張する。
そこで僕はピンと来たのだ。あのストラドダムスの大予言、北極南極大戦争がついに到来するのだということを。その理屈は人間が南極に基地をあちこちに建設することにたいし、ペンギン達は「南極は南半球に位置するものである。第一次、第二次世界大戦を北半球で行った人間は半球の北側に永久に留まり、かつての戦争の反省をしなければならない」というものだった。
なるほどな、と僕は思った。でも何処かしらスランプ気味のペンギン村的発想が見え隠れしていて、それはあざといことだなと思い、それにしても超人的な理屈だと思った。
「飛べない鳥はアヒル…」僕はつぶやいて、池尻大橋の部屋から出て行った。
>そこで僕はピンと来たのだ。
>、池尻大橋の部屋から出て行った。
>冒頭、ちょっと面白いか、と思って、読み進めたのですが、残念。
>個人的には、読み進めれば進めるほどに、面白くなくなっていった。
僕、花柄だったら良かった
夜風にカーテンが揺れない
重い荷物が
揺れることを許さないの
重い荷物、
それはまなざしであったり
記憶であったり
結局は
僕の痛みすべてで
朦朧と
メリーゴーランドはまわるのでした
壁をつたって
天井を這って
にせものの僕がやってくるよ
たくさんやってくるよ
そうして
真綿がじりじり、と
首を締めてくるから
吐き気をもよおすのでした
たすけてたすけて
限界なんだよ
世界があふれてる
たすけてたすけ、て
毛布を頭までかぶれば
またひとつ世界が増える
にんげんって悪趣味だ
僕、花柄だったら良かった
部屋が僕でいっぱいになる
喉からも僕が手を伸ばして
伸ばせば
いつのまにかまぎれこんでしまったのです
僕は何人いますか?
ひとり
ひとり
かぞえていけば
かたっぱしから羊になった
たすけてたすけ、て
そう云ったのは
羊たちだった
朝までには
朝までには僕たち
世界を全部消してしまうから
ゆるしてゆるして
そして沈黙
涙で海を
つくるのでした
世界をちゃんと壊してね
なくしてしまってね
せめて引き出しをちゃんと閉めてね
夜風にカーテンが揺れない
病んでいく暗闇
ゆるしてね
僕が花柄だったら良かったのにね
>たすけてたすけ、て
>ゆるしてゆるして
>世界をちゃんと壊してね
>なくしてしまってね
>僕、花柄だったら良かった
>限界なんだよ
>世界があふれてる
>たすけてたすけ、て
>にんげんって悪趣味だ
>ゆるしてゆるして
ジャムを一壜ちょうだい
満天の空に投げる
アラスカ地方に花が咲く
真っ白な氷の足あと
夢のように食べた最後の道しるべ
僕は実存じゃない、
一匹の蜂が僕のほうに飛んできて、
毒針をむき出したけれど、
あの蜂は僕を刺すことが出来ない。
「死んでしまった蜂」
ぴったりと腹につけられた足、
だらしなく垂れ下がった触角、
まったく動かず、
うつむき転がる。
世界のハチミツが、
寒気に変わった。
さびしく、
しずかな夜だった。
「生きている蜂」
見向きもされない死体、
冷淡な目、
忙しく働き、
日暮れには巣に帰る。
世界のハチミツが、
寒気に変わった。
さびしく、
しずかな夜だった。
「蜂」
いかにも死んだもの、
いかにも生きているもの、
水の変化によってだけ変わる。
僕は実存じゃない。
世界のハチミツが、
実存に変わった。
甘く切ない夜だった。
(志賀直哉「城の崎にて」にささげる)
※結構昔に書かれたものです。一部修正しました。自分でも、今とはかなり違うなと思っています。
化膿した傷口にかけた
オキシドールの泡
今朝会った老猫の目を
傷の中に見つけて
妙に納得した、これが君の言う小海の猫だと
どんな小さな水たまりにも
小海の猫がいると言う君、(と目の中の猫)
それはきっと
僕らの子供
(君も分かってるはず)
両親に捨てられて
猫の目をしている
わずか3ミリで
消えた
(水の子)
(それは不問律)
オキシドールの泡は
小さく音をたてて消えた
(傷口)
君はそれを見ない
(……!)
名前は小海の猫
>佐仲さん
>化膿した傷口にかけた
>オキシドールの泡
>今朝会った老猫の目を
>傷の中に見つけて
>妙に納得した、これが君の言う小海の猫だと
>どんな小さな水たまりにも
>小海の猫がいると言う君、(と目の中の猫)
>それはきっと
>僕らの子供
>(君も分かってるはず)
>両親に捨てられて
>猫の目をしている
>わずか3ミリで
>消えた
>(水の子)
>(それは不問律)
>オキシドールの泡は
>小さく音をたてて消えた
>(傷口)
>君はそれを見ない
>(……!)
>名前は小海の猫
>どんな小さな水たまりにも
>小海の猫がいると言う君
始めましては苦手でございましょ
仲良うするも苦手でございましょ
押忍VS押忍の雄バトル所望でしょ
滅すVS滅すの雌バトル所望でしょ
ちゃうけ? ちゃうけ? ちゃうけ? ちゃうんか?
話は早い 試合は居合い 間合いは近いが良い
どっちが強い どっちが凄い どっちがヤバイ
一撃必殺で決めやしょか 一撃虐殺決めましょか
優しさ要らん 強気の愛情プリーズ
恋なぞ知らん 凶器と愛憎プリーズ
罵倒だけじゃツマラン 眼差し逸らさず認めてプリーズ
解析だけじゃ騒乱氾濫 愛情持って超解体してフリーズ
推せ 敲け ボコって爆ぜろ
骨法殺法外法に魔法 駆使してこいや
努力経験仲間に愛情 駆使してこいや
いつでもどこでもかかってこいや
だれでもあれでもかかってこいや
おまえもあいつもかかってこいや
退屈が虐殺を始める前に。
生命のないものに
かたちが宿るというのは
とても不思議なことだ
夫はすでに会社に行ってしまっていて
私はパジャマのまま
ソファーに座っている
雨が目まぐるしく 窓ガラスを打ちつける
小骨の多い魚みたいに 私は部屋にいる
雨が少し小降りになると
玄関からのそっと
とても大きなクジラが入ってきて
私の居る部屋のソファーの隣に座る
「話し相手になってくれるのかい?」って
クジラに話しかけると
彼は甘い鳴き声を上げて
チェストの上に置いてあった
時計とか 鏡とかを
ぶるんっと振るわせた
彼の体の尾びれに弾かれて飛ぶ
とても手ごたえのある
そのとても男っぽい動きに
私はうっとりして
彼の肩に頬をのせた
「気にしないでいいの 壊れたものは
また買えばいいのだから」って言うと
私は彼の大きな背中に抱きついて
この大雨のせいで
君もきっと
あの海からやってきたのね
私も去年
そうやってこのうちに来たの
だから一緒だねって言うと
彼の胸の中の
とても大きな鼓動がコトコトと
甘いラブソングみたいに聴こえた
そうだ!
これから君がやってきた
あの海へ行こう
車に乗って
これからドライブするんだよって
耳に囁くと
彼の男前の顔が
わずかに歪んだような気がした
雨の中
ぱっと傘を差し出し
ワゴンに彼のお尻をギュッと詰めこみ
窮屈そうな助手席の彼を尻目に
車のギアをドライブに入れる
ダシュボードの下に
ビスケットとチョコレートがあるから
好きなだけ食べてって
言うが早いか
彼はそれらをぺロっと一口に
平らげてしまい
あまりのその行動に
あきれた私の大きな丸い目を
キュッとかわいらしく見つめる彼の目
それから私は彼を
ランディと名づけることにした
車はとても底力があった
ドスンっと とっても重たい彼をのせて
よく走ってくれた
海に着いたのは 午後の3時前
そこは人気のない海辺で
わけのわかんない感傷にとらわれてる場合じゃないって
きゅっと眉を上げ
ギュギュっと彼の尾びれを引っ張り出した
車から彼を降ろすと
バイバイって
軽く手を振った
ほら
そこが君の帰る場所だよって 指をさすと
彼はずん胴の体をくねらせて
海の方へ向かっていく
その大きな肩と 背中とが
人で言う うなじの辺りとかが
なんだか
夫に似ているような気がして
私は思いきり
「バイバイ」って 手をあげて
つま先を持ち上げ ランディと海に向かって
思いきり叫んだんだ
バイバイって
思いきり 叫んだんだ
恐い夢は何処から来るの
闇の奥の奥 とぐろを巻いた白い蛇
その蛇が目覚めたときに
蛇の見た闇の深さと同じだけ
夢の中に送り込まれた言葉にならない恐怖が
僕の中にプロモーションされる
闇の薄れた細い揺らめく筋は光なんかじゃない
白い蛇の体温で熱を持った細い湯気が
揺らいでいるだけだ
湯気は何処まで続くのか分からない
蛇の怒りやら苛立ちやらが続く間
長く延びて僕の夢に紛れ込む
白い蛇は闇の中で自分が透けるように白いことも知らずに其処に居る
そして感じているのが恐怖なのかも知らない
ただ僕に届く湯気が見せる夢が
僕には恐ろしいだけだ
蛇は眠るんだろうか
目を開けても真の闇
目を閉じても真の闇
僕は 大きな まるになる
僕は 大きな まるになる
小さな まるを 飲み込んで
小さな まるを 飲み込んで
そして 大きな まるになる
体力つけて まるになる
立派で 大きな まるになる
小さな まるは おどろいて
小さいどうし まるになり
仲間と あつまり まるになり
僕より 大きな まるになる
あっと言う間に 飲み込まれ
僕の歴史は なくなった。
>こんにちは。初訪問です。FAUSTと申します。宜しくお願いします。
>一行目、二行目か
>三行目、四行目
>のどちらかだけの繰り返しで終盤へともっていけたらと欲が出ました。
>うーん、正直に言います。ぼくにはわからない。
ケンタウロス座のくらがりから
一房二房垂れつづく映像は垂柳
風のながれに解け絡まり点滅し
その楽音はきわめてつめたく。
目を閉じながら雨音だけ聴いている。
目を開けると世界がとおのく
丸まる景色、そうやって距離を遊び
幽体離脱しようにもおもったよりおおきなからだ
唯唯耳のみ風に運ばせ
遠く近くに編む映像
葬列は、
喪服は雨に濡れて蒼々と
「死者が誰なのか」
尋ねても誰も答えない。
掌の雫のとおい円み。
朝靄か雨霧か
そんなことはどうでもいい。
皆、顔は思い出せないくらい白くて、
実際、多分二度と思い出さない。
(でもふえたりへったりで
これが全員かわからない
ゼンインとはいったいなにかも)
葬列は次々と家を通り抜け
木々を薙ぎ払うこともせず
こんこんと粛粛と歩を進めた。[The funeral procession walked along ceaselessly in solemn silence.]
その跡はうっすらとなり星座になった。
誰も名を尋ね合わない。
。
風が通り抜け或る者は
十字架を握り或る者は
数珠を握った。
僕は何も持っていなかったので、
自分の小指を握り、
握った。
時間が凍えて遅くなった。
目を閉じて世界を試し、
目を開けて世界を夢みる。
人の一生が
数時間か数日前に終わったのだ。
そして幾つかの朝と真夜中を経て
葬列が出来あがった。
シルクの匂いと
鼓動の音色のする葬列。
それは朝の光とともに
消えてしまうかも知れない。
消えてしまってもいい。
目を閉じると
誰かの映像が見えた。
目を開けると
風の虹色の歌がみえる。
>誰も名を尋ね合わない。
朝 君と出会った 春の日 初めて
擦れ違った時の あの匂いは まさに春
一目惚れとは こういう事を言うのだと
枕と二人 語らってた
明日も会えるのだろうと 飛んだページに 続きを書く
気付けば朝 枕元に 何かの足跡が付いていたよ
可愛い夢の猫 君と同じ 春の匂いがした
朝 君と出会った 春の日 記念日
向かい風に運ばれた あの匂いは 君の春
一目散とは こういう事を言うのだと
曲がり角に 差し掛かる
朝 やっと分かった 春の日 初めて
見つけた時 あれ 居たのは 君とクラスの男子
一目惚れとは 情けないものなのだと
枕と二人 語らってた
明日も会わなければいけない 飛んだ拍子に 川に落ちる
気付けば朝 枕元に 涙の湖が出来ていたよ
湖面に光る月 君と同じ 春の光の色
気付けば朝 枕元に 何かの足跡が付いていたよ
君と同じ 春の匂いの 夢の猫が居た
可愛い夢の猫 君と同じ 春の匂いがした
僕は歌う 飛んだ拍子に 春の歌
カズラが花をおとし
森に住む蝶が
深々と死にゆこうとする八月
砂地から
こころないひとが訪れる
こころないひとは
分銅の肩を持っており
踏み入ると
腐葉土からは
ムクゲの細かいしぼに似た
小さな小さな蝶たちが
その肩に連綿と留まる
祭が来たのだ。
こころないひとは
ひと呼吸おくと涼やかに
森のこいうたを歌う
分銅のよう
定められた目方どおりにうたごえは
ああ
そのうたごえは
溶解し
蝶は歓喜して微震する
小さな翅が痙攣し
あぶくのような卵をこぼす
蝶たちは
うたを手紙だと信じて
疑わない
祭が終わり
こころないひとが
きびすを返して砂地へ去ると
森の蝶は深々と死にゆく
次の祭では
己の死骸を
こころないひとが躊躇なく
踏みしめることを願って
次の祭を
願って
>ターザインさん。
>平川さん
>佐仲さん
ここにいる人はみんな変です壁に貼り付けた遺体のようです壁に貼り付け損なった異体のようです犬を怖がる人に悪い人はいませんが、あなたはバカだから、そうやっていつも肘から折れ曲がっているのですね。なるほど、バカだから、そうやっていつもあなたは首からぶら下がっているのですね首からぶら下がった下の部分のことはお構いなしですか。けれどそんなに肘から折れ曲がっていては不便でしょう。いつからそんな風に折れ曲がってしまったのですか。さかりのついた犬のことをママと呼んでしまったからですか、かたことかたことと、老婆が押す車に轢かれてしまったからですか。火星の牛のことを考えてしまったからですか? 教えてください、今、地球には何本の毛が生えていますか?
はい。ありませんから僕は、決して犯罪者では。ありませんから犯罪者では。どうかここから逃がしてください服を着たくはありませんから、これ以上あんな服は着ていたくはありませんから、ここは暗くて狭くて、鉄筋コンクリートの床から壁からにじみ出たあとで染み渡る骨の痛みに立体的な亀がいつも僕を空中で貼り付ける縄ばしごを僕に下さい、そして三つ編みの少女の髪を掴んで、僕は、逃げるのですが、逃げるのは苦手ですが、逃げなくては逃げられませんから、逃げるのですが、逃げるより前に逃げ出すことはできませんから、逃げるのですが、けれど逃げる前より前に逃げ出すことはできるかもしれませんから、僕は逃げる前より前に逃げ出しますから、あなたは、逃げる前より前の、そのあとに逃げるのです。だからあなたはカバを背負ってください。僕が目玉をくりぬきますから。そしたら僕が空気を入れて目玉を膨らませますから、その間にあなたは、壁に掛かった半ズボンに目配せしてください。それが合図ですから。今はたっぷりとヨーグルトの詰まったあの看守のでっぷりとしたシカバネを叩くための長い棒があなたには必要ですがラの音で叩くと三点というルールにしてください。なぜならドレミのラはラッパのラであることより先に、ドレミのラであったはずなのにいつもラッパのラであることを強要され続けて少し悲しいからです。その黒い鞄には僕の糞がたっぷり詰まっていますので大切にしてください。最後、僕の糞の合図によって大統領の部屋の赤いランプがぽっと灯りましたら、すべての戦争が終わりますから大切にしてください。もちろん現存する一部のアメリカ大統領は僕の奥歯の間に挟んでありますので、安心してください。僕はもうじき増えます。増えたらちょっと面倒ですから、増える前にやるべき事をやるのです。
まあ、一体どうしたというのですか、またあなたはあのピンクのラクダを失望させる気ですか。分からないのですか、世界が壊れて、世界中至る所で、ヘルメットが不足しているのですよ! 地球上あらゆるところで、ヘルメットが、ヘルメットが不足しているって言うのに、なのに、なぜあなたは、そうやってあごの下からひっくり返って、肘や膝から折れ曲がりながら、首からぶら下がっているのですか、ヘルメットが、ヘルメットが、不足しているというのに!
ぼ、ぼ、くあ、あ、あた、たた、あ、たしの。あたしの彼はあの人たちのボーマン嚢を経由してランゲルハンス島へ行ってしまいましたのであたしはいつも、あたし自身を隠し損なうキッチンのフライパンの下で、彼を待っていました。
彼に会ったら。
あたしが彼の内臓を引きずり出しますので、あたしが彼の内臓を引きずり出すスピードで、あなたは壊れていいです。彼らはエスカルゴを殻ごと平らげますが、とてもいい人たちです。どちらかというとナイスですから。ナイスですから。ナイスナイスナイスな人たちですから。
それでは取りかかりましょうか。
>内容のない流れて終わりのエンターテイメントになってしまわないのは、ヒダリテさんの作品には、主張や思想性が感じられる一フレーズが絶妙に盛り込まれているからだと思います
>最終連嫌悪感を感じそうなのに感じない不可思議が作品の強度を持たせているように感じます。
>……その後がちょっと寂しいかなって気がします
>「楽しんで貰えれば十分だ!」というタイプの書き手とはヒダリテさんはちょっと違うかな、って気がしますし
>「三つ編みの少女」のイメージをもっと印象強く使いまわした方が良いと思うし、「ランゲルハンス島」について、脳内部署の説明は不要だと思いますが、南太平洋かどこかに存在する架空の島、ランゲルハンス島への船出の様子を描くとか、得体の知れないことに重心地点を持たせてを加速させる手はあると思います。