三途の川で水遊び
ちょっとお水がひゃっこくて
ちょっとお熱がでたみたい
川原の小石で水切りを
ちゃっちゃっちゃぷん
ちゃっちゃぷん
ゆうやけこやけで渡るんだ
初めて契った あの人と
遠き想い今もなお
初めて契った あの人と
でんでん虫がはうころに
でんでん虫がはうころに
>ちゃっちゃっちゃぷん
>ちゃっちゃぷん
>ちゃっちゃっちゃぷん
>ちゃっちゃぷん
>・・・・・・・
>・・・・・
どうしよう いそがないと
あしたがあさってとくっついちゃう いそがないと
ぼくのさいぼうのひとつびとつが
おそらのほしのかがやきが りんごのみのあかるさが
じょうぞうされちゃうよ いそがないと
うみのなかで さかながたばこをすっちゃうよ
どうしよう
どうしよう いそがないと
ともだちみんな きらいになりそう
おかあさんもおとうさんもみんなみんな いそがないと
ふかいふかいたにまから
せまいせまいかたすみから たゆとうかげろうのむれが
ながれる いのちのかぜ? いそがないと
ぼくのあしがとまっちゃうよ
いそがないと
いそがないと
ぼくはきっと きょうにもどってこれなくなっちゃう いそがないと
ちぎれたきみがむかえにきちゃう
どうしよう いそがないと
>どうしよう どうしよう いそがないと
>りんごのみのあかるさ
>じょうぞうされちゃうよ いそがないと
>�,�たすみ
>�△燭罎箸�
>��いのちのかぜ?
>いそがないと
>うみのなかで さかながたばこをすっちゃうよ
>どうしよう
>どうしよう いそがないと
初めから、終わりまで、すべてを、いくつかの分節に切り分ける、そうやって、Aはたち現れた、聞けば、君は、どこか遠く、私が知らない、土地で育ったらしいね、雨は降らない、家族は、友人は、あぁ、それも無い、なるほど、孤独、それも感じない、と、そして、いくつかの接続詞によって、生まれ出でた、草原、の、中に、見えた、蛙、と、なって、世界の表面を、水面を、飛び跳ねると、それはまるで、音楽のようだ、と、指揮者は語り始め、終わるわけか―母の背骨から、生えた、男根、と、言う、一つの恐怖が、私の小さな部屋のドアを強く叩くのではなくて、弾く、弾きあった、表面張力の、均衡の、うちに、Aは、いた―さて、怖がる前に、いくつかの言葉を吐き出す、意味など無いのに、ギャー、ウワー、という、一つの、暴発した、言葉の魅力について、突然、すべての楽器が同じ音で鳴らされるのと同じさ、浮かび上がってくる、そして、瞳は、くるくると瞼に包まれて回って、地球儀という球体は、宇宙の底に落ちていく、「がしゃーん」、車など一度も運転したことが無いけれども、考えられるだけの、教科書をめくって、Aを見つけ出す、ダンボールを被った、猫が、にゃー、と、玉蜀黍畑で、発見されるまでに、地球の外殻上では、騒々しい、乾ききった、餓えの中に、まかれた、種、の中に、広がり続ける、永遠という、すべて、エリーゼ!ぼ、ぼくの、額、に、う、うちつけられた、ひ、ひとつの、こ、こくいんんんんの、黒光りする、あ、あなたの、髪に、いきわた、わたった、光、光、光、と、とうさんを、かあああああさんを、君の、背骨、に、に、みつけた、日、のらりくらりばらばらになったなまくびをかたにひっさげて、やってきた、てっぽうたいの、じゅうだんの中に、こめられた、じゅんすいな、じゅんすいな、みず、すみきった、みず、みず、パーリプッタはいった、バライシャのかの国に、生け捕りにされた生首があるが、鶏に先日食われてしまったと、これは、何を意味するのか、師曰く、それは、一つの定めである、ニワトリは食われた、食われちまった、腹の中で、コケコッコーとないてらぁ、くそぼけ、しね、と、言う吐き出された単語、から、はじまって、そろそろ、と、君はそんなにも心がほしいのか、負け犬のピノキオは答えます、カー、カー、カーと、三度鳴いて飛び立ちました、初めての牢獄に差し込む日差しに私は目を奪われた、このような罪深きもののために、神はわが元に一つの光を差し込んでくれると!、カーカーカーとピノキオが帰ってきました、ズタボロになって、よる、つきがのぼって、おちるまでに、すべてのいふくをはぎとられて、はだかのままあさをむかえて、ひるをむかえて、わらわれて、いしをなげられて、またよるがやってきました、エリーゼ!、も、もういちどだけ、は、はなを、くわせろ、母の背中から、今日も、男根がはえている!それも、醜く勃起しているじゃないか!
水のない水槽の中に、脱け殻が残っていた。
今日も不完全な朝を控えて、私は眠り続けて
いる。ゆらゆら、と描く曲線に、わたしのく
びすじにそっと触れる羽根と七つ足の感触に。
ざわめいているのはいつも水面の下での出来
事。
点滅する電灯の度に、隣室で誰かが悲鳴を
あげている、バスルームからは色のついた水
が溢れ、わたしはまだ窓辺に鳥が訪れる日を
信じている。潮を上げる海がわかる、酷い匂
いのする油の浮いた海の上を、下弦の軌跡で
鳥が過ぎる。
羽根の痛む背中で、分厚いコートを着た人
達が熱帯夜を憎んでいるのがわかる、車のエ
ンジン音が過ぎるたびに。わたしは冷蔵庫の
中で囁く子ども達を、一人ひとり窓辺に干し
てやろうと思うのに、足先が鼻梁を横切って
いく。
今は、熱帯夜に疲れた人達が円卓を囲んで
トランジスタラジオを直している時間。少し
ずつチューンされていく、後頭部に抱きつく
七つ足の感触に、節くれた腹が粘つく皮膚を
撫ぜていき、まだ回線は繋がらないまま、鼻
のカテーテルだけを刺しなおす。
音を探す、海が満ちる前に。水槽の中から
ひかりも待たずに飛び立った七つ足。水面下
のざわめきは、いよいよ大きくなる、わたし
は耳を塞いで流れ続ける、海鳥の群れが同じ
軌跡を描きながら、ただ螺旋を捧げている。
定められた音律を適切に守りながら、非常
階段を昇っていく群れが見える。白み始めた
月が、海鳥の群れを鮮やかに映して、潮を上
げるたましいのために、全ての蛍光灯の紐を
引きちぎって回る彼らは、わたしの上を七つ
足は歩き回る。
青白く光る月に、わたしたちはただはにか
んだまま、蘇る強い痛みを待ち続け、防波堤
を滑らかな波がそっと越えていく、グラスに
注がれた水銀の中で、七つ足は沐浴を始める
わたしの肋骨がさかさにねじれるたびに、サ
ーモスタッドの温度はいつも低すぎる。
水面を切り裂いてゆけ、伸ばした指先から。
わたしの鼻梁を発射台に高らく、格子窓を貫
いて、わたしの肉を腐らせた優しさで、朝を
完全にさせる軌跡を描いて。屋上に辿りつく
人々を、囁くように導きながら。
>七つ足は沐浴を始める
本当は何もなかった世界で
僕ら、どっぺるげんがぁ
のけぞり、裏返る日々
赤、青、緑
ジェリービーンみたいなヒキガエルの
あっちやこっちで破裂する街の赤、青、緑、の
スケートボードの鋭角で突き刺さる少年たちの
バクハツした切符で飛び乗る電車の
どっぺるげんがぁ 爆風で飛ぶ
ホイールキャップをぶちまけながら
滑走する週末の自動車の終末
最期のクラクションは
僕らの行為の停止が
すなわち死を意味するオブセッション
空腹のチンパンジーのやり方でうろつく僕らの
街のあらゆる場所では
誰かと誰かのどっぺるげんがぁ
ひたすらに、衝突、分裂し
摩耗する午後
ある日、急行の止まらない駅のホームで君は君の愛をフルスイングする君の情熱の戦車の如き二の腕の断続的に肥大する血管の中を駆けめぐる無数のヘモグロビンのオーバードライブ。向かいのホームのキオスクをぶっ飛ばすかもしれない君の愛の激情が、案の定向かいのホームのキオスクをぶっ飛ばす時、君の愛の劇場の観客は一斉に舞台上から主演女優を引きずりおろし、民衆は壇上から大統領を引きずりおろし、僕は君の純白のパンティを引きずりおろす。そして、そこに七秒間で写経する僕のハヤワザ。ノーパンで君は「好きよ」とつぶやき、僕は「南無」と答える3番ホーム。轟音とともに飛び込んでくる特急電車の爆風の中、人々は裏返りながら飛散し、僕らは抱きったまま、上空4百メートル。君の瞳の中、君によく似た僕がいた。
そして
風車
たんぽぽ
映画館
様々な事があっという間に起きたというのに、あるいは起きたそばから、引き倒される大がかりなコント仕掛けの張りぼてのセットの上、僕らアルマジロのように。経験したそばからリセットされ、奪ったそばから奪われる世界。つまり世の中のすべての事件はドリフのコントのように行われつつあり、そして起こってしまったすべての事件はドリフのコントのような終わりを迎えつつあるということに気づいてしまった君が、だめだ、こりゃ、と言いかけて鏡の中、手を組み合わせ、神に祈る。
そして僕は僕の精神の卵巣を除去されたラビの境地で弥勒を待つテレビの前、僕はすでに何十回も見た「アリ対イノキ」のVTR、客席の中に黒人である僕を発見したし、白熱のヤンキースタジアム、三遊間を痛烈に抜けていく僕自身の姿を見つけたし、爆撃の跡のバグダッド市内、瓦礫の山に飛来する1羽の鳩として僕はそこにいたし、つまり僕はある意味においてこの世界を甘受しつつあったのだけれど、にもかかわらず今度こそ何か重要な秘密が書かれているに違いないと君がスーパーで偏執的にひっくり返すあらゆる商品のその裏側には、無表情な数字の羅列、それ以外には何も書かれてはいない。君の通った跡は裏返された無数の商品がその恥部をさらしつつも、やはり君にはその意味を知る術がなく、君は取り乱し君の手のひらを確かめるが、当然そこに君の顔は映ってはいない。けれど瞬間、雷に打たれたように何かを悟った君が何か霊的な言葉を発した直後、全速力で外に飛び出しそのまま、路線バスとどっぺるげんがぁ。裏返り、空に消える。
本当は何もなかった世界は、本当に何もなかった世界で、僕は僕でなく君ですらなかったある日、僕は君によく似た僕によく似た君によく似た君の姿を見つけた僕は、たまらずどっぺるげんがぁ、したくなって君に駆け寄り。
……たばこ屋の角を曲がったところで以前君とどっぺるげんがぁしたものですと言った僕のことは君は覚えていないわと言ったけれどそれはもしかしたら君とどっぺるげんがぁする前にコンビニ前で蘇ってしまったけれど蘇ったところで何もなくてコンビニ前をうろつくしかなかったネアンデルタール人とどっぺるげんがぁしたばかりだった僕が君とどっぺるげんがぁできなかった僕は誤って郵便ポストとどっぺるげんがぁしてしまった僕のどっぺるげんがぁするべき君を見失った僕とどっぺるげんがぁしたはずだったネアンデルタール人はあるいは僕だったかもしれず君は郵便ポストだったのかもしれないのだけれどその時偶然通りがかった三丁目の……
>イメージが物語を強引に巻き込んでいく瞬間も感じない
>前のめり気味に進んでいく物語の展開が、
>読み手の期待に追いついてこない。
>その向こう側にある何かを提示して欲しい。
>3,5、6、8連の怒涛の流れが成功していないと思いました。
>一連、二連の流れ……
>うーん、ヒダリテさんのハードル完全に上がってしまってますね。
>出来ればもっとめちゃくちゃにやっちゃってください。
>タイトルが作品の質をなにも反映してない
>中盤のスピードがヒダリテさんの特質だと思うので、序盤と終盤がそれを殺しているのが残念です。
※この詩は、下の行から上の行へと読んでください。
人間というものを。
私たちは知らなかったのです。
私たちアンドロイドは、母の葬式で涙を流しませんでした。
だから私たちアンドロイドは、同じ過ちを二度と繰り返してはならないのです。
人間が絶滅した原因は、しっかり塩味の涙を流さなかったからです。
これが、激しい運動の前のストレッチです。
これは、今流行の占いの診断結果です。
荒れ狂う地面、逆立つ前髪、広がるホクロ、食い破られた内臓です。
救急車を呼ぶなら電話番号は「重要なのは言葉ではなく、体の温度でした」です。
沸騰した味噌汁で舌を火傷して、何もしゃべる事ができなくなった時、
真剣に怒ってくれる人とぶち当たった時に、嬉しくて塩味の涙を流すのです。
日本中が母子家庭です。父親は不在です。
それが、おふくろの味です。
それは、水が脳味噌の呪縛から逃れようとする化学変化です。
そして、日本中の味噌汁が沸騰します。
自動車は回転しながら、垂直に上昇して行きます。
その恐ろしさに、小鳥達が一斉に振り返り、ペットの犬は死んだ振りをし、
と、歯を剥き出して、よだれを垂らしながら、狂ったように叫ぶのです。
「いいか。敬語は使うなよ。形式ではない本心でぶち当たって来てくれ。」
そして、自分よりも目下の者に対して、
もしくは、何も書かずに念力を込めて、白紙のまま提出して下さい。
余白が完全に無くなり、紙が真っ黒になるまで塗りつぶして下さい。
文字と文字の隙間に文字を書き、さらにその文字とほか文字の隙間に文字を書き、
文字の上に文字を重ねる事はもちろんのこと、
もし、文学でご飯を食べていこうとお考えならば、
だから、直接会うことはできないのです。
母の死後、税金は支払わなくなり、指名手配中です。
電話番号は「直角を測ったら正確には88.45度でした」です。
商品に不備があった時、誰かの心に問い合わせたいなら、
>すべてが良いと言えるほどの感性の広さも持ち合わせていないでしょうし。
>インパクトのある言葉と意外な言葉の組み合わせ
>をただ単に羅列しているだけに私には思えました。
>わざわざ表記しなくてもそう読まざるを得ない(下から上に読ませる)ように
>仕上げると良いのでは?
>あと、作品を発表したなら胸を張られてください。
>胸を張りにくいとしたら、それは作品に自信が無いということです。
>上から読もうが、下から読もうが、単なる言葉遊びと云う印象が拭えません。
>わたしはひねくれ者なので、この詩上から読みました。
>あとで下からも読んでみたのですが、上から読んだのがおもしろかった。
>本気で読んじゃいけなかったなぁとあとで思ったのですが
>(それはタイトルに帰ってみたからで)。
>他者評価を放棄してるようだ。そこに逃げ込むのは、ここでは許されない。
>話が吹っ飛び過ぎです。「管理人の強度?」それと一体あなたへの批判に
>何の関係があるのかと。駄々こねてるようにしか見えないですね。
>「すべてが良いと言えるほどの感性の広さも持ち合わせていないでしょうし。」
>一体、ナニを仰っているのか。全てが良い?そんなことはあり得ない。
>そういう場所がお好みなら、そういう場所へ行けばよい。
>腐るほどあるでしょう。感性の広さ?使う言葉間違ってないですか?
>ぼくの作品もダーザインさんの批判に含まれているだろうことは認めた上で。
>>そして、日本中の味噌汁が沸騰します。
>デート時、せっかく念入りにおめかししてきたっていうのにジャージでや>てきた彼氏。
>ダーザインさんはこの作品が面白くないと言ってるだけですよ。
>何でこんな着想をしたのか、と考えると、やはり、作者がそれだけ文学に
>傷ついているからだと思う。原口氏が言うように「読み手の創出性を提示
>するものだといえるかも」というふうには僕は考えない。書くということ
>に異常な不自由を感じている一人の書き手がいることが分かるだけだ。
>俺は最初から指示通り下から読んだけど
>コーヒー吹き出した
>に感想を長々と吐きました。それに対するお二方の返答、一体アリャア何ですか?あれこそ無礼と言うものじゃないんでスカイ?
>デート時、せっかく念入りにおめかししてきたっていうのにジャージで
>やってきた彼氏。そのような感じなのです。
>カッコつけてなんぼと言ったら言いすぎかもだけど詩ってそういうもの
>じゃないかと。何も紳士的に花束を携えてとまでは望みませんが、
>それなりのムードは欲しいです。
>3つくらいの事柄が混ざっているのではないか
>電話(人工的、機械的?)、家族、言葉への挑戦
>なんというか無節操に言葉をかき集めている、その作者自身の息づかいが
>作品に出てしまっている気がして
>服装は大事、ひらたく言えばコミュニケーションですよ
あ:
あ、あ:
は、な:
な、
に、は。な:の:
ゆ、う:
い、 れ、
うれ、うれい:
、い。う:
ゆ、 れ、
うれ。うれい、ゆれ。ゆーれ、
ゆ―――― いう、
れ――――、
……て、
……うれい、……て、は:
ちる、 な、の:
ちり:
しく、し:くし、く:しく:ち:、る:ち、
うつく。しく、し:うつ:くし、く:り。
……て、
は。ちり、て。は、な:
な、
に、
は。な:つ:
か、し:
し、 く、
くし、かしく:
ゆ――(う、つ:く、し。く:
れ――、
……て、(:しく、し
か、し:かしく
な:
つ:
なつ、かしく、
かぜ:の:ゆ――、
の、 れ――、
なか。で、あるいは:
あるいはなつかぜの
なつかぜのなかで
なかでうつくしく
なつかしくゆれて
なつかぜの ゆれ、は
かしくゆれ、ては あるいは
ゆ――、れ――、て、は うれいは
ちりしく ゆれては、はなは、な、の
うつくしく
なつかしく うれいは、なに、ゆれ、……て
かぜのなかで、ゆーれー、はなの、ちりしく
ちりこぼれたなつのうれいはかぜのなかでゆれてなつかしく
うれいのなかへとちりおちたゆうれいのはなのなまえはなに
こぼれたなつのしずくうつくしくゆれてはなれたてのひらの
はなれたてのひらに
てのひらにゆうれいをよんで
、あるいはあなたのてのひらの
なかで、
あるいはなつかぜの、なかで、あるいはなつかぜの
なかで、
あなたのなまえはなに
をよんで、 なに
あなたのなまえは
なまえ
はな
な
はなに
は
はなの
なに
はなのなかに
なつ
なつかしく はなばなのなかで
さく
はなに、はなつ (あるいは
のなかの:
なまえ:は、なに、 なつ
をかぜに、はなつ
(あるいはなつかぜのなかで、
> atsuchan69さん
> 平川さん
> rialaさん
> 彼女はまだ生まれていなかった
> 彼女こそは音楽 そして言葉
> ……
> そして泡の青白いリラは
> 不透明なる色の器の中
> ……
> 泡のままでいるのだ アフロディテよ
> 言葉よ 音楽にかえるのだ
> ……
> ―――――『沈黙』マンデリシュターム
>ちりこぼれたなつのうれいはかぜのなかでゆれてなつかしく
>うれいのなかへとちりおちたゆうれいのはなのなまえはなに
>こぼれたなつのしずくうつくしくゆれてはなれたてのひらの
> あるいはなつかぜの、なかで、あるいはなつかぜの
> あるいは、という言葉はやはり、相手を探しているように感じています。
> これはこれで成功しているとはいいがたいけれども、失敗しているわけではないと思う。
> 「な」は存在にとっての一つの証明である大きな一音ですから、大切に大切に扱って欲しかったんですね。
> 人に読まれる詩、ということを、共に考えて行きませんか、この詩は、もっと万人受けする綺麗な作品に出来たはずです。詩を読まない奴らが毛嫌いする小難しさというのは、俺たち自身が乗り越えて行かなければならないと思うんです。
>てのひらにゆうれいをよんで
> てのひらにゆうれいをよんで
扇風機まわしながら
息を確かめる
いつもより早く脈打つ心臓に
呼吸をあわせて
したたる汗を拭く支持が脳に届かない
死んだような顔が鏡に映し出される
冷たい水が俺の中に入り込み
生きてるんだって静かに伝達する
この先が見たい
台所がやけに現実的で
俺の意思を意図も簡単に溶かしてしまう
弱い人間だ
最近はつくづく思うんだよ
進むしかないのはわかってる
冷蔵庫の明かりに照らされてあの日に帰る
このまま死ねたらな
2秒後には消し去る言葉を何度も繰り返す
何かにすがりつきたくて
そこらじゅうを彷徨っていた
力のない足音だけが響いて
まるで希望のない俺を象徴する
もう泣いて笑うしかない
いつの時代も扇風機の前にいる俺に
変わってみろよと叫びたくなる
苛立つ俺に苛立つ俺
今日も地球はまわってやがる
洗濯機のアースが 空を指している朝
昨日叩き出した娘が 正座するベランダ
雀が一羽 軟骨をついばんでいる
妻がうしろで 流行歌を唄っている
僕のワイシャツが 乾かないベランダで
墜落した自転車が 避雷針に引っ掛かった朝
ひしゃげた前カゴから 靴下が零れている
屋上に散らかった靴下を 雀がついばみに行く
あの靴下 男物かしら 女物かしら 唄うように妻が言うと
娘は膝を崩して ステキ と笑った
バス停に いつもより一人多い朝
誰が余計なのか 指差す前に
定刻通りバスは来る
扉が開いて いつもより一人多く降りる
誰が余計なのか 指差す前に
定刻通りバスは発車する
僕がまた 定期券を忘れてきた朝に
電車通勤の猿が 席を譲ってくれた朝
唄になるまえの言葉が 吊革で懸垂している
車窓を占領する 干上がった海で
ワカメが体の塩を払いながら 陸に向かって歩いてくる
塩を集める役人が トラックに乗って海をめざす
踏切を挟んで 役人とワカメが目配せする
僕と猿を乗せた電車が その間を通過していく
地下道の入口で 爪切りを渡される朝
歩きながら爪を切る 他人の爪を踏んで歩く
爪を切る音が 地下道に木霊する
14番出口が 見当たらない朝に
毎日の仕事に疲れ果て
六畳間の湿った畳に
倒れ込むように横たわる
天井から色とりどりの
千切れた鶴の折り紙
静かに舞い落ちる
あなたの涙で折が揺れ
あなたの涙で一文字写す
窓から優しい風
千切れ折り紙
綺麗に並び集まる
見れば涙文字が浮かんでいる
それはあなたが書いた
自分の諷詠
誰でも悲しむ
あなたの生きて来た道
>千切れた鶴の折り紙
スコールを反射する鏡面のボールの感謝の産声で夜が終わる
ショールに豚にパールのトワレ、壊れた蓋付のシュガーポットに
カーテン越しに卒倒する架天の光、幼子の虹む名札、月墜ち朝顔の
丘、去れる五月の新緑の放火魔達を大鎌で攫ってゆく天使の蝋化
した光の麻疹に私は感染し、確かローズ花壇での異端のミント僧の
葬送で絨毯道の舗装を赤銅色の銃弾がロールシャッハ状に染め、手は
枕下のラブレターを失くした北向きの春へ蒔く、間に螺旋のマルクが
窓の中を歩く私の町並みを、可憐な少女の化繊のマタニティへ投獄し
孕んだ蝶々、の篭城により紅潮した空を金魚の引く馬車に乗って
逃亡して行った、一帯に歯医者の香りと白い筆跡の岬を窓に残して。
「狂うと足ると 籐のタンスに花咲くルルド
降る雨と繰るる土星のタンゴ 反語のフラッグ振るアルト」
背高草の疾走に依る幻想的な喧騒は天の頂点の葬列じみた歓声の
酸性の雨に完全に沈黙し、私の金木犀は散り北西からの塵が堆積し
理知の光が、近しい窓の女を刺し、カンザシが悲しみに落ちた路上の
歩調に合わせ膨張する宇宙、その夜光虫の散乱を観覧席で眺めるは
アベル、プロミネンスのみに扇子を扇ぎ、レンズで焼く睡蓮の図を
弾倉の12月で撃つ、乾燥した伴奏のノイズを椅子に塗装して
凍傷した下半身を拘束した、私は香草の半神的イメージを走らせ
螺旋の血液を行く帆船の完成を漫然とオーク材の机で幾重も罪状を
重ね、殺めた朝の反・セカイ的な光を反射する鏡面のボールに怯え
小声で覚えたての遠吠えを反芻する、タンスの関数の誘うダンスと。
「狂うと足ると 籐のタンスに花咲くルルド
降る雨と繰るる土星のタンゴ 反語のフラッグ振るアルト」
頸を刈ると、アパートにルルドを枯らす鴉のガラスの嘴、環状の晩鐘に!
――ウ,r.rゥ、℃ナァ-るウィカ、s,ウワロー・ハロー,rl..ウii,ィ架シタ!