出勤時刻 PM 6:0 0
薄曇る腕時計の差し迫る秒針
騒がしくて聞こえない
雨降り私はまだ黄昏の
ざらついた街のあおい肌を滑り落ちる水滴
高々と脳天突っぱねたシルバーメタリックの電気笛
急かされるまま特急電車へ滑り込む勢いで時計仕掛けの日々から飛び降りた
ガード下通路をいつもよりゆっくり歩く今日だ
抜けると天窓がステンドグラスのコンコース
見慣れたそこがいつもより小さく見えるこの不思議
ムーヴィングウォークを外れて歩く恋人達が遥か天空に浮いて見えたのは幻覚じゃない
弾き出された睦まじい老夫婦と並ぶようにして列車また列車へと
数えきれぬ真空をうつろいゆく二つの影が消え入りそうに揺らいだ瞬間、
不意に眩んでうねった地面
“あと5メートル”の地点で抜き去った光、
譲り渡された波間をくぐる私の、流れるスピードの枯渇した若さの彼方
ふと 濡れた緑の匂い、夜風が芽吹きを知らせる
無になる、街、時間も誰も皆忘れた
錯綜する記憶も
ああ、どれだかもう思い出せない
危うい耳の奥でくぐもるトランジスタ
でたらめと喧騒に掻き消されてまた忘れたんだ
錯覚に違いない
退勤時刻 AM 3:0 0
澄みきった空気はしっとりと肌へ落ちる、木々の毛穴から私の幹奥深くへと浸透する
土の鼓動が聞こえる、遠く、脈打つ球根は子宮のリズムを覚え
啜り泣く風は淑やかで、騒がしい、近い、
心臓がいる
急ぎ足で通りへ出てタクシーを拾う
閑々と蒼ざめた街、トラックと信号のネオンが呼吸のように明滅する
シャッターで重く閉ざし沈黙するビル
過ぎゆく車のヘッドライトは冷たく尖る、群青に走る一筋の銀
真空を伸びやかに突き抜ける金属音の眼差し
私はひとり安腕時計の風防のなか、追いつけずにまだ五月雨の
走りだせばすぐに高速へと入る、すれば眠りへ落ちる、いつも通りに
巡り巡る世も時も人も、回り回ってはめくるめく日々だ
それでも月はいつも通りに裏切る
三日月は黄色く可愛いバナナになれば冷たい銀鉤にもなる
満月は時に迫り来るほどに大きい、空を埋め尽くし今にも落ちてきそうに
またそれは時に赤く、生々しく、怒り狂った炎を彷彿とさせ目を合わせていられなくなる
内から食い破ってきそうな空恐ろしさに逃げ出したくなる
プラスチックの空をめくればそこにいる
キリキリと私を腸ごと巻き上げていきそうなゼンマイが
けれどもどれもが優しかった
すぐそこに、草木の息づきと月の表情だけが生きて
それは何より温かく、優しく、私より私らしく怖かった
雲隠れの高速を降りる頃には
運転手が呼ぶ
「迎えが来てますよ」
明るんだ空では舌っ足らずの鳥が囀る
奴はいた
息を潜める私に軽く手を上げ合図を送ると
駆け寄ってくるや否や待ち構えていたかのように両腕を広げた
一切抱かれるままになる
冷たいアスファルト弾く大きな朝、その揺るぎない愛に
もう一度帰りたかった
私は帰りたかった
私の人生とは夜中の国道だ
ムーヴィングウォークを渡る間に終わる
刹那にも無限にも似た、
まだ冷めやらぬ若い熱病の夢見の
最中、
>“あと5メートル”の地点で抜き去った光
>々と蒼ざめた街、トラックと信号のネオンが呼吸のように明滅する
>シャッターで重く閉ざし沈黙するビル
>>薄曇る腕時計の差し迫る秒針 騒がしくて聞こえない ざらついた街
>>滑り落ちる水滴 心臓がいる 揺るぎない愛に 私は帰りたかった
>ここが今自分の生ける現実社会とまったく同様のひとつの社会であること
刑務所の高いコンクリート塀に沿った道は、わたしの古びた
夢にまだ続いている。全てが鉛色だった。梅雨空も、長い塀も、
砂利道も。わたしは憂鬱な学生鞄をさげ永久にその道を歩き続
けているのかもしれない。
道の片側は畑で、所外作業の模範囚たちがやはり鉛色の囚人
服を着て働いている。畑の中には養豚舎があり、荷台に柵をし
たトラックが豚を運び出すために時折り横付けされていた。そ
して、今しも一頭の豚が荷台に引きずりあげられようとしてい
るのだった。
豚だって死ぬことは分かっているんだ。とわたしは思う。豚
は動物でさえない。より多くの肉を得るためだけにある家畜だ。
豚の精神など許しがたい。しかしどんなに人間が愚鈍さのなか
に豚を落とし込んでも暗愚な脳に光が射す時がある。
豚は力いっぱい抗う。肢を踏ん張り、荷台に載せられまいと
して。腹には引き縄が巻かれ、四つの肢は男らにとりつかれて
いる。豚はなかば横倒しになり、身をよじっては荷台のあおり
板にからだを打ちつける。
300キロ近くもありそうな大きな白い豚の肌は紅潮してい
る。あからさまに血の色を放ち、鉛色の空と、塀と、砂利道と、
おなじく鉛色の囚人とわたしを罵り叫ぶ。豚の甲高い鳴き声だ
けが刑務所の塀に響き、豚の波打つ腹の上だけに陽が落ちてい
る。そうして豚は運命の台に載る。
一仕事終えた囚人のひとりがわたしに白い歯を見せて笑った。
やあ、こいつもこの世の見納めってやつさ。 労働の充足感と
家畜への嗜虐が彼を少し陽気にさせていた。
豚はまだいくぶん興奮していたが、四つの肢を板張りの荷台
に落ち着けると精神は肉のなかで眠り込むようだった。豚の目
はうつろに鉛色の空をうつしていた。だらしなく涎が垂れてい
た。
不意に刑務所の塀のなかから、駆け足の掛け声がたちのぼっ
た。大勢の男たちの声は広がることもなく、垂直に空にのぼっ
ていった。重い足取りで、それでも一日が回転しはじめた。
> 300キロ近くもありそうな大きな白い豚の肌は紅潮してい
>る。あからさまに血の色を放ち、鉛色の空と、塀と、砂利道と、
>おなじく鉛色の囚人とわたしを罵り叫ぶ。豚の甲高い鳴き声だ
>けが刑務所の塀に響き、豚の波打つ腹の上だけに陽が落ちてい
>る。そうして豚は運命の台に載る。
暗闇の中で自閉した月がひとつ
それだけを頼りに、手探りに、鍵を探すひとりの誰か
風の匂い、
夜の起点はどこからなのだろう?
夜風に染み込んだ雨の匂いが辺りを湿っぽくさせる
足跡から読み取れるのは、
梅雨はもう去ってしまったであろうと言う事実のみ...
観測者はもういない
事実を事実として計測できるのはあの月だけになってしまった
不確かに世界が翳り始め、
辺りは次第に混沌に飲み込まれてゆく
夏の夕時、
光りが、何もかもが夜に閉ざされるかのように
自閉する月
閉ざされた世界のどこかで
あの誰かは鍵を見つけることが出来たのだろうか?
「結婚しないの?山内さん」
とは セクハラなんやけども
小さい都市なのでまあ
お茶菓子とともに 語り合い
娘がおりますけど あんたら 話したらひきますやんかあ
アチラが立っても こちらは立たずですわ
最近は 女がいかに下ネタを
おしゃれに おもろく言うか
研究してますわ
コピーコピー言うて複写
それは腹射でおますか?
「山内さん、先週の議事録、どこ?」
私のかいた 売上報告の
上に 乗っています
ストッキングはまともにおしゃれが出来ひん
会社帰り用 黒のレッグウォーマーは
昨日 別れたお友達の
「靴下が 切れてるで」
ということで納得
路面コスメ店で
光らへん口紅など探したくはないけれども
フェイスパウダー「舞妓はんの おしろい」のパンフレット
透明感に惚れ惚れどす
崩れにくさは お墨つきどす
絹パウダーは お肌のうるおい守るさかい
嬉しおす
自分は大阪どす
おしゃれなカフェなどに一度寄っても
二度とは寄れへん
何やら おかしな外見らしく
ここは一回目
コーヒーにバナナなどのって
大人の女性は ブルーチーズのパンやろう やっぱり
酒粕やんか
雀荘前で ミニスカートの女の子が
ティッシュを配るようになったのは
「何や 都会になったなあ」思うけれども
若者のファッションビル前の
ホストやらホステス訓練士やらがあかん
仕事で女を見るんやろうけど
誰でもかれでも見てやるな
お前らは
面接で
「趣味はマン・ウオッチング」言う女子学生か
羞恥心は美徳なんじゃ
日本の美を守る一翼を担え
腐っても鯛
草津でも体位じゃ
バス停で 皮のコート着てるんはみんなおばはん
フェンスに直貼り
3月26日 於)県民体育館
デューク本郷など知らんわ
「移転作業 成功させよう」
ダンボール 選挙事務所
成功さしてや
夜道を歩いても
平気かも知らんがそうでもないお年頃であって
公園の近くなどは
健康の為ウォーキング
善良なおっさん
犬の散歩をしています
魚屋のジャンパー
一人目
携帯を出して
通報の用意を認知さす
二人目
犬の金鎖外して
飛びかかってきよったので
「何しとんじゃ あほ 散れや ボケェ」
ということで 落ち着く
あられもない姿
というのは 裸ではなく
おみやげの
クリームパンとベリーデニッシュを
全部 歩き喰いする私
前から来る男の腹のふくらみ
パンを含んだ頬
アパートの先で
肌色のストッキング 白のコート
茶色い髪のOLさんが
彼氏に送ってもらったらしい
パンが おいしかったです
>ロン毛パーマさん
>atsuchan69さま
>空栖さま
>Toraさま
>風景の切り取り方、そうですね。断片にすぎないのですが、私自身の感覚で、風景を描いてみました。それが、個性的とおっしゃっていただける理由かもしれません。私ももっと書いてみたいです。ありがとうございました。('06/05/28 14:30:09)
なぜか生き延びて、
帰宅すると
既に ことばが在った。
このことばに アソビ半分 というよりも、
理由のない つよい衝動によって
試みに 瞼を閉じ 映りつづくパロール(ことば)の像を消すと、
寂しくひろがる 砂塵の 自由気ままなキャンバスに
虹の滲みが ぼんやりと たえまなく変化し
あらわれては消え、ふたたび 波紋をひろげては、
つかの間に永く ここちよい余韻を残した。
やがてそれはカタチを伴って
エロく美しい 裸のイメージが生まれた。
そしてイメージは、鮮やかな光彩を放ち、ついに 声を発した、
「自らの様式に閉籠もる、ひとごろしたち。
イメージのかけらの 微塵もない 黒衣の祭司たちよ!
おまえの眼は 夜、何もみえない
おまえの口は、ただ自分を守るためにある。
しかし遊女の眼は 真昼のさなかに
ゆらめく燭光に染まる 無限のキスとキス、
サハラの風をおびた肌 うごめく肌のかさなり
隠された時と場所 ラング(言語)へ侵犯する『意味』さながらを見ている
パールパウダーをちらした 濡れた唇、その淫らな口は、
いとも易く ほとばしる俺のホットなやつを呑む。
逃げだした揮発性の男は、
遊女らとともに深紅の花びらをちらし、
町のそこかしこで 斯様にさけんでまわった。
すなわち、
ビルの谷間で 埋葬式で 地下鉄の階段で
オペラ座で モンマルト広場で 嘆きの壁で エーゲ海の船上で
「起きろ!
寝たふりするな、
不眠症だなんて ほざきやがって
教えてやるぜ 簡単だ、やってないからさ
それは欲望に忠実でない オマエ の罰だ。
「起きて洗面台へゆけ、
鏡を見ろ おまえ自身を覗け
心配はいらない
やれるよ ちゃんと抱いてもらえるって。
「いいか 俺の言うことを聞け、
鏡のなかの自分に語りかけろ
それは欲望に忠実でないオマエの罰だ」と。
「着替えろ、外へとびだせ
世界中の男たちが オマエを待っている
やりまくれ、尻を突きだせ、
とびっきり ミニのスカートで、男たちを挑発するんだ!
「くわえろよ、オレの逞しいやつを
のめよ、オレの熱いやつを
「唱えろ!
それは欲望に忠実でないオマエの罰だ」と。
遊女らが花びらをちらし、
逃げだした 揮発性の男のまわりを 囲む 野次馬
そして夕暮れ 電光掲示板 消えてゆく 文字。
なにもかも疲れ 疲れはてたからだに きっとことばは、
意味もなく 夢を抱かせ 孕み、唐突に 懐妊を 告知する。
たとえそれがナチズムであろうとも
生まれてくる子どもに 罪はない。
やがて 彼処に 極彩色の羽の天使たちが舞い降りてくる
それは おまえたちを容赦なく啄むために、
嘲笑うために 裁くために
すでに毒水を買った ラベルに いのち と記されている。
隆起した地面が剥げ落ち 奈落がのぞくと
吐息にまみれた まっしろな憎しみは もはやなく
忘れられた祈りが 風にさらわれて 遠く儚く 消えていった。
傷のいたみも失せ、わだかまりもなく
平和とおびえ 労わるような日々の暮らしが、乾いた瀝青の上に まだ残されていた。
無限に落ちてゆくものたちは いつも きまって飢えている
その影に キシキシ 歯噛みする夢、
イメージ 真にせまったイメージ
とびたつ園児、空への飛行。
恐るべき幼さの真顔 つぶらな瞳に映るのは
終わろうとする場所 壊れかけた日々 踏みじられた、無残な草花
そうだ、いまにも崩れそうな この幼さが 街を救う、
夕暮れに裁きを待つ人々の ひどく蒼ざめた顔
見上げる空、
奇跡だ!
呪われたことばたちが 燃えるように
残忍な 神々の狂気、ルビーレッドの空へ
めらめらと 昇っていく。
ジェットをしのぐ速力 核をも熔かす 徽緑の指 その先!
まさにあの子らだ、
「子供たち、
おまえが 生むべき 子供たちだ!
>「くわえろよ、オレの逞しいやつを
>くわえろよ、オレのショボいやつを
>やがてそれはカタチを伴って
>エロく美しい 裸のイメージが生まれた。
>エロく美しい 裸のイメージが生まれた。
>ここで登場した�爛ぅ瓠璽賢瓩函△海離ぅ瓠璽犬�発する「以下のセリフですぐに出てくる�爛ぅ瓠璽賢瓩蓮∋悗靴討い襪發里�違いますよね?
>これは、どちらかは別の語で言い換えた方がいいと思います。細かい点ですが。
>>エロく美しい 裸のイメージが生まれた。
>このイメージというものの描写をしてほしいと思うのですが。
>そしてこの誕生したらしい裸のイメージの、その後の処理がうまくなされているとは思えません。
>ここでこのイメージの役割は終わるのでしょうか。ここでは誕生ということが活かされているようにも思えません。
>だからここがキイなのかと思ったらそうでもなく、タイトルと合せて何か印象や効果が削がれた気がしてしまいます。
>その後も、全体からしても、�狠太賢瓩箸いΥ兇砲惑�いです。むしろ誕生までを描いているようです。あえてこのタイトルをお付けになった意図は?
>私にはどうしてもまだ技術的という段階でもまずい点があると思われてならないのですが・・・
>ただ、まだ、atsuchan69さんのなさっていることとは、方向性の違いとかの前の段階で納得できないような気がしてならないのです。
>今の状態では、詩について書くのはこんなのがやっとです。ちょっと自分でもつらいと思った。かえってわかりにくくしたかな。atsuchan69さんの芸術観というか、やろうとしていることについて、是非またお聞かせください。
東京 1973年 (怒り)
空の
湿りを帯びた粒子は
高みにおいて
急速にかたまりを形成し
雲となる
煙のような雲もある
いつも雲は唄い
太陽は光り
すべては流れつづける
紺の空に
浮かんだ雲は陰影をふくめ
青白き光となる
上海 2033年 (夢想曲)
夜に
この少し高い建物から窓を開けると雨が霧の
ように肌に降りかかってきた
下を見るとH2O自動車が鬼火のようなラン
プを光らせてぎゅうと走っている
それはまるで霧を栄養として走る自動車のよ
うでもあった
2033年、上海は霧の都と唄われている
世界を変えたのは戦争でなく気候の変化だっ
た
首都すら変遷した
一粒の夜に
あらゆる街角で恋人たちが愕いていたことを
知らずに僕はこうして見つめている
「今、風景がゴッホの糸杉のように星がうる
んでいる」
「今、上海が亡き王女の雅のように月がにじ
んでいる」
開窓看雨
八面玲瓏得月多
僕は窓から顔を出し街々の明かりに頬を照ら
してみた
ps 極道のみなさん元気ですか?お久しぶりです。
僕はパートの仕事が一ヶ月も続き、怒鳴ったり、怒鳴られながら元気に してます。狼文学極道特集が届いたので、また来てしまいました。最近 はリラックスすることが一番大事だと思う今日この頃です。1973年 は僕の生まれた年です。あまり自信のない詩ですが…。
>浮かんだ雲は陰影をふくめ
>青白き光となる
>浮かんだ雲は陰影をふくめ
>青白き光となる
わたしのカラダ。
植物のツタのようにほそくねじれて、
せかいの天蓋にむけて、
のびていきます。
くるぶしまでのひたる水。
は さざなみのように、
わたしをすくめ。
日のひかりいっぱいにあびて。
風 にふかれて葉がゆれる、
色彩のカラダ。
ゆれる紅の花を咲かせます。
おおきく手をそらいっぱいひろげて。
色彩のカラダ、
せかいの天蓋をこじあけます。
(光冨郁也)
>わたしの詩はもっと、とうめいで、ひかりのなかにあるイメージ
>くるぶしまでのひたる水。
>は さざなみのように、
>わたしをすくめ。
>日のひかりいっぱいにあびて。
>風 にふかれて葉がゆれる、
都会の川で子供の変死体が発見された
それと同時刻に、屠殺場で豚が悲鳴をあげた
恐怖は肉に染み渡っていった
鶏舎で一列に並べられ管理されている鶏たちは
産み落とす卵の中に自分達の気持ちを込めた
都会に住む温かい家族の食卓には
豚肉の生姜焼きと卵のスープが並んでいた
小さな子供達は「うまいうまい」と食べた
子供達の笑顔を見て、両親は幸せに浸った
テレビでスペインの闘牛が放映されていた、闘牛士は見事に突き刺された
何で、あんな野蛮な事をするのかしら、子供の教育に悪いわ・・・
母親はすぐにチャンネルを変えた
母親は子供に注ぐ愛情と同じように
家の中にある観葉植物たちにも愛情を注いだ
機嫌がいい時は話し掛ける事もあった、悲しい時は寄り添ったりもした
観葉植物たちは太陽を求めて、窓の方へ茎を伸ばしていた
子供が反抗期を迎えた、夜の町に繰り出し、空ろな日々を送っていた
すれ違う人々の顔が牛に見えた、闘牛士は何処にも居なかった
巨大なビルは大きな葉を広げ、太陽を遮っていた、だからいつも夜だった
子供は家に帰らなくなった、もう歩けないと思うほど遠くまで歩いた
もう何日も食べ物を口にしていない、ついに道端に倒れこんでしまった
何処を見ても四角い畑しかなかった、過疎化した農村だった
リアカーに乗せられた果物たちが、身を寄せ合うようにして揺れていた
いつの間にか、子供もそこに乗せられていた、子供は自分を果物たちと重ねた
「わしの息子によう似とる」
おじいさんはリアカーを引きながら、そう呟いて、嬉しそうにしていた
おじいさんの家に着くと、まな板を包丁で叩く音が聞こえた
味噌汁が運ばれてきて「どうぞ食べんしゃい」と言われたが
子供はそれを拒否して眠りについた
次の日、子供はお礼を言い、おじいさんに別れを告げた
別れ際、沢山の果物を詰め込んだ手提げ袋を渡された
おじいさんの家には、妻と子の面影だけを残したテーブルがあった
山を上っていくと牧場があった
ちんけな柵の向こう側にいる牛の親子と目が合った
子供は自分の心を通して、全ての景色を見ていた
誰もいない静かな清流に辿り着き、靴を脱いで素足を水に浸した
誰もいない事を確認してから、子供は大声で泣いた、
岩は子供を見ていた、空がゆっくりとうねり合図した
手提げ袋が倒れ、果物が清流に浮かんだ
小魚たちが集まってきて、それを突付いた
子供は果物を1つだけ拾い上げ、口へ運んだ
涙の流れはさらに勢いを増した
その流れに巻き込まれるようにして
子供は清流と1つになった
>抑圧された子供を描いている
>この詩を読んでいるといろいろなことが想起されてきます。
>詩の臨界点なんていうとさもわかったふうな言い方ですが、この詩はそういう詩のあり方を暗示しているのではないか
>作者の精神の働きがなく、とりとめのないエピソードの羅列に終始してしまっている
>エピソードの羅列
>事象をたんたんと
>テーマはよいと思うので
>映画のシナリオのような語り口
>なんともしょーもないやつの出来損ないにワケのわからないポイントが入っていたりする
>6/9にヴィーナスの誕生
>闘牛士が食卓に乱入するような家庭の子供は清流にはならないのだろう
>じじいの味噌汁のタイミングで涙せよ子供よ生きたいのならば
>生とはミキサーで作るもんじゃない。まな板と包丁で作れ
夜が明けると、犬が放り込まれた。
顔馴染みのじいさんとばあさんが3人くらいいたが、結局どうしようもなかった。
女はレジ打ちの仕事をやっとこさみつけ、今日から、レジを打っている。
女がレジを打つ仕草というのは、なかなか魅力的だ。
男だったら果たしてどうだろうか、と男は説明している、
その傍では、何も起こりえない。
そしてどこへ行くのにも、
だいたい徒歩15分くらいだということに気付いてしまった時、
マンションのチラシなんかに掲載されている「徒歩10分以内」とかいう情報は
つまり、ほとんど意味がないということを知るべきだった。
実際計測してみると、徒歩12分を過ぎたあたりから、
だいたい3分後には目的地に到着してしまう。
だから男は、仲間には何も話さないことにした。
それから、ずいぶんと前に放り込まれた犬の何匹かが吼え始め、
それを駆除するために業者が駆けつけた。通報したのは、
犬とは利害関係を持たないマンションの住人だった。
そして右側のエレベーターが故障した。それは偶然だったが、その時すでに
左側のエレベーターは故障していた。ポストに投函されたマンションのチラシは
今日も新しい情報を提供しなかった。ずいぶんとひどい話だ。
犬は殺されないでいた。最近は殺すより殺さない方が面白いんです、
と業者の男。ついでにエレベータを直してくれませんか、と
犬とは利害関係を持たないマンションの住人が哀願した。
夜が明ける前に修理しておきます、と言って、男はいなくなった。
その傍で説明している男が、もう何年も仕事を探し続けているがみつからない。
商品の価値が値札に書いていると思っているタイプの男だから
仕方がないのかもしれない。今日も一日何も起こらなかった。
ポストに投函されたバイト募集のチラシを見て
もう何十年も働いてはいないけどレジ打ちくらいなら、
と女は軽い気分で応募した。面接で渡されたアンケート用紙のアピール欄には
ああ、すごく楽しいはずよ、レジを打って、打って、打って!
と書いてみた。夜が明ける前、目をこすりながら、
女は今度こそ採用されるかもしれないと思った。
もう何十年も男は説明している。いつ殺されても平気のはずだった。
しかし、最近は殺すより殺さない方が面白い。
レジを打つ女は、次から次へと新しくなったが、
だいたい苦情なんてものは年に数回程度しかないのだ。
マンションのポストには新しいチラシが投函されつづけた。
迷子の犬を探しています、
それは飼い主にとってのみ切実なものだった。
新しいマンションがどしどしと建設中である。
それは、ほとんどが徒歩10分以内の距離に集合していた。
男には、もう、そういうことのすべてに説明が必要だとは思えなかった。
しかし、世の中には、説明を必要とする人たちが
一定の確率でいることも既に知っていた。
今日はレジ打ちの女が欠勤だ。
きっと女は戻ってこないだろう。
つまり、こういうことだ。
ほとんどのことは、値札に書かれている。心配するな。
>つまり、こういうことだ
>「語り手の向ける目線」
>「人が生きていくという事」及び「情報の本質」
>イメージは必ずしも鮮やかではないし、スパークするものがあるわけでもない。表立って叩きつけられる思想性があるわけでもない。
>断片的ですみません。
>作家は作品を公表すれば、その作品の評価は鑑賞者に委ねるほか無いのです。
>テキストレベルでは、行為者なしに、その「行為」を孤立させることができる
>ちなみにこの糞生意気&ムカツク文章を書いている私は一条さんよりたぶん年下なのではないかと
シルビアは恋人の兄のマルコスに「デブだ」とからかわれても、なにも
言い返さなかった。雨上がりの日曜日。リビングには湿った風が吹いて
いて、テーブルの上では処方薬の袋がかすかに音をたてている。門の前
に車がとまり、礼服を着たシルビアの家族が午前のミサから帰ってくる。
彼らは部屋に入って着替えを済ませると、すぐにまた車に乗ってでかけ
てゆく。シルビアの家族は、小さな弟たちもふくめ、みんな太っている。
国境を越えて輸送される赤や黄色の炭酸水は、この国の神話のプログラ
ムを見えないところで書き換えている。
パウンドケーキのような熱帯林の中央基線が交わるあたりには、巨大な
ショッピングコンプレックスが午後の陽を浴びて白く光っている。シル
ビアによれば、ここのフードコートで売られているピザやフライドチキ
ンは、母がつくったものとは違う味がする。しゅわしゅわと口のなかで
溶け、まるで宇宙食を食べているような感じなのだ。シャーベットのよ
うな冷気が充填されたフロアを出ると、シルビアの家族は地平線が見え
るハイウェイに車を入れる。後部座席では、シルビアが物憂げな表情で
窓ガラスに額をあてている。いつからか、彼女の視界には光る綿のよう
なものがちらつくようになった。
ドラム缶で燃える丸焼きのチキンが黒い煙を空にたなびかせている、環
状道路の交差点。信号待ちで車が止まると、安物のキャップをかぶった
物売りたちが寄ってきて、小さな押し花やボトル詰めの炭酸水を売り歩
く。汗ばむ褐色の腕に握られた炭酸水がきらきらと熱を放射するのを見
まもるシルビア。排気ガスで黒く汚れた壁と、炎天下に立ちつくす売り
子たちの姿が無声映画のカットのように映り、アクセルを踏み込むと視
界から消える。ドライバーの目線をはばむ鋼鉄の防音壁の外に広がる原
生林のむこうには、板きれやダンボールで風をしのぐバラックの群がゆ
るやかな丘の中腹まで続いている。
あれは小さなころ、縫いぐるみを抱いて祖母の家に遊びにいったときの
ことだ。眠たい目をこすりながら飛行機がこの街に着陸してゆくとき、
砂粒のような電灯の群がこの丘のうえまで這い上がっているのを見て、
シルビアはベッドカバーに落ちた宝石のように、それらを手にとること
ができるような気がしていた。いま、そこから数百メートルも離れてい
ない、なめらかに舗装されたハイウェイを、日本製のセダンは滑ってゆ
く。道が緩やかにカーブしていくと、フライドチキンの広告塔が回転し
ているのが視界の隅にはいり、そのむこうには広く青ざめた空が緑の地
平線をすりきりの地点で飲みこんでいる。
Last Modified 2005/06/06
>第3連のパンアメリカンの表層から第三世界の方へ移した視線が、もう少し強度のある情景を
>、病気を気にしないで生きていくからなのだと
触れられない時の川に手を伸ばす。
これはいったい何色なんだろうか?
水面に透けて見える
過去と今と、これから起こりそうなことが
さまざまに浮かんでは消えていく。
悲しい色も、嬉しい色も、混じったら汚くなるはずなのに
なぜかキレイだった。
僕は揺られてどこに行くのか?
少しずつ、だけど確実に流されて
止まるべき岸辺は見当たらない。
小さな船に一人きり。
ずいぶんと前にオールは捨てたんだ。
ここでは必要ないと気がついたから。
行き先の分からない旅なのかもしれない。
それにしては大きな安心感。
干渉の許されない時間の流れは
もしかしたら冷たいのかと、
想像だけで全てを思う。
急に吹いた向かい風。
波紋の広がる水面の上に、映る景色は様変わり
僕はきっと飽きることもなく見つめ続ける。
この流れの終わりまで。
憧れて、愛しくて、後悔ばかりの全てを
ずっと。
そしてまた、最初の思考にかえるんだ。
この水は一体何色なのかと、
知りたくて、手を伸ばすところに。
わたしは
傘でしたが
あめふり、始まった瞬間に窓から捨てられてしまいました。そこが部屋であ
るから、かれらはかわらない日々を過ごしている。傘がないからえいえんに
迎えはない。
あめはえいえんに止まらず、そうね、火事もだから起きない。かれらはけっ
して外を見ない。暖炉があたたかい。草花をそだてていて、きちんと水をや
っている。わたしの腿がとてもいたいです、骨が折れてしまった。
けっしてなににも不自由がないように
外などでなくてもいいように
あなたたちはひとでなくなる
食料も
文学も
あなたたちは自分でうみおとしていく
用事
などないように、かれらは動物園を創立してわたしのとなりをトラや白鳥が
流れていきました。それから、果樹園がつくられ、いつも果糖のにおいがし
ていました。捨てられる話はいつでも仮定でしたが、わたし聞いていたはず
なのです。でもあめふりのなかだなんて、一度も想像できなかった。
あなたたちはひとでなくなる
わたしはそこまできらわれましたか
あなたたちはひとでなくなる
つねに
まちがいをうたがっています
*
つねに
わたしの目は曇っています
植物だと思っていたそれぞれが、とても羽をむすばれた白鳥の、あのほそい
くびに似ていました。いままで、きちんとみてこなかったわたしは、すべて
の植物たちをまず疑わなければならなくなった。けれどそのぶん、わたしは、
傘を開くことをおそれなくなった。うそを、おそれなくなった。
わたしは傘ですか花ですか白鳥ですか
こどもが
うめますか うめないん、ですか
こどもがうめる、としたら
こどもがうまれるんです
もうすぐ、うまれるんです妊娠したんです
わたし、
妊娠して、
祝ってください
祝ってください窓からでもいいから開けて、こちらを、
みてください、妊娠したんですよ、わたしは妊娠したんですあなたたちの、
あなたたちのかぞくを
う、
うむんですよ。
*
あなたたちはひとでなしだ
と
言って
汗をかいた
涙がでた
ぜんぶ
あめにはまじらなかった
あなたたちはひとでなしだ
言うと、わたしは地球の自転からきりはなされるだろう、きりはなされてわ
たしは部屋の扉がわたしから通り過ぎていく姿、通り過ぎるあのドアを見る
ことになるだろう、そこから、わたしは聞く、あかんぼうの泣き声/、がひ
びいて、それからこもって、わたしはいつのまにかこどもをうんでいたきっ
とおんなのこでかわいい、わたしはいつのまにかうんでいたきっとおんなの
こで/
わたしがいないと死んでしまいます、
(いっ 回転できるまでずっとおびえているでしょう、けれどきっと、ふた
たび会えばその子はそだっていて、わたしのこどもではなかったとわたしは
安堵するのでしょう)
ひろわれて
かのじょにさされたい
赤いかわからないけれどもともとかわいくもない傘です
さされたい
さしてください
さしてあめをよけてください
そしてもしかのじょが傘なら、(知りたいことが、)捨てられていますか、
いませんか、
きっと
捨てられています・・
かぞく ですから
>赤いかわからないけれどもともとかわいくもない傘
>窓から捨てられて
>傘がないからえいえんに迎えはない。
>そしてもしかのじょが傘なら、(知りたいことが、)捨てられていますか、
>いませんか、
>きっと
>捨てられています・・
>かぞく ですから
>(いっ 回転できるまでずっとおびえているでしょう、けれどきっと、ふた
>たび会えばその子はそだっていて、わたしのこどもではなかったとわたしは
>安堵するのでしょう)
>わたしのこどもではなかったとわたしは
>安堵する
>孤独感からそこに憧れをもち思い込む姿
>最果タヒさん
>わたしがいないと死んでしまいます、
昼なお陰る森の中
静かに高い空から落ちてくる 雨
髪に小さな雨粒がついて
頬や首を流れる
体の全てしっぽりと濡れて
森の空気と融けていく
見上げると
枝葉のすきまから
緑の光がうっすらと
こぼれ落ちている
そこで
物言わずただ
小さなわたしを待っていてくれた
命の樹よ
額をつけて
色んな話をしたっけね
あなたの幹は温かかった
目を閉じて
森の奥深くへ
また
あなたに逢いにいくわ
>色んな話をしたっけね
家族が庭に集まり
迎え火の日に朝幹を焚いて
合掌した
その妖艶な揺れる火に
私は一瞬躊躇したが
父に促され跨いだ
送り火の日に朝幹を焚いて
合掌した
観覧車の中で喧嘩をして
君のハンカチに落ちた雫
初めて愛言葉を交わし
朝の顔を見合った時の
君の枕の小さな染み
病院のベッドから私に出した
点滴針の付いた細い手の
君の頬を伝う涙
私はどうしても跨げない
狂ったように弾け散り
燃え上がる送り火の粒子の中に
刹那の君の涙がそこにあったから
朝幹を焚いて合掌するのが、普通ですが
何故か私の家では、朝幹を跨ぐのです
宗派は日蓮宗です
>構成が実に巧み
*
いつまでも、
溶けそうにない
って、 思えてくるの。
この雪の 白い場所で
あなたは ぼくを。
大きな瞳の奥には、
雪の風景、と
ぼくたちが、
マッチングせずに。
まるで、古臭い
邦画だね。
雪の国の記憶に、
比べてしま ったら
あなた も
ぼく も
大きくなってしまった。
それでも、
「今が一番いいのよ」 と
あなたの大きな目が言ってる。
いつまでも、
その目を失わないで、
見ていて ぼくたちを。
雪の日は 過去の記憶なの。
それさえも、
埋もれて い、く。
*
男は、アルコールという
お薬で、ときどきイカレテ
しまうんだ ね。
そんなとき、あなたは
きびしいこえ で、男を制すの
そんなことが、あった夜
あなたはいつも泣いていたんだ ね
それは、こそこそと 行われるの。
まるで、雪の日の儀式みたいに。
なにがかなしいの?って
聞きたくても 聞けなかった ぼく。
そのよるは、 押し殺すような泣き声が、
響いていたの。
*
あなたが好きな、
香水。を母の日に
おくろうとして
ぼくは、とおくのまちへ
でかけた。
まだ、少年の、 小さな足で。
道に迷ってしまって、
辺りは暗くなっていたの。
ぼくは、こうすい こうすい・・・
って なんどもいいながら、
おまわりさんに尋ねたんだよ
おちゃの おちゃの ・・・
「おちゃの においの こうすいは
どこ?」
って
そしたら、なぜだか
ちょっとして、あなたが現れて
手をつないで一緒に帰ったの
あのとき、ぼくは気が付いた 。
こうすいはあなたの臭いじゃ
ないんだ、って。
*
>こうすいはあなたの臭いじゃないんだ
>この雪の 白い場所
>雪の国の記憶
>男は、アルコールという
>お薬で、ときどきイカレテ
>まるで、古臭い
>邦画だね。