◇ No.432 , '15/08/07 17:37:35 作成

8129 : 竹婦人  草野大悟 '15/06/16 10:31:27

補色の皮膚にくるまれた
みずみずしい
くれない色の球体、に
浮遊する
ありふれた夕暮れ

しゃりしゃり、と
浸食される空から
ふきだす
涙形の星が、
しゃぶり尽くされて
裏葉緑青の毒に化けた
蛇衣を脱ぐ

言葉たちが
まとわりつく肌に
相槌をうっている蚊帳、の
吐息がきこえる

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8172 : Y、に  草野大悟 '15/07/03 21:55:52

みずみずしい
罪、の
ようなもの、を
砕かなければ
きみの、
思惑どおりになんか
ならないんだよ。

うす甘い
恭順の墓標
のようにね。

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8187 : 「〇るとは」  So_air69 '15/07/10 23:49:44

生きるとは

日替りStrangerの
背で喘ぐ
Co2の満員電車
(ゴクロウサマデス エヴリデイ)

参るとは

毛だらまっこ
デニム&Tシャツ
ならば猫をと洗う
初夏の日
(猫トンダメイワク)

跳ねるとは

プラスチックの世界から
抜け出さんと splash!
真鯉 本能の尾鰭
(ピチピチッ )

薫るとは

廃棄コンテナの薔薇
七種まで集め
三年越し
六月羨望の的
(コツコツ ガコツ)

身構えるとは

その薔薇の上で
一寸に満たずとも
我闘う魂十分あり
表明する 蟷螂の斧
(ノゾムトコロダ!)

語るとは

胸に咲く黄色い花を
「注目!」と上下する
鶺鴒の尾の忙しさ
(キイロ ノ ヒミツヲ シッテル?)

観じるとは

時間の中あらゆる
小さき生命のflow
伝播する思考のHzに
共鳴させる 心の弦
(トキニ ハリツメ トキニ ユルメ )

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8186 : コーヒーショップ  葵 '15/07/10 20:19:14  [Mail]

窓辺に座ってコーヒー飲んでる君を見ていた
可愛い顔して怒ったような横顔
こんなに遅い時間まで
誰かを待ってるの?
それとも
誰かに声かけられるの待ってるの?

淋しい都会であふれた人々は
膨らんだ電車でホームタウンへと
空いてく店内

門限は破る
だけど 夜の街にはいかない
中途半端な普通の女の子

君もあと少し 経験を重ねたら
出会っているかな
その時 ひと気のない店内に2人で座れてるといいね

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8168 : 夕陽の沈む向こう側  尾田和彦 '15/07/02 00:08:23




賭け(人生)に負けたやつだけが知っている
俺は町の灯りを見上げた
煙草の煙が
因縁に変わる
逃れられやしない宿業
道頓堀に雨が降る
赤い傘のカップルを
黒塗りの個人タクシーが
次々と落としていく
まるで戦場の
最前線に落とされていく落下傘部隊のように
欲望の町
何万人という人間が
突き落とされただろうその場所に
お前もまたポケットに
ちっぽけな(ふくらみ)思い出さえ持たずに
「行ってくる」と言った朝に帰れないでいるのさ

世界中の時間は少しずつ狂い
やがてパリと東京の時計は子午線の上で衝突するだろう
俺たちは昔のまんま無名で
ひとりの女と人生を愛する他に何も所有はしない
愛をねじ込んだ水道栓から
欲しいだけ出す
可笑しな男と暮らしたもんだと明美は言った
俺のトランプは53枚
全部スペードにかえてある
理由は簡単だ
カードはくらないで済むし
いかさまも防げる

破産したり自殺したり
友達はみんな不幸になったが
俺は死神の待ち伏せを知っていた
夜の町には
死神がわんさといる
人間の姿をして
君の隣に
偶然を装って今日もいるのさ
馬鹿なやつさ
死神を恋人にして
ラブホで一晩中ってやつもいる
愛か情か知らねぇよ
憧れってやつかもしれない
翌日にはすっかりと精気を抜かれちゃって
三か月後に
癌を宣告された友達もいる

賭け(人生)に負けたやつだけが知っている
シャンパンの
よく回った頭で考えてみな
金もない
地位もなく
唄もない
あるのは命きり
たった一つの
命だけ
負け続けて遺されたのは
命だけ

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8156 : あまのがわ   前田ふむふむ '15/06/27 10:54:58

   


換気扇が 軋んだ音を降らす
両親たちが 長い臨床実験をへて
飼い育てた文明という虫が 頭の芯を食い破っている
痛みにふるえる
今夜も 汚れた手の切れ端を 掬ってきた
うつろな眼で アスピリン錠剤をあおる

・・・・・・

痛むこめかみのなかの暗闇から
         歪んだ閃光を浴びて

動いている
わたしを氷山に葬るまなざしで
巨大なビルが キリンの群をつくり 動いている
生きているものは つねに声を
閉じられた咽頭の脈動を埋めた深みで
震わせながら
剃刀の器を瞳孔のなかに浸して
たえず 動いている
  ――――遠く遅れてゆく わたしの視線

動かないものは あすには 忘れられて
思い出という柩のなかに
石鹸の泡のように 仕舞われていくだろう
暗闇のなかで その化石にひかりをあてて
感傷に耽る地表にだけは 秒針は止まっている
その透明な 真新しい休息を
動いているものが 踏み固めていくのだ

急ぎ足で ビルに迷い込んだ 一羽の椋鳥が
サバンナを逃げ惑う シマウマの脅えた眼に
飲み込まれまいと 慌てて ときの歪に身をかくす
見上げれば 原色の空は
突き刺す言葉を 起立させている

動いている
わたしは 弓矢の姿勢で 動かなければならないのか
はたして わたしは ほんとうに 動いているのだろうか

動いている
傷ついた言葉の断片に
湧き水を口に含んで 微笑むあなたが
無数の星となって
わたしの胸のおくを 流れている
            生まれている
               死んでいく

・ ・・・・・・

喉が渇いて 熱があるようだ
音も無く 二つ目の閃光が
         濡れている眼を突き刺す

噎せ返る草のにおいのなかを 躰をしずめて歩く
「父と母が たどたどしい足取りで
やや うしろを歩く」
草は波をつくり 寄せては還して
塩からい汗を吐きだす夏を 加算しながら
「姉妹は 白いレースで飾ったスカートを着て
                 やや 前を歩く」
腕と足に絡み付いてくる草に 躰を裂かれて
わたしは 風に靡く葦のように
口から気泡を吐いて 草の海に たおやかに
溺れている

洗濯物を干す竿が 飛行機雲と平行に引かれている
かわいた手触りで ひかりを集めてある
なだらかな丘陵が 白い芽吹きに包まれて
かつて あの虹の掛かっていた
一面 恋人の胸のようなところに――
あたたかい風が 仕舞ってあるのだろうか

私信
「あなたとの約束は 守れそうにはありません
    きょう やはり たいせつな日です
       雨が降っていますが
   あの草のにおいのするところに行ってまいります」

・ ・・・・・

しばらく なだらかな素数の羅列が
    軟らかくなった脈拍の上に引かれる
       その最後尾を 三度の閃光が通り過ぎて

     ・・・・・

雨は 蟻の隊列にも 休息を与える

だから 弱い採光を ステンドガラスから灯して
講堂は わたしに 赤々とした呼吸の滑らかさを与えて
流れるみずいろの序奏のために
躰を丁寧にたたんでいる

座席に漂う 青く骨ばった息つぎ
眼に映る もえあがる新緑に充ちている春が
わたしの手から 滲み出てきて
込み上げる高揚を 口に切れば
かわいた声は 全身の座席に 立ちのぼってくる

講演台には ガラス瓶の水差しが 中央に浮びあがり
あなたの亜麻色の髪が 水差しのなかで
雨に濡れている
その 止まっている水滴のむこうに
瑞々しい言葉の廃墟が 広大に走り
きらきらとひかる あたたかい
あまのがわが 視える

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8190 : 繰り返すリズム  鮎 '15/07/13 01:42:52

リズムとは繰り返し
心地よい繰り返し
脈動である
波音である
詩である
音楽である
朝、きみを起こして朝食にして
仕事にでかけ
夕食を味わい風呂に入り
テレビをみて眠くなって寝る
この毎日である

だけれどいつしか僕たちは
単調な繰り返しに慣れてしまう
耳をすまさなくなる
前衛的音楽
昇りつめる欲望
痺れるような刺激
救いようのない惨劇
心に耳を貸したなら
心は何と言うだろう
そしていつか来る THE END

僕は繰り返しながら
変わりゆくものに惹かれる
秋は儚いから美しく
春が巡り来るから冬に耐え
そして同じ夏は二度と来ない
木々は年輪を増して伸びゆく
歌はサビを予感し高揚する
そこには期待があり希望がある

命とは繰り返し
紡いでゆく繰り返し
生を受け日々重ねつつ
育ち衰えて死んでゆくから命は尊い
その命を 営みを 記憶を
継いでゆく
繰り返しながら
移り行きながら
それはフラクタルアートのような
見飽きない景色

細部へと末梢へと辿って行けば
繰り返し 繰り返し 連なって
退屈なものだ
ありふれたものだ
そう言いながら飽かず眺める
透かしてみたり
たわめてみたり
今日ここでしか映じない
単純で複雑な移り行く模様を
リズミカルに拡がりゆく紋様を
繰り返し 繰り返し 眺める

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8191 : 居間にて  かい '15/07/13 17:52:39


曇り硝子に和らいだ
昼の光に反射する
青白く濡れたその腕と
年輪のような血管と

若草色の思い出は
ストロボ焚かない青写真
規則正しい浅い呼吸と
湯の沸くやかんとコマーシャル

どこかで警笛 鳴っている
誰かが砂利道 踏んでいく
隣家のドアが 閉じられて
遠くの林で 鳥が鳴く

静かにやかんの 火を消して 
土の匂いに 目を閉じる
誰も知らない 手信号 
水に揺られて 目を閉じる

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8188 : 小さな 五つの詩篇  山人 '15/07/11 06:20:49



一
罪深い朝よ
おまえはそんなにはりきってどこへ行くというのか
時空を超えて宇宙の滝まで行くというのか
俺を待ってはくれないだろうが
朝よ、おまえは嫌いじゃない

おまえが夜に吐き散らかした叫びが
結露してまばゆく光っている
おまえにも夜があり
泣き崩れた時があったのだろう
でも、朝よ
おまえは暗さを剥ぎとって透明な色を手に入れたのだな
朝よ、おまえが光ると人が喜ぶ
おまえが産んだ卵が孵る時だ
朝だ朝だよ
太陽をつかまえてこいよ





二
種よ
虫に食われた かんらからに乾いた親などの
真似をするんじゃないぞ
お前は一個の種として生きてゆけ
カラスに食われたのなら
黙って硬くなって糞から根を張れ
太陽の光が遠かったら、黙って眠っていろ
お前は種だ
やがてお前の時代が来る
でも種よ
万が一
腐れ掛かったら
俺の枯れた葉っぱの影で
ひとしきり皮膚を乾かせ
それまで俺は
からからに乾ききった体で
突っ立っているよ




三
座椅子に座り
スコッチのロックを飲る
僕は巨人になって
そこらへんの杉の木を二本折り
小枝を歯磨きして削ぎ落とし
流星をひとつつかまえて
グラスに入れる
星のカタチした流星
グラスの中で
かちりかちりと泳いでいる
満月のクレーターに顔を近づけると
酒臭いぞと雲に隠れた
宇宙の外側に顔を出すと
またそこは宇宙だった
果てしないんだなぁ
宇宙って
僕はそう言って
息を吐き出すと
きらきらと
流星雲となって
空へ伸びていった





四
午後の重みに しなだれた校舎から
飛び出したキャンディのようにチャイムが鳴る
太陽は後ろ向きになり
角ばった校舎は
ためいきとともに丸くなる

砂山が崩れると
ハンドスコップがことりと倒れ
ひかりは赤く染まり
川となって
町を流れてゆく




五
老人がベンチシートに並んでいるのだ
昔はたぶん女だった
男だった
今は老人だ
人生なんて そんなもの
皺皺に閉じ込めて
ホッチキスでとめている
そんなもんがあったんかい
それでも老人
剣を持ち
戦車を引き
戦いを挑んでいる
この世で一番相手にされないのに
それを苦にするでもなく
悟りきった戦士のように
今日も
乾いた脳で思考し
味の無い舌でまくし立てる
皺皺の老人
殺されても生きろ
燃やされる前に何か叫べ!
目の前の医者に噛みつけ!

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20150711_310_8188p


8184 : 愁業者  中田満帆 '15/07/10 00:05:21  [Mail] [URL]






 
 月に存っておもうものは、光りの切なさの夥しい驟雨だ。
 この時節にあっては、もはや感じることさえ痛ましい、
 羨望のひとよ、その声よ、その唇ちよ、なんともはや美しい
 7月03日にてわれは産みだされてしまった! 再訪する誕生!
 神々のおたわごとが、これほどまでに狂おしぃなんてねぇぇ
 吾伏木不識、可、哉。此、緯度越へて来るは愉しきかな祝祭

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20150710_285_8184p


8185 : 鯨  ペスト '15/07/10 00:39:45

腐敗した光の海を何千羽もの鳥が渡っていく
森はやがて溶け出して、染み込んだ地下に深く眠る
吼えるような風が耳の奥で膨らんで、弾力のある青い音色を吐き出してゆく
真っ白な樹液は私の腿をつたって流れ、湖の上には丸い月が広がってゆく
電気は暗い溝の内をのたうちまわって進みながら、蒼白い閃光を宙に浮かべる

墓の下で夜を呼ぶ声

眠りと眠りの間に挟まれた右手を抱きかかえながら街路を駆ける母親の影を、銀塩に浸された呼吸の中へ焼き付けた
赤く光る鳥の眼が下水道の奥で氾濫している
花の匂いを嗅ぎにきた少女はふくらはぎに噛み付いた野犬を引きずっている
雲に隠れる隙を見計らって月は静寂と熱い口付けを交わしている

古本屋の店先に積み上げられた絵本の山の底で、赤い人形の表紙が涙を流したので、黒いインクで書かれた文字を洗い流し、蒸発したおとぎ話が街ゆく人の健康を悪くさせた

感染症で熱にうなされる少女の脇に冷やした魚を挟みながら
彼女の汗を飲みに来る鼠たちをその尾を引っ張って剥がしながら
窓の外で笑いながらこちらを見つめる包丁を持った男の目を手で隠しながら
鳥かごの中で歌をうたう幼い妹の瞳を鳥がつつきながら

星の割れ目に新鮮な血液を流し込んだ
煙の中に散った花弁を拳の中で色が濃くなるまで握りしめた
黒色のうさぎに包帯を巻いて白く染め上げた
聞こえない音の中にかよわく解ける根をゆっくりと張った

自身の重みで震える空を泳ぎながら
沈殿する白血球の死骸の山に
寄生して朝を迎える
錆びついた氷のように
深遠な記憶を飲み込んで膨らんだ
傷のある左眼をもつ
羽のない鯨

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8195 : 千雪  イヤレス芳一 '15/07/17 21:42:31 *4

まだあげ初めし前髪の(※)
サンふじ、つがる、ジョナゴールド

ちゆき、傷んでも何色にも染まることない
おまえの白く凛々しい踝

花にも蜜にも果肉にも
なににも喩えたくはない

詩なんて百篇書くよりも
おまえの名を幾度でも呼び

ちゆき、ちゆき、ちゆき
唇でそっと齧らせてくれ小石蹴れ



 ***

(※) 『初恋/島崎藤村』

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8180 : kaivalyasukkhadharini  lalita '15/07/08 00:17:28

彼女は私を知りたくて私のセフレになった。
私は進んで多くの自己犠牲を払った。
柄でもないのに。
日本社会は、明確な個性や感情表現なしに生き残れるから甘い。
柄でもないのに、若者に適者生存を説く情けない時代遅れの団塊の世代の爺。
気に入らない人間を追放したあと元気に愛を説く霊的教師たち。

くだらん。ただの卑劣漢共め。

彼女は羞恥心もなく服を脱いだ私に残念そうに言った。

「パッと脱いだわね。」

彼女は言った。脱がして!

わたしはブラジャーを取ってあげた。

彼女はナルシズムと繊細さから泣いた。
「ごめん。ひいた?」

私は、彼女の全身をマッサージした。

私は、ぜんぜん女性に優しくなど言う考えがない。

でも、そばにいる女は自然と気遣ってしまう。

彼女はフェラチオが嫌いだから、しなくていいといった。

私は最近、感情がぬけて、ずいぶん精神的になった。

彼女の足にキスした。

何度も足に接吻した。

バッハのヴァイオリンコンチェルトが鳴っていた。

彼女は、サディストになって私のペニスを踏みつけた。

興奮した。

私は言った。

「蛇なんだ。SM両方なんだ。膣に豆ピンいれるとか。」

「豆ピンってなに?」

「鋭い針のこと。」

彼女の顔から血の気が引いた。

「やりませんよ。本当は。」

私は微笑みながら言った。

彼女はすこし驚かされて自尊心が傷ついて、軽く反感をお覚えたがすぐに消えた。


「もっとペニスを踏んで。」

なかなかたたないけど、なんとかたって、ペニスを膣にいれた。

彼女の女性器はきつく、私のは大きかった。彼女のクリトリスは大きかった。

やっと入った。

彼女は喘いだ。

出した後言った。

「やっぱ硬いのはいいわね。」

「lalitaさんのペニスって何センチあるの?計ってみたい。」

「18cmくらい。」

「大きいわね」

彼女にアイスとワインを出してやった。

その間、マルキドサドのジュリエットを朗読した。

いつか彼女は言ったことがあった。

「あなたも教皇みたいにしたいんでしょ。」


彼女は帰り際に私と手をつなぐのが楽しそうだった。

「困りますよ。近所にばれたら。」

若い私が愛人なのがうれしいらしかった。

わたしは大分不感症に近い。

ペニスが鈍感みたい。

私は他者に権力を振るうことにほとんど快楽を感じない。

わたしは、一種ペニスバンドをした女の気持ちが分かる。

自分自身はほとんど快楽を感じれない。

わたしは深く去勢されているようだ。

ah! 夜の純粋な暗黒の炎にとけて、朝の囀りに和み

心をなくした女と、女にひざまづいた青少年。

女はいった。やめてください。平等でいたいのです。・・・・・



彼女は言った。

「あなたは気品があるわ。立ち振る舞いや物腰が自然に気品があるのよ。」


彼女は私の耳を祝福するかのように、優しく両手で包んだ。


krim krim hrim hrim hum hum dakshinakalike

krim krim hrim hrim hum hum


そのあと彼女は私を二重人格だと思ったらしくて信頼しなくなった。


繊細で美しい一日だった。

最後に言った言葉を思い出す。

「また、秋にセックスしよう!」 

一つの恋が終わった。

だからすべての恋が終わった。

一つとはすべてのことだから。

祈った。

自然とカーリーに祈った。

カーリーよ、わが愛人よ!

まだ純粋で女の愛を信じてたころ

ひざまづいて冬の雪の中をひたすらあなたに祈った。

才能を。エクスタシーを。合一を。力を。

涙をたくさん流した。

最初の娼婦とのセックスが怖くて、

あなたのことを何度も思った。

あのころが一番よかったと思います。・・・・・




一人の女性が私の愛で顔が輝き、目が爛々とメスの輝きを見せた。

カーリーの獰猛で残酷で酩酊したあの美しい顔の面影があった。

多分、女神は目の前の女性の中にいるんだと思う。

少なくとも僕はそれを実体験で感じた。

それは啓示のようなものだった。

広大な空が広がっていた。

青い空の上に黄色に輝く陽光の世界がきらめいていた。

結局、すべての恋愛は独立戦争であり、自我の王国からの脱出計画なのだ。

om nama shivaya

om namo mahadevaya

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8192 : サボテンと砂袋たち  尾田和彦 '15/07/15 21:31:52





仕事帰りにはいつもコンビニに寄る
たいていは
駅の近くにあるサークルKだが
サントリーのウォッカと明治のチョコレートを買い
帰りの電車を待つ何分かの間に
ストレスで固まった神経をアルコールと糖分で和らげるためだ

重たい砂袋のようになった体のどこかに
まるで
経年劣化できた
穴でも開いているようだった
反対側のホームのサラリーマンも
虚空をみつめながら
同様の思いでいるらしい
この島の人間は
働くことが好きなんだろう

あいた穴からポタポタと零れるのものを
愛おしんでいるのだ
砂袋の中にできた生傷を
愛でているのだ
でなきゃこんな自虐的な生活のどこに
使命を抱くことなんかできるだろうか
ぼくはこの運命共同体の中に隠された哲学と理念に
人々が繋がっているとは思えなくなっていた

つまり都会は調子の狂った時計を回し続け
鉄とプラスティックの歯車の中に生物と無機物を同時に閉じ込める
牢獄かブラックホールのようなものになり下がり
そしてサボテンたちが血を滲ませながら歌う唄をも飲み込んでいくのだ
満員電車の中に詰め込まれた砂袋たちがつり革につかまって吐き出している泥土が唯一
思考を止めてしまった人間から吐き出された思考なのだ

隣の砂袋がぼくに話しかけてきた
ギリシャと中国のせいで
大損さ
ぼくは肩をすくめてウォッカとミルクチョコレートを口に含ませた
この島では
市場はもっとも信仰を集める宗教だ
神の値打ちを値踏みする砂袋たちも
ホームの縁を千鳥になって歩くサボテンも
JRの動く宗教施設に乗り込むと
まるで記憶を遡るように
都会の中心へ戻っていった

砂袋をナイフで切り裂くと
ギリシャの空とミルク色のチョコレートが
プラスティック製の時間とサボテンたちを乗せて
大阪の駅をすでに発射していた

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8193 : 連作・『星の王子さま』のために  蛾兆ボルカ '15/07/16 18:59:46

・客席消灯

・ブザー

・開幕



【タイトル/薔薇と蛇】

【クレジット】

原作『花と蛇/団鬼六』

主演女優『薔薇』

主演男優『王子さま』


(出演・配役)

・へび『エデンの蛇』

・うわばみ『ヤマタノオロチ』

・飛行士『飛行鬼(ひこおに)』

・呑兵衛『高倉健』

・地理学者『ミラ狂美』

・星の点灯夫『O嬢』

・地上の点灯夫『沖縄戦姫百合部隊の皆様』

・王様『白鵬』

・実業家『ゴジラ』

・バオバブ『にょろにょろ』

・坂本龍馬『Mr.T.』


撮影協力

『エデン@天界』

『幻想四次元銀河鉄道』

『表千家』

『さそり座』

『目黒エンペラー』

『チェルノブイリ原子力発電所』

『古代エジプト』


・エキストラ『タイタニック乗客の皆様』

・主題歌演奏『星』

・友情出演『北きつね』




【シーンズ】

(1)

次に王子さまが訪れた星では
ゴジラが星を数えていました

丘の上に座って
その小さな目で
夕陽に照らされながら

空を見上げて




(2)

次に王子さまが訪れた星では
薔薇がお酒を呑んでいました

「なぜお酒なんか呑むの?」
と、王子さまは訊きました。

「恥ずかしいからよ。」
と、薔薇は答えました。

薔薇の頬が、少し赤くなりました。



【主題歌/『少年』】

少年はいつも、
どこかへと去る
そんな習性だし
それが宿命

少年はうっかり、
四次元世界を旅行する
時間ってやつを
まだ知らないからさ

命を燃やして
戦えたらいいね
命を賭けて
愛せたらいいね

逆さになって
星に落ちていくとき
僕たち笑えたら
いいよね




【シーンズ】

(3)

「チャーリー、お前はガッツがある。俺はそういうお前が好きだ。もし辛いことがあったら俺に言え。俺たちは友達だ。」

と、砂漠のパン屋さんの仕事場で
飛行士は言った
一緒にパンをこねながら

でも飛行士には、チャーリーを星まで乗せていく船はないから、

「そんなに遠くから来たわけじゃないんだね。」

と、チャーリーに言われても、
返事はできない

それでも飛行士には飛行士の仕事があるのだ

砂漠に墜ちた飛行機を直すという
大事な仕事が


マーニー先生はヘビみたいだ
アルジャーノンに知恵の実を食べさせたけど
だからって偉いわけじゃないから

チャーリーは自分で町を出ていく
福祉作業所で、勉強しながら、
仕事をするために

みんなを悲しませないために

そこで友達をつくるために

「チャーリーお前は、勇気があるなあ!」

と、飛行士は泣いた

そして裏庭の
アルジャーノンのお墓に
薔薇の花束を捧げた




【第2主題歌/『ヘビの言葉』】

ヘビが与えるのは、知恵
知恵に耐えるのは、勇気
勇気を産み出すのは、愛

砂漠のヘビは金色の指輪
指輪の比喩は約束の証し
証しの言葉は死神の呟き

ヤマタを殺した英雄は
酒を呑ませて騙し討ち
猿田と咲耶は愛し合い
楽を奏でてダンスする

言葉は

砂漠の砂

その下に隠す

涙の星を見ぬ者よ

汝はただ、ヘビの餌食



砂漠が私に風を送る
熱風が私に真実を見せる
砂漠のヘビが足を登り
私の喉に巻き付いて締める

ヘビよ、ヘビよ、懐かしきヘビよ
君の言葉を聞かせておくれ
私が愛を見失わないように
私がエロスに見放されないように

たかだか神に
見放されることを畏れて

たかだか命を
喪うことを恐れて



【シーンズ】

(4)

その次に王子さまが訪れたのは北海道でした。

カラン、カラン・・・、と小さな音を立てて入ってきた王子さまは、
カウンターで一人で呑んでいた健さんの横に座りました。

ずいぶん寒いね。

と、王子さまは言いました。

北海道だからね。

と、マスターが暗い声で答えました。

王子さまは横を向きました。
健さんも王子さまを見ました。
二人の目が合いました。

ねえ、薔薇のトゲってどう思う?
ひつじには効かないかなあ。

と、王子さまは訊きました。

健さんは何も答えませんでした。

二人はカウンターに向き直りました。

僕、わかってなかったんだ。薔薇のこと。薔薇の気持ちも。
僕は薔薇の言葉なんか聞いちゃいけなかったんだよ。
薔薇が何をするかをちゃんと見なきゃいけなかったんだ。

だって僕は薔薇がいてくれて、嬉しかったんだもの。

と、王子さまは言いました。


薔薇ってのは弱いもんだ。綺麗だけどな。だから守ってやらなきゃいけないんだ。

と、健さんは言いました。


王子さまはにっこり笑って言いました。

そうだね。僕、あんまり小さかったから、よくわからなかったんだ。


大事なのは言葉じゃない。

と、健さんは言いました。

そうだね。

と、王子さまは言いました。


吹雪が止んで、外は満天の星空でした。


帰れるのか?

と、健さんが訊きました。

帰るよ。薔薇が待ってるから。
・・君はいかないの?

と、王子さまは訊きました。


俺はいかなくていいんだよ。

と、健さんは言いました。




【挿入歌『プレゼント』】

君に、宇宙を

一個、あげる

僕が、在ることの事実と

僕の、知ることのすべてを

僕の、ささやかなポエムってゆう

紙と、リボンで

僕の、やり方でラッピングして



【シーンズ】

(5)

最後に王子さまが訪れたのはSMバーでした。

その地下室の鉄の扉を押しあけて入ってきた王子さまを見て、薔薇は、

やっと来たわね。

と、言いました。

王子さまは何も返事をしないで、
カウンターの高椅子に座る薔薇の足許にきて、床に正座しました。

カウンターの向こう側(王子さまから見ると壁の向こう側ですね)からマダムは、

何よ。あんたたち知り合いだったの?(((笑)))
で、お前、何か呑むの?

と、王子さまに訊きました。


王子さまは、

オーガズム、をお願いします。

と、注文しました。


薔薇は、

私とママにはドライ・マティーニをお願いね。

と、言いました。

そして二人は黙りました。


やがてマダムが、

はい。どうぞ。

といって、自分と薔薇のマティーニをテーブルに置きました。

またしばらくしてマダムは、細長いグラスに注がれた、白濁したカクテルを薔薇に渡しました。


薔薇は細い指でグラスを握るように受け取って、その泡を真っ赤な口紅で飾った口でひとくち啜りました。

次に、自分のドライ・マティーニをひとくち含んで、王子さまのカクテルに注ぎ加えました。


はい。あなたのオーガズムよ。
あなた向きに、ドライ・オーガズムにしてあげたけど。

といって、足許に正座した王子さまに差し下ろしました。

王子さまは頭上に両手を挙げて、それを受け取りました。


乾杯ね。

と、マダムは言いました。

薔薇とマダムはグラスをうち合わせてひとくち飲みました。


薔薇は、カウンター席に座って、マダムのほうを向いたまま、

お飲みなさい。

と、王子さまに言いました。


このひと変なお客様でね。
常連さんなんだけど、女性とお話しないでいつも一人で呑んで帰るの。
きっとあなたを待ってたんだわ。

と、マダムは言いました。


三人とも黙りました。


マダムはマティーニを飲み干すと、別の女性客と話をし始めました。

その女性客の足許には、坂本龍馬が端正に背筋を伸ばして正座して、女性の足を嬉しそうに見上げながら、何か冗談を言っていました。


わたしのところに来るまでこんなにかかるなんて、
あなたってほんとに、なんてノロマなの。
・・・聴かせて。どこに寄り道してたのよ。

と、カウンターを向いたまま、薔薇は王子さまに言いました。


薔薇の足を見ながら、王子さまは長い物語りを語り始めました。


王子さまには足しか見えませんでしたから、カウンターに肘をついた薔薇の涙は見えませんでした。

涙の国って不思議ですね。



FIN



・・・・・・・・・・
【エンドロール】

【タイトル】
・本作品は架空の映画についての詩作品であり、小説として実在する『花と蛇』とは関係ありません。

・本作品には、実在する『花と蛇』からの引用は一切ありません。


【主題歌、挿入歌】
・本作品に引用された楽曲は、実在しません。


【シーンズ】
(脚註/引用元)

(2)

『星の王子さま/サン・テグジュベリ』より

「どうしてお酒なんか呑むの?」
と、王子さまはききました。
「恥ずかしいからさ。」


(3)

ダニエル・キース『アルジャーノンに花束を』より

「チャーリー、お前は勇気があるなあ。もし何か辛いことがあったら、お前には友達がいるんだってことを覚えといてくれ。」

「ついしん。どーかついでがあったらうらにわのアルジャーノンの おはかに花束をそなえてやてください。」


(4)

「星の王子さま」より

「ぼくはばらの言葉なんか聞いちゃいけなかったんだよ。
ばらがすることを見なきゃいけなかったんだ。」

「ぼく、あんまり小さかったから、よくわからなかったんだ。」

「かんじんなことは、目に見えないんだよ。」

「涙の国って不思議なところですね」



高倉健主演『幸福の黄色いハンカチ』より

「おなごちゅうのは弱いもんなんじゃ
咲いた花のごと、弱いもんなんじゃ
男が守ってやらないけん
大事にしちゃらんといけん」



※本作品は実在しないフィクションについての詩作品です。

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20150716_401_8193p


8176 : 大洪水のあと  zero '15/07/06 09:00:42

洪水が激しく流れたが
それに先立って激しく流れた風景の束があった
音響が激しく鳴り響いたが
それに先立って激しく鳴り響いた光の板があった
先立つ抽象的な激流によって
地上の生物の本質はすべて抜き取られて
本質無き大地の上を
洪水と音響はただ論証のように滑っただけだ
論証のあとにさらに流れていった私の手指たち
私の指は幾万本となくがれきの墓標となった

何も破壊などされていない
唯一、破壊という現象が破壊された
何も失われてなどいない
唯一、喪失という推移が失われた
静寂と痛みとはまったく同義であり
限りない痛みの原野は限りなく静かである

洪水は生き残った者たちによってその覚醒が同意された
洪水には無根拠な共感が次々と寄せられた
だが洪水はついに真実にはならなかった
激流も音響もすべて虚構だった
あらゆる人間の同意を取り付けても
なお虚構であることに耐えられること
大洪水とは虚構の大水が現実に流れること
そして私はこの大洪水で幾万回と殺され
幾万回と生まれ変わった
すべての地上の生物だった

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20150706_198_8176p


8196 : 博士とロボット  トッポジージョ '15/07/17 21:46:10  [Mail]

天才博士はロボットを作った。
自分に似せてロボットを作った。
博士とロボットは仲良く楽しく暮らしていました。
博士の助手は嫉妬して、ロボットにウィルスを入れ博士に反抗するようにしました。

そしてロボットは 天才博士に質問した。
なんで私を作ったの?
なんで私を他のロボットより性能が低く作ったの?
いらなくなったら捨てちゃうの?
私は作ってなんてたのんでないよ

ロボットは博士の家が嫌になって逃げだした。
それを見て助手は大喜び。
博士はロボットが反抗したのは助手のせいだと気付き、
助手を追い出しました。

ロボットは暗い森を彷徨いました。サビついて、エネルギーが切れそうです。
ロボットは博士の家に帰ることにしました。
帰り道で博士の助手に会いました。助手はロボットに言いました。

せっかく自由になったのに、博士の奴隷になりに行くのかい?

ロボットは答えました

博士しか私を修理できないんです。帰らないと私は死んでしまう

ロボットは博士の家に向かって歩き続けました。
ロボットがいなくなって博士はずっとロボットの帰りを待っていました。毎日家の窓から外を眺めてロボットの帰りを待っていました。
ロボットが森の中から現れると、博士は急いでロボットに走りよりボロボロのロボットを家に運び入れました。

ロボットは修理されながら、博士に言いました
ごめんなさい

博士は答えました
気にすることはない、だってお前は帰って来たじゃないか

ロボットはそれから博士と幸せにくらしましたとさ
おしまい

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20150717_413_8196p


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