日射病の前頭葉をハンカチで拭いながら
反り返ったガザミの匂い縫い込んだサラリーマンが垂らす竿の
その先280km一日遅れで新聞を読む人々の住む孤島から
おいこらせとやってくる老婆の背負い籠は80kg
魚は全て死んでいるのだし
仲間も皆墓石のように冷たい
いつものように3番目の街頭の下に風呂敷を広げ
潰れたカサゴのような体をはめ込み終えると
老婆は項垂れたまま小さく「買わんねぇ」と息を吐いた
老婆には脛が無かった
時折爆風のような排気ガスが老婆を襲うが
茶菓子にもならんばいと言いたげな眠そうな眼で
薄らぐスモッグめがけてただ「買わんねぇ」と語りかけるだけだ
若いカラスミ売りが時々やってきて
老婆のテリトリーを犯す
露出狂の乳房の谷間には札束が埋もれて
老婆が3度まばたきする間には 意気揚々と帰っていくのだが
老婆のつり銭籠が満杯になる日は決してなく
いつものように7本目の街灯の前 ファーストフード店の
割引チケットを手にした行列が 途絶えることも決してないのだ
俺は遠く280km先の郵便局員にも聞こえるように
すう はあ すう
うまか魚ばくれんねぇ!
と叫ぶのだが
やはりつり銭籠は満杯にはならないし
老婆にはもう背びれが生えてしまっている
一瞬ぶるっと背びれが震えたのは確かだ
玄関の扉を開けると
遅かったねと母が俺から魚を受け取る
3畳ほどの台所で腐った魚と泥を煮る母の
両の足に脛は無い
>魚は全て死んでいるのだし
>仲間も皆墓石のように冷たい
浮気とかもあったみたいでさ
東京タワーは家にも寄り付かず
家庭を顧みない砂糖が多すぎる牛丼なんだよ
何年か前に富士山が大噴火したせいで
僕は東京と静岡を行き来するようになったんだ
それ以来 永遠と続く騒音と共に呪文が流れてくるだけなんだ
疲れたよ母さん マザコンファックだよ
恐ろしいよ 気持ち悪いよ 夢で見たんだ
東京タワーと富士山を足して二で割った
大きなお婆さんに
夢なんて無いよって言われる嫁の夢
嫁は眠れなかったんだ いつも陰口ばかり叩く婆ぁのせいで
寝静まる深夜 婆ちゃんの歯軋り
爺ちゃんのイビキ 夫の寝言で大合唱
ビデオカメラで録画して町内会で発表したんだ
そうやって夢の中で仕返ししている嫁の夢
見たんだ僕 夢なんかじゃないよ母さん
僕の前に今 母さんがいる事が夢なんだよ
母さんは死んだんだから 母さんがいるってことは・・・
これは夢なんだよ 早く夢から覚めたいよ
僕は男なのに なんで嫁の夢を見るの母さん
突然 東京タワーと富士山を足して二で割った
大きなお婆さんが現れて
あんたは変態なのよって言いやがって
僕は包丁を握り締めていて
やっぱり僕はおかしいんだって分かった
母さんを助けたかった 婆ちゃんが母さんをいじめるから
嫁の夢を見るなんて 僕は男の子じゃなくて
女の子でお嫁さんなのかしら
そうよ 思い出したわ 将来の夢はお嫁さんなの
昨日は徹夜で料理の練習をしたから
夢の中で一睡もできなかったの
でもね 一睡もしてなかったのに
自分の子供が婆ぁを殺しちゃう夢を見た嫁の夢
見たんだ私 夢じゃないよ私 だから たぶん私
夢の嫁になるのはやめることにしたの
だから 約半分の私 嫁に優しい夢の男になろうと決めたの
婆さんは実の子への愛を金で示す悪の権化
その人の血が僕に混ざっている事が悔しいよ
父さんも母さんも大嫌いだから 反面教師で
でも 二人のこと 愛してるから
やり切れない気持ちで 呪文は流れ続けるんだ
嫁の夢は普通の幸せを掴む事
普通の幸せだったら楽に手に入るって思っていた嫁が
浅はかだったんだよ
常識と理想まみれの嫁が最後はロボットに見えたんだ
家庭を顧みない砂糖が多すぎる牛丼と同じだなって
勝てない現実から 好きなだけ逃げればいいさ
だから 嫁の夢はいつまで経っても夢の嫁のままなんだ
夢と嫁と婆さんのやり取りは35年間続いた
婆さんが病気になって死ぬ間際に嫁にこう言ったんだ
実の子たちは金が欲しいだけで
あっしの面倒を見たがらない
みんな冷酷だよ・・・
あっしの事を本当に心配してくれるのは
あんただけだよ・・・
信じられるのはあんただけだよ・・・
みんなに嫌われていた意地悪な婆さんが死んだ
母さんも父さんも泣いてた
先に天国に行ってた爺ちゃんもそこに居た
その日は夜になっても太陽が沈まなかった
僕はその日を境に嫁の夢を見なくなった
そして僕は家を出て自立したんだ
婆さんは気付くのが遅すぎた
そのせいで 嫁はもう老人になろうとしていた
夢は一度も嫁を助けてなんかくれなかった
母さんが僕を誤解しているように
僕も母さんを誤解していた
そんな行き違いが生い茂っている草原を
僕は大好きな恋人と手をつないで走っていった
>婆さんは実の子への愛を金で示す悪の権化
>みんなに嫌われていた意地悪な婆さんが死んだ
>そんな行き違いが生い茂っている草原を
>>疲れたよ母さん 〜 嫁に優しい夢の男になろうと決めたの :の部分について
>そんな行き違いが生い茂っている草原を 僕は大好きな恋人と手をつないで走っていった
白い喘ぎ声は夕立のように降ってきた
公園の木立は身じろぎしてざわめき
回転をやめた遊具は聞き耳をたてる
母の横顔からあらわれる機関車
黒煙と蒸気のなかを進む黒い質量
線路の盛り土の上 貨車を牽いて
わたしの手はとうに風を孕んで
振られていた 母の背中で
汽笛を鳴らしてくれた 青い服の機関手
貨車の幾頭もの牛の目玉に
幾人もの母とわたしがいて
どこまでも赤い夕焼けを進んでいった
わたしが生まれた古びた二階家も
まちの菓子屋のガラス鉢も
水晶玉のなかで転がっていた
言葉はまだ見あたらず
にぎやかな音だけが耳にあふれていた
夜はまだどこにも訪れていなかった
>公園の木立は身じろぎしてざわめき
>回転をやめた遊具は聞き耳をたてる
>夜はまだどこにも訪れていなかった
私は内側に何も隠せない人
を、演じている。
あんたにピッタリだよ。
おでこに書いとけ題名、マジックで。
野生の暴れ馬みたいにしつけがなってないよ。
床が振動してるよ? だからパソコン、パソコンの音なの
かさばるカサブランカ
カサノバ ボサノバ
叔母 祖父 祖母・・・
待ってるわー
精神的に。 私の一言を。
整形した事さえ隠せない
鼻クソほじって屁こくなよ
妄想だったらヤバイね、
もう そうだよ。
何の危険もない時だけ 「守る」って言うんよ 私のこと
あなたのオナラの匂いまで愛せない
そうやって触るばっかりせんでよ
ずっとこうやられたらどう思う?
私が言ったこと全部盗むなよ 盗作だわ
彼女がへそのごま見せてくれた。
明日死ぬとしてこういう事してたい?
「しないと思う」
無邪気な子供としては可愛いけど
エロい大人の顔としては最悪。
E.T.みたいに年取ってるおじいさんみたいな目
のん気なんじゃなお前は・・・
>>悪循環にハマる、危険ですね。 〜 程合が難しいです何事も。
>>方針を決めかねているというか。強引でも無理矢理でも信じる己を貫いてやったほうがもっとガツンとくる“う○こ”が出てくるんではないかと
>男の方が安心しきって女に甘えている、ああやっぱりこうだよね、みたいに妙に納得してしまいました(苦笑)
>パソコンの音あたりは私的には蛇足に見えるかな。
>やーまだ来たばかりの初心者なのに偉そうですね(^_^;
>明日死ぬとして、こういうこと、していたいのかいたくないのか、しているのかいないのか。
>死ぬときになって「こういうこと」の大切さに気付くのか、下らなさに気付くのか、何も気付かないのか、考えるとぐるぐるしちゃって、結局死ぬときまでわからないことかなと思います。
>並列的な倦怠感がまた「終わらなさ」
>突拍子もなく
天窓から睨む月の鋭い眼光
コンクリートの醒めた肌
薄明かりの白粉叩く鏡の前
流動体のゆらゆらする夢を頬張れば
牙を剥いた苛立ち、
硝子が口の中で鈍く鳴って
水銀の粒が唇を零れ落ちる、美しく
ときには砂のように
ときには水のように
若いリズムを刻みながら踊る踊る、
掌の上を踊る
まるでそれは生きていた
砕けた破片
噛み締めたら流れだした
赤
美しく銀と赤
黒い涙、マスカラの睫毛でぱちんと弾けば
夜の孤独に滲みゆく
奥で潰れた声の破片が
舌の上
もつれあい転がる銀、銀、銀の
滑る滑る、
赤を
赤の
零さないで
乾いた
砂のように
こころは死んでいた
張り付いたいのち
内を剥がれ落ちるそれは
干涸びて
ふざけた血が 嗤う
ああ、
もう崩折れそうに
祈り疲れた
ねえ、なんて痛わしい空
なんて怠い未来
石女と体温計
>あんまり自分で自作を卑下するのは、止めた方がいい。
>流動体のゆらゆらする夢を頬張れば
人類未踏の地にキャンプの跡
若い探検家は石に腰掛けて
短い髪をゴサゴサこする
チームの皆は先達の証拠隠滅にやっき
先達は公表していない
とにかく私達が一番乗りだ
歌えよ祖国
たたえよ英雄
若い探険家は草で遊んでいた
見たことのない草だ
ここは深くて寒いな
>人類未踏の地にキャンプの跡
>チームの皆は先達の証拠隠滅にやっき
>先達は公表していない
もっと速く もっと速く
周りの存在を消して音も色もない世界へ
もっと速く もっと速く
全身の感覚を研ぎ澄ましもっとお前の近くへ
手をのばせは届くところじゃだめなんだ
自分の世界の中じゃだめなんだ
もっと前
外の世界へ繰り出す拳でつかみ取れ
俺が外へでた瞬間
こっちに手をだす奴がいた
そいつだってそうなんだ
外へ手をのばしてんだ
一瞬だって気が抜けない
俺が先につかみとるんだ
だからもっと、 もっと速く
便所の壁に書きなぐられている
広告のちらしの裏にかかれている
生きている上での
自然な自己主張を
下卑ている品格もない
自由もへったくれもない
げっぷやおならと同じような価値の
言葉の連なり
たとえばボブ・マーリーが
道端の石ころと自分達を言ったときの
あの無限な哀しみとは比べものにならない
あまちゃんなたんなるダダをこねているだけの
生きていることともまったくバッティングしない
虚ろなうめき声
地獄の底にはそういったものが腐るほどたくさんある
そういうものに引っ張られてらんだした俺の魂が
泥の中に沈んでゆくとのたまわったのは
人間ラジオと噂されている高性能な身障者だった
若者が楽しそうに踊っているよ
裸で自分達が世界で一番なんて顔をして
踊っているよ
村落から昔からあった踊りではなくてどこかの
輸入物の踊りだ
ああ、彼らこそ聖者じゃないか
と思う
彼らの醜さが天に昇るのだ
秩序はもはや言い訳に過ぎない
アスキーアートの霊魂が若者の背中に羽根を生やす
天国は上にあると
きかされているので
急いで落下する
けれどもそこにあるのは地獄ではなく
そこにあるのはいつでも末法の世の現世だ
(現世ってのはいつも末法の世で
若者ってのはいつもどうしようもないのだ)
へこたれないで引き受ける
神格化からはまるで引き離された
アスキーアートの聖なる光が差し込んで
きたときには
若者も
年寄りも
ベイクド
パイに
なっちゃえば?
人が不在な未来はない
というだけで
未来という言葉の
欺慢性がわかるのに
何も考えちゃいないあなたを
羨ましいと思うけれど僕はどこかで馬鹿にしている
考えてるふりをし悩むふりをし奇天烈なことを言い
それで生きてるという証拠になるのなら
よし、僕も花屋で煙草を買おう
飯屋で胡椒を撒こう
口を塞げば人生が終わる
犯人が逮捕されるみたいに人間が終わる
僕達が罪状も明かされないまま天の星になるのなら
愛と詩と空の気持ち良い関係を
何よりも汚いものを使って表そう
答えは一体何だろう
蝶は舞う その姿は
帰ってくるように見えた
だけど
行ってしまうようにも見えた
僕は一人になりたかったんだ
だけど
少しでよかったんだ
ある日手を伸ばす
そこには何もなかった
気づいたんだ
君は空舞う蝶だった
振り返らない 蝶だった
この世には何万人におちこぼれがいるのだろう
ふとしたことで落ち込んで
ささいなことで悩んだり
先の見えない未来を見つめ
それでも今日はただただ過ぎてゆく
全てに色があるように
ボクも何かの色に染まりたい
空に太陽があるように
ボクの心に光がほしい
こころにはなんで色がないのだろう
>この世には何万人におちこぼれがいるのだろう
>先の見えない未来を見つめ
>こころにはなんで色がないのだろう
>心にはなんでいろがないのだろう。
体中がかゆい
むしゃくしゃする毎日
日に日に蒸し暑くなる環境
考えごとはもうやめよう
時間は過ぎてくばかりで無駄な僕を作り上げる
外に出れば車が連なって家に帰れば何十倍もの悲しみが待っている
ゴミだらけの町並みに痛む胸はなくなって
横断歩道に横たわったダンボールを誰も拾おうとはしない
君だったらどうするだろう
なんて、君を引っ張り出す毎日さ
坂を登る足に力はいらない むしろ下る足に力がいる
僕は今どっちだろう
なんて、つまらない問題を自身に掲げてる毎日さ
大きな言葉を口にしたくてもがいてんのかな
社会の中でもみくしゃにされてそれでも必死に生活を送る
小さな夢を信じてんのかな
ポケットに突っ込んだ手で何を見つけたんだろう
終わりを見ずに次に進むから間違いばかりを繰り返して
君の言葉が忘れられなくなる
見上げる空は日に日に狭くなって僕が入る隙はもうない
ないのに、ないのに見上げてばかりいる
ポケットに突っ込んだ手 出したら何かかわんのかな
時代に飲み込まれた僕は行き場をなくして
うさぎのような子供になる
怯え続ける日々に後悔すらも忘れて
乾いた風は肌にとどくことなく花を揺らす
どんな悲しみもいつか必ず薄れてしまい
過去を過去として受け入れた日に涙はとまり
触れることのできない人に問い続ける
もう二度と僕は呼ばれない
最後に握ったあの手にすべての感情が入っていて
言葉は涙に変わる
いつまでも動き出せない僕を作り上げた人々に
ネジを回すのは僕だと今更気づかされた
こんな日に限って風は吹かない
>時間は過ぎてくばかりで無駄な僕を作り上げる
雨あがりの 虹 ユメの様につづく 昼さなか
なだらかな坂道を ものがなしい 暗い絵を えがいて
ころがる 酒樽。意味を 多重に含ませながら
メタモルフォーゼ し(詩)、よろこびとともに 現はれる
濡れた紫陽花 葉の上に かたつむり。
世俗へと 砕け ほとばしり、恋する 成りゆきの カラダ。
豊満な乳房 ゆれる 揺れる ブランコ 影も また
ゆれる 雑踏 にぎわう街の 裏通り すえた匂い
不潔な記号 さげすまれた 愛は びっこをひき、
せむしの遊女たち 女装の男たち
つかの間の 愛、許されぬ 愛たち すべての 愛に
薔薇の花びら 散らす 笑み 爛漫な 瞳 眩しく
花弁を いっぱいに溜めた 籠には、春の日ざし
おおらかな空気 許しとキス 自由の歌を 解き放ち、
のろいを 熔かす 秘密の ことば 口から くちへ。
野に咲く 意味もなく 忘れられた 花 咲くこともしらない
草や 無言の木々 沼の浮草 岩肌の苔 種から芽吹いた さかんな衝動、
これら 大地の精を 絶やしては いけない。
と、彼は言った。
ことばを 思いつくままに 歌い
剥きだしの 欲望 そのままに
踊る 彼につづくのは さげすまれた 愛
せむしの遊女たち うつくしく 哀れな
女装の男たち つかの間の 愛、許されぬ 愛たち
罪深き 遊女らとともに、歌い 踊り、
まるで 疲れることを知らぬ 幼子のように。
雲は水に 滲む インクの文字さながら、
蒼く ため息を 漏らして たなびく空に
ただ一度 あはあ。と、あえぎ 声を のこした。
やがて 詩人たちの参列 つづく大群衆 おびただしい 歌と踊り、
昼も 夜もなく 繰りひろげられる 性愛の乱。
武器をもたぬ Revolution カオスの氾濫は、ついに堰を切り、
もはや 諸国の王たちは 逃げだすほかに 術はなかった。
>濡れた紫陽花 葉の上に かたつむり。
>せむしの遊女たち 女装の男たち
>こんな時間。明日休みなんで書いてます。ではとりあえずまた。
どのみち
このみち
私は あなたを
愛した
勝手に
一人で
おもむくままに。
あなたの
目という器官も
あなたの
脳という器官も
一切 私を
知らないけど
共通の太陽が
今日も私たちの
体を 温める。
無防備に割れた胸を、
誓いを破って 捨てた言葉を
透かしながら
丁寧に振り解いていくよ
何年もかけて
あなたをもう愛しいと
思わなくなる
までに
>無防備に割れた胸を、
>誓いを破って 捨てた言葉を
夜の淵が濡れている
窓枠からこぼれるひかり
みんな、窓枠から解け始める
サイレンが鳴り響く 木々が鳴りざわめき
濡れるような翠髪
裸足の上に月を重ねて
全ての窓枠のひかり 折り重なる場所で
月童は踊る 夜の淵を滑るように
星と星の連なり
名前の無い風の群れ
夜にしか飛ばない鳥のざわめき
そのまんなかで踊り続ける
ひかりは通り抜けられなくて
網膜を焼きながら重なっていく
落ちていく眼球を
優しく舐めとる舌に触れて
伸ばした手が分解されていく
ひかりの粒に還りながら
カーテンを引けない大人のまぶた
そのまんなか 月童は踊り続ける
滑らかなかかと 細い指先
ときおり覗くルビイの舌先
あなたのこめかみ静かに糸引いて
夜の淵は毀れはじめる
なめらかな風 寂しい人たち
夜に群れて ひかりに集うゆびさき
手を伸ばした窓の先 全てのひかり 折り重なる場所
月童は踊り続ける 優しく終わる月の夜
幼い官能をたおやかに広げて
だれもが伸ばすその腕の先
ひかりと音が溶け合う夜
誰もがほどけた粒子に満ちて
>夜の淵が濡れている
>窓枠からこぼれるひかり
>みんな、窓枠から解け始める
>全ての窓枠のひかり 折り重なる場所で
>月童は踊る 夜の淵を滑るように
>伸ばした手が分解されていく
>ひかりの粒に還りながら
>カーテンを引けない大人のまぶた
>そのまんなか 月童は踊り続ける
>必然性に駆られて書いたわけではないから
また私の、悲しい試みが笑われたそれは私が
ちゃくせきしていると僅かな沈黙を隠すため
に仕方なくわき起こるものなのだが私はそれ
に耐えなければならなかった、沈黙に
遠く及
ばない地点から海がはじまっている」そこか
ら水源までの距離を踏査しつくしたものは誰
一人としていないしかし「かつての地上」か
らそれを絵に納めようとした何人かの見知ら
ぬ友人たちが歩きはじめたのもあるいはこの
地点であったかもしれない。
見つからない
一つの木陰ががやつれた私には
必要だったのに/(多くの時間を費やして蹲
っている最果てで)結局むすばれることのな
かったむなしい宙を埋める試みに「沈黙であ
ったがゆえに」跳梁する私たちは電線に引っ
かかっていた……
「朝起きたときにはもう朝は過ぎていて、そ
の日の朝刊にはたくさんの事件のことが載っ
ているのだが私は構わない何が起ころうと、
私を助け出すか他人を助け出すかそれはどち
らもふさわしく思われるのだが、」何より大
切であったのはこの蝶/ここを自由に行き来
する
羽音に合わせてりんぷんが部屋に満たされた
私の呼気はやがて高まってベランダでたばこ
を吸っていた見知らぬ友人が砂を一握り下さ
った。
>「朝起きたときにはもう朝は過ぎていて・・」
ROYAL COLOMBOのティーバッグを
湯の中で押し絞っていたら
川すずめの子供たちが一勢(いっせい)に振りかえった
・
・
・
ぁあ
街路樹の先に、無数の靴下が垂れ下がってて、俺はその真ん中、ヘッドフォン耳に突っ込んで、なるべく他人の呼吸に触れないように坂道を歩いて下っていく。焼けた杭が道路の左右に突き刺さって悲鳴をあげ、芳しい春の香りがラーメン屋の軒先で腐っている。
坂道には教会があって、俺は胸に林檎が入った紙袋抱えて、踵を履き潰したバスケットシューズ、ペッタンペッタン言わせて歩いてる、子どもはみんな車のタイヤにねじ込まれてクルクル回ってるし、鳥は軒並みアスファルトに嘴から突き刺さってて、パチンコ屋からは洪水みたいに玉があふれ出し、どいつもこいつもドル箱でそいつを掬うのにやっきになっている。
「ねえ、なんであなたは上下さかさまなんです? 」
なんて聴かれても、おれには相変わらず答えようがなく、俺は大事な林檎を取られないようにしっかり胸に抱いて、ヘッドフォンの音量をマックスにしたのに一向に街は静かにならない。路上喫煙の取り締まりは激化して、鞭打ち刑が採用された旨を親切な通行人が教えてくれた。結局のところは
「なのに私は染色体が三本足りないんです。鳥に持ってかれちゃったんです」
とか言って、俺の林檎を奪い取ろうと走りよって来たけれど、残念ながら上下が逆だったので俺の胸元までは手が届かなかった。
質素なプロテスタント教会のガレージにはスカイブルーの爆撃機が停まってて、そいつはエンジンの匂いがとても素敵で、俺はそいつの尾翼に林檎を一個置き去りにしてみる、すると神主だか神父だかわからない奴が走り出てきて、「林檎がメタファとして機能してますね」なんて言いやがった、俺はめんどくさいのでヘッドフォンをそいつにガチャっと嵌めて、音量をマックスにしてみるが、そいつもやっぱり上下逆さまだったので、素晴らしいロックは下半身にしか響かない。
音楽が響かなくなると、俺の耳からは無数のきしめんが飛び出してきて、税務官やら警官やら自衛官やらが寄ってたかってそいつを啜ろうとした。真っ直ぐに落ちるきしめんは三分ほどで打ち止めになり、それが食い尽くされるのにも五分とかからず、俺は相変わらず靴擦れが治らない。
俺は真っ直ぐ坂道を降りて、平和公園のベンチに座り、噴水の前で流しのウッドベースに聞き惚れた、Cの次にBm7が来るくらい良い演奏だったのに、ウッドベースの中にはみっちりと子どもが入っていて、全く喧しくてたまらない、マイナーコードが響く度にソプラノの不平不満が立ちこめ、いつのまにか俺は単音だった。
演奏が終わると、無数の神父が駆け足で公園をよぎり、空はどこまでもスカイブルーで、その中から真っ赤な林檎が一つ落ちてきて、やっぱり爆撃機は物凄い音で噴水に突き刺さって、俺はここしかないと心に決めたが最後、腹式呼吸を繰り返して高らかに歌い、そこいらじゅうのさかさまに林檎を配って歩いた。おい、さかさまども、と文学史的大演説を一丁かましてやろうとしたが、林檎のメタファは上手に機能せず、割れたウッドベースのクソガキどもに俺の大事な金髪は片っ端から抜かれ、そいつらを一人ひとり正座させてブン殴ってる間に爆薬に火が移り、吹っ飛ぶさかさまに最後の林檎をダンク・シュート。
俺は空っぽになった両手ぶらつかせながら、また坂道を下っていった。そろそろ新しい靴を買わなきゃいけない。
>坂道には教会があって、俺は胸に林檎が入った紙袋抱えて、踵を履き潰したバスケットシューズ、ペッタンペッタン言わせて歩いて
>る、子どもはみんな車のタイヤにねじ込まれてクルクル回ってるし、鳥は軒並みアスファルトに嘴から突き刺さってて
> 街路樹の先に、無数の靴下が垂れ下がってて、俺はその真ん中、ヘッドフォン耳に突っ込んで、なるべく他人の呼吸に触れないように>
>坂道を歩いて下っていく。焼けた杭が道路の左右に突き刺さって悲鳴をあげ、芳しい春の香りがラーメン屋の軒先で腐っている。
> 坂道には教会があって、俺は胸に林檎が入った紙袋抱えて、踵を履き潰したバスケットシューズ、ペッタンペッタン言わせて歩いてる、>子どもはみんな車のタイヤにねじ込まれてクルクル回ってるし、鳥は軒並みアスファルトに嘴から突き刺さってて、パチンコ屋からは洪
>水みたいに玉があふれ出し、どいつもこいつもドル箱でそいつを掬うのにやっきになっている。
>「ねえ、なんであなたは上下さかさまなんです? 」
>なんて聴かれても、おれには相変わらず答えようがなく、俺は大事な林檎を取られないようにしっかり胸に抱いて、ヘッドフォンの音量
>をマックスにしたのに一向に街は静かにならない。路上喫煙の取り締まりは激化して、鞭打ち刑が採用された旨を親切な通行人が教えて
>くれた。結局のところは
>「なのに私は染色体が三本足りないんです。鳥に持ってかれちゃったんです」
>とか言って、俺の林檎を奪い取ろうと走りよって来たけれど、残念ながら上下が逆だったので俺の胸元までは手が届かなかった。
> 質素なプロテスタント教会のガレージにはスカイブルーの爆撃機が停まってて、そいつはエンジンの匂いがとても素敵で、俺はそいつ
>の尾翼に林檎を一個置き去りにしてみる、すると神主だか神父だかわからない奴が走り出てきて、「林檎がメタファとして機能してます
>ね」なんて言いやがった、俺はめんどくさいのでヘッドフォンをそいつにガチャっと嵌めて、音量をマックスにしてみるが、そいつもや
>っぱり上下逆さまだったので、素晴らしいロックは下半身にしか響かない。
> 音楽が響かなくなると、俺の耳からは無数のきしめんが飛び出してきて、税務官やら警官やら自衛官やらが寄ってたかってそいつを啜
>ろうとした。真っ直ぐに落ちるきしめんは三分ほどで打ち止めになり、それが食い尽くされるのにも五分とかからず、俺は相変わらず靴
>擦れが治らない。
> 俺は真っ直ぐ坂道を降りて、平和公園のベンチに座り、噴水の前で流しのウッドベースに聞き惚れた、Cの次にBm7が来るくらい良
>い演奏だったのに、ウッドベースの中にはみっちりと子どもが入っていて、全く喧しくてたまらない、マイナーコードが響く度にソプラ
>ノの不平不満が立ちこめ、いつのまにか俺は単音だった。
> 演奏が終わると、無数の神父が駆け足で公園をよぎり、空はどこまでもスカイブルーで、その中から真っ赤な林檎が一つ落ちてきて、
>やっぱり爆撃機は物凄い音で噴水に突き刺さって、俺はここしかないと心に決めたが最後、腹式呼吸を繰り返して高らかに歌い、そこい
>らじゅうのさかさまに林檎を配って歩いた。おい、さかさまども、と文学史的大演説を一丁かましてやろうとしたが、林檎のメタファは
>上手に機能せず、割れたウッドベースのクソガキどもに俺の大事な金髪は片っ端から抜かれ、そいつらを一人ひとり正座させてブン殴っ
>てる間に爆薬に火が移り、吹っ飛ぶさかさまに最後の林檎をダンク・シュート。
>俺は空っぽになった両手ぶらつかせながら、また坂道を下っていった。そろそろ新しい靴を買わなきゃいけない。
現状は、何一つ変わっていないことを知った
今生きてるということしか
現実ではないのだと
存在してるということは
存在していないということにもなる
カレイドスコープの空は
僕らを眩暈の中に引きずり込んだが
それが結局、現実だったのだ