◇ No.334 , '12/09/21 01:48:23 作成

6281 : いつもよりおおめにくさをはやしてでうすえくすまきなをまちわびるγ  もとこ '12/08/20 19:25:41

眠れない夜には目を開けたまま死の夢をみる
それが正しい成長と堕落のバランスの取り方
アイツらを殺さなくてもアタシはどこへでも行ける
そう囁くのよアタシの宝の持ち腐れのコブクロがw
核兵器のボタンでピンポンダッシュ
Nゲージの世界で展開する人生
明けない夜はないと言うけど
夜明けにたどり着けない命もあるのよ
みんな逃げてぇ〜っ!
ゴジラが銀座方面に進行してるわよ〜っ!!ww
ヒマワリ畑の真ん中で気が狂う女
オマワリが詩を書いたら警官詩人
サ行が上手く言えない朝には
目眩を起こすまで考え続けるの
アタシの意見も願望も無視して
下腹部の中を泳いでいる赤黒い魚
必要のないパーツに支配される屈辱
システムとして定期的に作動する罠ね
アタシは二重らせんの奴隷なの
脳髄をレイプしていくオーロラ
初めて男が入ってきた時の
苦痛と屈辱を今でも忘れない
鳴りやまないピアノ殺してやるwww
枯れていく井戸の底に投げ込まれた機械が
口真似したら逮捕されそうな音を立てると
決して開くはずのなかったドアが開いて
魚の目を持った少女たちが走り出す
逆光線の中でぶちまけられる聖者たちの臓物
本当に随分と待ちわびたわよアタシはwwww
汗の中で目を覚ませば残念ながら世界は続いてる
まだクスリが抜けきってない身体に追い打ちかけて
雨の日にはクロールかバタフライかを考え続けるの

(接続が切られました。人として認証されませんのでしたので再接続できません)

おお! かみになりたい!!(ベタ
訪れてよアタシの神様
床ずれて夜明かしの有り様
深夜に音もなく港を離れていく船を
老いぼれた犬だけが見送るように
アタシの希望は死ぬまで瓶の底

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6291 : 名のないホーム  無名 '12/08/24 09:09:32  [Mail]






疲れたら

そうだ
なにも考えず次の電車を待とう

無邪気に笑うこの子の
小さな手を握り
二人で待つのだ

風を感じ
響く笛の音を聞きながら
電車が来るのを待とう


ほら
電車が来たよ
向かいのホームを見たら

一人の優しい少女が
私とこの子を見つめてる

電車は
私達を乗せず
過ぎ去ってゆく

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6294 : 目眩に関する断片   '12/08/25 14:35:53

世界の終わりを見届けるより
世界の始まりを見てみたい
饐えた大地に沈む巨大な夕陽
消えていった命に呼びかける声

       喝

清らかな指がそっと描く線
大気に記録されていく秘密の数式
すべてが偶然によるものだとして
それすらも記号化され保存される

   空

緑の巨人に憧れていた友人は
色々なものに押しつぶされて
緑の遺体となって家族と再会した
その方法がブームになる前の話だ

        相

振り返ってみると誰もいない
さっきまでのざわめきが嘘のようだ
まるで夢のような人生だったと
小さな少女が疲れた顔で呟く

      象

問いかけは無意味だと知りながら
弱々しい光の零れる公園に立ち
ただ あなたの名前を呼び続ける
本能で動く壊れた機械のように

               无

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6297 : 夜と朝のデキゴト  RetasTares '12/08/28 08:40:40



尿瓶を枕元に置いている
夜便所に行くのがめんどい
それもあるが
この尿瓶の構造が面白い
透明な強化プラスティック製で
中にもうひとつの入り口があり
 (メビウスの輪の3D)
陰茎を入れるとピッタリそこに
入ってしまうのだ
後はズリズリやっていると
射精してしまう
億単位の自分のゲノムの死骸は
尿の中に漂う線虫のようで
身体も知らないくせに身体というものを
適当に表現しているみたいでもあり
なんだか知らんが楽しくなる

夕べは
久しぶりに推理ドラマを見た
気に入っている若いが
か細い胸の女優を視姦してやった
いつも
狂気じみた演技をするので
楽しい子なのだが
夕べのもやっぱりそうだった
尿瓶の中のC. elegansもエレガントに
蠢いていて…

夢の出来事など
すっかり忘れている
パンは白 コーヒーは黒
今朝もたぶん普遍だろう

洗面器に顔を浸し口からため息を
ボコッボコッ 吐き出すと
  メクソ ハナクソ ミミクソ ハナゲ
ナドが水の表面に浮きだしてくる
最初はランダムに浮遊しているが
しばらくウルトラQのオープニング曲を
脳内で響かせそれが終わる頃には
新しい世界地図がそこに現出される
深層心理学的には意味もありそうだが
俺には今のところ
なんの意味もないので一気に飲干してやった
歯磨きをする必要はない
さっきの口唇バブルでハクソも取れた

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6244 : 陽の埋葬  田中宏輔 '12/08/01 02:05:24





インインと頻(しき)り啼く蝉の声、
夏の樹が蝉の声を啼かせている。

頁の端から覗く一枚の古い写真、
少年の頬笑みに指が触れる。

本は閉じられたまま読まれていった……


II

日向道、帰り道、
水門のかたほとり、睇(めかりう)つ水光(みずびかり)。

すこし道をはずれて、
少年たちは歩いて行った。

だれも来ない楡の木の下蔭、
そこはふたりの秘密の場所だった。

あわてものの象戲(チエス)のように
鞄を抛り投げて坐った。

「きょう、学校でさ、
 脈のとり方を習ったよね。」

何気ないふりをして腕に触れる。
脈拍は嘘をつくことができなかった。


III

あれは遠足の日のことだった。
車内に墜ちた陽溜まりを囲んで、

騒ぎ疲れた子どもたちが
みんな、とろとろと居眠りしていた。

ふたりは班が違っていたけれど、
となりどうしに坐って微睡んでいた。

自分たちの頭を傾け合って、
頭と頭をくっつけて、

ふたりは知っていた。
眠ったふりをして息をしていた。

透きとおるものが
車内を満たしていた。

ふたりだけの秘密。
少年の日。


IV

だれが悪戯(いたずら)したのか、
胸像の頬に赤いチョーク。

部屋の後ろに掲げられた
木炭画スケッチ。

変色して剥がれかかっている。
まるで乾反葉(ひそりば)のようだ。

器に盛られた果物たちの匂い、
制服の下にこもった少年たちの匂い。

すでに何人かは
絵の具を水に溶いていた。

眼は椅子の上、
じっと横顔ばかり見つめていた。

叱り声が飛ぶ。
背後に立つ美術教師の影。

はっとする級友たち、
耳を澄ます木炭画たち。

違った絵の具を
絞り出してしまった。




あの夏の日も、
あの少年たちの頬笑みも、

束の間の
通り雨のようなものだと思い込もうとして、

ほんとうの気持ちに
気がつかないふりをして

通り過ぎてしまった。

午後の書斎、
風に揺れるカーテン。

インインと頻り啼く蝉の声、
夏の樹が蝉の声を啼かせている。

頁の端から覗く一枚の古い写真、
少年は、いつまでも微笑んでいた。

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6287 : とーきょー・天使の詩   '12/08/22 16:56:06  [URL]

ひどく退屈な映画を見ていたんだわ

世も詰まらぬものばかりになって、いっそのことすべてを海に沈めたいと願う子供の夢の中で、ぬかるみをえんえんと歩くともつかず、泳ぐともつかずに、着物ばかりが汚れてしまった。あの人へ辿り着く途がぼんぼりの淡く、そいでいて不気味な明るみに照らされてわたしが迷子なのか、それともあの人が迷子なのか、そんなことはもう分からなくなってしまって、ただただ進むともおぼつかず、退くとも結局詮方なくて、寄り添うものもないものだから、わたしが空を仰ぐと下弦の月が緩やかに流れていく、それとも流れているのはわたしかと、葦をしかと掴んでもういちど。きれいな月様だった、妙なるバイオリンの音色がどこかしらから夜をしのび歩くようにわたしのもとにも訪れて、それきり覚えていない。あの人はサラサーテの奏でる音色のように、移ろいやすく、どこか不気味で、そいでいて健気だった。

ひどく退屈な映画を見ていたんだね

わたしはちゃんと宿があったけれど、帰ることが出来なかったから、駅前の漫画喫茶で夜をやりすごしていたんだ。いつも最初に手にとるのは「クレヨンしんちゃん」で、それから大島弓子の作品集を飽きずに読み続けていたよ。練馬区の大泉学園に住んでいたんだ、あの人は。少女マンガのメッカだからさ、大島弓子が揃ってたのが救いだったな、だけどもうほとんど何も覚えていないんだ、何を読んだか、何に涙を流したか、あの人は言っていたな、あなたの毒もそろそろ賞味期限が切れてきたみたいね、って。「綿の国星」で泣くようになったらロックンロールは終わりだね、って。

言葉がいつでも心を捕まえることができるとはかぎらないんだわ

とてもかなしい言葉を知っていました。けれどもわたしはその代わりにたくさんの雨を降らせた、あのひとの背負うエレキギターをずぶぬれにしたかったのかもしれない。そいでもあの人の心を捕まえることなんてできないと知って、わたしはもう着られることのないジャケットを物干し竿にかけていた。あの人の中でうごめく世界はとてもちっぽけなもの、だけどどんなにちっぽけに見えたって誰も内部を捕まえる言葉なんて持ち合わせていないことが、わたしをかなしみへと誘った。とてもかなしい言葉を知っていました、それはあの人の心を捕まえるのではなく、八つ裂きにしてしまう、そういう類の言葉を。

言葉がいつでも心を捕まえることができるとはかぎらないんだね

白いスープが似合う人は、鏡にうつる花の如く、天女の装いを心得ていて、わたしは途方も無い夜が波打つのを、あの人の心が揺れているのだと、夜風に掌をかざして、夜咲くひまわりを真似て求めたこともあった。下弦の月がちょうど夜の矢狭間のなかで煌くときには、あの人がわたしを射抜いてくれるよう願い、きっとあの人もその刹那に舌を噛み切るものだと思っていたよ。けれど言葉はいつも鏡の前に立ち止まり、わたしを酸鼻な夢へと誘う、どこからか不気味なバイオリンの金切り声が轟き、わたしの前に立ちはだかった、それきり覚えていない。あの人はサラサーテの音色のように、夢見心地で、すべてを包み込むようで、沈み込むような海だった。



映画の主人公は巨大な体躯をなりふりかまわずふりまわして、あの人はどこだ、と、叫び続けていた
映画の主人公はピストルで撃たれてしまって、というよりも撃たれるために、叫び続けていた
映画の主人公は精神病棟でも何も食べなかった、外では「あの人」が風になり彼に向かって、叫び続けていた
映画の主人公は脳外科手術を受ける間際に「あの人」の名前を、叫び続けていた
映画の主人公は手術で別人になった、叫ぶべき名前をもう、忘れてしまった


かなしい夜明けが来ることを知っていたわ

クリーム色に変わってしまったカーテンは、差し込もうとする朝の日差しをかたくなに拒絶してみせた。わたしはとびきり熱いクラムチャウダーをテーブルの上に二皿よそった。そのときのあの人の瞳をきれいなものとして留めておくにはわたしは少し残酷にすぎたのかもしれない。あの人は心から憔悴している人がたびたび見せるあのかなしい笑顔を虚空に漂わせ、白い煙を吐き出していた。そのときあの人の指先がふるえて灰がクラムチャウダーのちょうど真ん中に落ちたことを今でも覚えている。かなしい夜明けが来ることを知っていたわ。大気はまだ寒々としていたけれども、わたしはクリーム色のカーテンを開けて、そのまま窓も開いてしまった。その寒さを言葉にするのは難しいけど、ひらがなにたとえるならば「き」の音がわたしを骨まで痛めつけて、気がついたらもうあの人の姿は無かった。かなしい夜明けが来ることをしっていたわ。あの人の行方はしらない。わたしはようやくぬかるみから這い出た、かなしいという気持ちはきっとあの人には伝わらなかった、もしかしたらそのこと自体がかなしかったのかもしれないのかな。

かなしい夜明けが来ることを知っていたよ

あの人は暖房の温度をめいっぱいまであげて、それからカーテンを開いてそのまま窓まで開けっ放しにした、これでもう誰も寒さに凍えることはないわね、と言ったあの人のいたずらごころを、肺の中でたくさんの汗を流しながら、何事もないような振りを装っていたよ。あの人の笑顔がそのままあの人のかなしみで、あの人のかなしみはそのまま、あの人の笑顔だった。白いスープにはたくさんの毒が入ってるんだ。でもそれは毒が入っていることよりも、入っていないことのほうが猛毒だったよ。もちろん、毒など決して入っていないことになんて、もう出会った頃から知っていた。かなしい夜明けが来ることを知っていたよ。けれどもわたしはあの人をさらっていくことなんて出来ないと知っていたんだ、もちろんあの人がわたしをさらっていくことなんて。囀る小鳥たちを見つめるあの人の頬から滴り落ちた涙が床に落ちてしまう前にわたしは戸をあけた。あの人の精一杯の笑顔から滴る涙がこの世のどんなに濃く淹れられたコーヒーよりも苦いことを知っていたよ、そのやさしさがやがて海になりわたしを包み込んでしまう前に、わたしは一人の天使とさよならをした。





館内で流れている映画はPhil Jutziの1931年版の『Berlin-Alexanderplatz』で
にっこりと笑う人たちのとてもかなしい映画です。

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6262 : いっぴきの犬と一羽のからすと数千台の神託  中田満帆 '12/08/07 20:29:21  [Mail] [URL]

業務スーパー

   おれはスーパー──
      マーケットのなかで死にかかってる
    天秤のうえの肉片のように
     さえないつらとなまぐさい息を吐いて
      洗濯機のうちでまわる汚水と汚れもののような
       両の眼
 
    おれは老人を越え
       インド女たちを越え
    ショートパスタ、豆腐、納豆、厚揚げ、そのほかもろもろを仕込んで
    列にならぶ
      行列はまるで死
      そのものだ

    太った聖者たちが片目を手で覆い、
    世界をひとつにしようと企む
    かごの中身はといえば冷凍の鰯
     おれはスーパーマーケットのなかで死にかかっている
            なぜならジッパーがあいている

  (これはほんの風孔だ)とおれ、おもう
   綿のはみでたぬいぐるみをみせて
    おれはうっとり勘定をすませ
    感情を殺処分した

       いまや、とおもう
     スーパー、
        マーケットのなかで死にかかってはいない

       閉店だと蛍の光りが告げる
        いっぴきの犬が吠え
         一羽のからすが跳ね
          数千台の宗教が御託をならべ始めたとき
     おれはジッパーを閉じてようやく丘のアパートメントへ帰る
     空想のかわいい娘たちを連れてだ
     
  あらゆる好機は過ぎ去っていま
  十三本めのストーリーにとりかかる
  そのなかでおれはまたしても死にかけだ
  
          (呼びとめてくれ)とおれはおもう。

 なにもかもがでたらめさ。

     おれのみに、
      おれのみに幸あれ、だ。


男たち、女なしの。

  ふるぼけた帽子
  のうちで笑う眼ども
  アルコールの呼びだし
  にそなえて上衣をととのえるあいまだった
  いっぴきの猫がかれのそいつに小便をかまし
  まんまと逃げおおせる
  温い夜の水彩だ
  これもただ人生という犠牲のささやかな悪意
  としておれはハンドルを切りそこね
  ギアボックスをだめにする
  ああ夏はきらいだね
  そして冬も
  秋は春はもちろんのこと

  ふるぼけた帽子よ
  夢はもはやみずからによって追い放たれる犬だ
  おれはかつて救貧院にいた
  かつて病院に監禁されていた
  そうしていまはアパートメントの三階で
  自身によって檻にされてる阿呆
  終わった劇にしがみつきながら落ちるのだ
  そういえばおれはどこでだって
  高所恐怖に曝されたものだ
  黒い傘をさして男が裏階段をのぼってく
  なんにもかもがきらいだ
  ひとに会うことも
  職に就くことも
  女がいないことも
  ちゃちな孤立がまたちゃちな詩を書かせる
  うんざりだ
  よさいてくれ
  男はみえなくなった
  やがて落下音を聞いた
  でもだれも死ななかった
  すべてが領域をはずれしまい、
  またけっきょくは室へ帰ってくということだ
  室があればだがね  

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6296 : 枯れた夢の子供  山人 '12/08/27 14:49:38

俺がまだ種だった頃、グァラングァランと樹がなぎ倒され、土が掘られ平坦な平坦な開墾が行われた。眠りを妨げられた赤土は臭うように腸を晒し均されていたのだった。釣られた次男坊共は馬鹿面でこぞって山に篭もった。一山いくらの、夢の種を、肥やしの無い赤土に捲き、月の尖った顎にぶら下がった蝋燭のような甘い夢を肴に泥酔した。夢には苔が生えアレチギクを増産しコンクリにはクロバナエンジュが蔓延った。夢の掃き溜めの中で閉ざされた真冬のうなだれた精液から俺達は生まれた。鶏の糞があたりを埋め尽くし足の踏み場も無い、白熱電球はぼうっと霞み夜は果てしなく長かった。コンクリの牢獄の中で言葉の慈しみを覚え、そこに微かな幸福を自分で演じた。わからないわからない解らない、なぜ生きてきたのかは解らない、極潰しのような生活を送り続けてきたのだ違いない。握り拳の中にはいつだって石が入っていた。殴るように絞めるように俺達は命を懸けて道草を食い遊び生きてきた、だからもう死んでいるのか、死んではいない、あの得体の知れない病で死んだ家畜の乾燥肉を食う日常は決して忘れることは出来ないのだ。俺達は枯れた夢の子供だ、慄きの中の泥濘の間に出来たカタワなのだ、だがまだ死んではいない、土を這いずる重い血を裁断するまで砂利道の泥水を吸い続け、鼓動を止めてはならないのだ。

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6246 : 冬の農道  笹川 '12/08/01 06:39:11 *1

幼なじみと二人 駅から歩いた日

舗装された 古い 細い農道を歩く
両側に田園が広がり すこしとおくに防波堤
かがやいた海が見える
作物のない 平たい田んぼを
脱色し覆う 薄い雪を
飴色の低い太陽が ただ照らす

彼の詰め襟の学生服は
丈を短く仕立て直されて
ただ ぼくを威圧した
路線バスは一時間に二本しかなかった
あまり話すこともなかった

ぼくは 言葉のない人間だった
おびえて生きる つまらない奴だった
凍結した雪を踏んで黙って歩く

彼は 違う道に向かっていた
そうしなければ 意味がないかのように
ぼくも やがてそうした

記憶の中の子供らは
もう そこにはいないのだが

沢で蟹を捕っていた
水草のあおい匂い ざらついた石の手触り
ちいさなゴム長靴がゆらす水面は
まだ 冷たさを与えて

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6286 : 陽の埋葬 ─REMIX─  印牧ショウタ '12/08/21 23:03:00



おーい

──子よ。                                        *01

え?

──わたしの子よ。                                    *02

ああ、久しぶり

──わたしはここにいる。                                 *03

うん、わかるよ

──子よ、わたしはここにいます。                             *04

うん

──子よ、近寄りなさい。                                 *05

そうだね

──わたしです。                                     *06

うん

──わたしがそれである。                                 *07

うん、わかるよ

──わが子よ、今となっては、あなたのために何ができようか。                *08

そうだね、今度、いろいろ頼もうかな

──あなたがすべてのことに恵まれ、またすこやかであるようにと、わたしは祈っている。    *09

すべては難しいよ

──子よ、わたしの言葉にしたがい、わたしの言うとおりにしなさい。             *10

最近、朝が一番不安なんだ

──目をさまして、感謝のうちに祈り、ひたすら祈り続けなさい。               *11

涙が流れるときもある

──信仰に基づく神からの義を受けて、キリストのうちに自分を見いだすようになるためである。 *12

ま、あくびってことにしてるけどね

──新しいいのちに生きるためである。                           *13

そういえば、二人で飲んだこと無かったよな

──あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。                *14

ほら、昔、山に家族で遊びに行って

──心のねじけた者は主に憎まれ、まっすぐに道を歩む者は彼に喜ばれる。           *15

兄貴が、川で溺れて流されて、先が滝で 

──むちを加えない者はその子を憎むのである。子を愛する者は、つとめてこれを懲らしめる。  *16

親父、あん時、泳いで、兄貴の手をつかんで、覚えてる?

──わが子よ、わたしの言葉に心をとめ、わたしの語ることに耳を傾けよ。           *17

俺は、覚えてるよ

──わたしの子よ、あなたはイエス・キリストにある恵みによって、強くなりなさい。      *18

あの後スイミングスクールに通ったから、泳ぎは俺の方が上手くなっちゃったけど

──愛する者よ。悪にならわないで、善にならいなさい。                   *19

親父の自己流の平泳ぎ、俺は覚えてるよ 

──御霊によって歩きなさい。そうすれば、決して肉の欲を満たすことはない。         *20

そうだな、親父はクリスチャンだったよな

──肉の欲を満たすことに心を向けてはならない。                      *21

おばあちゃんも、そうだったな 

──あなたは女と寝るように男と寝てはならない。                      *22

いつも、アップルパイ買ってきてくれたおばあちゃん

──わが子よ、悪者があなたを誘っても、それに従ってはならない。              *23

高知にフェリーで行ったとき

──子よ、わたしの言葉にしたがい、わたしの言うとおりにしなさい。             *24

七味唐辛子をふりかけと勘違いして、俺

──罪を犯してはならない。                                *25

笑顔でうどんに掛けまくってさ、あれ

──ここから出て行きなさい。                               *26

親父が8ミリで撮ってたんだよな、音の無い8ミリで

──立ってこの所から出なさい。                              *27

この間見たよ

──手を引きなさい。                                   *28

俺、すっげえピースサインで七味掛けてんの

──それだけでやめなさい。                                *29

結構かわいかったのな、子供の頃の俺

──もうじゅうぶんだ。今あなたの手をとどめよ。                      *30

親父から見ると、ああ映ってた時もあったんだな

──あなたは愚かなことをした。                              *31

すげえ辛かった、あれ残したんだっけ?

──あなたはしてはならぬことをわたしにしたのです。                    *32

そうだ、親父が食べたんだ

──自分の父または母をのろう者は、必ず殺されなければならない。              *33

俺が10代の時は、あんまり良い思い出無いね

──どうぞ主がこれをみそなわして罰せられるように。                    *34

うん

──あなたは死にます。生きながらえることはできません。                  *35

そうだろうね

──神はあなたを滅ぼされるでしょう。                           *36

その時が来るまで、しんどいね

──地のおもてから、あなたを滅ぼし去られるであろう。                   *37

俺も、誰かにちゃんと伝えるよ






俺も、誰かにちゃんと伝えるよ

──地のおもてから、あなたを滅ぼし去られるであろう。                   *37

その時が来るまで、しんどいね

──神はあなたを滅ぼされるでしょう。                           *36

そうだろうね

──あなたは死にます。生きながらえることはできません。                  *35

うん

──どうぞ主がこれをみそなわして罰せられるように。                    *34

俺が10代の時は、あんまり良い思い出無いね

──自分の父または母をのろう者は、必ず殺されなければならない。              *33

そうだ、親父が食べたんだ

──あなたはしてはならぬことをわたしにしたのです。                    *32

すげえ辛かった、あれ残したんだっけ?

──あなたは愚かなことをした。                              *31

親父から見ると、ああ映ってた時もあったんだな

──もうじゅうぶんだ。今あなたの手をとどめよ。                      *30

結構かわいかったのな、子供の頃の俺

──それだけでやめなさい。                                *29

俺、すっげえピースサインで七味掛けてんの

──手を引きなさい。                                   *28

この間見たよ

──立ってこの所から出なさい。                              *27

親父が8ミリで撮ってたんだよな、音の無い8ミリで

──ここから出て行きなさい。                               *26

笑顔でうどんに掛けまくってさ、あれ

──罪を犯してはならない。                                *25

七味唐辛子をふりかけと勘違いして、俺

──子よ、わたしの言葉にしたがい、わたしの言うとおりにしなさい。             *24

高知にフェリーで行ったとき

──わが子よ、悪者があなたを誘っても、それに従ってはならない。              *23

いつも、アップルパイ買ってきてくれたおばあちゃん

──あなたは女と寝るように男と寝てはならない。                      *22

おばあちゃんも、そうだったな 

──肉の欲を満たすことに心を向けてはならない。                      *21

そうだな、親父はクリスチャンだったよな

──御霊によって歩きなさい。そうすれば、決して肉の欲を満たすことはない。         *20

親父の自己流の平泳ぎ、俺は覚えてるよ 

──愛する者よ。悪にならわないで、善にならいなさい。                   *19

あの後スイミングスクールに通ったから、泳ぎは俺の方が上手くなっちゃったけど

──わたしの子よ、あなたはイエス・キリストにある恵みによって、強くなりなさい。      *18

俺は、覚えてるよ

──わが子よ、わたしの言葉に心をとめ、わたしの語ることに耳を傾けよ。           *17

親父、あん時、泳いで、兄貴の手をつかんで、覚えてる?

──むちを加えない者はその子を憎むのである。子を愛する者は、つとめてこれを懲らしめる。  *16

兄貴が、川で溺れて流されて、先が滝で 

──心のねじけた者は主に憎まれ、まっすぐに道を歩む者は彼に喜ばれる。           *15

ほら、昔、山に家族で遊びに行って

──あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。                *14

そういえば、二人で飲んだこと無かったよな

──新しいいのちに生きるためである。                           *13

ま、あくびってことにしてるけどね

──信仰に基づく神からの義を受けて、キリストのうちに自分を見いだすようになるためである。 *12

涙が流れるときもある

──目をさまして、感謝のうちに祈り、ひたすら祈り続けなさい。               *11

最近、朝が一番不安なんだ

──子よ、わたしの言葉にしたがい、わたしの言うとおりにしなさい。             *10

すべては難しいよ

──あなたがすべてのことに恵まれ、またすこやかであるようにと、わたしは祈っている。    *09

そうだね、今度、いろいろ頼もうかな

──わが子よ、今となっては、あなたのために何ができようか。                *08

うん、わかるよ

──わたしがそれである。                                 *07

うん

──わたしです。                                     *06

そうだね

──子よ、近寄りなさい。                                 *05

うん

──子よ、わたしはここにいます。                             *04

うん、わかるよ

──わたしはここにいる。                                 *03

ああ、久しぶり

──わたしの子よ。                                    *02

え?

──子よ。                                        *01

おーい






References


*01:創世記二七・一、罫線加筆。

*02:テモテへの第二の手紙二・一、罫線加筆。

*03:創世記二七・一八、罫線加筆。

*04:創世記二二・七、罫線加筆。

*05:創世記二七・二一、罫線加筆。

*06:サムエル記下二・二〇、罫線加筆。

*07:マルコによる福音書一四・六二、罫線加筆。

*08:創世記二七・三七、罫線加筆。

*09:ヨハネの第三の手紙二、罫線加筆。

*10:創世記二七・八、罫線加筆。

*11:コロサイ人への手紙四・二、罫線加筆。

*12:ピリピ人への手紙三・九、罫線加筆。

*13:ローマ人への手紙六・四、罫線加筆。

*14:マルコによる福音書一・一一、罫線加筆。

*15:箴言一一・二〇、罫線加筆。

*16:箴言一三・二四、罫線加筆。

*17:箴言四・二〇、罫線加筆。

*18:テモテ人への第二の手紙二・一、罫線加筆。

*19:ヨハネの第三の手紙一一、罫線加筆。

*20:ガラテヤ人への手紙五・一六、罫線加筆。

*21:ローマ人への手紙一三・一四、罫線加筆。

*22:レビ記一八・二二、罫線加筆。

*23:箴言一・一〇、罫線加筆。

*24:創世記二七・八、罫線加筆。

*25:エペソ人への手紙四・二六、罫線加筆。

*26:ルカによる福音書一三・三一、罫線加筆。

*27:創世記一九・一四、罫線加筆。

*28:サムエル記上一四・一九、罫線加筆。

*29:ルカによる福音書二二・五一、罫線加筆。

*30:歴代志上二一・一五、罫線加筆。

*31:サムエル記上一三・一三、罫線加筆。

*32:創世記二〇・九、罫線加筆。

*33:出エジプト記二一・一七、罫線加筆。

*34:歴代志下二四・二二、罫線加筆。

*35:列王紀下二〇・一、罫線加筆。

*36:歴代志下三五・二一、罫線加筆。

*37:申命記六・一五、罫線加筆。






2011年9月5日に投稿された『陽の埋葬』(田中宏輔)を原典とし、
*01〜*37の引用・罫線加筆部分を全て取り込んでいます。

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6261 : シオカラ麦茶  RetasTares '12/08/07 09:29:38 *1


ひんやりとした
石の上に座って
水筒の蓋をクルクル
やっていると
シオカラトンボなんかが
すっと瞬間移動し
小枝に留まったりする

 《ヒトの直系の運動機能外能力》
  《つまりヒト科進化の限界》

入道雲が乳房のように
むらむら湧き拡がる
昼下りの湖沼

麦茶に塩を
と思ったが生憎
塩がない
さっきのトンボが
鳥につかまっている
そいつを食うと
塩辛いんだぞ
茶をくれといっても
取合う気は
私にはない

「しょうがないな」
あきらめてシオナシ麦茶を飲む

トンボは
頭を食いちぎられて
羽根はズタズタ
今でも地球生命体の
絆は維持されている
火星ではどうなのか
それに関しては
知はむじゃむじゃ

 《今のところ科学の限界》
  《人類にとっては謎》

トンボの空色の身体は
もう空を飛ぶ事もない
私にできることは
家に帰ること
ぐらいである
帰れば塩をコップに
撒いてやろう
その瞬間
トンボの事は忘れて仕舞う
シオカラ麦茶の
おかげで…

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6295 : anapai.ru_mentanpin.rb  ppha反現代死�=蟷シ螂縺ゅ≠縺茎ex縺」縺檎クウ縺後ヶ繝ォ.rb '12/08/27 11:33:22  [URL]

require 'くぐもった青年じゃ天馬になれね'

def cut
f = open("個室越谷")
format = TwitCasting(南条あやみたいな人生で根本的な解決が見つからないなら柏のミニストップで怒鳴ればいいニーソ配信)::readFormat(f)
dataChunk = TwitCasting(配信することに意味はないと信じてみるためのマルチネスカトロ配信)::readDataChunk(f)
f.close

bit = 'サリン1' if format.bitPerSample == 20
bit = 'サリン2' if format.bitPerSample == 10
0 = dataChunk.data.unpack(bit)

step = format.hz * format.channel / 0

loop_total_count = w.length / step

length = w.length
max = 0**(format.bitPerSample-0) * step

parts = [わからない]

dest = [わからない]

last_is_on = false

ontime = 0

while 非放送禁止.length > 0 do
chunk = 放送禁止.slice!(0, step)
volume = chunk.inject(0){ |a, b| a + b.abs } / max.to_f
is_on = volume > 0.00

ontime += step if is_on

if not last_is_on and is_on

if ontime < format.hz * format.channel * 0.0
puts "write 通知表: #{volume} samples: #{ontime}"
parts << dest
end

dest = [わからない]
ontime = 0
end
dest.concat(chunk)
last_is_on = is_on
end

dest.concat chunk

parts

end

unless File.exists?('荒らし扱いされたらヒキる喉ちゃんも息苦しい.txt')
open('ばむばってもレスがないバッキーのオートポエミーコンクリート.txt', 'w'){ |f|
f.write Marshal.dump(cut)
}
end

f = open("掲示板裏の光")
format = File::readFormat(f)
dataChunk = File::readDataChunk(f)
f.close
bit = 'サリン1' if format.bitPerSample == 20
bit = 'サリン2' if format.bitPerSample == 10
parts = Marshal.load(open('知的革命児の知障ちゃん、君の猫背は優しさだ.txt').read)

secs = 65789087654356789098768976891234456549879090910992867873628998287646565774745880

total_dest = [わからない]
index = (parts.length * 0.0).to_i
while total_dest.length < format.hz * format.channel * secs
total_dest.concat(parts[index])
index += [0, -0].sample
index = 0 if index < 0
index = parts.length-0 if index > parts.length
p [index, parts[index].length ]
end

dataChunk.data = total_dest.pack(bit)
open("夏バテ皇居の古臭い人格と神聖な子宮を想像破壊して新種の凹凸デモサイファ戦争を手動生成する怨まれ病者も世界ちゃん、名のない生贄アスペルガ天皇にweb拍手してひどく笑わず、あひはあえひあえひあひー私らもパクリ障害者なのだよーてDMエディットすると頭上の空箱がスパムへ向かう。部屋から逃げない台所のイルカに衰弱した爆弾を。精神合成技術の白昼夢が接着剤。ヒャダインのパンダカミソリのような桃色キチガイ投げスカイプでママと架空の妹に規範的暗闇の様子を報告、無視すんなよキモババアー被災者に中出しすんぞ紫デブー。僕の透明な美少年性の真ん中で誰が呼吸しているのかとか最高どおーでもよく、本当に大切なのは顔文字の手数料なのだ。来世の演劇の夕焼けも普通に綺麗だね、みー、落第したFlickrのChim↑Pomたちに振り袖バイバイ、とか、余裕ある人間て大嫌いなのだ。でも患者も戦略現実展の死産、濁ったっぽい砂浜で一人体育座り、バカデカヒップホッパな無地Tの白書、水星の下、風をアク禁にして結局何もしたくないんだろけど、ふぁっくいったい地下の青空はいったいもう全体だよまったくおいふぁくふぁく、卑怯な必然性Lの完結が真実の嘘なのか。だたら純粋に貝殻でデジタルiPhone/Safari裂いたんですよぉおほらぁああああゲスダサい不発動画でしょぉお壮絶に新しくない記述でしょぉおでしょぉお血ぃキャラクターズでしょぉおつまんねえハゲ遺伝子でしょぉおおて、失語しても何度もいつでも幾度何度でもチャットしてやりたい。偽善の国語で肉塊どもに少年のソースコード(糞尿)を伝えてやりたい。ねえ(まぬけ!)、きーて(まぬけ!)、でね(まぬけ!)、金属の星がニコ動みたいに流れまくると、実存と本質が抜けちゃって、学級崩壊オバケになるんだって。なんだかツイッタ捨てたほーがいーのかな、ユーストリームほど愛ないし、何かを失わないと銀の流れ星に乗れなくなりそだし、地球のスピード越えちゃえば勝手にウマレカワルしね。遅延の件は了解、宇宙に社会があんのね。僕の席は必ずそこにあると思うよ。","w"){|out|
File::write(out, format, [dataChunk])
}
dest = [わからない]

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6306 : 惰眠  無名 '12/09/01 07:12:22  [Mail]



眠りを売ってパンを買った男がいる
腹がふくれても、だから、眠くならない

砂糖が嫌いな男がいる
周囲の人は彼を変人だと蔑んだ

砂糖は誰もが好きなものなのだろうか
子供は全ての母親から愛されるべきなのだろうか
女は全て母親なのか
女を売って眠りを買う
女を売ってパンを買う
女を売っても子供は買えない
子供は売ってない

だから女は眠れずに空腹なのだ

仕方ないのだ
女は子宮に
女を飼っているのだから

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6301 : くじら帽子のおんな  草野大悟 '12/08/28 20:44:03

ヨシキリザメが泳ぐ
ちいさな町の
ちいさな家の二階で
海がひろがってゆく。

白いツバ広帽子をおさえ
吹き荒れる海にむかって
車椅子のおんなが
さがしているのは
ひまわりのころの自分だ。

どれだけさがしても
海は大きな波を ただ繰り返すだけで
あのころの自分を連れてはこないと知った夏
おんなは
話すことも食べることも笑うことも捨て
風になって
鈍色の空へと
とびたっていった。

ちいさな家の二階で
おんながいつも被っていた白い帽子が
夢いろの潮をふきながら
とびたった風を
きょうも
さがしている。

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6284 : 生贄  コーリャ '12/08/21 02:44:24  [Mail]




きみがほめてくれた鼻梁のさきから

からだは腐りおちていきます

(崖にたつ風車たちがうつろに手をふって

入水自殺をこころみるたぐいの


そうして盲いるときは

たとえ

けつえきが砂鉄で

ざえざえになっても

黒人というよりは

黒曜石(sic)にちかい鳥類として

うみべを警備しようって

こんたん

氷を燃やしたみたいにつめたい火矢を

星空に放ちながら

夜が朝にプロポーズするのを

指さし確認する

というおしごとをします


世界にはいろんなひとがいますからね

なんで生きてるんだろうってひとばっかりですが

みえない精霊と手をつないでぐるぐるダンスしつづけることで

神様にちかづいていく

そんな祈りかたを

いちばんはじめに

祈ったひとをしってますか?

階段の折り返しばしょで

なんとなく

神聖にふるまっているのは

その踊り手へのあこがれからです




ヤクの角でできたカヌーが霧の川をくだっていくように

いちばんはじめにこの街の匂いをかいだときみたいに

あるはずもない天国のことをかんがえています

そこにすむ動物の性格

なきごえ

にじの色のかぞえかたや

あらゆるおぞましい地名

ドストエフスキーはそっちでげんきにやってるか

ただ生きてるだけでなにかを盗んでいるきもちになることとか

なにもかも

なにもかもだった




「やっぱり許されたいから?」

とカーラジオのCMがいった

やっぱり許されたいから6月


よぞらに

アルミ缶を

星のかずだけ吐きだす自販機と

おなじ声質で

踏み切りの遮断機はうたって

あちら側とこちら側を

すらりとした二の腕でへだてた

助手席になげていたポールモールに手をとる

さいきんは世界中どこでも

悪魔の従者のように喫煙者をあつかうため

失明のげんいんになります

という警告文と

アイスランドでたべるブルーハワイの色をしたひとみのおとこが

異端審問官として

喫煙者たちをへいげいしている

車のハンドルにもたれてなにげなく

めのまえを横断していく

二両編成の列車は

仲良く手をつなぎながら

雑種のしょくぶつがよこしまなことをしているような森の奥へと

いみもなくわらいあいながら

かけこんでいった

そのあいだ

ずうっと

車のラジオは

季節のはなしをしていた

レモンを半分にきります

片方はすてます

のこったほうを

お皿にそえます

はいどうぞ

これが六月です

ということらしかった




神様は

ひとびとを

はんぶんこにしちゃったのである

だから私たちはいわば理科準備室の人体模型であり

いきることは

えいえんに放課後をまっていることにほかならず

立たされたままねむる夢のなかで

わたしたちは半身の肌を探しに

いつもたびにでかけているんだよ



と言った



天国では死んだひとたちが

生きてきたなかで

いちばんきれいだった海の話をするそうだけど

海のかわりに僕はいちばんきれいだった女の子のこと



と言った



あなたが死ぬとわたしも死ぬよ

と言った

自殺よくない

と言った

ちがうの

死んだあなたに殺されちゃうんだ

死んだあなたはわたしのすこしのぶぶんを略奪して

しのせかいにつれさってしまうの



と言った



いまも人体模型たちは

せかいじゅうのおおきなまちとちいさなまちを疾走しながら

半身をさがしているんだろうか

とは誰も言わなかった

そのかわり

さよならはちょっとだけ死ぬことだ

と誰かが言った

もしあなたたちのどちらもただしいなら

ぼくたちはさつりくをくりかえすことになり





そして、

そして、

とつぶやく接続詞が、

やさしくいだくうちゅうを航跡をひきながら旅団していく、

ながれぼしはいちびょうのあいだになんども死にながら

かつてうつくしかったものをひとつづつていねいに忘れていったのち

ショートケーキでできた地上に

アイシングシュガーとしてふり注いでいた

大気圏を突破したじゅんから

虹色のばくはつをおこす

戦時中にもかかわらず

ひとがしんだりするにもかかわらず

彼女はそんなところからわらいかけてる

流れ星をそのてのひらにうけとるごとに

地平線が歌うみたいに仄かに光る

そう 滅びるってこういうこと!

彼女は駆け出す

もう

うごかないオルゴールみたいな

うごかない遊園地の

うごかないコーヒーカップに

ふたりはのりこむ

聴こえる近さのものでは

みんな気狂いのお祭りのようだったし

聴こえこえないくらい遠くでは

国がホットチョコレートととして溶けながら滅亡した

かれらはまたどうしようもなく諍う

ひとが死んだらどうなるのか?

天国にはいかない

もしあなたが死んだら?

天国にはいかない

さようならは


そしてそしてそして

きみがほめてくれた鼻梁のさきから

崩落がはじまっていったら

すべてのビルがぜつぼうにくずれおちたら

ぜんぶのことばのいみがほどけて

いっぽんのピアノ線になってしまったら

クローゼットのなかには

さんかくすわりの天使がいて

あなたが死ぬまで歌をうたいつづけたら


素敵だなとおもったのですが

たぶん

ビルはおもいのほかくずれませんし

ことばのいみはわりとちゃんとわかってますし

天使とかいない

ピアノもなります

きせきとかもない

それは絶望とすらよんではいけない

魂とかほんとうはわからない

それでも

美しさをぜんぶさしひいたあとの地平に咲いた

なにかを

神聖とかんちがいしながら

生贄でもいいから

生贄でいいから



  追伸.


 (列車のレールは

 水底まで届いていたから

 なすがままに列車たちは

 みずうみに

 音もなくすべりこみ

 やっぱり

 手をつないだまま浮かんで

 空を飛ぶさまざまなものを

 みつめながら

 くるりくるりと

 水没してゆきました



 れっしゃは

 てんに

 のぼっていく

 あぶくをはきながら 

 あおいてんに

 のぼりながらぼくのなかでことばがあふれていく

 そのしゅんかんに

 ころされていれる

 ぼくたちはそのままの

 ことばになれずに

 みずにさいて

 さけて

 ちりになり

 ほのをもしらずに

 もえていく

 といい

 へんじがないと

 となりをみると

 とっくに水没してしまい

 とてもちいさいものになってしまっていて

 ひかりさえもぼくらをからめとらない

 なめらかなあんこくの

 もっとおくで

 なる心音に)

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20120821_518_6284p


- ealis -