海の男が陸に上がる時
波はうねり高く
勇魚の鰭 甲板に潮打ち上げ
黒潮は流れ 魚群はるか望み
打ち込む銛は
張りつめたまなざしの先で
錆びつく予感につめたく震撼する
永遠に流れ止まない血の匂いは
やがて赤黒い汚点となり
かつて生を営んだものの
殺戮と転生のあかしとして
男の脳裏に
深いしわを刻むだろう
山の男が里に下るとき
風が吹き荒れ
大鷲の翼 山肌に烈風吹きつけ
怜羊のうるんだ眼差し 断崖にたたずみ
ねらい定める鉄砲は
凍てつくまなじりの先で
木々の梢を揺らしながら咆哮する
永遠に流れ流れる血潮は
雪の上に鮮やかに刻印され
生けるものが
生けるものへと手渡しされてゆく運命を
男の心に
今更のように刻みつけるだろう
海の男と山の男が
酒くみかわす
年々細くなってゆく赤銅色の腕を
さすりながら
大地を耕し 種をまき
命はぐくんでゆく喜びを
言葉少なに語り合う
太陽はすっかり黒く輪郭となってしまった山のむこう
から昇ってゆき
今はおだやかに凪ぐ海の涯てへと沈んでゆく
太陽と土と水と
彼らの命もまた 長くない日に
土に還る
きっと放ったコトバはいつも
標的を捉えることはできないだろう
けれど何度も的を狙えば
少しずつでも ちょっとだけでも
標的に近づくことならできる
言葉じゃ言えないコトバもまた
僕らは手持ちのものしかなくて
言葉をコトバにするために
僕らは発するしかなくて
標的を射抜けぬことに
何度でも挫折し悔しがろう
そして次は 次こそはと
何度でもコトバを放とう
どこまで行っても的は射抜けないだろう
だからこそ
僕らは何度でもコトバを放つことができる
かすり合うように触れ合おう
何度でも何度でも
無謀で無鉄砲にコトバを放とう
それはいつかは誰かに届く
言い切れないことの可能性に賭けて
何度でも何度でも
無謀で無鉄砲にコトバを放とう
狙え! そしてコトバを放て!
> 何度でも何度でも
> 無謀で無鉄砲にコトバを放とう
>
> それはいつかは誰かに届く
> 言い切れないことの可能性に賭けて
>Aya-Maidz殿
この果てしなく続く銀河の中 人は生まれた
人は皆 夢に向かい 先の見えない道をゆく
終点先は 誰にも 分からない
けれど きっと くるくる回る星のように
果てのない輪廻への入り口が待っているだろう
何億年 いや、 何光年 どんなに刻(とき)が流れても
この果てしない刻の流れの中
君を 君を 待っていよう
ずっと ずっと待っていよう
この広い地球(ほし)の中 人は生まれた
人は皆 夢を追い求め 天(そら)へと駆けてゆく
未来(あした)は誰にも 分からない
けれど きらきら 輝く瞳のように
底のない輪廻の輪が待っているだろう
何億年 いや、何光年 どんなに刻が流れても
この果てしない刻の流れの中
君を 君を 探し続けよう
ずっと ずっと 探し続けよう
何億年 いや、何光年 どんなに君と離れても
きっと きっと 会えるだろう
君と 君と 会えるだろう
たとえ この銀河が 変わっても
ぼくは 変わらず 待つだろう
ずっと 変わらず 待つだろう
たとえ この 地球が 尽き果てても
きっと きっと 生まれ戻るだろう
君も 君も 生まれ戻るだろう
決して 刻は二度と戻りはしないけれど
決して あの日の輝きは戻りはしないけれど
ぼくは きっと 創るだろう
未来への輝きを 創るだろう
この果てしない、刻の流れの中で
街灯が アスファルトを黒々と照らす
生々しいまでに白々と 奥深く僕を誘う
丸い電球の映りこむ 雨に濡れた道路隅
浮かび上がる 人工の月
足元に広がる 星のない宇宙に
眩暈さえ感じて
僕は立ち止まるのだ
不完全な思考は
雨音と共に 僕を侵食していく
> 眩暈さえ感じて
> 僕は立ち止まるのだ
> 不完全な思考は
> 雨音と共に 僕を侵食していく
> 浮かび上がる 人工の月
> 足元に広がる 星のない宇宙に
> 不完全な思考は
> 雨音と共に 僕を侵食していく
>ここで終わらせるのは不自然
>若干尻つぼみ
白昼に黒鳥が舞って
親鳥は不審船を見る眼突き
白昼に白鳥が舞って
親鳥はご自慢を見る眼つき
白昼に気持ち伯仲して
白昼に白鳥が白状して
白昼に白鳥が黒鳥になって
初めて優しい眼で黒鳥を見た
>言葉遊びは好きです。でも、言葉遊び以上のものとも思えないです。
>眼突き
『八月の狂詩曲』
なぜに べったりと
這いつくばって ば
いきてにゃいけんのー
のー って
それよか はよー 掘りー
でっかい穴 掘りー
埋めんねん 家ごと埋めんねん
まだ亀も埋められんとね
これじゃ いけんねん
家ごと埋める穴掘るねん
電波で聞いてんねん 受信してしもうたんや
焦土と化すねん
べったりと 這いつくばって ば
いきてく土地も無くなるとよ
地下生活者の手記書くねん
くんでー 凄い炎 北から
くんねん ボタン押すねん
笑いよってな ポチッとね 押すねん
水爆落しまっせーコスミタ いってはってん
皆殺しにしちゃいまっせっーコスミタ いってはってん
本気や
死なばもろともでっせーコスミタ いってはってんぞ
かーちゃんは?
刺したわ ごちゃごちゃ
いうから 刺したわ
この期に及んで ごちゃごちゃ
いうたら あかん
コミニケイション・ブレイク・ダウンやね
掘れ!
いいから 掘れ ないねんぞ 時間
這いつくばってでも いきんねん!
家ごと日本に埋めんねん
そやけど よかったわー
家ば ごっつ 小さくて。
>水爆落しまっせーコスミタ いってはってん
>皆殺しにしちゃいまっせっーコスミタ いってはってん
>本気や
>刺したわ ごちゃごちゃ
>いうから 刺したわ
このままゆらゆらしてたら世界は終わってた
そんなのが最高だって ずっと思ってる
背中に羽根をつけて海を目指す人たちみたいに
むせ返る夏の声と 降り注ぐ蝉の街へ
葉脈をリタリンが駆け抜けていく
鍔迫り合いの痛みが戦場に花を咲かせた
玩具のピストルの弾痕からは真っ白の花が咲いて
吸い上げる幹に緑の痛みが 濃い果実酒のように
眠れ眠れ 銅のうさぎみたいに
青く燃える海に水銀船が幾何学模様を描いていく
波打ち際に落ちた白いワンピースと
麦わら帽子にすがりついて泳ぐ女の子
夜にしか飛ばない鳥の群れが ビル群に着地していく
赤銅の錆に似た虫たちが 五つの足で涙を塗りつけて
嘘つきの唇から揮発していくアルコールのように
吸い上げる痛みに大樹は朽ちていく
灯し樹の下で 女の子は海を見ながら
ゆっくりブラウスを脱いで それから両手を空に突っ込んだ
麦わら帽子をさらった風は 蔦に捲かれてゆっくり腐っていく
葉脈を駆け巡る音の中 灯し樹の下で
>夜にしか飛ばない鳥の群れが ビル群に着地していく
>それから両手を空に突っ込んだ
ずっと
胸のエンブレムを隠して生きてきた
正義のヒーローが
ひとりいた
今どき分りやすい悪なんて
そこらそんじょに転がってるもんじゃないし
ギターが弾けたらよかったのに
古い劇場の丸屋根の上で
下手な口笛をふいていた
風を呼んで さけんで
やんなっちゃって やっぱりやめて
イヌのケンカの仲裁はキライ
口のなかがイヌの毛だらけになって
気持ち悪いから
警察にはしばしば職質された
ヒーローという職務上
嘘はつけないことになってるんで
恥ずかしいけど答えるんだ 正義のヒーローです
お巡りさんは
深いため息をついて
その後 こんこんと説教をくらう
ハロー ぼくはここが好き
ハロー ぼくはお日さまが好き
ハロー ぼくは君が好き
ハロー ぼくはみんなが好き
だからこうして丸屋根の上でマントをひるがえして
幸せ祈って
ずっと口笛ふいてるんだ
風を呼んで さけんで
やんなっちゃって やっぱりやめて
風を呼んで さけんで
やんなっちゃって やっぱりやめて
>イヌのケンカの仲裁はキライ
>口のなかがイヌの毛だらけになって
>気持ち悪いから
>ハロー ぼくはここが好き
>ハロー ぼくはお日さまが好き
>ハロー ぼくは君が好き
>ハロー ぼくはみんなが好き
雨が止んでしまった
希望はいつも
振り返ると消えてる 霧のように
懐かしい匂いだけ残して
ここ(町)を離れてく
誰かに、伝えるはずだった
愛しさは
僕の肺に吸い込まれ
また迷路みたいな宇宙で苦しんでく
ねぇ、孤独を黒く塗り潰したいよ
泥だらけの水溜りに飛び降りても
汚れてゆくのは、真っ白なスニーカーだけ
僕はずっと本物になれない
今こころは
誰を求めて、だれの自由を探してるの
世界は夢になって
僕だけが眠れずにいる
二度目の雨が止んだ後
スニーカーの先が宇宙船に見えた
アディダスのlineを流れる泥だけが
地面にゆっくり点をつけ、
弱い音で 着水してゆく
>とても胸の中に、心地良いものを残していきます。
>ねぇ、孤独を黒く塗り潰したいよ
>今こころは
>誰を求めて、だれの自由を探してるの
>希望はいつも
>振り返ると消えてる
>泥だらけの水溜りに飛び降りても
>汚れてゆくのは、真っ白なスニーカーだけ
>僕はずっと本物になれない
今年は三人も男性が入ったんですよ、といったら
横河先生はへえ、とうなづいたあと
じゃあ、数少ない精子を今年は確保できたってことだ、
と言った、
わたしの専攻はいつも女性が多くて、一人二人の男性がいつも
閉じこもったり引きこもったりしてそれが専攻全体の慢性的な悩みであったから
三人も入ったらそれも解消されるだろうし上の男性にも嬉しいことかもしれない、と
思ってよかったなあ、って口にしたのに
横河先生は、
だってそういうことでしょう、と
英文の本をながめながら言って、
この先生はなんでそんなふうに言うんだろう、と英国趣味な研究室の、
アンティークな椅子に腰かけベルガモットのキャンディーを口に含んでいる、
正直言ってこのにおいはそんなにとくいではない、
研究室の中のたくさんの本の一ページ一ページにまで染み込んでいる気がする、
共犯者になりつつあるわたし、は
早くチャイムが鳴らないかな、と耳をすまして、
西野先生はお気に入りのキーボードのまえでジャズの楽譜にとめたクリップの位置を気にしている。
校庭では今体育の授業中だけれども、わたしがここにいることになにもいけんはない、
と笑顔で言う。
福正宗はおいしいけれどもやっぱり立山だと思う、
竹葉もおいしいと言われるけれどいまいちだ、
だらだらと会話は続く、
朝六時に起きて七時には県境をこえている、
まったく分刻みのスケジュールを六年間こなしたんだ
あっという間だった、それでも今は怠惰だ。
今日はウエストまで行かなくちゃならない僕はいつ故郷に帰れるんだろう、
わたしはいつ帰れるんだろう、
去年も今年もシロツメクサの季節に家に帰ることはできなかった、
野原一面にびっしりと咲いたシロツメクサの茎の長いのを選んでつんで、
花輪をつくるのがいっとう好きだったんだけれど、
この辺のシロツメクサはちいさい、
夜の仕事をするようになってから人間関係が希薄になっていく気がしてしかたがない、
けれども実際はそんなことはないんだ。
わかっているけれども拭いされない、
アフターを付き合った
ヘンリーさんは孤独になるのがとてもじょうずで、
きっともてるんだろうと目のすわった横顔を見て思う、
わたしは腕なんか組みなれてないからどうしてもひきずられているようにしか見えないんだろうけど
かれにとってはそんなことはどうでもいいらしい、
かれがとくいなのはブルースハープだ、
いつも茶色の小さなかばんの中にボーイという名のケースをしのばせている、
黒服ばかりカウンターに五人のバーに行ってビールを飲んで六千円払ってエレベーターに乗るんだ、
送りに出たマスターにそのネクタイはヘルメスかと聞いてヴェルサーチですとなおされている、
ヴェルサーチですとダブルのボタンのなかから取り出してロゴマークを見せている、
黒服のマスターはとても自慢げだ、
わたしは飲み残したかれのグラスがかわいそうだと思う、
これからどこに行くのかなんてぜんぜんわからない、
それでもついていくんだそれはしかたがない、そうだ
エレベーターはベータと略すのが正式だと教えてくれた、
アルファはどこだろう、と一人だけで。
>榊さん
>これは手を入れて直していったら面白いかも。
>私はこの詩人の前作も読んでいるけど、いまこの詩人は、あまりにも上手くいきすぎてしまった、自分のスタイルの殻を破ろうとしている>のではないかと思う。
>スタイルを人に認めさせることすらできない詩人も多いと思う。そんななか、スタイルを認知され、それを破ろうとする詩人は、どうなのか、という思いもある。
>でも断然興味深いのは、自分の組み上げたものに甘んじないクリエーター。
>大将
日毎に近付いてくる足音に息を呑んだ
夢見か
現世(うつせ)か
逆さ十字の前の
ひざを追った殉教者の
頬をぬらす涙
うつろな眼
求めたのは教訓か
欲したのは欲望か
愛したのは「神」という名の偶像か
助けを求めてすがりつき
脅えの中で狂気を知った
逆さ十字の足下で
只 漠然と何者かの声を待つ
国を立て
わずかばかりの頂点を極め
王と呼ばれたその彼の
堕ちたその先に求めたのは
全てを失った虚無の中
あれほど毛嫌いした神人の
僅かばかりの救いだった
「偶像崇拝」
堕ちた精神の甘やかに崩れ去る
不機嫌な足音は
彼の前でパタリと止んだ
>こういうことも、どうにかして写実描写、
>写実的なシーンの描写で描こうという試みが必要でしょう。
>観念的な言葉ばかりだと、説明文章のように見えてしまいます。
ブラウスのボタンをはめながら
舞ちゃんはいった
「コンドーム付けてなかったでしょ」
とてもわかりやすく 僕はうろたえた
さっきまでの幸福感は
まるでモネの静物画のように 静止している
舞ちゃんお目は怖かった
いつものような
愛にパトスを送る
恋愛のフィールドに
ファンタジーを与える
あの優しい目ではなかった
それでも
結婚とか どうなのよとか
そのへんのややこしい事情を
持ちださないのが
舞ちゃんの性格だ
とりあえず僕は白いブリーフをもち上げ
気をとり直して
お茶のむ?
なんて言ってみるが
まるでバルチック艦隊のように
横っ面の銃砲が
こちらを向いているのがわかる
あーそうか
やっぱコーラか
普段は反米反帝である僕も
こういう時には
合衆国の偉大なカルチャーの力を借りる
夕べ舞ちゃんと2週間ぶりに 飲みに行った
仕事がうまくいっていないだの
金欠だの
みっともない愚痴を
ダラダラ言っていた気がする
しかしホテルにチェックインしたのが
10時前だとすれば
舞ちゃんにはまだ
終電というものがあったはずだ
最初から僕とえっちする気で来たのか
とにかくそれが
付き合いはじめて4ヶ月目の
僕らの♂ゴール記念日だった
ホテルで向かえた朝
すっぴんで寝ている舞ちゃんの浴衣
ウーム
僕はタバコを咥え
コトを終えた狼らしく
深々と煙たいものを肺に送りこむ
しかしだ
子供ができたらどうするんだ?
「それが未来だとは思えない」と
舞ちゃんが起きてきたら
泣いてみようか
それとも今度はゴムをしっかり付けて
ダメ押しのゴールを
舞ちゃんに決めようか
>Canopus(かの寿星)さん
>それとも今度はゴムをしっかり付けて
>ダメ押しのゴールを
>舞ちゃんに決めようか
>射精後の女性内部をコーラで洗えば・・・。
目が覚めてベランダに立っている
気分はいつも不意にやってくるから
なんだか損をしているような気がしてならない
いつもと変わらない朝
植木に水をあげる
早々に
扉をあけた
思いつくように行動するのはきっと
一人の方がいい
センター街の八百屋で白菜を見ていると
みっちゃんに 見つかる
休日ですか
・・・・・・・
そのようです。
前掛けを弄りながら
店の暗がりから昭夫の長身が覗いてる
おまえの所の野菜は買わない
暇人。
ほめられて店をでる
もし私が そんな素敵な気分なら
八百屋で油を売るのだろう
雲行きが怪しい
煙草に火を点けて
淀川沿いを歩く
嫁のことを思いながら
そしてまた
我が家に帰って行こうとする
あの死んだムシ
先週きちんと買い物に出ていれば
我が家にも訪れたかもしれない
汚れた白菜の中から
不意に
完成して
私達の追い払う手を擦り抜けて
開け放たれた窓をくぐり
八百屋の空へと帰っていくのだ
長い
休日を賭けて
> これらの連中との関係がどんなものなのか、イメージできないです。
> ほんとうに休日なのか無職なのかも解らないし。
囚われの身の「あの子」たちは今日も
―これを乗り切れば海原に戻れるに違いない、と
そう信じて宙を舞う
―確かに嘘は言っていないだろ
説き伏せるように「あの子」たちに向かって呟くトレーナー
四角に仕切られた「海原」へと投げ込まれる「あの子」たち
―今日も無事に帰ったぞ―
口々に歓喜の声で叫ぶ「あの子」たちはきっと
表に拡がる大海原の存在を知らない
----
ついこの間の連休で行った水族館で観たイルカショーの3匹のイルカの内の1匹がずっと逃げたそうにしていたのがすごく印象的で詩の題材に取り上げてしまいました。心配だな〜、バンドウイルカのバンドウ君(彼が命名)大丈夫かな…。前回までの2作品とは大分方向性が違うと思う作品なので皆さんに感想を聞くのも怖いのですが、何かアドバイス等ございましたらレスお願いします。
>―今日も無事に帰ったぞ―
いまゆっくりと、散乱する光が微粒子の浮遊している器官を通り抜けるのを、眠りはじ
めた触覚をとおしてからだのどこかに感じながら、わたしはふっくらと水を包み込みは
じめていた。すると、透明な上層鱗によって花蜜の内部へと沈められた幾重もの無色の
光線たちは 澄みきった一瞬のみだらさに色付いて、紫、青や黄色へと幾筋かの束へと
結ばれることで、光としてみずからを散乱し、その向こうにある黒色鱗粉へと吸収され
てゆくのだった。この反復を繰り返し、色彩をなくした透明な光線の幾筋かをからまり
あわせながらわたしは網状の構造をつくっていった
蝶の翅に張り巡らされた器官としての気管支になった気分ったら、ないよね
こうしてとめどない充溢によって輪郭をもつことのない寒天質、その内部に閉じ込めら
れたBlue Lineを見ていると きみのなかで分泌されている羊水が、なによりも青くそ
して甘い蜜だとおもいこんでいたぼくの翅脈が透けはじめてきて、水溶性のひかりへと
なってゆけそうな気がしていた
Vivi、球根を踏みながら きみは いたずらに歪曲を拒みはじめた あの、交差路の
死体を覚えてはいないだろう おとぎ話にも似た いつでも「そこ」へと消え去る
ことのできる被膜が いつだって きみの語り口を心細さのうちに約束していたの
だから きみは 服飾というもののもつ色彩や その手ざわりの細部から 起こっ
た出来事の背景や そのすべてを読みとろうとするだけでよかった いまでも
きみはあの物語を話したくはないのだろう 互いにわけあたえてきた、そんな甘い
芳香のもつひめやかさを軸として 何ひとつ痕跡を洩らさないまま 経験したこと
のない過去の中で輝こうとする そんなきみのゼリー状の夢のなかへなかへと
流れ込む鱗粉の薄明るさが 仮象の翅脈となって ぼくたちの官能を満たしつづけ
てきたのだが
Vivi きみの 網膜へと降りつづく ゆっくりと侵されはじめたフォルテの感触が
ほの白いばかりの残響に書き換えられようとするたび きみの 希薄さと静けさだけ
でつらなる 水明のような一面の空白は どこまでも不安で満たされていったというのに
わたしたちが満たされている、青をふくめた薄荷の匂う空間で、あなたはとろけながら侵
蝕しあう形態としての座標。
きみたちは言語の意味の転覆を、鮮やかな転覆として転覆の痕跡を残さないままに
語彙の反復として実践しようとするのだが、
(どのような地点へ行きつこうとも)
あてどない液状化へとたどり着いた、そのような言葉たちの漂っている都市へと
Vivi、きみは記号となって還ってくる
ゆるやかに水中を浮遊する、水沫を痕跡とした翅膜が、
ガラスの内側で満ちているかなしげな青の色にひたされてゆくとき、
つつまれる翅はポリフォニー
語り尽くされるということをしらない。
液体の総和としてもつ 透きとおっては散乱してゆくみずからの形状としての不安の記憶が
言葉として、花の器官として
表面のしなやかさへとなじむことのないひとつの仮象となって
触れることのない別の器官へと みえていたはずの終わりをずらされては
吸いこまれてゆく
その ほのじろくながれている水の微光のなかへと溶けこみはじめてゆく
>論理性を装った文が情動の衝動力を抑制してしまっている
>読み手それぞれの思考の中で、なるべく多くのイメージを拾ってくれる言葉
>イメージの美しさの滲み出すような感覚
>すっごく新しいことが書かれてあるような気がしました
>恋愛をイメージしながら僕は読んだ
>エロチック
「じめじめしたのが嫌い」
と君が言うから 乾燥機を買った。
乾燥機で干乾びてしまった君はもう、僕にとって魅力的ではなくなってしまって、
乾燥機ごと返品しに行く事にした。
店長は
「異議申し立て」
を打ち立て コンクリート詰めの顔を縦に振らない。
しょうがないから僕は乾燥機を担いで
こっそりと、道端に捨てた。
蟻の巣が隣にあったから 彼女も寂しくはないだろう。
-----それにしても疲れた。
7月の陽射しは僕には強すぎた。
今日は紫陽花を買って 静かに眠ろうと思う。
ぎっちょん ぎっちょん
トタンの長屋
路地に逃げ込む
あの子は誰だ
片足、人足
浜の親分
ぎっちょん ぎっちょん
妾の御屋敷
袖に隠れた
あの子は誰だ
伏目の痩せ肩
木賃の女将
ぎっちょん ぎっちょん
船具のお店
丁稚をしていた
あの子は誰だ
連れは黒犬
艀の船頭
ぎっちょん ぎっちょん
銭湯の煙突
ぎっちょん 夜明けに
あの子が泣くよ
>トタンの長屋 路地に逃げ込む/あの子は誰だ/片足、人足、浜の親分
(詩集収録にあたり削除)
>丸みオびながラニ
>赤 青の 細流うつくシく 透けだし
>タ、 タタタァ!
>作者的には「この飛行者には」から始まる連が構成的に浮いているというか、はまっていないことが最大の難点だと思っていたのですが、ここでも現代詩フォーラム等でもそのような言及は一切なく、作者の目などそんなものなのかなと改めて思っております。
少し古いジャズの音 甘ったるいピース
転がる海月と音のない街 街路樹に縛り付けられた三日月
青い夜に鼠が鳴いてる 階段を昇る歌声
香水の匂いがするステンドグラス 林檎の入った紙袋
西日の丘に落っこちた爆撃機から
タンポポの種が飛び散って 夜の街に花開いた
浮遊する言葉は二十五時の鐘に寄り添って
千鳥足の魂は旋回する 星空に放つショットガン
気まぐれ四行詩 四言絶句で言葉は死んでく
賛美歌の降り注ぐ街で鼠が鳴いてる
階段に座り込んだ子どもは 星空の向こうの悲しい大人のために
カクテルグラスに十円玉をたくさん入れてる
世界は三人連れの女の子でいっぱいなんだ
猫を連れて歩いて行こう みんな幸せだったふり
音楽と酔っ払いの世界を探してる
あとはもう無くていい
ドレッドヘアに指先からませて笑おう
女の子の足首にはいつもコウモリの影がある
ただただ言葉を紡ごう 意味なんて無くていい
生むために殺して 殺すために生もう
十字交差点の真ん中から人々は羽化していく
鼠は屋上に昇って力尽きる ヒマワリの種をポケットに入れたまま
セックスを覚えたての高校生みたいに 覚えたての英単語撒き散らして笑おう
伸ばした手は空を掴むポージング 高層ビル群に降り注ぐ燐粉
もう言葉でさえなくていい 十代の性欲みたいに撒き散らそう
誰もが飛び去る時ちょっと悲しい顔をした
街はオーガズムを迎えてる 律動にあわせて腰を振るんだ
屋上で乾いていく鼠のために(望んでいいなら幸せなあの子のために)
ピアノソロが終わらない 苦しみに似た絶頂
溶解した言葉が流れ込んで来る ぬるい夜風に鼠は砕けて行く
そして誰もが微細な粒子を吸い込むように歌った
同じシャツを着て手を繋ごう 言葉は孤独じゃない
>気まぐれ四行詩 四言絶句で言葉は死んでく
>街はオーガズムを迎えている
>少し古いジャズの音 甘ったるいピース
>香水の匂いがするステンドグラス 林檎の入った紙袋
>僕は、榊蔡さんの感性に合わせて詩を書くことはしませんよ。
>映像で表現できるものを詩で書く意義はあまりない。
>街路樹に縛り付けられた三日月
>街路樹に縛り付けられた三日月
>ただ、その気持ちよさを共有したい。読み手に押し付けたい。言葉でセックスしたい。
>内的世界の描写も、筋書きも、基本的にはないんです
>とりあえず、性が主題では全く無いです。この詩に意味は一つもありません。純然にイメ
>ージの膨張だけです
>飲めるものなら純度100%で飲んでもらいたいんですけれど
>最終的には、完全に意味さえも消したいんです
>ドレッドヘアに指先からませて笑おう
>女の子の足首にはいつもコウモリの影がある
>ただただ言葉を紡ごう 意味なんて無くていい
>生むために殺して 殺すために生もう
>眠れ眠れ 銅のうさぎみたいに
>その気持ちよさを共有したい。読み手に押し付けたい。
>手持ちの言葉を使わない詩人は卑怯者だと僕は考えてます。自己の中に無いものを使った
>詩は良い詩ではあり得ないはずです。だから、僕は手持ちの言葉しか使いません。
>僕は手持ちの言葉しか使いません
>手持ちの言葉を使わない詩人は卑怯者だと僕は考えてます
>言葉に対しては真摯でありたいと思っています
>夜の街のネオンをふらふらするような快感を共有したい
>広がりを読み手に想起させる言葉を(成否は別として)使うことだと僕は考えています。
>読み手それぞれの思考の中で、なるべく多くのイメージを拾ってくれる言葉
>読み手それぞれの思考の中で、なるべく多くのイメージを拾ってくれる言葉
>けられていない。それらは孤立しているか、かろうじて作品の筋書きを支える程度の結合
>しかしていない。
>これでは言葉を費やしても費やしても作者の内面世界を描出することはできない
>ギリギリの繋がりを持たせた文が爆発すればそれでいい
>詩はアルコールやマリファナと同義です。酔うためのもの、快楽を得るためだけのもので
>す。社会性や人間性や、あるいは抒情などと言ったものは、僕には価値のあるものとは思
>えないんですよ
>価値のないもの
>昨日から、どうレスを返させてもらったものかと随分悩みました
「月と現実と夢と」
沢山の人を見ても 私は誰にもなろうとせず
月明かりが輝く 街の中で ただただ
そこで言葉を作り上げ 自分に酔いしれ
何もかも放り出して そのまま月と共に夜空に
消えたいと願う。だけど現実とは違い
夢とは儚く、あぁ、月を知りたい
雨音を聞いてみたい ボレロが情景を鳴らし
星は美しく輝き、
あぁ、倖せでよかったのなら、それだけで
よかったのに。
何を求め、ここに今いるんだろう
貴方に戻りたい、体は浮き
月と共に 貴方に戻りたい
だけど現実とは違い
夢とは儚く、
きっとジュースも飲まずに カフェに何時間もいる私に
きっとウエイトレスはこういうだろう
「あの、当店のジュースをお飲みになられて
いない方は・・・」
そう、現実はこれ。
あぁ 雨音が聞きたい
月を知りたい
だけど、現実は現実。
夢は夢。
行き着くは”私”
最後に求めうるのは”私”
行き着くは”私”
コーヒー色の喫茶店。
君の前には僕がいて、
今が幸せならばそれでいい。
僕がそっと笑うだけ、
君の顔も幸せいっぱい。
キャラメル色の夢の中。
モカにクリーム混ぜながら、
君は淡い夢を見る。
そこでの僕は王子様、
姫は王子に恋をする。
コーヒー色の喫茶店。
時計を気にする僕を見て、
君は悲しい顔して首を振る。
居心地悪いタバコの煙が、
電球向かって逃げてゆく。
キャラメル色の夢の中。
愛の限りに尽くすけど、
王子は別の姫がいる。
それは元々実らぬ恋、
二人は絶対結ばれない。
コーヒー色の喫茶店。
僕はキャラメル色の
家庭(いえ)へと帰り、
君はコーヒー色の
孤独(いえ)へと帰る。
>君はコーヒー色の
>孤独(いえ)へと帰る
>コーヒー色の喫茶店
なにかの為に、キミは自分を犠牲にできるだろうか
僕は全ての愛するイノチの為に・・・
繰り返される生死の中で
刹那の間に生まれるイノチが宿るときに
僕はなにかを掴んだような気がした
そして、繰り返される過ちの中で
無残に殺されてゆく美しいイノチの悲鳴を聞いた僕は
繰り返す過ちを行うヒトに復讐を誓う
消え去るイノチのコトバを感じ僕は涙を流し
誰かに伝えてみたんだ
僕の想いは理解されずに異端者と言われ
自分の無力さに改めて気づく
だけど欲望や、金に塗れて気づけないヒトがいる
だから、世界にむけて僕は放ちたいんだこの想いを
右向け右、左向け左の時流に流されたヒトは
大切なものの大切さについて気づけずにいる
そして、僕は愛するモノへの詩を書き殴ってみた
理解を得ることなんか出来ないけれど
だから、諦めずに叫びたい
全てのイノチが僕は大切だと
綺麗事をだといわれようとも僕は進む
この世界の美しいイノチが救われるその日まで
春と夏は私を知らないといった
透けているのは
私が行き先をもたないから
私は雨に聞いた
秋の咲いているところを
雨はこたえた
川の終わるところと
私は思いだそう
目にうつる秋の美しいことを
私は感じよう
目にうつらぬ秋はより美しいと
ああ雨は紫
ひとり手のひらを小さく振りながら
秋はきっと待っている
私は追いかけた
手をつないでいたのはいつだったろう
手を離したのはなぜだったろう
―もうその問いは私には暗すぎる
雪は舞いおりた
切り離された手のひらのように
そして川は白く灯っていた
冬を凛と咲かせて
>私は思いだそう
>目にうつる秋の美しいことを
>私は感じよう
>目にうつらぬ秋はより美しいと
>ああ雨は紫
>透けているのは
>私が行き先を持たないから
>雪は舞いおりた
>切り離された手のひらのように
>ひとり手のひらを小さく振りながら
>川の終わるところと
>ああ雨は紫
>語句同士の連携も、その連携の必然性も、それは題にいたるまでとても弱く感じる。
>よりシンプルにより繊細にしたところで、もっと力強い言葉が書けるはずだ。
青空をみあげると
猫の晴れ着がふんわりとよせられて
階下の乳母が手をうごめかす
光線の薔薇のふとしたやわらかさに
水をしぼりながら
猫の晴れ着が乳母の腰肩をなでてゆく
死にかけの夢にふれて
青い星から燐光が散り
水面のなめらかな海綿質を
なでるように逃げとってゆく
夜空のふれぐあいを確かめると
光りながら沿岸を疾走する
猫の晴れ着が発光をはじめ
美しい燐粉がきらめくと
闇のしろさを強くしてゆく
磨かれてゆけ
あるいは
私たちの
草たちの踏み分けを始点とした
もろみのやわらかさに
磨かれてゆけ
夜空の白さは依然として間近だ
ふみこんだ音楽に踊りながら
溶けそうな白波に
ふみ足をかぎとって落ち果ててゆく
するどく光輝く彼方から
水のよせかけをしめらせて冷たくしてゆく
星の反射光を水に汲みとり
私たちの輝きは全身へと及ぶ
夢の中で猫の晴れ着をきちんときこなし
浮世の白波に頬をよせて
いましも
青い星の燐光が沿岸から
私へと寄せてくる
やはり
磨かれてゆけ
あるいは
私たちの
※夏休みの夏期講習の合間なので、ネットに復活いたします。
お願いします。
>磨かれてゆけ
>あるいは
>私たちの
>夜空の白さは依然として間近だ
>死にかけの夢にふれて
>ケムリさん
>dさん
>まーろっくさん
春だからって訳じゃないけど
今夜ぐらい
何かに逆らって
飛んだり跳ねたりしたい気分
年上の彼女のマンションは
御世辞にも広いとは言えない
限られた宇宙とか言っちゃって
小さくて頼り無いベッドの上で
彼女と僕は思いっきりJump!
その瞬間部屋の低い天井は
窓からわずかに見える東京タワーの先っぽより
ほんのちょっと高くなる
ベッドと壁の隙間に落ちたキャンディー
気にする暇なんかないからね
限られた自由時間ほど
いい加減なものはないからね
今しかないよ いましかないよ
準備はいい?
下の住人に「御免なさい」って呪文唱えたら
僕たちは深く息を吸って
もう一度 夜の裏側にJumpした
+
朝日を怖がるみたいに夜明けの青は
カーテンの隙間を探し始める
部屋の中で僕たちを見つけたら
僕そして次は彼女の背中に
ゆっくりと触れさっきの僕らみたいに
穏かな揺れを繰り返す
僕がもう一度目を覚ますと
光は離れたテーブルの上で泳いでいた
一晩で大人になったとは思わないけど
見慣れた部屋の景色はどれも違う
隣で寝てる彼女も
記憶から消えない夜に
二人で触れて
夜を越えて
昨日と 重なる日はもう来ない
少しだけ怖くなる
僕の身体は小さく震えて、
高ぶる気持ちを静かに眠らせたいと思った時
彼女の瞼が開いた
彼女の温度に触れて、時間が 身体の中で流れはじめた
高ぶりは向きをかえ
静かに音を止める
僕は、 怖がることをやめた
+
ドアを開けると
曇り空なのに滲んだ太陽が眩しかった
君と手を繋いで家を出ること
こんなに足が浮つくこと どれも変な感じ
息を吸うにも、
妙な力が入る
僕の肺のなかで
トキメキとかカンゲキとか
目に見えないキラキラが
そっと入りこんで 大きく膨らむ
ほらね逞しくなったでしょ?
君が惚れ惚れするぐらい
だけどね
カタカナばっかりだから ときどき内側で痛くなる
君と繋いだ手を離し学校に向かう時
とてもドキドキした
けれどすくに治まる
たいしたことはない
18の男にしちゃ子供っぽい胸板も
今日だけは弱っちいなんて言わせない
学校の友達の顔が
今日だけみんな同じに見えてくる
晴れなのか曇りなのかはっきりしない空模様に
教室の窓から文句を付ける親友が
何故かとても可笑しくて仕方ない
>記憶から消えない夜に
>君と繋いだ手を離し学校に向かう時
息を潜めて 夜の隅っこに座ってたんだ
ポケットから煙草を取り出して 火をつけようとしたら
空に向かう夜鷹の群れの 柔らかな発光を見た
きっと寂しくないなら だれも空なんか飛ばないんだろう
ねえ 窓を開けようよ
猿の手がノックした窓辺で
女の子は僕を見て やっぱり孤独だった
ねえ 窓を開けようよ
日が沈むまでは西日の丘でゆらゆらしてればよかったんだ
引き絞った林檎の弦で 太陽さえ縛れそうな気がしてた
柔らかいくるぶしが水面を撫でるような
満潮を迎えた海に小石を投げるような気持ちで
枯れ葉色のバスが置き去りにしたギターケースから
また夜鷹が飛び立って行った
汗が引いても走り出せなかった人のために
まどろんでるあの子のために
街路樹で眠る鳥と繋がる夢を見た
世界の隅っこから聞こえる子猫のリズムで
暮れて行く世界から消えていった燃える葉の甘さ
鼻に絡む痛みを懐かしく思った
ねえ 窓を開けようよ
子猫のリズムでノックしたけど
じゃれつく指先から指輪が落っこちた
ねえ 窓を開けようよ
濡れてしまったポケットの手帳を開いて
言葉の海に溺れる落葉を待った
あの子の言葉が少しだけ湿ればいいと思って
窓枠を抱いて眠った