文学極道 blog

文学極道の発起人・スタッフによるブログ

12月選考雑感(平川綾真智)

2008-01-24 (木) 19:20 by a-hirakawa

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

12月の選考はそこまでの難航がありませんでした。月間優良賞に推挙された作品は何度読み返しても素晴らしく、読み手としても書き手としても刺激を受けるものばかりでした。
さて、
2513 : フィーバーがとまらない  菊西夕座 ('07/12/22 18:24:19)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071222_298_2513p
は、私は優良に達していると思いましたが、荒削りな部分が評価を邪魔して次点に留まりました。「脈は一分間で百はっ回もフィーバーしていた。」など12月という題材と作者の瞬発力が上手く作用している面白い作品だと思いました。 「賽銭箱が、潮吹き女のスプリンクラーといった具合で小銭の産卵をおっぱじめ、」のような奇抜な独創性も満載で勉強にもなりました。 菊西さんは初投稿の頃から作品を読む力や作品に対して面白い評を書く力は抜きんでていて、それが作品にも活かされ始めたのかな、と今後がほんの少しだけ楽しみになりました。ただ、甘い部分はとことん甘いので気を付けてほしいです。

2519 : 馬頭星雲  黒沢 ('07/12/28 14:10:00)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071228_357_2519p
は、選考委員全員が得点を入れているのに優良に推す声がないという不思議な作品でした。熱量と雰囲気は投稿作品中一番だと個人的に思います。 とにかく大傑作になるはずの作品なのであまりにもったいないです。 黒沢さんの作品には皆が期待しているようです。

2514 : 新月の下  仲 ('07/12/24 00:09:29 *7) 
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071224_313_2514p
は、4の自虐性が実に良かったです。長さが自虐にからんでいく軽妙さは作品として面白かったです。ただ、魅力が持続しない損もあります。連の区切りも雑に感じます。皆が、あと一つ秀でたものが欲しいと感じたようです。

2508 : 道が暗い  月見里司 ('07/12/20 00:14:33)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071220_269_2508p
は、しみじみと良い作品で、実に印象的だったとの声がありました。ただ、悪い部分が目立ちすぎ、全体を高めていないように思えます。作品としてもっと強度を帯びることができたのではないかな、と思いました。

2492 : 小さな町  ミドリ ('07/12/08 11:51:25)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071208_087_2492p
2484 : しみこんできたものでいっぱいよ  naka ('07/12/03 15:27:05 *9)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071203_925_2484p
はどちらも細かい点が雑に感じます。

2489 : 黒いコート  ためいき ('07/12/06 21:13:44)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071206_058_2489p
は、単独の作品として十分ではないという意見がありました。

惜しくも選からは漏れましたが、その他、
2509 : ファラウェイ  苺森 ('07/12/21 18:20:27) 
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071221_280_2509p

2504 : 世界の軸  緋維 ('07/12/17 10:37:52)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071217_239_2504p

2486 : 根の国  リーフレイン ('07/12/04 12:29:15)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071204_007_2486p

2480 : 例えば、みんな持ってるフエルトペンが怖かったりとか  青木龍一郎 ('07/12/01 22:41:17)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071201_885_2480p

2506 : 雪の川岸  丘 光平 ('07/12/18 19:02:37)  [Mail] [URL]
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071218_255_2506p
などが注目されていました。

傾向みたいなものから逸脱した作品が先月よりも多かったことは嬉しく感じました。
枠に全体的にはまってしまうとどうしても停滞するしかないので、それだけは避けてほしいです。
冬休みにもかかわらず去年よりも変なポエムの投稿が少なかったのも良かったと思います。
ただ、何度も読んでみたくなるような作品や忘れられない作品、勢いや実験のみに頼っていない作品はほんの一握りだと感じました。
じっくりと落ち着いた根を生やした作品の投稿も増えて欲しいと思っています。

以上です。

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月間優良作品発表

2008-01-22 (火) 20:43 by 文学極道スタッフ

2007年12月分月刊優良作品・次点佳作発表になりました。
12月分月刊優良作品・次点佳作

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11月選考雑感(平川綾真智)

2007-12-28 (金) 00:02 by a-hirakawa

今月もとても勉強になりました。ありがとうございました。

選考は非常に難航しました。全体的にレベルは上がってきていて読むに堪えないという作品はごく僅かでしかないのですが、突出して面白い作品が少なくなってきている印象を受けました。選考委員のほぼ全てがそう感じていたようです。
さて、
2439 : 風はうたう  丘 光平 ('07/11/07 21:29:10)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071107_371_2439p
は、古風な中に詩的たたずまいが美しく浮かんでいます。ですが、世界を観念的で一面的な見方でしか見ていないのではないか、などの意見から次点に留まりました。作者の作風に新しい世界観が欲しいとの声もありました。
2465 : 肩にふりかかる、雨が  Canopus(角田寿星) ('07/11/27 22:22:55)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071127_703_2465p
も、次点に留まりましたが、その先に非常に優れたものを秘めている作品です。作者の、なんとか、奇麗にまとめようと言う意図が、作品を臆病でやや浅いものにしているのではないかという意見がありました。
2440 : バースディプレゼント  兎太郎 ('07/11/08 19:26:31)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071108_395_2440p
は、不思議な魅力に溢れているのですが、あまりにも安っぽい、奇麗奇麗ことばの使いすぎだ、という意見がありました。次作に皆が期待しているようです。
2476 : 海岸帯  田崎 ('07/11/30 23:59:51)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071130_846_2476p
は、選考委員ほぼ全員から点数が入っていました。詩的重力は十分な作品のようです。しかし、短い詩なのに無駄に重複していたりかなり雑な詩である、作者は良い部分と悪い部分が極端に出すぎなのではないか、などの意見があり、次点に留まりました。
2474 : 不眠温度  黒沢 ('07/11/30 12:31:32)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071130_819_2474p
も、選考委員ほぼ全員から点数が入っていました。素晴らしい部分は多くあるのですが、「悪い意味で現代詩」な欠点が目に付きすぎる、などの意見がありました。次点に留まりましたが、これからも読んでいきたい魅力ある筆力です。
2444 : 夜の帳  如月 ('07/11/10 23:31:37 *4) 
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071110_437_2444p
は、優良へ推す声もありました(しかし点数的には決して良いものではありませんでした)。皆、初投稿からの着実な成長に関心を示してはいました。
2446 : ●  はらだまさる ('07/11/12 15:24:24 *2)  
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071112_450_2446p
は、それなりに面白くもあるのですが、いまさら感が否めませんでした。現代美術のワークショップでこのような文章作品を腐るほど見たからかもしれません。ネオダダ以降このような作品は非常に多く書かれているので、よほどの発想的飛躍がないと、群を抜くのは厳しいのかもしれません。
2448 : [entenjizai]  香瀬 ('07/11/15 23:24:24)  
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071115_486_2448p
は、巧いのですが、退屈でつまらないという意見がありました。読み直してみようと思える詩が書けるかどうか、それが課題になってくるのではないか、という作者への意見が選考の際に出ていました。

次点の作品にはあとほんのひと匙で優良へと爆発する作品が多くありました。
できれば推敲されて、もう一つ上へと達していって欲しいです。

惜しくも次点からは外れましたが、その他、
2431 : 人  歩 ('07/11/03 17:01:47)  [Mail] 
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071103_226_2431p

2461 : 秋の終わりに  如月 ('07/11/26 12:53:10)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071126_650_2461p

2466 : 僕らが戦争について語るとき  いかいか ('07/11/28 19:37:13)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071128_722_2466p

2423 : 家族愛  はらだまさる ('07/11/01 11:36:37)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071101_127_2423p

2421 : [Dolly]  香瀬 ('07/11/01 00:12:58)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071101_120_2421p

2452 : 雲の披露宴  菊西夕座 ('07/11/21 01:18:43)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071121_563_2452p

2424 : 誰もぼくを知らないところ  soft_machine ('07/11/01 17:51:19) 
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071101_140_2424p

2445 : 空と踊る  緋維 ('07/11/12 00:09:45)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071112_447_2445p

2428 : 「茨の道」  桐ヶ谷忍 ('07/11/02 21:53:49)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071102_181_2428p

2438 : 葉のうた  まおん ('07/11/07 16:29:38 *6)  [URL]
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071107_369_2438p

2471 : 12月  キメラ ('07/11/29 16:09:41)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071129_758_2471p

2425 : (無題)  緋維 ('07/11/01 20:29:39) 
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071101_147_2425p

2433 : やわらかく毛穴がひらき世界が  家族 ('07/11/05 00:34:56) 
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071105_285_2433p

2441 : 葬送の唄  榊 一威 ('07/11/09 16:50:03 *2)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071109_408_2441p

2426 : ユーノウ  家族 ('07/11/02 16:15:51)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071102_174_2426p

2469 : 冬の旅  吉井 ('07/11/29 01:09:01)  [URL]  
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071129_742_2469p

2435 : 11月  吉井 ('07/11/06 00:47:22)  [URL]
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071106_329_2435p

などが、注目されていました。

以上です。

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2007年11月分月間優良作品・次点佳作発表

2007-12-21 (金) 18:05 by 文学極道スタッフ

2007年11月分月間優良作品・次点佳作発表になりました。
2007年11月分月間優良作品・次点佳作

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10月選考雑感(平川綾真智)

2007-11-29 (木) 16:17 by a-hirakawa

今月は優良作品に推挙されることの凄さを改めて思い知らされました。さまざまなベクトルの作品が揃った学ばせてもらうことの多い月でした。ありがとうございます。

次点佳作候補作品の中で、
2387 : [みあげたら  海]  香瀬 ('07/10/17 11:26:14)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071017_628_2387p
は優良作品に達していると私は思いましたが、「巧いという一線を乗り越えてくるものがない」「技術的支えは十分であるが、突出したものがない」などの理由で次点に留まりました。香瀬さんは非常に上手く、しかしその上手さは鮮度に溢れた上手さではないのでハードルが上がっているのかもしれません。
また、
2361 : 世界  凪葉 ('07/10/03 18:53:31)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071003_068_2361p
を優良へと強く推す声もありました。次点に留まりましたが、作者はハードルの高い主題で書けば書くほど風雅な味を出していくのかもしれません。 「凪葉さんの覚醒に驚いた」との声もあり、今後が非常に楽しみです。

2399 : ゼロの射程  狩心 ('07/10/22 01:03:46)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071022_819_2399p
は、それなりに面白い作品でしたが、まぐれ当たりだという印象を拭えません。練習嫌いな方が素振りを全くしてこずにたまたま打ったヒットだな、と感じました。素振りを欠かさず安定性を上げてからのまぐれ当たりはきっと場外を越えますので、そのアーチを見せて欲しいと思います。

優良作品では、
2400 : 便所の落書きがなく日に  いかいか ('07/10/22 13:12:22)
URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071022_829_2400p
が、飛び抜けた点数を叩き出していました。

現代詩として非常に密度が濃く、レベルの高い場所にあるものは同時に、遠くへと人工的に投げられる悲しさを抱かせることもあります。 無骨なポエム以下を書いている方が次第に醸していく詩情が個性的で魅力的なものへと変化することもあります。いずれにせよ作品と共に作者の成長(それは躓きも含みます)を多く見、学ばせていただきたいので、ボッコボッコに叩かれても是非作品提示を止めないで欲しいです。わがままな思いですが、よろしくお願い致します。

以上です。

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