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2016年4月分選考雑感(スタッフ)

Posted By 文学極道スタッフ On 2016-06-29 (水) @ 15:29 In 未分類 | Comments Disabled

(スタッフ数名の地震被災、集中豪雨被災中のため作業が非常に遅れています。ご容赦ください。)

3.8784 : 手紙  Migikata ('16/04/30 23:36:40)
URI: [1] bungoku.jp/ebbs/20160430_318_8784p
(一)人が話すということは生を確認してしまうということであり綴る余裕があるということは知らず知らずに日常という平和に浸りきっていることを実証するということでもあります。分かりやすい比喩で構成された見事な技巧。
(一)どこかで言葉が交わされるのを避けるような、「お菓子の国」と「死者の国」の接触を望まないようにして投函される印象を与えるのは、おそらく「僕」が「君」へとかける言葉そのものを持っていないからだろう。

8774 : あの街この街その街  泥棒 ('16/04/23 21:54:01)
URI: [2] bungoku.jp/ebbs/20160423_132_8774p
(一)最後に、こう持っていくのか、と。途中のグダグダ感がまるで計算のようにも無理やり作られているので再読さえしてしまいます。

16.8776 : 教室  おでん ('16/04/27 16:20:39)
URI: [3] bungoku.jp/ebbs/20160427_228_8776p
(一) 缶コーラって表現、新鮮でした。

8755 : a mad broom  mitzho nakata ('16/04/13 22:29:57 *7)
URI: [4] bungoku.jp/ebbs/20160413_916_8755p
(一)誤字や怒りがリアルに詩情を挙げているので良い作品になっていると思います。
作者の中には多くの偏りがありますが、それが孤独さを決定的に詩に変えていると思います。

8767 : 混沌のクマ  尾田和彦 ('16/04/19 20:12:02 *2)
URI: [5] bungoku.jp/ebbs/20160419_014_8767p
(一)地震の後に読み起こされた記憶なのかもしれない。読み物としても目撃談、体験談としても人間ではないものへ変容してしまったことで混沌を見事、詩に変えている。

2.8783 :血盆経偽典白体和讃   澤あづさ ('16/04/30 18:28:58 *2)
URI: [6] bungoku.jp/ebbs/20160430_312_8783p
(一)本作のタイトルが良いのかどうか分かりかねますが「あたしが歌えば罪だから詩にした。」という本文と噛み合わせが悪かったタイトルよりは良いということは分かります。十分な力作ですし、やりたいことを出来ています。ただ作者は職人であるということと、そのことがこれからの作品に、どのように作用していくのかが気になりました。言ってしまうと文学極道での基準、優良を獲れるかどうかで書いていないか非常に気になりました。作者がやりたい芸術、そして模索し打ち立てていくであろう芸術に関しては、これからを見て判断していく他はないのかもしれません。もしも読者の視線や選者の視線を過度に意識しているのであれば、そういう狭い世界にいるのはもったいないと思います。自らが打ち立てていく芸術を見せつけて評価は、それに付随し結果として後年、与えられていけば良いのだと思います。賞的な側面を過度に意識しすぎて作品を作っていないか、気になりました。きっと、そうではないと思いますし、これから作者独自の面白い作品を作っていけたら素晴らしいことなので次回作も、とても期待しています。なんだかんだで良い作品だと思います。
(一)言葉の乱痴気騒ぎや痴話喧嘩を眺めつつ、このテクストがこうも「読めない」のは、「原文」がそもそもめちゃくちゃなのか、それとも「訳者」が下手クソなのか皆目わからん、というジレンマに捉えられる

8785 : 早漏とか爆弾とか距離とか友達とか時間とか  泥棒 ('16/04/30 23:58:04)
URI: [7] bungoku.jp/ebbs/20160430_321_8785p
(一)薄さを前面に押し出していて、それが今回の扱っている性風俗産業の女性で構成することが出来ているのかどうか。
三連目から技巧の面白さが見えてきましたが、最終行にかけて萎んでしまったことが気になります。
(一)最初はタイトルが勝っている感じでしたが、最後にうまくまとまっています。リアルかどうかは個人的には気にならないのですが、読者の「リアルだと思うこと」を引き出すという意味で、こういうテーマも面白いと思いました。
(一) 詩を書く描写がなかったので、おっと思いました。あいづちのとことか、すごく面白いです。

8739 : 風  玄こう ('16/04/05 22:48:43)
URI: [8] bungoku.jp/ebbs/20160405_741_8739p
(一)一連目などが特に良いです。作者は独自の世界を、きちんと独自に創造することが出来ています。最後のフォルムには疑問が残りました。

8757 : 雨の詩 三連  空間工房  玄こう ('16/04/15 02:10:37 *6)
URI: [9] bungoku.jp/ebbs/20160415_939_8757p
(一)新たな場所を目指し書かれていて成功もしていそうです。最後の方にいくにつれて、とても面白くなり詩情があふれていくので最初の方の捕まえ方に、もう少し工夫がいるのかもしれない、と思います。
(一)絵的な詩は好きな方ですが、それだけに三つ目が惜しいと感じます。どうしてもパワーダウンして感じられますし、一作ずつとして勝負してもよかったのではないでしょうか。

8744 : 【祝エンタメ賞受賞!NCM参加作品】君はポエム。  ヌンチャク ('16/04/07 05:27:49)
URI: [10] bungoku.jp/ebbs/20160407_761_8744p
(一)エンタメに特化していて上手に仕上げていると思います。
(一)楽しかったです。どうしてもくどくなってしまう書き方ですが、さらっと読ませる工夫がされていたと思います。

8749 : 九月の草  加賀 静 ('16/04/08 05:01:11)
URI: [11] bungoku.jp/ebbs/20160408_786_8749p
(一)これまでに語られ使い尽くされた言葉での比喩に敢えて取り組んでいる姿勢は、ここまで来ると心に訴えてくるものがありました。最後の行は、しかし流石に平易です。意味以上に平易に綴りが捉えられてしまうことは勿体ないので、ここだけでも独自の新たな比喩で綴っても良かったのかもしれません。

8740 : 供物  北 ('16/04/06 01:44:15)
URI: [12] bungoku.jp/ebbs/20160406_745_8740p
(一)いくつもの隙があるのだけれども、それが行間として機能している。
とても勉強になった。
(一)突き抜けて書ききっていると感じました。技法もちょうどよく散りばめられていて、好きです。

8754 : ノウサギとテン  シロ ('16/04/13 18:17:54 *1)
URI: [13] bungoku.jp/ebbs/20160413_908_8754p
(一)きっちりとまとめてあります。しかし最終連、説明のようです。
(一)ここまで丁寧な作品はなかなかないと思います。リズムや読後感もよいと思います。ただ、印象に残らない人も多いと思います。どこかに言葉の強度を感じさせると、さらによくなるのではないでしょうか。
(一)美しい作品ではある。一連目の
>それは自らの存在を柔らかく消滅させるように、入念に雪面に修辞する
>パズルのようにカムフラージュされた痕跡を静かに追い いくつかの狡猾なトレースを残し、残された隙間へとダッシュする
生態系へのオマージュを含んでいて、今月の投稿作品のなかで最も優れた描写の一つだと思う。
しかし、その視線は、作品が続くごとに、内在するテーマである「ランドエシック」の概念から逸脱する。土地倫理から抜粋すると、
>生態系を重視する土地倫理においては、人間の利益のみを重視した土地利用は批判される。倫理はその土地に生きる人間と動植物の関係全体に適用されるべきであり、土地倫理は、ヒトという種の役割を、土地という共同体の征服者から単なる一構成員へと変える
この征服者→一構成員 というランドエシックの流れからの逸脱。
それは、
>稜線に沈みかける夕日に涙することもない
>厳しさと激しさと子への愛だけにすべてをささげたテン
というように、捕食者であるテンの、捕食することのできない「弱さ」にたいして、自然の征服者としての「書き手」が過剰な感情移入を許してしまう文章に見え隠れする
その姿は
>「はかなく」も「美しい」
というように滅びるものとしてあり、テンを見つめるまなざしは、
狩人としてでなく、一歩間違えば、滅びる生物を「保護」しなければならない、と考え自然に介入するエゴイズムをむき出しにしかねないものである
一連目の秀逸さと、それ以後の自然へのまなざしの弱さがこの作品の特質だろう

8780 : 雨の日曜日  キッド ('16/04/29 18:14:41)  [Mail]
URI: [14] bungoku.jp/ebbs/20160429_293_8780p
(一)充分、気になる作品です。

8779 : いくつかの秋の詩篇  シロ ('16/04/29 01:05:54)
URI: [15] bungoku.jp/ebbs/20160429_272_8779p
(一)力作です。最後やタイトルなど詰めの甘さも目立ちます。
(一)シロさんの作品は、ぼくの中では揺るぎのない価値を持ってます。
人間を取り巻く自然界を描出する的確なデッサンがメタファとして
の力を同時に備えていて、現代社会にとって必要な文学の可能性を
拓いていると思います。
同じようなモチーフが繰り返され、少し退屈だ、とみる向きもある
かもしれませんが、ジョルジュ・モランディという静物画描く画家
がかつていました。彼も繰り返し同じモチーフを描く作家でしたが、
ぼくは同じような魅力を感じています。
芸術家と職人が一つの人格に同居してしている、とでも申しましょ
うか。微妙な光のさし方、見る角度の数%のズレで世界を表現して
見せる。そういったスタイルや態度といったものがすでに詩的なも
のの属性のようにぼくには感じられます。

8743 : 午後の町で  湯煙 ('16/04/07 00:48:24 *10)
URI: [16] bungoku.jp/ebbs/20160407_756_8743p
(一)やりたいことは分かるし出来ているとも思います。だからこそ、あと一歩が必要だと思いました。 最後の連もうちょっと密度があっても単純に量的に増やしても良かったのかな、と思いました。 すごく残るんですけれども惜しいです。
(一) 口語で、話すように書いた方がおもしろいかもしれませんね。

8746 : 春から夏へ、聴こえくる、  鮎 ('16/04/07 22:36:44 *2)
URI: [17] bungoku.jp/ebbs/20160407_771_8746p
(一)悪くないです。ただ最後の「海」は必要でしょうか。

8772 : 火葬  ねむのき ('16/04/23 01:23:06)
URI: [18] bungoku.jp/ebbs/20160423_107_8772p
(一)比喩と素材と単語と作品内で起こった出来事すべてが独自性はないので、もう一歩読みたい欲求にかられます。独自性はなくても、ここまで読めるということは素敵なことだとは思います。
(一)迷いましたが、完成度の高さに優良としました。何か新しい試みをしているわけではないのですが、世界観もフレーズもよくまとまっていると思います。

46.8736 : 詩の日めくり 二〇一五年十三月一日─三十一日  田中宏輔 ('16/04/04 10:52:30 *5)
URI: [19] bungoku.jp/ebbs/20160404_722_8736p
(一)「洗濯機の夢。」などは単体として善い作品になると思います。ただ、説明になっている個所や、箸休めに見えてしまう日もあります。それも使いようなのでしょうが、これだけ長いとそこで読むのをやめてしまいたくなってしまうものです。果たして最後まで読んでほしいのか、読んでほしいのならば別のやりようがあるのではないか、と感じました。
(一)>連続する実数においては、「隣の数」というよりも、「隣」という概念自体が無効で  あるということに。しかしながら、隣り合うことなく、数が無数に連なり合うという風景は、もはや実景をもつ、現実性をもったものでもないことに。このことは、つぎのことを導く。すなわち、実数は、じつは連続などしていないのだと。実数には連続性など、はじめからなかったのだと。というか、そもそものところ、数自体も現実には存在などしていないからである。したがって、連続する実数の隣は空席なのである。すなわち、連続する実数においては、数と数のあいだには、空席が存在するのである。つまり、数と数のあいだには、数ではないものが存在するのである
>ぼくは言葉なんだけど、ほかの言葉といっしょに、ぎゅーぎゅー詰めにされることがある。たくさんの言葉の意味に拘束されて、ぼくの意味が狭くなる。まばらな場所にぽつんと置かれることもある。隣の言葉がなんて意味かわからないほど遠くに置かれることもある。ぼく自身の意味もぼくにわからないほど
ここで行われているのは、「ぼく」のフィクション性の剥奪である。
もちろん、このような「日記風」の作品は「ぼく」の思考の流れが文面通りしんじられるように求められている。でも、「詩」をテクストとして読むことをしている「読み手」にはそれが誤解であることは、あきらかである。
ハンドルネーム「田中」が書いた文章であり、そこで語り手としてふるまうのは田中ではなく「ぼく」であり、フィクションである
しかし、この作品では科学的・絶対的な「数」という連続性の概念が「空席」により無効化され、任意的に選ばれた50音の連なりである隙間だらけの「言葉」がその「空席」を埋めるように「ぼく」を「ぎゅーぎゅー詰め」にする。
ここでは、身体的な感覚に訴えかけるのに注目する必要がある
詳しくは書けないが、ここでの企図は虚構作品の存在化、だろう
虚構の人物の不確定性を、「数」などの「客観的な基準」も不確定であることをまず告げ、
そののちに不完全な言葉をあたかもその不確定性を埋めるように身体的感覚を「体感」するように「稠密」に書く
この作品を読むにはまず、「語り手」が「フィクションを語る」ようにしながら、いつのまにか「フィクションについて語る」「実存としての位置を占める作者」のふるまいへと知らず知らずに立場を変えているのをわき目でとらえること。
そして、キャラ化された「ぼく」の経験が、読み手の価値観の揺すぶりつつ、その揺さぶりをあえてキャラ化された「ぼく」の経験にとどめるようにテクストとして読み、テクストとしてのフィクションが、読書行為としてのノンフィクションである自身の経験に介入してきたことを許す「書き手」のテクニックを堪能すること。
そののち、「読書経験」と、その経験を踏まえてキャラ化された虚構作品の「読み方」にいかに差があるのかを「読み手」として語る事。
あやうく「テクスト」として読む、という行為そのものの無効化に騙されそうになりながらこの作品を読む、という贅沢はなかなかほかの作品では味わえそうにない

8773 : 今日のいまあたり  園里 ('16/04/23 16:46:06)
URI: [20] bungoku.jp/ebbs/20160423_121_8773p
(一)レッサーとして、とても優秀な作者の作品。作者は、こういう作品なのか、と高揚しながら読みました。
悪くないです。もっと面白くなりそう。
俯瞰の視点で他者の作品のように鑑賞し推敲できたら、もっと面白くなりそうです。
(一) 押し付けがましくない所に好感を持ちましたが、それがそのまま取っ付きづらさにもなっているような気がしました。

8753 : 骨董屋で  湯煙 ('16/04/11 01:52:43 *53)
URI: [21] bungoku.jp/ebbs/20160411_869_8753p
(一)タイトルに見合っただけの質量ある本文が魅力的です。しかし始まりの言葉はタイトルなどで言い尽くされていることの反復に思えます。
(一)思考の拡散具合が良いと思います。

8745 : ある男  李 明子 ('16/04/07 18:08:56 *1)
URI: [22] bungoku.jp/ebbs/20160407_768_8745p
(一)一連目の奥底から響いてくるような感情の渦に惹きつけられます。最初の方は描写もあって独特な視点が光っています。四連目から予想の範囲に留まるようになり五連目以降は説明的な蛇足の部分があったのではないか、と思ってしまいました。四連目までで煮詰めたら作者にしか書けない傑作が生まれるように思えました。

8730 : 逍遙  鮎 ('16/04/01 21:27:23)
URI: [23] bungoku.jp/ebbs/20160401_641_8730p
(一)一連目や全体の空気感は素敵なものがあると思います。言葉の運びや観念を全て説明してしまっているために詩としての奥行や読解の幅が狭くなっています。説明ではない言葉選びをしていったら抒情的な作品が現出するような気がします。今後が楽しみです。
(一)色々、試行錯誤しながら詩作に励
んでおられる様子が筆致から十分に伝わってきます。

36.8748 : 帰郷  zero ('16/04/08 03:47:46)
URI: [24] bungoku.jp/ebbs/20160408_779_8748p
(一)シンプルにまとまっていますが、どうしても説明のようになっている点は気になります。どこまで隠すのか、も問題になるでしょう。
(一)いつも戸惑います。論理
性が高すぎるという事が、欠点になっている場合が多いからです。
イメージの入りこむ隙間を、塞いでしまう。
その論理の緻密性が、よい方に働く場合と作品を台無しにしてしま
っている場合があると考えています。
この「帰郷」という作品は、どちらかと云えば良い作用を生んでい
ると思います。
(一)>山において人間と自然はまったく等しい
>人間も自然もともに循環する精神的原理
このような文章を書いてしまいたい気持ちは、誰にでもあるだろう
都会/自然。
しかし、このような単純な二項対立の図式のなかに自分をあてはめたくなる誘惑を断ち切る事こそが「現代詩」には大切なことではないか。
たとえば、環境の哲学についてかかれた水野邦彦の言葉を参照にしてみよう
公害もヒートアイランド現象もまぎれもない現代文明の産物であり,それに嫌気がさして原生的自然をもとめる現代人の指向性も,現代文明の産物ではないか 。
人間にとっての自然とは、じつは手つかずの自然、原生的自然ではなく,「人間化された自然」にほかならず,「人間は自然全体を再生産する」のだから「自然は人間の作品」というべきである 。したがって現代人が指向する「自然」 は ,現代人の欲求にこたえるべく加工された「自然」でしかない。 原生的自然は人間の統制をこえた「荒々しい自然 」であり,そのなかでは人間は生きられないであろう。人間は原生的自然ないし本源的自然と調和しうるものではないのである。私たちはどれほど抽象的には手つかずの自然 にたいする憧憬があるとしても,好むと好まざるとにかかわらず、じっさいには現代文明のなかでしか生きられない。現代人が欲する「自然 」とは、自分たちの生活に潤いをあたえてくれる箱庭的自然 ,飼いならされた自然 ,現代の社会的制約のなかで 「人間化 された自然」 にほかならない。人間にとって自然はもはや 「人間化された自然 として立ち現われる以外にない。人間が経験する自然も,脳裏に描く自然も, そして憧憬する 自然も、いずれも「人間化された自然 」なのである。
この作品では、「自然」は
>己を縛るものをすべて引きちぎった
というように、自分にとってだけ心地よい空間でしかない。
その自分の快適さ(機能性)を基準にして
>山において人間と自然はまったく等しい
>人間も自然もともに循環する精神的原理
とかく。自分にとっての機能性を、精神原理にまで拡張してその原理を
>まったく同一の世界の遺伝子を共有しながら
と世界性にまで押し広げてしまう心性は、「現代詩」の求めるものとは程遠い

8769 : ネズミと暴君  アルフ・O ('16/04/19 23:23:54)
URI: [25] bungoku.jp/ebbs/20160419_022_8769p
(一)わかりやすい比喩が広がりを持って展開をスムーズに運んでいきます。
展開に意外性があるわけではないので単語選び(「ネズミ」「暴君」など)を、もっと更に独自性を持たせると作品強度が上がり再読性を持たせていくのではないか、と思います。

8770 : 春  のかげ ('16/04/20 19:25:08 *2)  [Mail]
URI: [26] bungoku.jp/ebbs/20160420_052_8770p
(一) 魚群よりも乱れてる足並み。でも魚群みたいにぶつからない群像。
この出だしは非常に興味深く読みました。逆説性との犇めきを言語で体現できており昇華することが出来ています。しかし、その後の体言止めの連続性や薄さが詩のまとまりとしてのバランスを崩していることが気になりました。三連目の魚から離れていったところも気になります。書きたいことが、しっかりと分かる作品なので推敲してみていって欲しいと思いました。

8781 : 春  熊谷 ('16/04/29 19:40:29)
URI: [27] bungoku.jp/ebbs/20160429_298_8781p
(一)この作品は「標本」が出てきてからは詩としての締りが出てくるのですが、それまでの心の揺れが、そのまま作品の揺れとして出ているように思えます。最後にかけて良い作品なので前半の方が散漫になっていないか、どうか推敲して欲しいな、と思いました。もっと良い作品になりそうです。
(一) 毎回ラストになんとなく希望的なものを持ってくるなあ、と思っていますが今回の作品では読んでいて強烈な違和感として残り、それが良いことか悪いことか判断が難しかったです。最終的には、深みが増して良いのかなぁ、と考えるに至りました。この作品は「標本」が出てきてからは詩としての締りが出てくるのですが、それまでの心の揺れが、そのまま作品の揺れとして出ているように思えます。最後にかけて良い作品なので前半の方が散漫になっていないか、どうか推敲して欲しいな、と思いました。もっと良い作品になりそうです。
(一)今まで作者の作品は一顧だにするに値しないという感じを持っていました。つまり彼女は詩人ではないと。
ですが、この作品に関しては「注目」していっても良いのかなぁ。
という印象を持たせてくれる要素は感じ取れました。
それはワードとワードの接続の仕方やそのセンスですね。
詩的なイメージを表現するコンテクストの構成方法というものや、
接続表現のちょっとしたニュアンスの使い方といったものは、教え
られて獲得できるものではない。

8735 : 傷官のほし  stay熊 ('16/04/04 03:04:14)
URI: [28] bungoku.jp/ebbs/20160404_720_8735p
(一)何かが生まれだしそうな作品の内側にある激情が伝わってくるようで迫力に飲まれそうでした。それがエンタメの角度も持っており、一作品内に全てが収まりきらなかったようにも感じられました。収まった時に傑作になるように思える作品でした。

8737 : サクラキライ  あまやま想 ('16/04/05 18:52:59)  [URL]
URI: [29] bungoku.jp/ebbs/20160405_738_8737p
(一)桜は、どうしてもハードルが高くなってしまうので書きたいことは書けているのですが、ハードルを越えられているかどうか疑問が残りました。

8782 : 春花  月うさぎ ('16/04/30 03:19:52)
URI: [30] bungoku.jp/ebbs/20160430_307_8782p
(一)書き始めて間もないだろう作者の作品。花の名を特定せずに書くという挑戦をしている。最後の「大和のこころをわしづかみ」は、もっと別のものがあると思えた。
(一) ここまでベタにやるなら、韻律もベタに七五でそろえたら面白いのかもしれません。

5.8775 : 誕生日の詩  ねむのき ('16/04/26 14:03:59)
URI: [31] bungoku.jp/ebbs/20160426_163_8775p
(一)>確かに冷静にみるとキモいですね
と作者の言う通り。
ちっぽけな「僕」の死、あるいは僕の存在の抹消が決定的になった瞬間に
>7階から墜落しながら
>世界はこんなにも透明で
>きれいだったと
>ちぎれた星座のように
>さいごに叫ぶだろう
「世界」や「星座」への見方が一変し、
>僕たちが、祈りを捧げるべきひと
に承認され、僕の行為が肯定される、というような筋書きははやり気持ち悪い
(一) ハッピーバースデイ。青白い牛乳って、腐ってません?
>青白い牛乳に、星は
>まるで魚のように
>ふらふらと漂っていて
  ここ、意味が分かりませんでした。

8756 : 逃避  月うさぎ ('16/04/14 15:49:58)
URI: [32] bungoku.jp/ebbs/20160414_927_8756p
(一)ニ連目と最終連は、書かなくても他の連からあふれていることなので別の綴りをした方が膨らむのかな、と思いました。またタイトルを含めて一つひとつの比喩単語が独自性がないです。使い古された比喩を使われてきたイメージのまま使っているので、ハードルが上がってしまい、そのハードルを越えることが出来ていません。作者の作品には書き始めの方特有のものがあり、それには好感しか持てません。たくさん書いて、いつか傑作を書いて欲しいと思っています。

8.8778 : 風の電話  紅茶猫 ('16/04/29 00:49:31)
URI: [33] bungoku.jp/ebbs/20160429_271_8778p
(一) 一行目、素晴らしい発見。

24.8768 : 無をゆく舟  ハァモニィベル ('16/04/19 23:14:46)
URI: [34] bungoku.jp/ebbs/20160419_021_8768p
(一)これからどうなっていくのか、という作品だと思います。形を維持したまま、言葉を洗練させていけば、良い作品になるのではと思います。

8759 : radiance part 1  田中恭平 ('16/04/16 00:22:41 *2)
URI: [35] bungoku.jp/ebbs/20160416_946_8759p
(一)タナトスの使用が非常に気になりますが、存在への恐れと不安が伝わってきます。新しくなくてもよくて、それを詩にし続けることには意味があると思います。
(一) 最後の方、面倒くさくなったのか、それともブロックごとに主体がかわっているのか? 判断できませんでした。


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