- 文学極道 blog - http://bungoku.jp/blog -

10月選考雑感(平川綾真智)

Posted By a-hirakawa On 2007-11-29 (木) @ 16:17 In 月間選考 | Comments Disabled

今月は優良作品に推挙されることの凄さを改めて思い知らされました。さまざまなベクトルの作品が揃った学ばせてもらうことの多い月でした。ありがとうございます。

次点佳作候補作品の中で、
2387 : [みあげたら  海]  香瀬 ('07/10/17 11:26:14)
URI: [1] http://bungoku.jp/ebbs/20071017_628_2387p
は優良作品に達していると私は思いましたが、「巧いという一線を乗り越えてくるものがない」「技術的支えは十分であるが、突出したものがない」などの理由で次点に留まりました。香瀬さんは非常に上手く、しかしその上手さは鮮度に溢れた上手さではないのでハードルが上がっているのかもしれません。
また、
2361 : 世界  凪葉 ('07/10/03 18:53:31)
URI: [2] http://bungoku.jp/ebbs/20071003_068_2361p
を優良へと強く推す声もありました。次点に留まりましたが、作者はハードルの高い主題で書けば書くほど風雅な味を出していくのかもしれません。 「凪葉さんの覚醒に驚いた」との声もあり、今後が非常に楽しみです。

2399 : ゼロの射程  狩心 ('07/10/22 01:03:46)
URI: [3] http://bungoku.jp/ebbs/20071022_819_2399p
は、それなりに面白い作品でしたが、まぐれ当たりだという印象を拭えません。練習嫌いな方が素振りを全くしてこずにたまたま打ったヒットだな、と感じました。素振りを欠かさず安定性を上げてからのまぐれ当たりはきっと場外を越えますので、そのアーチを見せて欲しいと思います。

優良作品では、
2400 : 便所の落書きがなく日に  いかいか ('07/10/22 13:12:22)
URI: [4] http://bungoku.jp/ebbs/20071022_829_2400p
が、飛び抜けた点数を叩き出していました。

現代詩として非常に密度が濃く、レベルの高い場所にあるものは同時に、遠くへと人工的に投げられる悲しさを抱かせることもあります。 無骨なポエム以下を書いている方が次第に醸していく詩情が個性的で魅力的なものへと変化することもあります。いずれにせよ作品と共に作者の成長(それは躓きも含みます)を多く見、学ばせていただきたいので、ボッコボッコに叩かれても是非作品提示を止めないで欲しいです。わがままな思いですが、よろしくお願い致します。

以上です。


Article printed from 文学極道 blog: http://bungoku.jp/blog

URL to article: http://bungoku.jp/blog/20071129-48.html

URLs in this post:
[1] http://bungoku.jp/ebbs/20071017_628_2387p: http://bungoku.jp/ebbs/20071017_628_2387p
[2] http://bungoku.jp/ebbs/20071003_068_2361p: http://bungoku.jp/ebbs/20071003_068_2361p
[3] http://bungoku.jp/ebbs/20071022_819_2399p: http://bungoku.jp/ebbs/20071022_819_2399p
[4] http://bungoku.jp/ebbs/20071022_829_2400p: http://bungoku.jp/ebbs/20071022_829_2400p